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夜間大荒れのICUに飲み込まれました・・・敗血症性ショック入室に始まり,急性腹症×2,入床中の重症患者さん達もご機嫌斜め・・・敗血症性ショックの患者さんだけは,朝までに持ち上げることが出来ませんでした.本日のICU担当,松井先生に引き継ぎがんばってもらいます.long term PMX-DHPと尿量が得られないのでCHDFの並列です(写真).

本日のドクターヘリ
1件目 施設間搬送
 初療の患者さんを京都方面に搬送します.京都の病院に入院中,一時外泊で豊岡に帰られた際に病状が悪化されました.搬送中も医療介入が必要と判断しドクターヘリで飛びます.各方面の方々にお世話になり,往復1時間半(給油含め)のミッションです.救急車であれば2時間半は片道かかるでしょう.

2件目 心肺停止
 救急覚知同時要請です.フライト中に現場救急隊から情報が入ります.なかなか厳しい状況のようです.「直近2次病院に収容します」との現場判断です.その方が早期医療介入につながるのであれば,非常に適切な判断です.医者を現場に呼ぶこと,要らなければキャンセルすること,もっともっと敷居を低くとらえてください.多くのキャンセル事案があり,結果的にはオーバートリアージであっても,その積み重ねが劇的な救命例を生むのです.この事案に重複要請がありましたが,結果的にこちらもキャンセルとなり,件数には含めておりません.

ヘリ勤務終了間際から会議です.小生にはどうもしっくりきませんが,立場上どうしようもありません.

会議終了後,腹膜炎の緊急手術です.虫垂炎の破裂です.術者は幸部先生,助手は番匠谷先生と小生.なかなか手強い相手でしたが,すっきりと手術を終えてくれました.ご苦労様でした.

そして救命救急センターの夜は更けていきます・・・
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但馬救命救急センター医局棟兼ドクターヘリ運航管理棟の入口に,写真のような飛行安全祈願のステッカーが貼ってあります.これは京都府八幡にある「飛行神社」のもので,フライトスタッフ1人1人はこの神社のお守りを持って現場に飛んでおります.京都府の行政担当の方がプレゼントしてくれました.ありがたいことです.安全第一に無事故でフライトを続けていきたいと思います.

本日の日勤帯は比較的穏やかに過ごすことが出来ました.18日の心破裂術後の患者さんは人工呼吸器もはずれ,末梢ルート1本になりました.初めてこの患者さんの笑顔を見ることが出来ました.疲れも吹っ飛びます.

本日のドクターヘリ
1件目 交通外傷
 乗用車の下敷きになっているという内容でヘリ要請です.機内では慌ただしく準備を進めます.現場の情報が入るまで,緊張の一時です.そこへ無線連絡,「軽症にて救急隊のみで対応可能.ドクターヘリキャンセル」.一同,ホッとする瞬間です.軽症で何よりです.事故には気をつけてください.

2件目 心肺停止
 意識無し,呼吸無しにて救急覚知同時要請です.要請件数が多くなると,消防もヘリ要請の要領に慣れてきます.ドクターヘリはいつも通り支援隊より先にランデブーポイント上空に到着,救急現場の様子などを上空から検索して着陸します.数分後,ランデブーポイントに救急車が滑り込んできます.心肺停止の状態が続いています.目撃はありません.蘇生を行いながらご家族に説明します.相棒の番匠谷先生が蘇生担当,小生が説明担当です.結果は残念ではありますが,一般市民が救急要請してから20分後には医師が現場,現場直近に到着します.ドクターヘリは救命は当然ですが,このようにご自宅で生涯を閉じられるお手伝いもさせていただけます.

3件目 突然の意識障害
 本事案も救急覚知同時要請です.ドクターヘリはやはり支援隊より早くランデブーポイントに到着します.現場からの情報は「意識回復」です.ヘリがランデブーポイントに着陸してから数分後に救急車がやってきます.顔面蒼白,橈骨少々微弱?よくよく病歴を聞くと,朝から下血を繰り返し,トイレで一過性に意識消失したらしいです.急速輸液にて状態は安定し,病歴から原疾患を確かめ,直近の病院へヘリ搬送とします.出血に伴う意識障害だったようです.早期医療介入と搬送時間の短縮といったドクターヘリの有用性が発揮された事案です.

4件目 意識障害
 本事案も救急覚知同時要請です.こちらはランデブーポイントから支援車で医師現場投入ありとのこと.準備を行います.「早期死体現象にてキャンセル」.これもドクターヘリを早期から要請する消防の姿勢があるからこそのキャンセルです.このような体制こそが,本当に早期医療介入が必要な時に効果を発揮します.

さて,本日はこのまま24時間勤務です.相棒は岡本先生.静かな夜であれば良いのですが・・・
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本日は千葉・幕張に「第2回Young Investigators Supporting Critical Care Conference (YISC3)」に出席してきました.救急集中治療医の世代間交流と,救急集中治療分野の研究,臨床の発展を目的としたカンファレンスです.小生は第0回からの出席です.全国の他施設の先生方と交流出来る非常に良い機会です.このカンファレンスの中で,「医師が病院前救急医療に携わる意義~地方における救急医療のあり方~」というタイトルで発表しました.内容は千里救命時代のドクターカーデータ(特に外傷),現在のドクターヘリのデータなどから,救急医療は現場から始まっていることと,地方においてこそ,ドクターヘリ,ドクターカーが有用でることを述べてきました.日帰りだったので,夕方の意見交換会に出席出来なかったのは残念です.

豊岡から東京の日帰りは,鳥取空港を使用すると便利であることもわかりました.鳥取空港まで車で約1時間30分.空港駐車場は無料です.ドクターヘリなら20分かからないのに,と思いながら車を運転しました.

本日のドクターヘリ(ヘリ記録を参考に書いています)
1件目 急性心筋梗塞
 運航開始直前の要請でした.可能な限り急いで出動しております.急性心筋梗塞と診断し,心臓カテーテル治療まで速やかに対応可能な病院へヘリ搬送しました.救急車搬送よりも多少待ってもヘリ搬送の方が断然早かったようです.搬送先の先生より返事をいただき,かなり重症の心筋梗塞だったようです.いつもご協力をいただきありがとうございます.

2件目 脳梗塞
 救急隊現着後要請でした.搬送時間および治療開始時間短縮の点からも,適切な要請でした.ドクターヘリ到着時,麻痺程度も改善しており直近の2次病院へヘリ搬送しました.

3件目 意識障害
 救急覚知同時要請でした.駐車場で倒れて意識無し,ちょっと遠い地域なので,非常に適切な要請です.ランデブーポイント到着時,意識も回復傾向にあり,少々アルコール臭がしたようです.直近の2次病院へ頭蓋内病変のチェックを目的にヘリ搬送しました.

本日は幸部先生(指導医),松井先生コンビのヘリ当番でした.お疲れ様でした.

本日の写真は「救命救急センター医局のてるてる坊主」です.ドクターヘリ運航に支障がないよう,毎日の天候が気になります.
http://www.geocities.jp/tajima_eccmc/TECCMC/CIMG0506_1.jpg
本日は未明から閉塞性大腸炎で大腸亜全摘術を行いました.早期診断が出来れば救命可能な疾患です.救急外科医である岡先生は速やかに診断し緊急手術に踏み切りました.手術は当然ですが,診断出来る能力が患者さんの救命につながります.

本日のドクターヘリ
1件目 呼吸困難(喘息重積発作)
 呼吸困難,胸痛のkeywordで同時要請です.循環器疾患?呼吸器疾患?情報の少ないままランデブーポイントで救急隊とドッキングです.第1印象で明らかに「やばい」と感じ取ります.会話困難,頻呼吸,酸素飽和度低下,努力様呼吸,聴診では呼気終末にwheezeが聴取されます.まさに緊急度の高い状態です.本日の相棒は朝まで一緒に手術をしていた岡先生.千里時代から病院前救急医療はベテランです.薬剤治療とともに速やかな気管挿管を行います.心電図,心エコーで心筋梗塞を否定し,現場滞在時間12分でTECCMCへ向け離陸です.救急車搬送であれば搬送中に心停止に陥っている可能性のある症例です.消防の適切なドクターヘリ要請がまた患者さんの命を救いました.

2件目 交通外傷(軽乗用車 VS 軽トラック)
 1件目の搬入直後の要請です.フライト時間は1~2分の近場ですが,閉じ込め事案での要請です.現場上空はすぐです.写真のような状況で,いまだ救助中であることがうかがい知れます.現場直近への着陸を考えますが,よいポイントがありません.であれば速やかにランデブーポイントに着陸し支援車で現場に向かいます.現場に到着すると,傷病者は2人.岡先生と小生は手分けして診療を行います.1人は呼吸,循環,意識も問題なく救急車でTECCMC搬送とします.さて,もう1人は?「FASTで心嚢液貯留が疑われます!」岡先生が叫びます.確かに意識はしっかりしておられますが,頻呼吸,脈拍数上昇,脈圧の低下がみられます.心破裂!?心嚢ドレナージ,速やかにTECCMCへ搬送・・・心嚢ドレーンからは出血が持続します.血圧も低下傾向に.primary surveyがクリア出来ない,緊急度の高い状況です.緊急輸血オーダー,急速輸液,気管挿管を施行しつつ,ヘリ搬入から20分で手術室へ.やはり心破裂でした.左心系の全層性損傷と挫傷です.術者は小生,第1助手に岡先生,第2助手に番匠谷先生です.少々縫合・止血に手間取りましたが,救命することが出来ました.適切にドクターヘリを要請してくれた消防,外傷外科医の存在,初療スタッフ,手術室スタッフ,麻酔科の先生達,どこが欠けても救命することは出来なかったでしょう.但馬救命救急センターを中心としたこの地域は,この2ヶ月で飛躍的に進化しています.

明日は朝から東京です.但馬救命救急センターとこの地域の取り組み,成果をお話ししてきます.
http://www.geocities.jp/tajima_eccmc/TECCMC/CIMG0495.jpg
本日はドクターヘリ運航2ヶ月目の日です.初療も歓迎ムード満載で,朝から救急車,ドクターヘリ搬入がひっきりなしでした.外傷症例の血管造影も行い,日勤担当の岡本先生,研修中の吉山先生,休日出勤の幸部先生,明けの番匠谷先生で何とか対応することが出来ました.ICU, HCUは岡先生,三浦先生がしっかり守ってくれました.本日も本当にお疲れ様でした.思い起こせば2ヶ月前の今日,9名の救急医でこのセンターを本格稼働させ始めました.足元を固めながら,少しずつ前進していきましょう!

本日のドクターヘリ
1件目 交通外傷(乗用車 VS 乗用車)
 朝一番の要請です.乗用車同士の事故です.傷病者は何名?情報の少ないなか,約10分のフライトで現場上空に着きます.田園風景に不似合いな事故現場(写真),乗用車が2台田んぼに落ちています.重症外傷の情報もあり,現場直近の河原に着陸することとします.着陸直後,現場から数十秒で救急車がやってきます.患者さんは?意識は朦朧で「腰が痛い・・・足が動かない・・・」と呻かれます.呼吸促迫,橈骨動脈も微弱です.やばい!末梢ルートを2本確保し初期輸液を開始.加圧バックを用います.FASTは?脾腎境界が何だかあやしい・・・腹腔内あるいは後腹膜の出血が疑われます.約1000mLの輸液で循環が立ち上がってきました.重症外傷なのでTECCMCへ搬送です.救急覚知から30分以内に外傷初療を開始,受傷から1時間以内にセンター搬入です.救急車であれば1時間以上搬入にかかります.ヘリが有効に活用された事案です.TECCMC搬入後,腎破裂,胸椎脱臼骨折,外傷性大動脈解離などの損傷が判明し,血管造影などを施行し安定した状態でICUへ入室されました.ドクターヘリと救急医,外傷医の存在が重症外傷の患者さんの生命予後を改善し,後遺症を軽減します.

2件目 意識障害
 仕事中に突然倒れたと救急覚知同時要請です.ランデブーポイントは小学校の校庭です.ドクターヘリが救急車より早く現場上空に到着します.ならばランデブーポイントで救急車にピックアップしてもらって現場に行きましょう!小学生達が見守る中ヘリは校庭に着陸,本日のペアの倉橋先生,濱看護師と速やかに救急車に乗り込みます.救急車には顔見知りの救命士さん.心強いです.ランデブーポイントから約3分で現場です.患者さんはまだ倒れたまま.しかし意識は回復しています.現場で初期治療を開始し,救急車でランデブーポイントまで搬送します.TECCMCへ搬送です.救急車では片道40分,ヘリでは5分.こんな形の活動で医療介入までの時間が大幅に短縮します.

3件目 胸痛
 2件目を搬入した直後に要請です.持続する胸痛.1分1秒を争います.心臓カテーテル治療が速やかに出来る病院へ,予め搬送の打診をしながらランデブーポイントへ.ちょうど救急車も到着です.患者さんはまだ胸痛が残っているようです.心電図は?どうやら急性冠症候群が強く疑われます.病歴などを確認すると,当院受診歴と受診の予約もあり.初療の受入状況とICUのベッド状況も厳しいものがありますが,TECCMCへ搬送とします.予め受入を打診していた病院にお断りとお礼を伝えつつヘリ搬送です.

4件目 交通外傷(原付バイク VS 乗用車)
 1件目と同じ消防本部からの要請です.ヘリ要請も迅速かつ適切です.我々の欲しい情報を的確に伝えてくれます.約10分のフライトでランデブーポイント到着.直後に救急車も到着です.救急覚知から外傷初療開始までが本当に早い地域となっています.患者さんは呼吸,循環は安定していますが,頭部外傷の疑いがありTECCMCへ搬送です.

2ヶ月で162件の出動をさせていただきました.要請はこの出動件数よりもっと多いです.重複要請,天候によるキャンセルなど応需できないこともありますが,今後もこの地域の救急医療発展,救命率向上を目指して努力いたします.どうぞ引き続きよろしくお願い申し上げます.
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いつ,どこでも一瞬で寝られるのが救急医の特技です.本日は24時間勤務明けでヘリ当番の岡本先生が,待機中にカンファレンスルームの長いすで爆睡してました.同じく明けの幸部先生は医局の長いすを占領していました.ちなみに小生はICUのパソコン前でよく意識消失していますが・・・皆こうやって疲労回復を図っています.周囲の皆様,気にしないでください.

本日の「ドクターヘリの機窓から」は改築中の「余部鉄橋」です.鉄橋はちょっと遠景になりますが,綺麗な日本海ともどもお楽しみ下さい.

本日のドクターヘリ
1件目 施設間搬送(鳥取→京都)
 救命救急センターから救命救急センターへの施設間搬送の依頼です.多発外傷の若者を,地元での継続加療目的に搬送します.機内では人工呼吸管理,循環管理を行います.ちょっとしたICUです.そのために人工呼吸器には小生のこだわりで「オキシログ3000」を導入しています.鳥取から京都まで,約40分のフライトです.飛行中,大きな問題もなく患者さんを引き継ぐことが出来ました.救急車で搬送すれば3時間以上はかかったでしょう.3府県で共同運航しているドクターヘリにはこんな使い方もあり,お役に立てています.

本日は1件のみの出動でしたが,他2件の重複要請がありました.連日の重複要請,全部に応需出来ず本当に申し訳ありません.

それではICUへ戻ります.
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昨夜から今朝にかけ,急性虫垂炎の手術を2件行いました.1件目は虫垂が穿孔しており,汎発性腹膜炎から多臓器不全に陥った患者さんです.手術も少々手こずりました.術後は集中治療室で管理です.2件目は数cmの創で20分の手術でした.数日で退院可能でしょう.2例とも術者は岡先生です.伸び盛りの手術は前立ちしていても頼もしいかぎりです.以前のブログにも書きましたが,急性虫垂炎は診断,手術,術後経過が1例1例で異なります.10数年救急外科医をやっていますが,毎回勉強させられます.

本日も非常にうっとうしい雨が降っています.視界が悪いです.であれば,本日の写真はドクターヘリ帰投時に撮影した日本海側の美しい景色「ドクターヘリの機窓から」です.お題は「天橋立」です.

本日のドクターヘリ
1件目 意識障害(脳梗塞)
 運航開始前からの要請です.小生は真夜中の手術終了後,医局の仮眠室で寝ていたところに連絡が来ました(術衣からフライトスーツに速効でお着替えです).フライトナースの林田さんは7時30分前には出勤,準備万端状態です.本日の相棒の三浦先生は24時間勤務明けなので,いつでもOKです.通常より約25分早く,運航開始です.要請した消防も,それに出来るだけ応じるヘリクルーも,患者救命・後遺症軽減を目指した素晴らしい人々です.その甲斐あって,救急要請から1時間以内にはTECCMCへ搬送され,診断がつきました.

2件目 転医搬送
 1件目の患者さんが大阪方面在住ということが判明しました.今後の治療,リハビリ,ご家族の負担を考えると,自宅近くへの急性期病院への転医が良いと考えます.幸い,転医先の先生は快く応需してくださいました.天候は不安定ですが,大阪方面に飛ぶことは出来ます.福知山,亀岡,京都と高い山を迂回して大阪に搬送します.途中,雲行きがだんだん怪しくなっていくのを感じつつ・・・無事,搬送先に先生に引継を済ませ,八尾空港で給油,豊岡に帰投するはずが,天候不良につき神戸空港(当方ドクターヘリの運航会社であるヒラタ学園さんのエアセンターが神戸空港にあります)で待機の指示です.天候調査を行いますが,しばらく回復傾向なし.であれば,勤務中なのでいつまでも神戸に止まるわけにはいきません.ヘリから薬剤,資機材を降ろし規定に従ってフライトドクターとナースは豊岡へ向け出発です.ヘリは天候が回復次第豊岡へ向けて飛び立つこととしました・・・

天に逆らうことは出来ませんが,せめて人命に対しては天が味方してくれることを切望します.雨は降ってもかまいませんが,最低限の視界は欲しいのもです.

本日も重複要請が数件ありました.対応出来ず本当に申し訳ありません.明日は朝からの天候回復を望みます.医局には「てるてる坊主」が飾られました.
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本日のドクターヘリ
1件目 脳梗塞
 救急覚知同時要請です.フライト約5分.ランデブーポイント到着後しばらくして救急車がやってきます.構音障害,顔面のゆがみ,右半身麻痺.脳梗塞が強く疑われます.発症時間は救急覚知の直前.このあたりの情報も救急隊はしっかり聞き取りしてくれてます.速やかにヘリへ乗せかえて,一番早い血栓溶解療法可能な施設へ.今回はTECCMCです.ならば,呼吸,循環は安定しているので,ヘリポートから直接CT室へ入れます.出血無し.救急覚知から約30分でCT撮影です.救急車なら2倍以上の時間がかかるでしょう.救命救急センター入院で血栓溶解療法開始!発症から1時間で治療開始です.
 午後の回診で,麻痺,構音障害はすっかり消失していました.このような効果を目の当たりにし,ご家族から「ヘリのお陰」と言われると,心から嬉しいものです.

2件目 交通外傷(軽トラック横転)
 トラックの横転,閉じ込めにて救急覚知同時要請です.約10分後,安全確保を確認し現場直近の公園に着陸です.現場まで走って15秒.救急隊とほぼ同時に現場到着です.患者さんは周辺住民の方々により車外へ救出済み.皆さん,協力的で温かい方々ばかりです.現着して初めて傷病者が2名ということが判明しましたが,幸いお二人とも意識もしっかりしておられ,大きなお怪我は見当たりません.直近2次病院搬送を救急隊にお願いし,我々は現場引き上げといたします.早期医療介入による現場トリアージが機能した事案です.
 さて,現場活動中,機長の石橋さんがドクターヘリを住民の皆様に説明されてました.そんな一場面を本日の写真とします.ちなみにヘリの後のフェンス向こうが現場で,ヘリを見ておられた住民の方はフレーム外にもっとおられますので.

さて,今から岡先生,幸部先生と腹膜炎,敗血症性ショック,腎障害の方の緊急手術に行ってきますので,本日のブログはここまでです.
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当センターのドクターヘリの機体番号です.その名称を三浦先生がお酒のラベルにしてくれました(写真).素敵なお酒です.ご用命は当センターの三浦先生までどうぞ.すでに森田フライトナースは注文されたそうです.ちなみにお酒の影の後ろ姿は,お仕事中のCS(ドラマ・コードブルーでは女性でしたが)恵良さんです.

梅雨入りです.うっとうしい雨が朝から降っています.昨日までの快晴がウソのようです.

本日のドクターヘリ
1件目 交通外傷(軽トラックの自損事故)
 運航開始前の要請です.給油をマッハで終了し,待ち構えていたフライトドクター,ナースを拾い上げ出動です.軽トラックの自損事故.アクセルとブレーキを間違えたようです.救急隊の観察結果から「頸髄損傷」を疑ってのヘリ要請です.適切に全脊柱固定されており,呼吸,循環に問題ないことを確認しヘリでTECCMCへ.第2頸椎椎体骨折でした.ちなみに同乗者は軽症で,ヘリ搬入30分後に救急車でTECCMCへ搬入されました.早期医療介入と搬送時間の短縮がなされている症例です.

2件目 交通外傷(自転車 VS 軽トラック)
 受傷機転からのヘリ要請です.約5分間軽トラックの下に両下肢を挟まれていたようです.ヘリがランデブーポイントに到着する直前に救急車もランデブーポイントへ.ヘリ要請に慣れた消防は本当に良いタイミングで要請をしてくれます.患者さんにとっては非常にありがたいことです.雨の中,10分弱でTECCMCへ搬送です.

3件目 脳梗塞疑い
 構音障害と上肢のしびれ.救急隊は脳梗塞を疑い,血栓溶解療法の適応を考えヘリ要請です.発症時間もはっきりしています.発症から約1時間後に脳卒中の専門医が複数いらっしゃる病院にヘリは到着です.救急車であれば40~50分,ヘリなら5分です.現場救急隊の観察能力,判断が患者さんの後遺症を軽減します.

4件目 心不全 呼吸困難
 チアノーゼあり,橈骨微弱にてヘリ要請です.ヘリは約2分でランデブーポイントへ.その直後救急車がやってきます.切迫した状況です.救急車で約15分でTECCMCへ搬入可能な地域ですが,その15分も待てない状況です.まさに早期医療介入の実現.薬剤投与を行い,酸素飽和度は徐々に上昇,本人の呼吸苦も軽減.心エコーしつつランデブーポイント滞在8分程度で2分のフライト.機内で12誘導心電図,ある程度の診断もつきます.比較的近隣の地域でも,救急隊の意識が常に患者さんに向いていることで,ヘリが有効活用出来るという1例であります.TECCMC搬入時には酸素飽和度も上がり,切迫した状況から脱せられました.

雨の中,ご支援いただいた関係者の皆様,どうもありがとうございました.今後ともよろしくお願い申し上げます.
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本日は相棒の番匠谷先生ともども,24時間勤務明けのヘリ勤務です.朝のカンファレンス,回診終了後は2人ともduty freeでのんびり過ごします.仮眠をとったり,初療を手伝ったり,勉強したり・・・(小生はほとんど仮眠ですが・・・).日勤担当の山邊先生,松井先生,24時間勤務の幸部先生,三浦先生は初療対応,病棟対応に大忙しです.onとoffのメリハリが救急医の良いところです.そんな中,15時過ぎからバタバタし始めました.まさにヘリがバタバタと大活躍です.

本日のドクターヘリ
1件目 墜落
 6mの防波堤から墜落.救急覚知同時要請でヘリが飛び立ちます.綺麗な海のすぐ真横に着陸です(写真).救急隊現着直後にドクターヘリが現場直近に到着です.全脊柱固定された患者さんが防波堤から我々のところに搬送されてきます.番匠谷先生,森田看護師と浜辺を走って患者さんのもとへ.意識はしっかりしていますが,現場を遠目に確認すると,かなりの高さです.下は岩.覚知から30分以内での外傷初療開始が当たり前になりました.こんな地域はなかなかありません.外傷はTECCMCへ.ヘリで10分強,救急車だと海岸線と地道で1時間以上かかります.消防の的確なヘリ要請で,患者さんがまた1人救われました.

2件目 意識障害
 ゴルフ場での意識障害です.山の上にあるゴルフ場.ヘリでいつも真横を飛んでいるゴルフ場からです.直近の救急隊が別事案に出動中.他の救急隊が現場に向かいますが到着まで30分かかります.ヘリは救急覚知同時要請.途中,意識レベル改善の情報があり,ランデブーポイントにヘリを着陸させ,現場に向かう救急車に医師,看護師をピックアップ,そのまま現場に向かうミッションに変更です.ランデブーポイントから救急車で山道を登り,約10分.こんな形の医師,看護師現場投入もありです.ヘリ要請に慣れてくるといろいろなミッションを消防が考えてくれます.当院かかりつけの患者さんは,救急車でランデブーポイントまで搬送,そこからヘリでTECCMCへ搬送です.患者さんにとっては一番良い形での救急対応が出来たと思います.

2件目をヘリで搬入した後で,幸部先生より急性虫垂炎の手術がある旨,報告を受けました.もうすぐヘリの運航が終わるので,その時間に合わせて手術を組むこととしました.運航終了まで約1時間.3件目の要請です.いつも通り,番匠谷先生とヘリに乗り込みます.手術までには十分帰ってこられると予想していました.ところが・・・次のブログへ続きます.