ボーイフレンド(腐) | TRIP 嵐 妄想小説

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嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。

 
 

♠K

 

 

 

 


『どうかした?智くん?』

「あ、なん・・・でも、ないよ・・・こっちの事で、ちょ、ちょっと!まつ・・・・」

背中から抱き込まれるようにして、松潤の腕が絡みつく。

 

 

『智くん?』                                        

「や・・・」

『や?』

「いや、む、むし!虫が・・・

そう、虫が、きゅ、急に、と、飛んで来て、ビ、ビックリして・・・」

『なに?虫?

珍しいね・・・智くんがそんなに驚くなんて、

よっぽどな虫なんだろうね、俺だったら卒倒してるね、ぜったい』

 

はははと、翔くんが笑う。

その大らかな笑い声が俺の耳孔を擽る。

 

 

ずっと聴いていたい。

話していた。

 

そんな衝動が込上げて来る。

が!

悠長に、そんな事を考える暇なぞは、全くなかった。

何故なら、俺を抱き締める松潤の腕の力は強くなっていくばかりで・・・

おまけにスマホを当ててる方の耳とは逆の耳朶をこともあろうか、

甘 噛みしやがった!!

 

「ひっ!!」

『ひ、ひって・・・? 

さ、さと・・・し、くん??』

 

「は・・・・は、ははは・・・お、俺も・・・と、歳だなぁ

・・・な、何か凄ぇ虫で・・・・

だ、だから、虫を・・・た、退治しなきゃ・・・」

「た、退治って?智くん大丈夫なの?」

「お、おう・・・ま、任せとけって!た、たかが・・・む、虫だし・・・

じゃ、じゃぁな、しょ、翔くん!ま、また・・・今度な」

『えっ?あ、あぁ・・・また、それじゃお休み智くん』

「うん、お休み翔・・・くん・・・」

 

 

あぁ・・・折角の翔くんとの電話だったのに。

後ろ髪引かれるってのはきっとこんな気持ちなんだろう。

それもこれも、ぜ~ンぶ松潤のせいだ!

全く、松潤の奴、一体何考えてやがるんだ!!

 

 

電話の余韻に浸る間などなく、

松潤の腕を振り解こうと身体を捩ったが、逆に恐ろしい程、強く 抱 き 締められた。

 

「ちょ、ふ、ふざけんなって・・・・ま、松・・・潤・・」

「俺は、どんな虫なのかなぁ?

ねぇ、大野さん?」

 

くっくっくっ、と 唇 の端だけを引き上げるようにして笑う松潤。

そして、ビクともしない彼の腕に、

苦しさと、ちょっとした恐怖さえ俺の中に沸き始める。

兎に角、この状況をどうにかせねば・・・と、

みっともなくもジタバタと踠いてみたりもした。

したけど、どうやったって、松潤の腕を振り解く事は出来ない。

 

どうした事か『ジワリ』と、目頭が熱くなっていくのを感じる。

こんな事をする松潤になのか、それとも、

そんな松潤に全く歯が立たない自分自身に腹が立つのか?

訳の分からない苛立ちにすっぽりと包まれて。

悔しい!

同じ男なのに!

それも年下の!

手も足も出ないなんて・・・・・

昔はあんなに細っこくって可愛かったのに、

いつの間にかデッカク、可愛げのクソもなくなりやがった!

 

 

「クソっ!バカっ!!ふざけんなって!!!」

 

どうにか松潤の拘束から逃れようと、馬鹿みたいに手足をばたつかせてみた。

 

 

「てめぇ!放せっ!放せって、放しやがれって、

松潤、おま・・・一体どう云うつも「好きなんだっ!!」

 

 

一瞬。

松潤の発した言葉が何度も頭の中を木霊していく。

だけど、その言葉はまるでどっか知らない国の言葉みたいに理解出来なくって。

きっと、俺のことを傍から見たら間抜けた顔をしていたにちはいない。

 

 

「はぁ?ははは、はい? 

てか・・・・おま・・・いま、なんつった?」

「好きなんだ・・・・」

 

だれが?

 

「俺が・・・」

 

だれを?

 

「リーダー・・・・大野さん・・・を・・・」

「へっ?」

 

 

 

 

 

「えっ?えぇぇ~~っ!!

はぁ?えっ? なに? えっ? 

ちょ、ちょ、ちょっとタンマって・・・・・ま、ま、まつ・・・じゅん・・・

だって、おまえ付き合ってる人がいるんじゃ・・・」

「あんた、一体何時の話してんの?それに、それだってあんたの代わりだし・・・」

 

松潤はふぅ、と大きく溜息を吐く。

 

「代わりって・・・

ばっ、何云ってる、俺もお前も男だろがっ!・・・」

 

松潤の言葉に、彼の顔を見上げると、怖いくらいの真剣な男の眸が揺れていた。

 

「まつ・・・じゅ・・・」

「ずっと、ずっと・・・好きだった、あんたの事・・・

でも、あんたにそっちの気はないって思ってた・・・だけど・・・」

 

松潤の目がスッと細くなり、緩んでいた腕の力が再び、いやより一層強くなった。

 

「だけど、あんた・・・・あんたの視線に先には・・・・いつも・・」

 

そこで、先の言葉を呑みこむように松潤は 唇 を噛みしめた。

 

そうか、おまえ・・・

 

「そっかぁ・・・気が、付いてたんだ・・・」

 

松潤の細められた目が大きく見開かれ、そしてギュッと瞑られた。

 

「おまえ、本当にずっと、俺の事みてたんだな・・・・」

 

コクリと頷き拘束してた腕が緩んだ。

開放された腕がジンジンとして、本当に、強く 抱 き 締められていたんだ、と。

 

 

それ程、

本気?

だけど・・・俺は・・・

 

「悪りぃ・・・俺、おまえが気付いた通り、

好きなんだよ・・・翔くんのことが・・・

何時から?

そんなの全然分かんないけど、

気がついたら好きになってた・・・

 

だけど・・・

告るつもりなんてない・・・・

だって、俺が勝手に好きなだけだ、

翔くんの事・・・

 

まぁ、そんな訳だから、

松潤、おまえの事は・・・」

「待ってる・・・・いつまでも、いつまでも待ってるから・・・

ううん、翔さんのこと好きなままだって良いんだ・・・

ずっと、ずっと好きだったんだ・・・・

だから、だから、ちょっとでも、ちょっとでも良いから・・・・

俺のこと考えて・・・

俺のこと、嫌いじゃないよね? 

だったら、ねぇ大野さんっ!」

「ちょ、ま、つ・・・じゅ・・・」

 

ドサリと、ソファーに押し倒され、

その熱い勢いのまま、有無を云わせず唇を塞がれていた。

 

「!!」 

 

全体重で圧し掛かられ、自由まで奪われて。

抵抗しようと、松潤の背中をバンバン叩いた。

けど、幾ら叩いても、松潤はビクともしない。

 

「ば、なに・・・やって・・・・」

 

それどころか、

必死に顔を反らし然り飛ばそうと口を開くと、

狙いすましたように、

すかさず熱く滑ったモノが 口 腔 内 に滑り込んで来た。

 

松潤の 舌 が、まるで何か別の生き物のように、

俺の口の中を 蹂 躙 していく。

 

「ふっ、うっ・・・・はぁあ・・・・や、め・・・まつ、じゅ・・・・んっ!」

 

目的の物を見つけたと、云わんばかりに

彼の 舌 が俺の 舌 に、嬉々として 絡 み ついてきて。

ねっとりと。

逃げても、逃げても、それは 絡 みついて来る。

余りのしつこさに、松潤のそれに噛みついてやろうかなどと、

一瞬そんな考えが脳裏を掠めた。

が、そんな事・・・・絶対、出来るはずもなく、

結局、されるがまま俺は 翻 弄 され続けた。

 

なんでだ?

余りにも、熱い松潤の想いに俺は絆された・・・のか?

 

 

 

 

クチュりと、

リップ 音を立て、松潤の 唇 が離れる。

その余りの大きな音に、

今までの味わった事のない濃厚さを改めて感じ、

顔どころか、身体全体熱く火照っていた。

 

「あんた馬鹿だよ・・・

嫌なら、躊躇わず俺の 舌、噛 めばいいのに・・・・

そんなんだから、そんなに優しいから、俺に付け込まれるんだ・・・

 

 だから、悪いけど俺、付けこませてもらうから・・・・

覚悟して・・・・大野さん」

 

「止めとけよ・・・

俺が好きなのは・・・・」

「良いよ、代わりでも・・・何なら俺を翔さんと思っても・・・・」

 

くしゃりと松潤の顔が一瞬悲しそうに歪んだような気がした。

が、彼の手が俺の視界を遮ったのでよくは分からなかった。

 

 

先程とは打って変った、優しく啄むような 口 づ けが繰り返され、

呑みこまれていく。

 

 

 

「あ、あぁ・・・・ま、つ・・・・じゅ」

 

優しく、熱く、俺を 抱 く松潤。

 

彼に身をまかせたのは俺自身なのに。

なのに、

ずっと耳の奥で聞こえるんだ。

繰り返し・・・

 

 

 

 

『智くん・・・・』

 

翔くんを好きなのに、

松潤の腕も振り払えない。

 

 

何をしたいのかも、

どうしたらいいのかも、

何ひとつ考えられない・・・・

どうしようもない俺。

 

 

俺は・・・もう・・・

 

翔くんを好きでいる資格さえないのかもしれない・・・

 

 

 

 

 

 


 


 

 

 

 

 

 The end

 

  

  智は幸せになれなかったようです

  最初からやり直しますか? 

 

 

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          Writing by gako☆  Special Thanks!