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タクシーを降り、ニノの後に続いてマンションへと歩を進める。
エレベーターの中でも自分の体を支えるのがやっとの状態。
タクシーに乗ったせいかな?
かなり酔いが回っているようで、グワンと回る頭が気持ち悪さを煽っていく。
眠いし、気持ち悪いし、なんだか吐き気までしてきた…。
俺、そんなに飲んだっけ?
眠いし、気持ち悪いし、なんだか吐き気までしてきた…。
俺、そんなに飲んだっけ?
考えてみても、アルコールの回った頭では思い返すことさえ難しい。
なかなか目的階に到着しないエレベーターに、気づいたら「早く…」と一人呟いていた。
ふらつく足取りで廊下を進み、何とかニノの部屋の前へと辿り着いた。
カチャリとドアを開けながら、
「…大丈夫ですか?」
そう声をかけられたけど、もう立ってることもままならなくて。
「わっ、リーダー、ちょっと…!」
ニノに覆い被さるように、玄関へと雪崩れ込んだ。
靴も脱がないままで、2人玄関に座り込む。
「もう、
こんな所で寝たりしないでくださいよ。」
ニノは少し呆れたような顔をするけど、
俺は眠さと気持ち悪さにやられて、今にも目を閉じそうになっていた。
「そんなところで寝ちゃうと風邪ひきますよ?
私一人じゃアナタを部屋の中まで運んで
あげられませんから。
それとも…」
そう言って、ふわりと距離を詰めるニノ。
ドキッとする俺にさらに顔を寄せてくる。
「そこで寝入って…
私にイタズラされたいんですか?」
耳元で囁く艶っぽい声にゾクリと反応してしまい、驚いて慌てて両耳を塞ぐ。
熱くなった顔をニノの方に向けると、ニッコリ笑顔と目が合った。
「ふふ、そんなに警戒しなくても。
良かったらもう少しだけ私に付き合って
くださいよ。」
そう言って立ち上がり、キッチンの方へと向かうニノを見て、今度は一気に体の力が抜けてしまった。
Writing by chitopo Special Thanks!