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考える道具を考える

The instrument which I think

高視聴率を維持し続けるNHK大河ドラマ「篤姫」も、いよいよクライマックスに近づいていますね。
残すところあと5回。

今週は龍馬死すとも‥。

篤姫と龍馬には直接の接点はないようだが、勝海舟を通じて、その精神を受け継ぐ決意をするあたりに、物語のサビが隠されているようだ。

再来年の大河ドラマは、龍馬が主役。
その大役を誰がやるのか、噂が噂を呼んでいるようだが、
今回の篤姫での玉木宏さんの龍馬は、それなりに良くイメージが出ている。

日本の国をどうするのか?
幕末の課題は、250年の長期政権を維持し続けた体制の変革。
国際社会の波の中で、日本が生き延びていくための選択に関する葛藤でもあったわけですね。

ところで昨日は、NHKでは、大河のあとの21時から、
ドキュメント「日本とアメリカ」の第3回目が放映された。
アメリカ大統領選挙をにらんで、
ワシントンの日本大使館を仕切る公使達の姿が描かれていた。

アメリカのアジア政策は、新しい大統領のもとでどのように変革されるのか?
日米の関係はどのように変化するのか?
アメリカの次期大統領を支えるブレイン候補達との様々な接触の中で、
大使館員たちの模索が続いている模様がドキュメントされていた。

幕末から明治維新を経て、現代に至るまで
日本はまだ100年程度の時間しかたっていない。
日本という国のあるべき姿は、この100年の間、ずっと国際社会の波に打たれながら、
模索が続いた日々だったといっていい。

幸いにして、海外の列強からの直接的な植民地支配は逃れたとはいえ、
この100年に培った日本人の国際交渉力は、どのように変革してきたのだろうか?

今、確かに、現代の龍馬の登場を、
日本人は心から待っているのかもしれない‥‥。

アメリカのグリーンスパン氏が発言した「100年に一度の全世界的恐慌」という危機の表現。日本人は依然としてピンと来ていないようだ。

輸出に依存した日本の企業が、大きな痛手を蒙っている円高は、結果的に経済全体の景気後退を促進してしまう。輸出関連企業が停滞すると雇用の中心が揺らぐ。減産の影響は全国の中小企業を襲い、給与は下がり、消費は低迷する。消費が伸びないと、当然、サービス産業はグラツキ、いよいよ地域経済も後退する。

いずれにしても、基幹産業依存型の日本の経済は、大きな転換期を迎えることになる。

こういう時期は、ベンチャーの活躍する時期だ。
新しい市場を創造する。新しい商品を開発することが、アイデア次第で市場に歓迎される。

昨日のニュース番組で登場していたロードサイドのハイエナと呼ばれる新ファミレス経営の若者は、まさに景気減退の結果生まれるビジネスモデルを実現させようとしている。大資本が撤退した後のロードサイドのファミレスの施設を居ぬきで買収し、1億円程度かかる新店舗開設費用を500万円程度で実現してしまう。

そこには、企業のブランドも、企業イメージもなにもなく、ただひたすら、安くておいしくて、腹いっぱい食べられる空間を提供する。消費者も歓迎する。この時期ですから。

このビジネスモデルも、総体的な景気後退の隙間をぬってビジネス展開する一例ではあるでしょう。但し、この成功物語には、不動産の知識、金融の知識、レストランの現場の知識など多様な知識が必要ではありますね。

ベンチャーの発想は、ある意味こういう小回りのきくフットワークのよさが生かされます。ビジネスの隙間がどんどんできるこの時期が、ベンチャー企業浮上の絶好の機会と捉えるのが良いでしょう。

環境、医療、教育、住宅、文化芸術‥‥そしてITの活用など‥この100年間で培ってきた日本のビジネスが変革のアイデアを待っているといえるからですね。


11月3日は、手塚治虫さんの生誕80年。
記念企画として渋谷パルコファクトリーで「手塚治虫の遺伝子 闇の中の光展」が開催されている。

1928年11月3日生まれ。
60歳で昇天された漫画世界の創始者手塚治虫さんが描いた世界は、
人間そのものでしたね。

戦争体験から生命の尊さを実感し医学の道に進みながら、
漫画の世界に身を投じた手塚さんの生き様は、
戦後の団塊の世代を中心に圧倒的に支持され、
そして手塚ワールドを築き上げていった。

現代の漫画コミック、劇画の世界は、
手塚さんなくしてなかった世界であることは誰もが認めるところ。

その物語性には今でいうサプライズが満載で、どの作品にも、未来の可能性から光を当てた現代の問題を指摘する慧眼に溢れていた。
人間を愛すればこそ、人間の醜さを描いた。

私の手塚さん体験は、新しい表現への弛まない挑戦という
その生き様において同時代体験を得たのでした。

いつまでも、深く深く尊敬するものです。

2009年度版の超整理手帳を購入した。
表紙の色がカラフルになって、それまで、黒、紺、グレー、黒と続いてきたカバーの色から、何故か「黄色」を選択してしまった。

しまった‥という表現が正しいかどうか分かりませんが、東京八重洲ブックセンターの手帳コーナーにある超整理手帳のコーナーでは、表紙のカラー別に売場の棚に展示してあるのですが、黒が圧倒的に多く、全体の6割以上、次いで紺、その他の色はやはり人気がないのか殆ど5冊程度しか置いていない。

その下の棚の端っこに、黄色があったのです。

かつては、お金が貯まる色彩として、黄色や黄金色がもてはやされた時期がありましたね。方角や占いなどの、非科学的な決めつけによって、人々は家の南の方向には黄色の帽子などを壁にかけたりしたらしい。

そんな根拠のない色彩感覚が、私の心のどこかにあったのか‥あるいは、お金が欲しいという潜在意識が働いたのか‥単に、黒系じゃ面白くないと思ったのか‥理由は定かではありませんが、気がついたらレジで黄色の表紙の超整理手帳を購入していたのでしたね。

この手帳の特徴は言うまでもなく、時間軸でスケジュール管理する一覧性に最大の利点があります。
蛇腹になったA4横サイズの週間スケジュール表をパラパラと広げて、長期短期の時間を管理する。しかし、一日分のスペースが小さいので、私の場合は、殆ど予定内容がはみ出てしまう。それでも、この手帳を選択するのは、慣れと習慣ということになるでしょうか?

発案者の野口悠紀雄先生は、超超整理術のような出版物を出しています。ネットIT時代に適応した手帳活用術が述べられています。しかし、手帳に未来を書き込むという行為は、やはりどこまでいってもアナログの世界だと思いますね。

2009年の私の未来は、黄色く染まるのか?


ある広告代理店の若い方々から、
提案を受けた。

ミーティングの場で、提案内容の説明を聞いていくうちに、
突然、スクリーンに展開されていたパワーポイントの資料が閉じられて、
マインドマップが登場した。これはビックリ!


マップには、提案のプロセスが展開されていた。
なかなかうまく説明できないと感じた相手が、提案の心を伝えたいと思ったからなのでしょうか?

しかし、同席した当社の役員は、マップを使った説明を受けているうちに、
少しずつ、いらいらしはじめてしまった。

私は、自分でマップを活用しているので、
ほとんど違和感はなかったが、同席した役員は、マップは使わない。
どちらかというと、ロジックツリーなどのツールを使いこなしているタイプだった。

‥‥

そして、私もマップを使った説明には、
大きな落とし穴があると気がついた。

一言でいえば、マップの思考プロセスが、ほとんど通じてこない。
言い換えれば、独りよがりなのですね。
特に、何の説明もないまま、マップを動かすのは、ダメだろ!って‥。

何の説明もなく、マップを画面上で動かしながら、
そして同時に、私が発言すると、それが次の枝に書き込まれていくのを待ちながら、
ディスカションするのは、とても無理、不自然なのですね。
そのほんの僅かな「間」が、耐えられない長さに感じてしまう。

その都度、逆に思考が停止してしまう。

社内のミーティングで認知された討議ツールとして活用するのなら良いでしょう。
でも、はじめて会った相手に、このツールを使う時は十分注意が必要だと思いましたね。

そこでマップでのプレゼンの注意点を考えてみた。

 1 マップを作成するまでの討議のプロセスに参加していなければ、
   マップを見た相手は、残念ながら「単なる絵」としか見えない。
 2 問題点を共有化するには、思考の過程を説明しなければならないとしても言葉が足りない。
   枝に乗っかっている言葉が文章になっていると、ほとんど何を書いているのか見えない。
 3 恐らく思考の過程で活用する自分のマップと、相手にその内容を説明するマップの姿は
   違うのだろうと思う。

マインドマップの利点は、確かに様々ありますね。不必要な資料を作成しなくても、そのままで議事録になり、ミーティングに活用すれば参加者の参加意識も盛り上がる。一人で問題を整理するには大変役に立つツールではありますが、それを知らない相手に強要すると、ほとんど話しが展開されないという欠点もある。

そういえば、出来上がった他人のマップを見ても、残念ながら何も感じられないのは、それは、言葉に込められた意味の解釈ができないからなのでしょう。

   結論
   マインドマップも一つのツール。
   道具は使い方を間違えると目的を見失う凶器にもなる。