イメージ 1
 今日の豊岡の最高気温は32度.湿度が高く,日差しも強いのでフライトスーツの下は汗・・・.追い打ちをかけるかの如く,JA822Hのエアコンはご機嫌ななめ.飛行中,後部の小窓を開け換気します.水分補給は欠かせません.暑い日こそ,心穏やかに冷静に現場に向かいます.

 本日の写真は,3件のランデブーポイントと,山中からの救助風景です.

本日のドクターヘリ
1件目 伐採した木に挟まれている(山中の事故)
 山中での作業中の事故です.救急隊現着時,木の下敷きになり救出に時間を要する,胸部外傷疑いにてドクターヘリ要請です.本日の天候は問題なく,山越えで一直線に現場へ向かいます.飛行中に消防本部と情報共有し,「現場への医師投入」とのことです.すなわち山登り!6月5日の再現でしょうか(ブログ参照).メンバーはその時と同じ,小生,幸部先生,安積看護師です.奇遇です.現場に出来るだけ近い駐車場に着陸,支援車で現場に向かいます.山道の下で支援車を降り,山に入ります.幸い患者さんは救助済みで下山中とのこと.少し登ったところで,患者さんに接触します.舟形担架で搬送しながら意識,気道,呼吸,循環をチェックします.幸い安定しています.であれば救急車へ急ぎ,引き続きの診察を行いましょう.約5分後,救急車内に収容です.とその時,突然の嘔吐!どうやら頭部に打撲痕があり,頭部外傷も疑われます.ヘリで一番近い救命救急センターへ搬送することを決め,救急車でヘリの待つランデブーポイントへ.速やかに離陸し約5分で病院ヘリポートに到着です.救急車であれば,谷間の道を抜け,40分以上はかかったでしょう.消防の適切な要請により,早期医療介入と搬送時間の短縮が実現した事案です.

2件目 痙攣
 突然倒れ,痙攣しているとのキーワード.同時要請です.但馬空港で給油中に運航管理室から連絡が入ります.燃料を補充しなければ行けない距離の現場ですが,速やかに燃料を補給し離陸です.患者さんの情報をもらうと,どうやら頭蓋内疾患が疑われます.搬送先病院選定も考えつつ,準備をします.飛行時間約20分でランデブーポイントに着陸,時を同じく救急車もランデブーポイントに滑り込んできます.1分1秒を無駄にしない活動には,救急覚知同時要請しかありません.今回も有用性を発揮します.救急車に乗り込み患者さんを診察すると,繰り返す嘔吐による気道閉塞,酸素飽和度低下が見られます.非常にやばい状況です.意識もありません.血圧も高値です.間違いなく脳血管障害.であれば十分な鎮静,鎮痛下に気管挿管を行いヘリ搬送です.頭もとでは幸部先生が救命士さんと気道,呼吸管理,小生は安積看護師とルート確保と薬剤投与です.十分に麻酔がかかった後に気管挿管.血圧も若干下がります.治療中に予め手配してもらった病院へヘリ搬送とします.約5分後,患者さんは安定した状態でヘリポートからCT室へ搬送されました.消防の適切な要請と二つ返事で受入を応需していただける病院のお陰で,今回も後遺症軽減に寄与出来たと思います.ありがとうございます.

3件目 溺水
 消防入電と同時に要請です.「子供が川で溺れてぐったりしている」 それ以上の情報はありません.とにかく急ぎます.川であれば,河川敷に降りられるかも.現場の位置を消防に確認します.約12分後,現場を発見,案の定河川敷の駐車場に着陸可能です.現場にいた救急隊員に安全確保をしてもらい着陸です.救急車内へ急ぎ,診察です.小学生,意識はなんとかありますが,顔色悪く,酸素飽和度は80%台です.十分に酸素を投与すると,酸素飽和度も上がり,意識もはっきりしてきます.これなら安定した状態でヘリ搬送可能です.近隣医療機関は救急車で20分以上かかり,小児対応は困難な模様.であれば15分以内に到着可能なTECCMCへヘリ搬送です.飛行中は高度の関係で低酸素になりやすく,注意を要します.TECCMCのヘリポートへ到着.待ち構えていた救急医と小児科医の手へ委ねます.一命を取り留めました.

 本日はヘリが非常に有効に活用された事案ばかりでした.このような適切なヘリ要請が救命率向上と後遺症軽減につながります.暑さと脱水で少々バテましたが,少しでも役に立てたという実感があり,心地よい疲れです.

 今夜は溜まった仕事を少しでも片付けたいと思います.