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 熱中症の気節になりました.野外でお仕事,運動をされる方はもちろん,閉めきった屋内で作業などをされる方も水分補給と休息を十分にとってください.熱いお風呂での「のぼせ」にもご注意ください.熱中症は甘く見ると命にかかわる疾患です.我々もドクターヘリ内,初療中には適宜,水分補給をしております.
 
 お知らせです(地元ネタです).7月20日,27日,「サンスト夏の夜市」にTECCMCのメンバーがうかがいます.ドクターヘリや救命救急センターのことを少しでも市民の皆様に知っていただければと思います.当日はフライトドクター,フライトナースの何人かがブース内におります.お気軽に声をかけてください.TECCMCのPV放映,ドクターヘリペーパークラフト(JA822 version)配布,記念撮影会などを考えております.どうぞよろしくお願い申し上げます.

サンスト夏の夜市;詳細はこちらのHPをご覧下さい.
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http://www.sunstork.com/yoichi/2010yoichi/chirasi.htm

本日のドクターヘリ
要請・出動ともに0件でした.本日もお疲れ様でした.
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 本日は但馬地域のJPTECコースが開催されました.メディカルコントロール(MC)に関連した病院前外傷救護の教育コースです.小生は勤務の都合上,出席出来ませんでしたが,受講生,指導者の皆様,大変お疲れさまでした.病院前から病院内まで,レベルの高い一貫した外傷診療の出来る地域であると自負しております.今後も皆で切磋琢磨し,地域住民の方々のお役に立てるよう努力しましょう.

 週末の救命救急センターは相変わらず多忙です.救急車も多く,WALK INも途切れません.診療の待ち時間が長時間になることもありますが,緊急度,重症度の高い患者さんを最優先としております.救命医療の維持,救命救急センターの機能維持のためにもご理解とご協力をお願いします.

本日のドクターヘリ
1件目 窒息
 救急覚知同時要請です.食事中の窒息,意識なしとの情報です.ドクターヘリは5分後にランデブーポイント上空に到着です.ランデブーポイントのグランドでは野球の試合中.試合を一時中断していただき,消防の支援隊により安全確保,ヘリは着陸します.センター付近から三塁側ブルペン付近のグランド入り口に向けて,相棒の岡本先生,福本看護士とともに,トーマスバッグ,輸液バッグなどを担いでダッシュです.グランドの外に停車中の支援車で現場に向かいます.汗が流れ落ちます.現場に到着するとちょうど救急車内に収容するところです.非常に切迫した状況,血管は虚脱しておりルート確保は難しそうなので,迷わずBIGで骨髄内輸液路を確保します.ものの数秒.岡本先生は気道,呼吸管理を行いながら病院選定です.現場で出来る治療は開始しています.ヘリが待つ野球場へと救急車に同乗し向かいます.搬送先はTECCMC,機内でも精一杯の治療は続きます.

2件目 墜落
 お昼ご飯のおにぎりを口にした瞬間,ドクターヘリ要請の一斉PHSが鳴ります.全てを差し置きヘリポートへ走ります.救急覚知同時要請のようです.ランデブーポイントまで約10分程度でしょうか.離陸後,患者さんの情報を聞きます.「小児,墜落」.機内では手際よく準備が行われます.岡本先生,小生は消防と無線を使った情報交換です.どうやら意識状態が不安定のようです.ヘリは漁港近くの駐車場に着陸します(写真).消防,警察ともに安全確保に尽力いただきます.ランデブーポイントで救急車の到着を待つその時,「○○消防から要請が入ってます!」運行管理室からパイロットの三竹さんへ連絡が入ります.○○消防の要請内容を聴取,緊急度が高そうで,ドクターヘリの適応と考えます.○○消防の救急隊はまだ現場到着していません.本事案のランデブーポイントからTECCMCまで10分,TECCMCから次事案のランデブーポイントまで10分弱.本事案のランデブーポイント滞在時間を最短に,TECCMCへリポートまで初療ストレッチャーで迎えにきてもらえれば時間のロスはないと判断します.よし,次事案の要請を受けることは可能です.本事案は速やかにヘリへ搬入,機内で評価と安定化をはかることとします.ヘリクルー間で意思統一をはかった直後に救急車がランデブーポイントへ滑り込んできます.救急車内へ乗り込み外傷初期診療を開始です.ABCはOK.しかし意識レベルはやはり悪そうです.速やかに機内へ搬入,飛行中にFASTと末梢ルート確保を行います.10分後,ヘリポートに着陸,エンジンカットせず,ヘリポート内で初療ストレッチャーに乗せ換えます.初療担当の幸部先生,三浦先生に申し送りをし,再び大空へ飛び立ちます.

3件目 痙攣,意識障害
 運行管理室から情報を聞きます.「痙攣し意識なし」.救急隊はランデブーポイント真近まできているようです.10分弱でランデブーポイントに着陸,救急車まで約100mダッシュします.今日はよく走る日です.やはり日頃のトレーニングは必要かもしれません.明日からがんばりましょう.いつかのブログにも同じことを書いた記憶があります.救急車は約10分ほど待ったようですが,この地域では10分走っても病院には着きません.TECCMCまでは40分以上かかります.少々待ってもドクターヘリとドッキングすることが早期医療介入になるのです.そのためには救急覚知同時要請でなければなりません.そのことを十分に理解している消防機関だからこそ,このようなミッションが実現するのです.幸い,患者さんの容態は落ち着いています.初期診療を行いつつヘリへ搬入,TECCMCへ搬送とします.

 今宵は番匠谷先生と夜勤です.患者さん,救急車は途切れません.お昼間の子供さんはまだまだ重症対応が必要です.日付が変われば静かになるでしょうか・・・なると良いなあ・・・
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 ドクターヘリの運航中枢は「運航管理室」です.消防機関からの要請応需,ランデブーポイントの確認,飛行プラン作成,ヘリとのやりとり,消防機関とのやりとり,搬送先医療機関への受入確認などなど一度要請が入れば殺気立ちます.我々が安心して現場に飛べるのは,運航管理室のお陰です.本日の写真は要請応需直後の運航管理室です.
 
 本日は日付が変わって22時現在,救急車の搬入台数が17台です.紹介搬入が多い1日でした.幸い救命救急センターの緊急手術はありませんでした.皆様,お疲れ様です.

 先ほどまで,ドクターヘリスタッフミーティングを行っていました.フライトドクター,フライトナース,運航会社が集まって,和気藹々,ざっくばらんにディスカッションを行いました.2ヶ月半で200件以上の出動です.明日からのフライトに役立つ濃い議論が出来ました.すばらしきフライトチームです.

本日のドクターヘリ
1件目 目撃あり心肺停止
 同時要請です.ランデブーポイントからは支援車で現場に向かいます.救急救命士による気道確保,末梢ルート確保は終了済み.速やかに薬剤投与とオートパルスの装着です.救急覚知から約30分後,一時的な心拍再開を得ましたが,再び心停止・・・これ以上の現場滞在は無意味です.救急車に搬入しランデブーポイントへ.機内の胸骨圧迫にオートパルスは非常に有用です.薬剤投与を繰り返しながらTECCMCへ搬送します.

2件目 突然の構音障害,左半身麻痺
 日没間際の要請です.発症時間がはっきりしています.脳梗塞なら血栓溶解療法へいけます.救急車なら50分以上かかる地域ですが,ヘリなら10分以内に到着可能です.日没との兼ね合いも考えた現場活動が必要です.予め救急隊にはいつでも搬出可能な体制をとっておくよう指示します.ヘリの着陸と同時に救急車がランデブーポイントに滑り込んできます.相棒の三浦先生は気道,呼吸,循環の確認を行い,CPSSをチェックします.小生は末梢ルート確保.CPSSは2項目陽性です.ならばTECCMCへ.速やかにヘリへ搬入し離陸です.着陸から離陸まで8分.そして,ヘリポートからはdirect CTです.救急覚知から40分後には診断がつき,治療が開始されました.

 早期医療介入,搬送時間の短縮,治療開始が後遺症軽減につながるなどを常に念頭に置いている消防機関.この4月から北近畿の救急医療は本当に良い方向に変わりました.患者さんのためにも,躊躇することなくどんどんドクターヘリを要請して下さい.
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 フライトの合間に医局にいました.1本の電話が,「先生,車検証の期限が今日までなので持ってきました!」.ディーラーさんがわざわざ持参して来られました.「お忙しそうなので.体に気をつけてくださいね」.この地域の皆様は,どこに行っても同じです.院内の方々も同じです.本当に温かく,支えていただいております.もちろん,現場も同じです.救急隊だけでなく,支援隊,救助隊含め多大なる支援をいただいております.本日の写真は支援車に乗って現場に向かう車内から.感謝の気持ちを忘れず,日々の診療に取り組みたいと思います.

 本日の初療は比較的静かでした.良いことです.ICUも重症度が下がりました.先日の頭部外傷の男の子は元気に退室です.先週の下部消化管穿孔,敗血症性ショックの患者さんも落ち着かれました.我々が忙しくないことが,一番良いことなのでしょう.

本日のドクターヘリ
1件目 トラクターの下敷き
 朝の回診終了後,ドクターヘリ要請の一斉PHSが鳴ります.本日相棒の山邊先生,林田看護師とICU(3階にあります)からダッシュです.ヘリはすでにエンジンスタート.離陸直後に運航管理室から情報を聞きます.「トラクターの下敷き.意識無し」.ランデブーポイントまで約15分.外傷です.温かい輸液,エコーの準備,開胸セットの準備などを行います.ランデブーポイントに近づけば,現場の救急隊,支援隊と通信です.患者さんの詳細な情報をもらいながら,ヘリはランデブーポイントへ着陸です.救急覚知から治療開始まで約30分.この地域では最速でしょう.外傷初期診療の手順に従い速やかな蘇生を行います.山邊先生と手分けして最短の時間で診療します.胸部外傷,外傷性窒息と判断します.虚脱した血管にルート確保は困難です.駆血帯を巻く時間ももったいな!BIGで橈骨遠位端に骨髄内輸液路を数秒で確保します.加圧バッグを用い急速輸液を行いながらヘリへ搬入します.厳しい状態ですが,これ以上現場で安定化させることは不可能です.ランデブーポイントから約5分の救命救急センターへヘリ搬送します.ドクターヘリによる早期医療介入と搬送時間の短縮が実践された事案です.

2件目 施設間搬送
 肝損傷(IIIa型)で保存的加療をしている患者さんの施設間搬送です.奈良まで飛びます.急性期なので,陸送(3時間半はかかります)よりはヘリ搬送です.片道約40分でランデブーポイントに着陸,お迎えに来ていただいた先生に引き継ぎます.快く転医を応需していただき,またお迎えまで来ていただき感謝申し上げます.平城宮跡を上空から眺めつつ帰路につきました.せんとくん・・・見つけられませんでした・・・

3件目 バイク事故
 医局カンファレンスルームでフライトナース数名とパイロットの三竹さんと談笑中に要請がかかります.三竹さんはエンジンスタートのため,いち早くヘリに駆け出します.約4分後離陸.山邊先生が患者さんの情報を運航管理室に聞きます.「○○歳くらいの男性,バイクの単独事故」.ランデブーポイントまでは約10分.ヘリがランデブーポイント上空に到着すると同時に散水完了,救急車到着です.この連携はヘリの要請回数が多くなればなるほどスムーズになります.救急車内には全脊柱固定された患者さんがしっとりと冷や汗をかいておられます.救急覚知から約25分で外傷初期診療の開始です.腹部にガードレールで打った打撲痕,左下肢の変形・腫脹.意識は清明です.山邊先生がFASTを行う合間に小生は末梢ルートを確保,初期輸液療法を始めます.やはり重症外傷が疑われます.迷わずヘリでTECCMC搬送です.初期輸液により,機内で冷汗は引いてきます.早期医療介入により循環の改善が得られました.そしてそのままヘリポートから岡本先生,倉橋先生の待つ初療室へ搬入,診療を引き継ぎます.初期診療を終え,安定化した患者さんは救命救急センターへ入院となりました.

 今宵は岡先生,三浦先生コンビが夜勤です.初療もICUも平和であれば良いですね.がんばってください!
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 今日の豊岡の最高気温は32度.湿度が高く,日差しも強いのでフライトスーツの下は汗・・・.追い打ちをかけるかの如く,JA822Hのエアコンはご機嫌ななめ.飛行中,後部の小窓を開け換気します.水分補給は欠かせません.暑い日こそ,心穏やかに冷静に現場に向かいます.

 本日の写真は,3件のランデブーポイントと,山中からの救助風景です.

本日のドクターヘリ
1件目 伐採した木に挟まれている(山中の事故)
 山中での作業中の事故です.救急隊現着時,木の下敷きになり救出に時間を要する,胸部外傷疑いにてドクターヘリ要請です.本日の天候は問題なく,山越えで一直線に現場へ向かいます.飛行中に消防本部と情報共有し,「現場への医師投入」とのことです.すなわち山登り!6月5日の再現でしょうか(ブログ参照).メンバーはその時と同じ,小生,幸部先生,安積看護師です.奇遇です.現場に出来るだけ近い駐車場に着陸,支援車で現場に向かいます.山道の下で支援車を降り,山に入ります.幸い患者さんは救助済みで下山中とのこと.少し登ったところで,患者さんに接触します.舟形担架で搬送しながら意識,気道,呼吸,循環をチェックします.幸い安定しています.であれば救急車へ急ぎ,引き続きの診察を行いましょう.約5分後,救急車内に収容です.とその時,突然の嘔吐!どうやら頭部に打撲痕があり,頭部外傷も疑われます.ヘリで一番近い救命救急センターへ搬送することを決め,救急車でヘリの待つランデブーポイントへ.速やかに離陸し約5分で病院ヘリポートに到着です.救急車であれば,谷間の道を抜け,40分以上はかかったでしょう.消防の適切な要請により,早期医療介入と搬送時間の短縮が実現した事案です.

2件目 痙攣
 突然倒れ,痙攣しているとのキーワード.同時要請です.但馬空港で給油中に運航管理室から連絡が入ります.燃料を補充しなければ行けない距離の現場ですが,速やかに燃料を補給し離陸です.患者さんの情報をもらうと,どうやら頭蓋内疾患が疑われます.搬送先病院選定も考えつつ,準備をします.飛行時間約20分でランデブーポイントに着陸,時を同じく救急車もランデブーポイントに滑り込んできます.1分1秒を無駄にしない活動には,救急覚知同時要請しかありません.今回も有用性を発揮します.救急車に乗り込み患者さんを診察すると,繰り返す嘔吐による気道閉塞,酸素飽和度低下が見られます.非常にやばい状況です.意識もありません.血圧も高値です.間違いなく脳血管障害.であれば十分な鎮静,鎮痛下に気管挿管を行いヘリ搬送です.頭もとでは幸部先生が救命士さんと気道,呼吸管理,小生は安積看護師とルート確保と薬剤投与です.十分に麻酔がかかった後に気管挿管.血圧も若干下がります.治療中に予め手配してもらった病院へヘリ搬送とします.約5分後,患者さんは安定した状態でヘリポートからCT室へ搬送されました.消防の適切な要請と二つ返事で受入を応需していただける病院のお陰で,今回も後遺症軽減に寄与出来たと思います.ありがとうございます.

3件目 溺水
 消防入電と同時に要請です.「子供が川で溺れてぐったりしている」 それ以上の情報はありません.とにかく急ぎます.川であれば,河川敷に降りられるかも.現場の位置を消防に確認します.約12分後,現場を発見,案の定河川敷の駐車場に着陸可能です.現場にいた救急隊員に安全確保をしてもらい着陸です.救急車内へ急ぎ,診察です.小学生,意識はなんとかありますが,顔色悪く,酸素飽和度は80%台です.十分に酸素を投与すると,酸素飽和度も上がり,意識もはっきりしてきます.これなら安定した状態でヘリ搬送可能です.近隣医療機関は救急車で20分以上かかり,小児対応は困難な模様.であれば15分以内に到着可能なTECCMCへヘリ搬送です.飛行中は高度の関係で低酸素になりやすく,注意を要します.TECCMCのヘリポートへ到着.待ち構えていた救急医と小児科医の手へ委ねます.一命を取り留めました.

 本日はヘリが非常に有効に活用された事案ばかりでした.このような適切なヘリ要請が救命率向上と後遺症軽減につながります.暑さと脱水で少々バテましたが,少しでも役に立てたという実感があり,心地よい疲れです.

 今夜は溜まった仕事を少しでも片付けたいと思います.
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 番匠谷先生との夜勤コンビは最近大荒れです.昨夕,院内急変の患者さんがICUへ入床されました.呼吸不全,循環不全をはじめとした多臓器不全の状態です.24時間勤務明けドクターヘリ勤務終了後の松井先生,日勤終了後の岡先生,総合診療科の若手の先生方と対応しました.人工呼吸管理,循環管理,急性血液浄化療法などのサポート.しかし,状況は厳しく朝まで安堵の時はありませんでした.他の入床患者さんの対応,初療での緊急内視鏡など番匠谷先生とともにフル回転でした.そんな状況でも軽快され,ICUを退出される患者さんも沢山おられます.我々の元気の源はここにあるのかもしれません.

本日のドクターヘリ
1件目 小児の転落外傷
 覚知同時要請です.2階の窓からの転落.救急車であれば,現場からTECCMCまで50分程度かかる地域です.飛行中,濱看護師,倉橋先生と共に準備を行います.ランデブーポイントに着陸(本日の写真),ちょうど到着した救急車まで走ります.ペディスリーブに固定された患児との接触は覚知から23分後.泣いています.気道,呼吸,循環は問題なさそうですが,やや意識レベルに問題ありそうです.どうやら頭部外傷のようです.飛行中の痙攣などに備え,ルート確保です.現場での小児のルート確保は時間との勝負もあり,何度経験しても汗をかきます.全てを安定化し,救急隊とドッキングしてから約10分で離陸です.外傷症例の搬送先はもちろんTECCMCです.外傷医の存在,救命救急センターを経験している複数名の脳外科医の存在は心強いものがあります.覚知から約40分後には,secondary surveyの一環としての「外傷・全身CT」が施行されました.その後,初療で手術待機中に嘔吐,痙攣が出現,気道,呼吸に問題が生じ気道確保,呼吸管理となりました.ヘリ搬送でなければ,救急車内で嘔吐,痙攣,呼吸状態の悪化に陥っていた可能性もあります.まさに,今回の症例は消防の適切な要請が早期医療介入,搬送時間の短縮から後遺症軽減につながったケースであると考えます.

 運航終了直後にもう1件要請がありましたが,空港へのフェリーと日没の関係から出動不可能と判断しました.大変申し訳ありません.

 今回のような,早期医療介入と搬送時間短縮が有効であった症例は素直に喜び,運航運用上の問題で,十分な対応が出来なかった事案は真摯に,かつ速やかに今後の対応策を考慮しなければなりません.全国で展開されつつあるドクターヘリ事業,当地域のヘリ事業が他の地域の参考になりますよう益々の努力をいたします.
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 沖縄ドクターヘリ スタッフブログにリンクを設定していただきました.南の救命救急センターの活躍を参考に,我々も精進したいと思います.今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます.

 日勤の初療,ICUともになかなか充実した内容でした.日勤の岡先生,山邊先生には居残りしていただき大変助かりました.ICUは重症度も高く,24時間勤務明けの三浦先生,松井先生含め,本日ICU担当の番匠谷先生,小生ともにフル回転での対応でした.そのままの勢いで夜勤帯に突入です・・・

本日のドクターヘリ
1件目 交通外傷
 バイクの自損事故です.覚知同時要請.現場直近に許可されたランデブーポイントがないため,我々は指定のランデブーポイントに着陸してから支援車で現場に向かいます.救急隊の現場到着とヘリのランデブーポイント着陸が同時刻です.救急車とドッキングし外傷初期診療を始めたのが受傷後30分以内.いつも適切な要請をありがとうございます.一番の恩恵は患者さんが受けられています.救急車内で診療を行いながらヘリの待つランデブーポイントへ向かいます.本日の写真は救急車内で診療中の松井先生,藤巻看護師です.外傷はTECCMCへ.ランデブーポイントから約5分で到着です.

2件目 労災事故(山中)
 鳥取県西部から初めての要請です.離陸時にランデブーポイントは未定です.しかし,鳥取方面に取り敢えず向かいます.現場の位置を聞くと,小生が大学時代を過ごした所の近くです.飛行しながら運航管理室経由で状況を聞きます.山中での労災事故のようです.西部まで約40分近くかかりますが,発生現場の位置などからヘリ対応が早期医療介入につながると消防が判断されたようです.対応準備,搬送先病院の選定,天候の調査など慌ただしく準備をしながら日本海沿岸を飛行します.その時「軽症にてキャンセル」との連絡.安堵の空気が機内に流れ,帰投です.早期医療介入と搬送時間の短縮のために,いかにドクターヘリを利用するかを考えている消防本部の対応と要請,山陰の救急医療が確実に進化しています.今後ともよろしくお願い申し上げます.

 さあ,夜勤です.寝られますでしょうか?
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 本日は大阪で「レジナビ」が開催されました.医学生,研修医の先生方への病院紹介・アピールの場です.当センターからはフライトスーツ姿で岡本先生に行っていただきました.良い宣伝になりましたでしょうか?会場には沢山の先生方もおられたようで,ドクヘリ関係で八戸市民病院の千葉先生にお会いしようです.ブログでもリンク,では医者同士もリンクということで記念撮影・・・岡本先生から拝借した本日の1枚です.救急医療はこんな全国的な交流がある,素敵な職業です.

 本日も救命救急センターは休みなしです.日勤帯に下部消化管穿孔,敗血症性ショックで緊急手術を行いました.術者は番匠谷先生,小生が指導医です.2時間以内に手術は終了,しかし循環は安定せず,各種モニタリング管理下にLong Term PMX-DHPを導入しました.初療,手術,集中治療と一貫した治療が出来る体制は,患者さんにとっては非常に良いです.救命率も上がります.夜間はICU担当の三浦先生,松井先生ががんばってくれてます.
 
本日のドクターヘリ
1件目 半身麻痺(ヘリ記録より転記)
 小生が手術対応のため,岡先生の単独フライトです.千里救命で病院前救急医療には十分慣れているので安心してお任せです.消防からは血栓溶解療法の適応があるかもしれないとの判断で,ドクターヘリ同時要請です(すばらしい!).要請地域に血栓溶解療法をやっている病院はなく,当センターまで救急車で40~50分かかります.天候が悪く,内陸方面に入っていけないのでランデブーポイントの変更を行いましたが,早期医療介入に影響の出ない範囲だったようです.ランデブーポイントで岡先生の診察の結果,脳梗塞を強く疑うとのことでヘリでTECCMC搬送となりました.

2件目 小児交通外傷
 手術も終わり,ホッと一息.ヘリ出動の一斉PHSが鳴ります.岡先生とともにヘリに乗り込みます.要請内容をヘリ内で確認します.「小児,車に轢かれ意識無し」 輸液準備,骨髄針準備,小児用トーマスバッグ準備,搬送先病院はどうする?・・・慌ただしく準備を行います.ヘリは悪天候の中,視界が確保出来る飛行ルートで安全にランデブーポイントへ向かいます.救急車はすでにランデブーポイントへ到着済み.この地域は救急車で陸送するよりも,少々ランデブーポイントで待っても,こちらの方が早期医療介入になるのです.ヘリ着陸,待ち構えていた救急車内へ乗り込みます.岡先生は頭もとで気道,呼吸の管理,小生は足元で骨髄輸液路確保.2人を同時にサポートする福本看護師は,手際よく対応します.救急車内で外傷初期診療・治療を行います.厳しい状態が続きますが,これ以上現場に滞在するメリットはありません.ヘリで直近の受入可能な病院へ搬送します.いつもいつも快く応需してくださり,大変助かっております.ヘリ内でも最大限の治療を行います.5分少々でヘリポート到着,引き継ぎを行って,帰投します.

 天候と日没の関係から,今宵は当院ヘリポートにJA822Hはお泊まり(駐機)です.
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 24時間勤務明けで外を見ると「雨」と「霧」・・・前線が通過中とのこと.昨夜珍しく初療が落ち着いていた番匠谷先生.ジブリファンの彼女は昨夜「紅の豚」を控え室でTV鑑賞し,ご機嫌でした.ちなみに小生担当のICUは・・・ちょっと疲れました・・・

本日のドクターヘリ
1件目 左半身麻痺
 カンファレンス,回診を終えるとヘリエンジンスタートのPHSが鳴りました.救急覚知同時要請です.突然の左半身麻痺,呂律困難.雨と霧の中(本日の写真),安全な飛行経路をとりながらランデブーポイントに向かいます.飛行中に相棒の番匠谷先生が消防などから情報収集です.雨で濡れたグランドは散水の必要はありません.ランデブーポイントに着陸,救急車の到着を待ちます.5分後,救急車が滑り込んできます.前の扉から番匠谷先生,後から小生が救急車内に入ります.気道,呼吸,循環は安定していますが,やはり左半身に麻痺があります.ならば速やかにTECCMCへ搬送です.ヘリポート to direct CT.もはや当たり前の導線です.ヘリ症例は救急覚知から診断まで,救急車症例の1/3の時間です.

2件目 切断指
 切断指の再接着も時間との勝負です.だからドクターヘリが要請されます.厚い雲が迫ってくる中,切断指の要請が入ります.ヘリのミッションも迫り来る雲と時間の勝負です.救急車から速やかにヘリ内へ患者さんを移します.搬送先はTECCMCしか選択肢はありません.とその時,別事案の要請です.次の事案のランデブーポイント飛行途中にTECCMCがあります.ヘリポートまで初療スタッフに迎えにきてもらい,エンジンカットせず引継,再び雨空に飛び立ちます.

3件目 船上事故
 港でのランデブー予定です.ウィンチに巻き込まれたらしいとのこと.詳細は不明です.雲を避け,川の上を海に向かって飛行します.患者さんの情報はありません.おそらく,まだ海上なのでしょう.ヘリの機窓から見下ろす見慣れた景色も段々白っぽくなります.もうすぐ海,その時ヘリが旋回します.「視界不良にて帰投します」 患者さんのことを考えるとクルー全員本当に申し訳なく思います.しかし,安全に事故なく運航することも大切なことです.早期の天候回復を切望します.

 明日は大阪で「レジナビ」が開催されます.当センターからは岡本先生がフライトスーツ(本ブログ参照)で参加します.会場で見つけて下さい.当センターのプロモーションムービー(←なかなかの力作になりました!iMovie,すばらしいアプリです)と資料を用意して待っていると思います.
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 豊岡といえば「コウノトリ」が有名です.野生のコウノトリが大空を元気に舞っています.幸せを運ぶコウノトリ,ドクターヘリにもコウノトリがデザインされています.ドクターヘリによって,たくさんの幸せがもたらされるよう日々努力いたします.

 本日は明け方の腹部刺創緊急手術で目覚めました.術者は幸部先生,小生は第1助手です.適切な手術適応の判断でした.

 日勤帯の初療は比較的落ち着いていましたが,ICUで少々バタバタしました.他科術後の患者さんがなかなか安定化せず,該当科の先生,麻酔科の先生たちとディスカッションを繰り返しました.その甲斐あって,夜間から安定の方向へ向かっています.多くの先生方とディスカッションし,それを統括し治療に反映させるのが救急集中治療医の仕事です.

本日のドクターヘリ
1件目 クモ膜下出血
 施設間搬送です.救急車であれば50分かかるところを,10分で揺れも刺激も最小限にヘリで搬送します.ヘリポートからCT室へ直入.CT-Angioで瘤の位置を確認し脳神経外科の先生へコンサルトです.
 緊急手術が行われ,意識清明で先ほどICUヘ帰室されました.術後は本日24時間勤務・ICU担当の小生にお任せください.

2件目 意識障害 脳梗塞
 日没直前の要請です.情報は意識障害のみ.救急車であればTECCMCまで1時間かかる地域です.ランデブーポイントまでの時間,現場治療時間,病院搬送時間などを計算し,搬送可能な病院を選定します.飛行中の医療スタッフ,運行スタッフ間のコミニケーションが重要です.ランデブーポイントで救急車内の患者さんを診察します.本日の相棒,岡本先生から脳血管障害の可能性ありと報告を受けます.日没までの時間を考えると,TECCMC以外に搬送先はありません.速やかに搬送し,本日2例目のヘリポートからCT室直入です.ヘリ要請から30分で診断がつきました.

 本日は番匠谷先生,倉橋先生と夜勤です.ICUで診療の合間にブログ更新です.