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……う………ん…さみぃ…
底冷えする寒さが身体の下からダイレクトに伝わってくる。
ひんやりまとわりつく空気も、肌を刺すみたいで。
目を閉じたまま、身を縮こませて自分をあっためようと僅かに動くと、なんか身体の下でジャリって感覚がする?
頭を動かすと、頬がぺたんって、池に張る氷みたいな平面に触れた。
つめたいっ!!
何!?ここは冷凍庫の中?
驚いて飛び起きると、
「ハッ…ハックシュンッ!!」
でっかいくしゃみが出てぶるっと震えた。
「凍っちゃう凍っちゃう」
ガタガタ震えがきて自分を抱きしめた。
風邪ひいたらまずいよ…仕事いっぱい詰まってるのに。
それに、結構無理な体勢で寝てたのか、身体のあちこちがバッキバキに痛い。
キョロキョロと周りを見回したけど、薄暗くて良く見えない。
「…ここ、どこだっ!?」
もしかして本当に冷凍庫??
俺、凍らされちゃうの?マグロじゃないんだからさ…。
恐る恐る手探りで自分のいる場所を確認した。
今俺が座ってるのは、キンキンに冷えたツルッとした平らな石の上っぽいけど、なんか触った手のひらに、細かい石のような硬いものが沢山くっ付いてくる。
パンパンって手を払って、今度は
両腕を思い切り平行に伸ばすと、すぐに壁が触れた。
ここって結構狭いのかも?
少しつづ薄暗さに目が慣れてきて、ぼんやりとだけど、俺の前には横の壁より暗い色の、頑丈そうな壁がそそり立っているのが見えた。
触ると氷の柱みたいに冷たくて、冷気を放ってる。あ、レバーがついてる。これ、ドアだ!
じゃぁ、後ろは?
四つん這いで移動すると、すぐに突き当たった先は、一段床が高くなってる。
触ると、やっぱりフローリングで、奥まで続いてるみたい。
フローリングの廊下と、ドアに挟まれたここは、
「玄…関?」
そして俺が寝ていたのは、
玄関のたたき?
「えっなんで玄関?」
ていうか
「どこの玄関っ?見覚えねぇぞ???」
なんで俺んちじゃないの?
なんで??
「また……まさか!?」
あの時の事が思い出されて一気に血の気が引く。
朝目覚めたら知らない人の家で…。
いや、まさかもういくらなんでも。ナイナイ、ナイナイ。
頭を横に振って全否定し、一生懸命記憶をたどる。
ええっと、昨日の夜、昨日の夜…。
そう…ニノに誘われて……
そうだ!ここ、玄関のたたきなんだから家主の靴があるだろ!?
玄関に置いてある靴らしき物を、飛びかかるようにして掴んだ。
薄暗くて細かいとこまではよく見えないけど、これ、ニノがいつも履いてるサンダルに間違いない!
良かったぁ。知らない人の家の玄関のたたきで寝てたんじゃなかった!!
ホッとしたら、ニノに文句の一つも言いたくなってしまった。
勿論こうなったのって俺の自業自得なんだろうけどさ。玄関先で…なにもたたきで寝かさなくてもさ。
寒さが身に染みすぎて凍りそうだよ…
「ひどいよニノ…」
そういえば今、何時だろ?
お尻のポケットに入れた携帯を取り出すと、
Writing by ハニーゆず Special Thanks!