考える道具を考える -69ページ目

考える道具を考える

The instrument which I think

妻夫木聡さん演ずる直江兼続の物語。
今年の大河ドラマのテーマですね。

既に、3回まで放映され、篤姫人気に支えられてか好調な視聴率です。

戦国時代の物語は、信長、秀吉、家康の天下取りの物語が圧倒的に多く、次いで、武田信玄と上杉謙信、伊達政宗などの地域型武将が有名どころ。また、これらの武将を支えた参謀や重鎮の物語も面白い。柴田、前田、毛利、石田等などが続くが、直江兼続がテーマに上げられたことはかつてなかった。

歴史から学ぶものは、成功物語ばかりではない。
新潟の魚沼エリアといえば、今ではこしひかりの有名ブランドの産地として有名だが、歴史物語のテーマになることは少なかったといえますね。

天地人の楽しみ方は、こうした、天下取りの歴史をひとつの地方から見た視点の面白さにあるのではないか‥とでもいえばいいのでしょうか?
律儀に自らの殿様に忠義を尽くすという武士の鏡のような生き方をした兼続の生き方を縦軸として、その周辺の人々、特に権力を手中に収めた信長や秀吉の姿がどのように見えるのか、そのあたりの描き方に興味が尽きません。

今年も楽しませていただきます。


小説家 瀬戸内寂庵さんのケータイ小説が爆発的な人気を得たというニュースは記憶に新しい。

そんなケータイというメディアの力の大きさに驚いていた矢先、瀬戸内さんはNHKの番組に出演して、改めて活字媒体の魅力について語っていた。もうケータイ小説は書かないという。


この瀬戸内さんの考え方に共感しました。

ケータイ小説の制限性は、小説という物語の伝達に限界を与えているのは確かですね。活字媒体には、長い年月を経て培われてきた「空間性」があり、活字の余白にある「白」には、読者の自由な「時間」が存在している。

それに比べ、ケータイに描かれていく小説には、残念ながらこの「空間性」と「時間性」の自由の余地が、まだない。物語は運んでいくのでしょうが、その先のイメージが狭いといえるのでしょうね。

ブログ小説というジャンルがあるのかどうか分かりませんが、ブログで小説やエッセイなどを掲載している方々も多い。私も偶然の出会いから、小説を書いている何人かの方のブログにお邪魔することがある。しかし、ブログという媒体もまた、ケータイに近く、物語を展開するには「空間性」に欠けるように思える。

活字媒体が絶対だとは思わない。しかし、書籍として纏められるという行為には、活字で描かれた物語の「全体性」があるのだと思う。機能ではなく、一冊の本という表現の全体性‥。

ブログには、残念ながら、この全体性がなく、フローの情報として流れていってしまう傾向があるのだと思う。

でも、ブログに小説や文学の世界を自分に引き寄せて、物語を書き続けている方を、私は尊敬する。
言葉による表現の可能性への挑戦は、まだ始まったばかりだからだ!


いろいろ、やってみたいよね!


2006年2月にブログをはじめて4年目に入ろうとしている。

最初のころは、何を書いていこうか、一回一回、結構真面目に考えた。
テーマが見つからなくて、行き詰った時、私は、敬愛する詩人谷川俊太郎さんのこんな言葉に出逢った。
その言葉を、自分のブログに書き写すことによって、私は、書き続けることの意味を自分の中に発見したように思う。4年目の始まりに、改めて俊太郎さんの「詩選集」のあとがきの部分を書き写そうと思う。



  詩を書き始めようとする時、
  一枚の白い紙を前にして私はいつも途方に暮れます。
  ‥白い紙がまるで荒野のように見えます。
  私に出来ることと言えば、ただじっと待つことだけです。

  ‥‥

  私に言葉を択ばせるそのエネルギーは、
  私たちの使っている日本語自身の中にあるのです。
  時間的にはさまざまに変化しながらも数千年にわたって語りづがれ‥

  ‥‥私にとってインスピレーションを待つとは、
  見知らぬあなたの、言葉にならぬ魂のきしみに
  耳をすまそうとすることだといえるかもしれません。


そうでした。私とあなたの、言葉にならない魂のきしみに、改めてじっと耳を澄まそうと思います。

オバマ大統領の就任演説の中身は、
かなり厳しいものとなっていましたね。

経済政策、外交政策、公共投資、新しい事業創造‥
それらの事業の大きな柱を立てるために、
国民に向かって「問い掛け」をしたのが、特徴的なものでした。

我々には、その問いに対する答をだすチャンスに恵まれた!

そして、我々には、それができる(Yes we can!)
但し就任演説には、このフレーズはなかった。
それはこれから国全体で出す答えでもあるからですね。

凄い、ポジティブな発想。

ところで、相手に問い掛ける言葉は、
コミュニケーションを円滑にするための最も基本的なフレーズだといわれています。

   ‥あなたは、どう考える?
   ‥あなたは、どんな風に感じる?

この問いは、相手への関心の強さを示す言葉ですね。

もちろん、自分自身に向けて発する問いも重要です。
相手を自分に変換すると、こうなります。

   ‥おまえは、どう考えるのか?

そうですね。これはリルケの詩の一フレーズにつながります。

   ‥おまえは、どう感じているのか?
    おまえ自身を!

考える道具を考える-オバマ演説集
オバマ大統領の正式な誕生の日。
今日から、何が変わるのか?

今、ベストセラーになっているオバマ演説集(朝日出版社 2008年11月刊)についてる「生声」を聞いている。(写真)私が好きなフレーズは、こんな一節だ。

America, we have come so far. We have seen so much.
But there's so much more to do.
So tonight, Let us ask ourselves:
If our children should live to see the next century,
if my daughters should be so lucky to live as long as Ann Nixon Cooper,
what change will they see ?
What progress will we have made?

This is our chance to answer that call.‥‥
 今こそ、その問いかけに答えるチャンスです。

問いかけ‥。
詩情豊かな表現力。
そして、困難な状況に対する変化への挑戦の意欲。

アメリカの人々は自らの手で新しい指導者を選んだ。
だから選んだ側にも、責任があると自覚する。

日本人は自らの国の指導者を、
果たして自分達の手で選んでいるという意識があるのだろうか?