日本のクマゼミの仲間 | 昆虫漂流記

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西日本を中心に昆虫を追いかけています。✌
東へ西へ、過去に未来に昆虫求めて漂流していますが、
近年は、昆虫だけにとらわれず、自然全体から、
観察する眼を持ちたいと思いますのでよろしくお願いします。

日本のクマゼミの仲間

新年なので縁起の良い?金色のクマゼミ

 

セミを漢字で表示すると「蝉」と書き、「ぜん」「せん」と読みます。
この「せん」が訛って「セミ」と呼ばれるようになったとか、胸部にある美しい模様から「背美」という意味から「セミ」となったとも云われる説が存在します。
蝉は世界に3000種類以上が確認されていますが、アジア地域は特に蝉の種類数が多く確認されています。

そのなかでも日本は南北に長く連なっている事から、寒暖差などの環境が多様に及んでいるので多数の種類が生息しています。

さて今回はクマゼミをとりあげようと思います。
クマゼミと云えば、一昔前までは西日本を中心に見られる蝉でしたが、今や東日本でも少しずつ生息域を広げている大型の蝉です。
成虫が見られるのは、八重山地方では7月上旬から、本州では8月から9月ぐらいに「シャーシャー」と大きな声で鳴いているのが聞かれます。

日本で確認されているクマゼミと呼ばれる仲間は、

  • クマゼミ
  • ヤエヤマクマゼミ
  • スジアカクマゼミ

の3種類です。

 

下記で3種類の紹介していきますが、各種の腹弁の色合いを比べてみると違いが明瞭だと思います。


 

  • クマゼミ

本州では関東以西(近年は関東各地で生息域を広げています)から四国、九州、南西諸島で生息しています。

兵庫県赤穂郡上郡町産 ♂ 2023年7月29日


上♂個体の裏面

 

上♂個体の腹弁の色合 

 

 

兵庫県赤穂郡上郡町産 ♀ 2023年7月29日

上♀個体の裏面

 

上2枚

クマゼミ生態写真

兵庫県赤穂郡上郡町産 2023年7月29日

 

琉球諸島に生息する個体をリュウキュウクマゼミ(過去に琉球亜種と呼ばれた個体)

 

リュウキュウクマゼミの撮影リンク先

沖縄県八重山諸島へ第4話 裏石垣 北部石垣島 にて遊ぶ 2023年7月4日~7月8日

沖縄県八重山諸島へ第5話 最終日も石垣島を満喫(7月8日) 2023年7月4日~7月8日

沖縄県石垣市産 ♂

2023年7月7日

 

上♂個体の裏面

 

上♂個体の腹弁の色合 

 

上2枚

リュウキュウクマゼミ生態写真

沖縄県石垣市産

2023年7月7日

 

日本最西の島 与那国島に生息する個体をヨナグニクマゼミ(過去に与那国亜種と呼ばれた)

沖縄県八重山郡与那国町産

 

と亜種分類されていた時代もありましたが、今は同一種とされて個体差の範囲とされています。
 

  • ヤエヤマクマゼミ

沖縄県の石垣島と西表島に分布する固有種で、リュウキュウクマゼミが平野部や海岸線の樹木で手軽に見つかるの事と違って、山地や森林で見られます。
体長はクマゼミよりもさらに大きく日本最大のセミになります。

沖縄県石垣市産 ♂

2023年7月7日

 

上♂個体の裏面

 

上♂個体の腹弁の色合 

 

  • スジアカクマゼミ

大陸に生息しているクマゼミで、日本国内では外来種で石川県の金沢市に生息しています。
2001年に国内で分布している事が発表されましたが、現在に至っても金沢市から分布が広がっていません。
分布地の周囲には水路が巡っている事から、一説には水路などの水が地中に存在する地域が生息に関係しているのでは?とも言われています。
中国などで昆虫食として食べられているのがこのスジアカクマゼミで「金蝉」と呼ばれて養殖もされています。

 

スジアカクマゼミの採集ブログ リンク先

スジアカクマゼミ 石川県金沢市 2023年7月24日

石川県金沢市産 ♂

2023年7月24日

 

上♂個体の裏面

 

上♂個体の腹弁の色合

 

 石川県金沢市産 ♀ 2023年7月24日

 

上♀個体の裏面

 

上2枚

スジアカクマゼミ生態写真

石川県金沢市産

2023年7月24日

 

 

最後に黄金に輝く金色のクマゼミ

(撮影許可済

赤松の郷昆虫文化館所蔵)