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 青森ドクターヘリ スタッフブログにリンクを設定していただきました.先輩救命救急センターの活躍を参考に,我々も精進したいと思います.今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます.

 本日は緊急手術1件,ICUで気管切開術2件でした.気管切開は幸部先生,岡本先生の指導下に,総合診療科の先生に担当していただきました.本日の写真はその時の一コマです.

本日のドクターヘリ
 バケツをひっくり返したような雨のため,人の動きもなく,要請,出動ともに0でした.救急車も少な目で,早めにセンターを後にするつもりでした.ところが・・・

 本日の夜勤担当,岡本先生から「他院から不安定型骨盤骨折,ショックの患者さんが転医になります.居残りしてください」との連絡です.救急車で50分以上かかります.すでに日没,ドクターヘリは飛べません.とにかく早く当センターに辿り着かせて下さいと伝えます.気管挿管の準備,急速輸液の準備など慌ただしく受入準備を進めます.「お願いします!」救急隊と前医の担当医が入ってきます.第1印象・・・あれ?頸動脈も触れない!!到着直前に心肺停止に陥ってしまったようです.速やかに心肺蘇生開始.岡本先生がコマンダー,小生が胸骨圧迫,吉山先生(他院からの研修中)が気道確保,幸部先生,他の科の先生方は輸液のパンピングです.前医の画像所見から不安定型骨盤骨折にまちがいありません.とにかく出血を制御しなければ.左開胸,クロスクランプを決断します.と同時に緊急輸血のオーダーです.開胸しクランプをかけるころには輸血が来ています.吉山先生に心マを任せ,幸部先生と小生で後腹膜パッキングを行います.その後にサムスリング装着・・・外傷初期診療が出来ない病院へ一時収容するのではなく,trauma bypassの概念から当センターへ現場あら直送されていたら・・・いろいろな思いを持ちながら夜は更けていきます.

明日は晴れると良いなあ.
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来年度,電子カルテシステムを入れ替えるにあたり,病院視察へ行ってきました.どのメーカー,システムも資金と運用によって良くも悪くもなるということです.

本日のドクターヘリ(ヘリ記録より転用)
1件目 意識障害
 救急覚知同時要請です.救急車であれば20分以上かかる地域からの要請です.速やかな搬送で診断,治療に結びつきました.
 頭蓋内出血で緊急手術となりました.適切なヘリ要請が2次性脳損傷を軽減します.

本日の写真はヘリの機窓からシリーズ,「思わず撮った雲の上」です.なかなか体験出来ません.

小生は留守でしたが,番匠谷先生,岡先生で非閉塞性腸管膜虚血,小腸壊死,腹膜炎の緊急手術がありました.術後管理を含め,お疲れ様でした.

本日はあっさりしたブログです.仕事が溜まって少々焦っております・・・
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 フライトドクターとともにフライトナースは現場に向かいます.フライトナースの仕事は多種多様です.早朝からの機内準備に始まり,現場に向かう機内では,少ない情報から輸液,薬剤,気道確保,心電図,開胸などの準備を行います.着陸すれば資機材をかかえ,患者の元へ.ドクターの介助,救急隊への指示,情報収集,記録,家族対応,機内収容準備など息つく暇もありません.現場で一番周りが見えているのはフライトナースなのではないでしょうか.機内へ収容すれば酸素切り替え,モニタ装着,バイタルチェック,患者さんへの声かけ,薬剤投与,記録などなど狭い機内で一番働きます.病院に到着すれば,記録のまとめ,初療看護師への申し送り,使用したトーマスバックの整理,機内整備,薬剤補充など,出動が重なれば食事もトイレも行けません.運航が終了すれば資機材の撤収,資機材補充・整備,日誌記載など長い1日がやっと終わります.こんな大変な役目なのですが,うちのフライトナース達は誰一人嫌な顔をしません.自分たちが救急医慮において,大きな役目を担っていることを感じ,そしてその成果を実感しているからでしょう.これからも共にがんばっていきましょう.本日の写真はそんなフライトナースのリーダー,濱看護師の機内写真です.

 本日は但馬地域ドクターカー導入研究会が夕方からありました.ヘリだけではなく,ヘリを補完する意味でもドクターカーは必要となります.実現に向け,具体的な話し会いが行われました.この1~2年でこの地域の救急医療体制は大きく良い方向に変わります.この波に乗り,本当の救急医療を実践したい医師,看護師の方は是非当センターへお越しください.待ってます.

 ドクターカーの会議終了後,急性虫垂炎の手術で病院に呼び戻されました.術者の番匠谷先生,助手の幸部先生で手際よく手術してくれました.小生は何も手出しせず,安心してセンターを後にしました.

本日のドクターヘリ
 要請・出動ともに0件でした.
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 救命救急センターは常に忙しいわけではありません.忙しい時は座る暇もありませんが,患者さんが途切れたり,ドクターヘリ待機(給油)中は日常を楽しんでいます.
 本日の写真です.
 左上;今日神戸に空輸されたJA818Hと給油待ちのJA822Hです.この2 shotはこれが最後でしょう.
 右上;今日でお別れJA818Hの前で記念撮影.三竹@操縦士さん,小林@本日で182フライト,福本@フライトナースです.男三人,蒸し暑い日に暑苦しくて申し訳ありません.
 左下;番匠谷先生の操縦で出動・・・「これミサイル発射ボタンですか??」こらこら.
 右下;本日は岡本先生の誕生日です.お昼にケーキでお祝い.ケーキは米田フライトナースからのプレゼントです.

本日のドクターヘリ
1件目 施設間搬送
 くも膜下出血の患者さんの転医依頼です.急性期の脳外科手術を行う病院は北近畿では当院だけです.搬送時間短縮と再破裂防止を目的にヘリでお迎えです.救急車なら1時間.
 患者さんは搬入後,脳外科チームにて緊急手術が行われ,夕方ICUに帰ってこられました.

2件目 水難事故
 日本海沿岸からの要請です.水難事故で意識なし.ヘリ到着まで20分はかかる地域です.「陸にあげられています」との情報.10分程度フライトしたところで,救急車にて直近の救命救急センターへ搬送するとのこと.キャンセルです.
 キャンセルは大歓迎です.早期医療介入と搬送時間を考慮した現場救急隊の判断で良いと考えています.お互いの信頼関係があって初めて成り立つドクターヘリです.

3件目 小児喘息重積発作
 小児の呼吸困難,チアノーゼにて救急覚知同時要請です.救急車で搬送しても15~20分の地域ですが,早期の医療介入がいかに患者さんにとっては重要かを消防が認識している結果がこの要請です.ヘリは離陸後2分でランデブーポイントに到着です.しばらくして救急車が滑り込んできます.相棒の番匠谷先生と救急車に乗り込むと,小さな体で一生懸命に息をしようと頑張っている女の子.意識は朦朧として声も出ません.喘息重積です.速やかにルートを確保し薬剤投与.呼吸が安定したことを確認し,ヘリで離陸です.治療開始から離陸までは10分以内.2分後にはTECCMCへ搬入です.
 消防の判断は今回もすばらしい,適切であると感じました.TECCMC搬入後,薬剤の追加投与で呼吸もさらに安定し,小児科へ入院となりました.次の4件目の出動がかかった時,しっかりとした目でドクヘリクルーを見送る女の子が印象的でした.

4件目 意識障害
 意識障害,右半身麻痺で要請です.要請された地域を考え,搬送先病院の選定を行いながらフライトします.現場救急隊からの情報で,脳梗塞を強く疑います.ランデブーポイントの小学校校庭に着陸です.雨上がりのため砂塵はあまり巻き上がりません.救急車に乗り込み番匠谷先生が診察します.小生はご家族から情報を収集します.どうやら昨日から動けなかったようです.基礎疾患などを考慮し,救急車でかかりつけ病院へ搬送していただきます.
 このように,現場で医師による判断が出来ることは良いとこであります.究極の往診がドクターヘリであると考えています.

5件目 交通外傷(乗用車 VS 乗用車)
 4件目の事案対応中に要請です.7名の傷病者,内1名が重症.海辺の町から山間部の町へ飛びます.多数傷病者事案ですが,幸いほとんどの方は軽症のようです.1名の重傷者に集中して対応しましょう.事故発生から少々時間も経っており,ドクターヘリは事故現場ではなくランデブーポイントへ着陸です.救急車内で外傷初期診療を行います.受傷から45分後のことです.閉じ込め事案で,この地域から救命救急センターまで1時間半はかかることを考えると,非常に早い医療介入です.気道は開通,呼吸促迫,酸素飽和度は酸素投与下で,何とか96%.右胸郭に圧痛があります.皮下気種はなく,呼吸音に左右差もないのでこのまま搬送します.循環は問題なし.FASTも異常なし.胸部外傷を考え,輸液を施行しながらTECCMCへヘリ搬送です.
 諸検査にて肺挫傷,肋骨骨折,骨盤骨折,鎖骨骨折が見つかりました.骨盤骨折は造影剤の漏出もあり,そのまま血管造影,塞栓術を施行しました.術者の幸部先生,番匠谷先生,お疲れ様.救急医にとって血管造影,塞栓術の技術と知識は必要不可欠と考えています.

日勤が終わってみれば,蒸し暑い中皆よく働きました.今宵は岡本先生と夜勤です.静かであって欲しいです.
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本日は大阪でセミナー講師をしてきました.日本救急看護学会主催の救急看護セミナーです.お題は「救急領域における腹部疾患」と「腹部外傷」.3年連続お話しをさせていただいております.フライトスーツをジャケットに着替え,いつも給油で使っている但馬空港から飛行機で伊丹空港へ飛びました.但馬空港のエプロンには天候不良にて神戸に帰られない初代豊岡ドクターヘリ「JA818H」が静かに休んでいました.セミナーに参加された皆様に,但馬救命救急センターのHPとこのブログを紹介しました.何かご質問,お問い合わせなどあれば「teccmc@gmail.com」までご連絡ください.お待ちしております.

本日のドクターヘリ(記録から転記します)
1件目 痙攣
 サッカーの練習中に痙攣を起こされたようです.同時要請で,速やかに出動,早期医療介入を実現していました.状態が安定していたため,ヘリで直近の2次病院へ搬送しました.本日の写真上段がランデブーポイントの様子です.

2件目 交通外傷(軽乗用車単独事故)
 傷病者2名でした.現場直近の河川敷に着陸,現場から外傷初療を開始しています.1名を救急車搬送,1名(重症)をヘリ搬送としています.2名ともTECCMC搬送です.この地域は受傷から外傷初療開始までが本当に早い地域となりました.本日の写真中段がヘリ着陸地点から現場を見たところ,下段左が現場活動する松井先生,幸部先生.下段右がヘリ搬入時です.今日は小さな写真ですが,盛り沢山にしてみました.

3件目 転落
 適切な要請で早期医療介入と搬送時間の短縮につながりました.外傷はTECCMCへ搬送です.

4件目 脳内出血
 意識障害にて救急覚知同時要請でした.繰り返す嘔吐,意識障害に伴う舌根沈下,短い頸など悪条件が重なって,低酸素からの心肺停止に陥ってしまいました.ランデブーポイントで気道確保(輪状甲状靭帯切開)を行い,オートパルスを装着,ヘリ内で心拍再開させてTECCMC搬入となっています.非常に厳しい病院前救急医療を幾度も乗り越え,本当のフライトドクター,フライトナースになっていきます.

留守を守ってくれた医局の先生方,本当にお疲れ様.朝まで平和な時間が流れることを切望しています.
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朝,822Hが但馬空港からやってきました.新車(新機)の香りです.その香りに包まれながら,いつもより念入りに運行前点検を行いました.では,今日からよろしくです!

本日のドクターヘリ
1件目 施設間搬送
 徐脈性不整脈の患者さんの転医依頼です.救急車であれば30分近くかかります.転医依頼を受けた番匠谷先生は直ちにドクターヘリでの搬送を決断します.その数分後,転医元病院の所轄消防よりヘリ要請,10分もかからずランデブーポイントへ到着します.患者さんを救急車内で一度診察し,情報を前医よりもらうとどうやら徐脈頻脈症候群のようです.万が一に備え,経皮ペーシング用のパドルを貼付しTECCMCへ搬送です.幸いペーシングは必要とせず搬送できました.

2件目 交通外傷(閉じ込め事案)
 18時前の要請です.天候調査を行い出動です.運航管理室には日勤を終えた番匠谷先生,藤巻看護師,明けで仕事をしてた岡先生の顔があります.「軽トラックの単独事故.現在救出中」.行きの機内では輸液ルートの作成,現場状況の確認など慌ただしく時間が過ぎます.どうやら救出にはまだまだ時間がかかり,また患者さんは非常に重篤な状況のようです.現場直近に着陸可能な所はないか確認すると,民間会社の駐車場が使用可能とのこと.現場から約500mほど離れた駐車場です.上空から事故現場の状況を確認し,指定された駐車場に着陸です.ここから資機材を担いで,現場まで走ろうとすると,一台の乗用車が止まります.「事故現場まで乗せます!!」非番の消防職員の方でした.そのお陰で,小生,相棒の三浦先生,清水看護師は速やかに現場へ投入されます.しかし,まだ患者さんは車内に閉じ込められたまま・・・救急隊,救助隊が必至にがんばっています.我々も急速輸液,気道確保などの医療行為を始めます.多職種間の意思疎通が大切な現場ですが,下半身が挟まりなかなか救出できません.日没・タイムリミットの連絡がきます.ヘリの運航が終了するのであれば,次のミッションはありません.ということは,我々がここに残って治療を行うことが可能ということです.ヘリだけを帰投させ,我々は現場に残る決断をします.ヘリが離陸した3分後,救出完了.しかし,非常に厳しい状況に変わりはありません.救急隊と共に救急車に乗り込み,20分離れた直近の病院へ搬送します.車内でも必至の治療は続きます・・・搬送先の病院へ引き継ぎ,各種資機材と共にセンターへ帰ってきたのは21時前でした.

岡先生,番匠谷先生はヘリの帰投が決まるまで運航管理室で待っていたそうです.もし,TECCMCに搬入していたら真っ先に駆けつけてくれたはずです.医局に帰ると,藤巻フライトナース(本日日勤)が現場から帰ってきた3人に差し入れを置いといてくれました.温かい仲間って良いもんです.今日も沢山の方々にご協力をいただきました.感謝の気持ちを忘れず,明日からも日々努力いたします.
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2ヶ月半働いてくれたドクターヘリ・818Hが機体変更になります.本日夜,但馬空港内格納庫で内部機材の交換を行います.新たな仲間は822H.スキッドがちょっと短く,フロート(浮き輪)の装着は出来ない機体です.真っ新の機体です.明日からよろしく!お世話になりました818H.本日の写真は但馬空港エプロンに並んだ「兄弟機」です.どちらが818H?822H?

この時期なぜか,呼吸不全の患者さんが多いです.昨夜も何人の呼吸器をウィニングしたでしょうか.自発呼吸を残しつつ,適正な鎮静.皆さん,早く良くなってください.相棒の番匠谷先生は,初療対応でがんばっておられました.

本日の日勤でも呼吸不全の患者さんが入院です.また自家用車で来られる途中に心肺停止になった方,外傷をおった方,吐血の方・・・岡本先生,山邊先生,倉橋先生 お疲れ様でした.

本日のドクターヘリ
1件目 草刈り機による下腿裂創
 救急覚知同時要請です.昨日はチェーンソー,本日は草刈り機.出血性ショック?いろいろと想定しながら相棒の岡先生とフライトです.山中なので,ドッキングまでに時間がかかるかも,もしかしたらランデブーポイントから現場まで移動して山の中まで行くかも.山登りになったら岡先生に行ってもらおうと心に決めて飛び続けます.離陸後10分ちょっとしたところで「軽症にてキャンセル」の連絡.出血は止まっていたようです.緊張から解き放たれる瞬間です.消防も要請のタイミングがかなり早くなっています.ドクターヘリをいかに有効に活用するかを本当によく考えておられます.そのお陰で,かなりの有効性が発揮されています.

2件目 墜落
 救急隊現着後要請です.2mの高さから川へ墜落,胸部外傷疑いです.救急車なら1時間以上かかる地域です.輸液,エコーなどの準備を行いつつ約10分でランデブーポイントへ.待つこと3分,救急車がランデブーポイントへ滑り込んできます.岡先生は横のドアから患者さんの頭側へ,小生は後ろのドアから患者さんの真横へ乗り込みます.受傷から30分程度で外傷初期診療が始まります.気道,呼吸,循環は安定していますが,左前胸部に圧痛があります.エコー(FAST)で心嚢液貯留が疑われますが,ドレナージ出来る量ではありません.ランデブーポイント滞在時間10分以内,初期輸液を施行しながらヘリでTECCMCへ搬送です.非常に適切なドクヘリ要請でした.

今日は明けですし,ICUも一段落.早めに帰宅します.そうだ,3ヶ月半ぶりに散髪に行こう.明日はすっきりしてるぞ~.
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本日の写真はヘリ搬送中の岡本先生です.機内は狭いので,原則地上で安定化してから機内収容します.モニタを見つめる目も真剣です.

本日は日勤帯に急性虫垂炎,虫垂切除術がありました.術者は岡先生,助手は幸部先生,研修に来てくれてる吉山先生でした.癒着などあって,少々手こずったようですが,30分ほどで手術は終了しました.

他は日勤帯での入院はありませんでしたが,それなりにバタバタしていました.

本日のドクターヘリ
1件目 意識障害
 救急覚知同時要請です.情報はほとんどありません.血糖値測定の準備,輸液の準備などしながら追加情報を待ちます.すると「意識回復!ドクターヘリキャンセル」 意識がもどって良かったです.キャンセルは厭いません.そのためのキーワード方式です.

2件目 意識障害
 列車内で急に意識消失された模様です.1例目と準備は同じ.追加情報が入ってきます.「意識清明ですが,血圧低め,徐脈です」 これはやばいかもと思い,12誘導心電図,エコーの準備もします.本日のランデブーポイントは高校のグラウンドです.砂塵を巻き上げながらドクターヘリが着陸します.高校生の大声援の中,救急車内に乗り込みます.脈拍40回/分,血圧も低い・・・本当にやばい!!末梢ルートを速やかに確保し,硫酸アトロピンを静注します.効果あり!では心電図に心エコー.心筋梗塞ではなさそうです.しかし,精査は必要です.循環器内科がしっかりしている直近の救命救急センターへヘリ搬送します.約5分のフライトですが,搬送中の脈拍数,血圧は上昇しています.救急車だったら30分以上,もしかしたら心停止になっていたかもしれません.早期医療介入を実現させる消防の要請が,患者さんの命を救います.

3件目 出血性ショック
 2件目の搬入にヘリポートに降り立ちます.その直後,「京都方面から要請です!!」患者搬入,申し送りを速やかに済ませます.いつもいつもご協力いただいているO先生(小生の大先輩です),本日もありがとうございます.初療からヘリポートまでダッシュです.場所は・・・当センターのドクターヘリがカバーするエリアの端から端の移動になります.患者情報は,「チェーンソーで左下腿を切った.今,山から降ろしてます」.予定では後25分かかります.「血圧60台・・・」追加情報です.非常にやばい!輸液を2ルート組みます.ランデブーポイントは小学校の校庭.ヘリ着陸し,救急車内へ.岡本先生が気道,呼吸,循環を速やかにチェックします.FASTは異常なし.患者さんの意識も朦朧としています.左下腿は圧迫止血が成されています.小生は末梢ルートを2本確保し,加圧バックを使用した急速輸液開始です.ヘリに搬入.ヘリは速やかに離陸です.約5分で1000mLの輸液が入ったところで,意識もしっかりしてきました.搬送はいつもお世話になっている直近の病院です.引き継ぎ時には大分落ち着かれました.早期医療介入によりまた1人の命が救われました.

さて,今宵は番匠谷先生と夜勤です.どんな夜になるのでしょう・・・
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TECCMCは「TAJIMA EMERGENCY & CRITICAL CARE MEDICAL CENTER」の略です.救急医学,集中治療学を専門にする我々を象徴する名称にしました.ちなみに「てっくしーえむしー」と読みます.

本日の救命救急センターは非常に静かでした.救急車もほとんど来ず,もちろん入院もありません.医局の先生達は思い思いに勉強したり,ICU管理に集中したりしていました.

本日のドクターヘリ
要請,出動ともに0でした.

今日はあっさり味のブログでした.明日からまた濃い~日々なのでしょうか・・・
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本日の写真はフライトスタッフが現場出動する時のスタイル紹介です.耐火性のフライトスーツに安全靴.事故現場や足場の悪い現場に行くことが多いので安全靴は必須です.現場状況によってはヘルメットも着用します.自分自身がケガをしないことがまず第一です.こんな格好をしていますが,医師と看護師です.ご安心ください.

本日の日勤は穏やかな時間が流れました.救命救急センターが忙しくないことは良いことです.

本日のドクターヘリ
1件目 激烈な頭痛
 運航開始前の機内点検中に要請がかかります.救急隊現着後要請で,激烈な頭痛でくも膜下出血疑いとのことです.本日の相棒は山邊先生と福本看護師.向かう機内で現場対応の仕方,鎮静方法,搬送先などについて確認します.指定されたランデブーポイントへ着陸すると,救急車はまだ時間がかかるようです.そこで現場にもう少し近いランデブーポイントへ急遽移動となります.早期医療介入のためにどうすれば良いかを考えた結果です.支援隊の皆様のご協力に感謝します.ランデブーポイントで患者さんを診察し,注意深くヘリへ収容,TECCMCへ搬送します.救急隊は現場で確定診断をつけることは出来ませんが,緊急度,重症度の高い疾患,損傷の可能性を判断する能力に長けている必要があります.今回のように,自身の現場評価に自身を持ってヘリ要請をしていただくことが,住民の皆様のためになります.

2件目 切断指
 小生の出身地近くからの要請です.学生時代によく遊んだ(ウィンドサーフィンにダイビング,花火などなど)所です.情報は「第3~5指の切断.再接着が必要」です.どうやら県内に受入先がなく,搬送に困って長距離搬送も視野にドクターヘリを要請されたようです.指定されたランデブーポイントに向かいますが,内陸方面は霧がかかり視程が悪い状況です.そこで,急遽海岸方面に臨時ランデブーポイントを指定し,そこでドッキングすることとします.相変わらず綺麗な海と海岸線です.学生時代に車を停めていた駐車場に,今回はヘリを駐機させます.少々砂が巻き上がりますが,安全に着陸です.救急車内には行き先の決まらず,不安そうな患者さんがおられます.どうやら耕耘機のファンベルトに指を巻き込まれたようです.受傷時間から再接着の可能性ありと判断し,少々遠いですが唯一の受け入れ先,TECCMCへ搬送です.約20分で到着.救急医と形成外科医が待ち構えていました.