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本日は未明から閉塞性大腸炎で大腸亜全摘術を行いました.早期診断が出来れば救命可能な疾患です.救急外科医である岡先生は速やかに診断し緊急手術に踏み切りました.手術は当然ですが,診断出来る能力が患者さんの救命につながります.

本日のドクターヘリ
1件目 呼吸困難(喘息重積発作)
 呼吸困難,胸痛のkeywordで同時要請です.循環器疾患?呼吸器疾患?情報の少ないままランデブーポイントで救急隊とドッキングです.第1印象で明らかに「やばい」と感じ取ります.会話困難,頻呼吸,酸素飽和度低下,努力様呼吸,聴診では呼気終末にwheezeが聴取されます.まさに緊急度の高い状態です.本日の相棒は朝まで一緒に手術をしていた岡先生.千里時代から病院前救急医療はベテランです.薬剤治療とともに速やかな気管挿管を行います.心電図,心エコーで心筋梗塞を否定し,現場滞在時間12分でTECCMCへ向け離陸です.救急車搬送であれば搬送中に心停止に陥っている可能性のある症例です.消防の適切なドクターヘリ要請がまた患者さんの命を救いました.

2件目 交通外傷(軽乗用車 VS 軽トラック)
 1件目の搬入直後の要請です.フライト時間は1~2分の近場ですが,閉じ込め事案での要請です.現場上空はすぐです.写真のような状況で,いまだ救助中であることがうかがい知れます.現場直近への着陸を考えますが,よいポイントがありません.であれば速やかにランデブーポイントに着陸し支援車で現場に向かいます.現場に到着すると,傷病者は2人.岡先生と小生は手分けして診療を行います.1人は呼吸,循環,意識も問題なく救急車でTECCMC搬送とします.さて,もう1人は?「FASTで心嚢液貯留が疑われます!」岡先生が叫びます.確かに意識はしっかりしておられますが,頻呼吸,脈拍数上昇,脈圧の低下がみられます.心破裂!?心嚢ドレナージ,速やかにTECCMCへ搬送・・・心嚢ドレーンからは出血が持続します.血圧も低下傾向に.primary surveyがクリア出来ない,緊急度の高い状況です.緊急輸血オーダー,急速輸液,気管挿管を施行しつつ,ヘリ搬入から20分で手術室へ.やはり心破裂でした.左心系の全層性損傷と挫傷です.術者は小生,第1助手に岡先生,第2助手に番匠谷先生です.少々縫合・止血に手間取りましたが,救命することが出来ました.適切にドクターヘリを要請してくれた消防,外傷外科医の存在,初療スタッフ,手術室スタッフ,麻酔科の先生達,どこが欠けても救命することは出来なかったでしょう.但馬救命救急センターを中心としたこの地域は,この2ヶ月で飛躍的に進化しています.

明日は朝から東京です.但馬救命救急センターとこの地域の取り組み,成果をお話ししてきます.