イメージ 1
 木曜日はなぜかいつも初療がバタバタです.朝(ヘリの運航開始前),搬入になったショックの患者さんは骨盤骨折があり,そのままTAEと創外固定へ.他にも救急搬入が重なり,なかなか大変な日勤でした.

本日のドクターヘリ
1件目 墜落
 朝の点検終了直後に要請です.相棒の三浦先生,森田看護師と機内へ乗り込みます.「トラックの荷台からの転落.骨盤骨折疑い」.救急隊現着後,全身観察の結果からの要請です.救急隊の的確な観察能力が患者さんの予後,後遺症を決めるのです.ヘリは10分強でランデブーポイントへ着陸,直後から外傷初期診療を開始.FASTはnegative,左大腿骨変形著明,腰部の痛みも訴えられます.初期輸液を行いつつサムスリング装着.重症外傷疑いはTECCMCへ搬送です.1時間以上の早期医療介入となりました.
 本患者さんは幸いにも骨盤骨折はなく,血管造影の必要はありませんでした.

2件目 施設間搬送
 他院より骨盤骨折,両上腕骨骨折,出血性ショックの患者さんの転医依頼です.ちょうど小生は他の患者さんの血管造影終了直後.ドクターヘリ1件目の患者さんの検査結果を待っていたため(血管造影の必要性),指導医を岡先生に代わってもらいます.岡先生,三浦先生,森田看護師でフライトです.陸路の転医であれば50分はかかるでしょう.ヘリなら片道5分です.ランデブーポイントから救急医による適切な評価と治療が始まり,安定した状態でICUに入室されました.

3件目 滝からの滑落
 今日はこのまま岡先生に乗ってもらうこととします.夕方に要請です.小生は運行管理室へ.ドクターヘリを運航し始めて,現場へ飛び立つヘリを見送るのは何度目でしょうか.消防からの情報は「滝壺への滑落.溺れている」です.現場は山奥の滝.ランデブーポイントはありません.そこで消防が指定したのが直近の駐車場.ヘリ到着までに管理者へ連絡し,駐車車両を移動させてくれるとのことです.ありがたいことです.運行管理室で地図を広げると,もしかしてヘリ先着?といった場所.案の定,ヘリと救急隊はほぼ同着だったようです.クルーは資機材を持って,岩場を走り現場へ(写真).安全な場所で初期診療を行い全脊柱固定.頭部外傷と脊髄損傷が疑われます.後はヘリまで川の中を歩いて,山道を登って搬入です.患者さんは住居地の救命救急センターへ搬送としました.
 三浦先生は腰まで水につかって搬送したようです.医局の外に三浦先生の安全靴が干してありました.お疲れ様でした.

 当センターのドクターヘリは,海,山,川,事故現場,住宅など本当に現場投入が多くなっています.これも消防の早期からの適切な要請により,早期医療介入が実現されている証拠です.我々も安全に十分気をつけながら,また体力もつけながら日々頑張りたいと思います.

 今日はこれから「Jレスキュー」という雑誌の取材です.
イメージ 1
 ドクターヘリが着陸する場所,それがランデブーポイント.学校のグランド,駐車場,空き地など各地域に沢山設定されています.ランデブーポイントが多ければ多いほど,現場直近に降りられ,より早期の医療介入が可能になります.今日の写真は,ランデブーポイント入口に設営されている看板です.本当に多くの皆様の協力の上に成り立っている事業であると実感しております.皆様の期待に応えられる救急医療を提供出来るよう,今日も努力しております.

本日のドクターヘリ
1件目 山中の滑落
 今日は静かな日.溜まった事務仕事をこなしているところに要請です.山邊先生,林看護師と共にヘリポートへダッシュ.飛行時間約20分の山中がランデブーポイントです.大学時代に走った駅伝コースの途中のようです.情報は「山菜採りの老人が山中でうずくまっている」.本日も山登り!?覚悟を決め飛行を続けます.県境を越えたあたりでしょうか,運航管理室から連絡.「軽症にてキャンセル」.一同安堵し帰投します.
 ドクターヘリ到着まで時間がかかる地域であればあるほど,このような救急覚知同時要請が重要なのです.

 本日はこの1件のみでした.今日は小休止だったようです.でもこんな日に限って,夕方から会議なのです・・・
イメージ 1
 朝、夕の日差しは少しやわらかくなりましたが、残暑厳しい今日この頃です。まだまだ熱中症にはご注意ください。

 本日はICUで抜管が続きました。患者さんが回復されることはうれしいことです。

本日のドクターヘリ(4件要請3件出動)
1件目 熱中症 意識障害
 回診中に要請PHSが鳴ります。相棒の番匠谷先生、清水看護師といつも通りにヘリポートへ走ります。「意識なし、心肺停止の疑い」との情報。離陸後数分でランデブーポイント上空に到着。まだ支援車は来ていません。上空待機。救急車を待つくらいの同時要請、これこそがドクターヘリの早期医療介入なのです。海に通じるきれいな河川敷に着陸、救急車とドッキングします(写真)。幸いにも心肺停止ではありません。しかし、意識は昏睡、発汗著明、体温は40度近くあります。身体所見、状況などから熱中症III度と判断し、急速冷却輸液、鎮静下に気管挿管を行います。現場滞在時間8分でヘリ内に収容、集中治療管理目的にTECCMCへ搬送です。
 初療で待ち構えていた岡本先生、ICU管理を担当した松井先生により適切な治療が行われ、夕方には意識も回復、人工呼吸器からも離脱できました!良かったです。

2件目 心肺停止
 1件目の初療対応も一段落、カルテ記載中に要請です。救急覚知同時要請。離陸と同時に情報を聞きます。「目撃ありの心肺停止」。数分で現場上空に到着。現場から無線連絡が入ります。「薬剤投与の適応です。指示をください!」。医師が現場近くにいる状況で、現場で何をどこまでやるべきか、ドクヘリクルーと現場の救急隊は一瞬の連絡だけで判断します。ドクターヘリが現場近くのランデブーポイントに着陸、その直後に気道確保、薬剤投与、オートパスル装着をされた患者さんが搬送されます。「Vf継続しています!」。除細動と追加の薬剤投与を行いヘリへ搬入、速やかにTECCMCヘ搬送です。
 医療介入までの時間は約20分短縮されていました。適切なドクターヘリ要請が、諦めを期待に変えていきます。

3件目 乗用車の横転事故
 ちょっと遅めの昼食を取り終わって、ICUをうろうろしている時にPHSが鳴ります。「年齢不詳の男性。乗用車の横転事故。閉じ込めあり。」 救急覚知同時要請です。離陸後現場まで15分、救助中か救出直後にはランデブーポイントへ着けるはずです。重傷外傷は時間との勝負、同時要請こそが救命のkeyなのです。機内で準備をしながら飛行、程なく事故現場上空に到着です。路上に横転した乗用車、現場出発した救急車を確認した後、ドクターヘリはランデブーポイントへ着陸です。着陸とほぼ同時に到着した救急車内で外傷初期診療を行います。相変わらず番匠谷先生は手際よく診療を行っています。病院前救急診療にも大分慣れてきたようです。幸い患者さんはprimary survey, secondary surveyに問題はないようです。この状況であれば直近の二次病院で対応可能と判断し、ヘリで搬送です。
 救命救急センターがない地域で、救急覚知から30分以内に救急医による外傷初期診療が受けられる地域となりました。これも消防機関のヘリ要請に対する意識の高さによるものです。今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。

 さて、夜の緊急手術も終わり本日の業務はこれにて終了・・・お疲れさまでした。
イメージ 1
 フライトクルーに麺類は禁忌・・・出動中の中断された昼食です.帰ってくるとカップの中に水分はありませんでした・・・麺の体積は何倍?

 こんな写真を撮った米田看護師に拍手!
イメージ 1
 本日は新たな受け入れ先病院の搬入訓練を行いました.運航開始から4ヶ月強,久しぶりの訓練飛行でした.ストレッチャーを救急外来へ搬入している間,ドクターヘリの周囲はあっという間に人だかりとなっていました(写真).地域の基幹病院がヘリポートあるいはそれに準ずる離着陸場を近隣に有していると,ヘリによる早期搬送の恩恵が受けられます.地元の住民の方はまた一つ安心を手に入れました.

 初療搬入は相変わらず脳外疾患が途切れません.脳外科チームの先生方,いつもご協力賜り感謝申し上げます.

本日のドクターヘリ(3件要請2件出動,1訓練)
1件目 意識障害(キャンセル)
 回診中に一斉PHSが鳴ります.相棒の岡本先生,林田看護師と共にヘリポートまでダッシュです.今日も暑いなあ・・・JA818Hはいつものように晴天の但馬の空へ舞い上がります.「畑で倒れて意識なし」.最近多い第一報です.暑い中,畑仕事など炎天下での作業には十分ご留意ください.冷却輸液を準備中に,「救急隊現着時意識清明.ドクターヘリキャンセル」.機内に安堵の空気が流れます.キャンセルを厭わないドクターヘリ要請,これこそが1分1秒早い医療介入につながるのです.

2件目 意識障害
 夕方の要請です.ドクターヘリは一路ランデブーポイントへ.「お墓参り中に転倒し頭部打撲.意識なし」との情報です.岡本先生,林田看護師と頭部外傷を想定した準備を進めます.脳外科チーム,手術可能かなあ・・・?初療室穿頭まではやっとくか,などいろいろ考えながら着陸.そこからは支援車に乗り換え現場に向かいます.TECCMC capの上にヘルメット着用.10分後,現場到着.墓地への階段を上り患者さんのもとへ.あれっ?胸骨圧迫してる??心肺停止???やられた,オートパルスを持ってきてない!どうやら内因性疾患が先行して意識消失,転倒だったようです.救急隊と協力して現場活動を行います.気管挿管,薬剤投与・・・ここからランデブーポイントまでは遠すぎる.近くにヘリが降りられるスペースは?支援隊に探してもらいます.すると「墓地の裏に河川敷があります!」.よし,ドクターヘリ移動!数分後,いつもの音がやってきます.心強い奴です.現場から消防,ヘリクルー全員で協力してヘリへ搬入です.機内でも汗だくだくの治療を行いつつTECCMCヘ.状況は厳しいままですが,はたして原因は??胸部レントゲンを見た担当の番匠谷先生は,「あっっっ,左胸・・・これかあ,原因は・・・」.今宵も初療は賑わい始めています.

 今日は日本航空医療学会の抄録締切日でした.勤務と出動の合間をぬって何とか登録完了!採用されますように m(_ _)m
イメージ 1
 世間は日曜日.救急外来の待合室は人でごった返しています.救命救急センターの機能を温存するためにも,休日診療所などの利用をお願いします.

 急性腹症の緊急手術を岡先生,幸部先生と終え,脳外科の緊急手術術後をICUで迎え,途切れない救急車と救急外来を岡本先生と対応・・・外は夜が明けようとしています.研修医君は診察台の上で意識消失.いつの時代も見慣れた光景です.

本日のドクターヘリ
1件目 施設間搬送(急性硬膜下血腫)
 回診中に岡先生より転医依頼の知らせです.急性硬膜下血腫で混種状態の患者さんの受入要請,ヘリでお迎えです.前医で気管挿管済み,CTを見ると・・・!!「初療室穿頭の用意しといて!」TECCMCヘ帰り,初療室穿頭から手術室へ.脳外科チームとのいつも通りのコラボでした.

2件目 痙攣
 1件目搬入後,間髪入れずに要請です.相棒の松井先生,濱看護師とヘリポートへ走ります.救急覚知同時要請.情報は「突然倒れて痙攣している」.ランデブーポイント着陸,救急車内へ駆け込みます.幸い患者さんは痙攣も止まり,意識状態も改善傾向にあります.頭蓋内病変などの精査が必要なためTECCMCへヘリ搬送です.

3件目 急性心筋梗塞
 2件目搬入直後に要請です.再び相棒の松井先生,濱看護師とヘリポートへ走ります.情報は「持続する胸痛.心筋梗塞の疑い」.機内で12誘導心電図の用意,薬剤の準備などを手早く行います.途中の消防無線でも胸痛持続の情報!ランデブーポイントに速やかに着陸し救急車内で診療開始です.薬剤投与,12誘導心電図,エコー検査などなど全て10分以内に完了.やはりあやしい!冠動脈の再潅流を短時間に行うために,直近の救命救急センターへ搬送します.10分もかからず初療室へ.循環器内科医,心臓血管外科医が待ち構えていました.後はよろしくお願いします.
 早期医療介入と搬送時間の短縮,心臓カテーテル治療までの時間短縮.この効果を最大限に引き出しているのが消防の躊躇ないドクヘリ要請です.今日も後遺症軽減をもたらしてくれました!

4件目 意識障害
 救急覚知同時要請です.飛行時間は15分.同時要請だからこそ,ランデブーポイントに救急車とドクヘリが同時に着けるのです.情報は「食事後,急に意識消失」.ランデブーポイントに着陸,救急車内で診療を行います.幸い頭蓋内病変はなさそう.どうやら既往にある病気が原因のようです.救急車でかかりつけの病院へ搬送していただきます.
 救急隊が判断に迷うことは多々あります.医師による現場判断,究極の往診.ドクターヘリが有効に活用されている証しです.

5件目 意識障害 くも膜下出血
 午後の静寂を破る要請PHSです.同時要請.「急に倒れて意識無し,いびき様呼吸」.やばそうな雰囲気です.途中の無線情報で嘔吐あり.ほぼ間違いなく頭蓋内疾患でしょう.ランデブーポイントに着陸,救急車の停車場所まで100m近くダッシュ.一気に汗が出ます.患者さんは救急車内で嘔吐中.昏睡状態です.病状を悪化させないためにも,十分な鎮静,鎮痛下に気管挿管.これで気道,呼吸の管理はOK!循環は?血圧は高くもなく,低くもなし.良し,これなら安定して搬送可能.現場活動時間は原則10分以内です.頭蓋内病変を疑い,気道,呼吸,循環は安定しているのでヘリポート to direct CTです.TECCMCヘ.「やはり!」,脳外科チームの皆様,本日もお世話になりっぱなしでありがとうございます.

6件目 意識障害 熱中症
 夕方の日差しは少しずつ和らいでいます.夏も終盤,今年の海は救急現場だけかあ・・・と黄昏れている瞬間に要請PHSが現実を呼び戻します.現場は綺麗な海辺の町.救急覚知同時要請です.「畑で倒れているところを発見」のみの情報.ヘリが現場上空を通過すると,ちょうど畑から患者さんを収容したところです.近くに設定されたランデブーポイントに着陸.沢山の住民の皆様が集まってこられました.程なく救急車が到着,診療を始めます.呼びかけに反応なし,体温39.8度,麻痺なし,低血糖なし.状況から熱中症が一番疑われます.冷却輸液を急速投与,全身の冷却を行いながらヘリ搬送です.ヘリの機内で徐々に意識レベルは改善.体温も低下傾向となり,TECCMCヘ搬入となりました.

 消防の適切な要請のお陰で,医療介入までの時間が陸送の半分以下になっています.これからも是非是非よろしくお願い申し上げます.今日の写真は機内活動中の濱看護師です.cap姿の横顔が凛々しいでしょ?

 さて,新しい朝,今日も頑張りましょう~!
イメージ 1
 土曜日.やはり初療は賑わっています.昨日緊急入院された患者さん達は全員軽快されています.

 本日の写真はドクターヘリ搬入時のものです.ヘリポートから病院入口までの数十メートルをクルー全員で搬送します.

本日のドクターヘリ
1件目 心肺停止
 回診中にヘリ要請です.相棒の岡先生と走ります.情報は「物干し場から転落して頭部打撲.意識朦朧」です.もちろん救急覚知同時要請です.頭部外傷を考え準備です.飛ぶこと15分強,現場の情報が入ってきます.「心肺停止.心肺蘇生術施行中.外傷無し」.家の人が倒れている患者さんの状況から,転落外傷と勘違いされたようです.現場では珍しくない話しで,すぐに準備を切り替えます.ランデブーポイントから支援車に乗り換え,救急車と途中ドッキング.気管挿管,薬剤投与などを行いながらランデブーポイントへ向かいます.厳しい状況ではありますが,直近の病院へヘリ搬送としました.救急車での病院搬送を考えると,半分以下の時間で医療介入が行われています.この繰り返しが,救命力を上げていきます.

2件目 意識障害
 救急隊現着後の要請です.情報は「意識障害.背部痛あり」.岡先生と「解離?」「搬送先は?」などの打合せをしつつ飛びます.ランデブーポイントにはすでに救急車は到着済み.患者さんを診察すると意識状態は呼びかけに反応あり,やや徐脈傾向がありますが呼吸,循環は安定.症状も胸痛,背部痛はないようです.病歴を聴取し,意識障害の原因に見当をつけます.搬送先はTECCMCへ.

 まだまだ暑い日が続きます.皆様御自愛ください.
イメージ 1
 本日は総合診療夏季セミナー(昨日のブログ参照)で来られている学生さん、医学部6年生の学生さんが見学兼実習に来られました。朝のカンファレンス、ICU回診、ドクヘリ出動・搬入、初療対応など我々の日常業務を体験していただきました。患者さんを中心に診療が進む、市中病院の救命救急センターを実感していただけましたか?

 今宵はいつもヘリ搬入でお世話になっている病院の先生方、消防の方々とちょっとした親睦会を催しました。いろいろな教育コースでも顔なじみですが、仕事抜きでの交流って大切です。今後とも宜しくお願い申し上げます(写真)。

本日のドクターヘリ
1件目 列車事故(キャンセル)
 朝のカンファレンス終了直後に要請が入ります。実習の学生さんたちに見送られながらヘリポートに走ります。列車とトラクターの接触事故。救急覚知同時要請です。様々な状況を想定して準備を行います。傷病者の数は?状態は?・・・事故現場上空。踏切にトラクターが!すでに救急隊、救助隊は到着済み。その時、「傷病者なし。ドクヘリキャンセル」の無線です。大惨事にならず、けが人もなく本当に良かったです。小生が経験した5年前のJR福知山線列車事故の教訓がここでも生かされています。災害現場に早く医療投入することが重要!要請をかけた消防本部、非常に適切な判断です!!

2件目 意識障害、熱中症
 1件目から帰って、書類処理中に要請です。岡本先生に連れられた学生さん達が、ちょうど運航管理室にいた時です。ドクヘリ要請時の緊張感は伝わりましたか?さて機内では「畑で倒れて意識なし」という情報から輸液、血糖測定などの準備を進めます。ランデブーポイントにはすでに救急車が到着。相棒の幸部先生、藤巻看護師とトーマスバッグなどを担いで走ります。意識レベルII桁、呼吸、循環は安定、体温39.5度。血糖は正常です。本日の気温も35度以上、暑い中の畑仕事はきついでしょう・・・熱中症II度以上と考え、輸液、冷却を行いながらTECCMCへ搬送です。機内で意識レベルは改善、初療搬入後、意識清明になられました。ヘリによる早期医療介入と搬送時間の短縮が、患者さんの早期回復につながります。

3件目 痙攣
 救急隊現着後の要請です。「痙攣持続、右麻痺あり」。痙攣の持続は早く止めなければいけませんし、その原因が頭蓋内疾患の可能性もあります。救急隊の判断が冴え渡ります。散水を終えたグランドにJA818Hが着陸、救急車内へ駆け込みます。「また痙攣出現!」救命士の声。末梢ルートを素早く確保し薬剤投与。痙攣は消失します。右共同偏視もあり緊急度の高い状況のようです。であればヘリでTECCMCへ搬送です。ヘリ内で再び痙攣出現、薬剤投与で対応です。陸送で1時間近くかかる地域ですが、その半分以下の時間で医療が始まる、これがドクターヘリです。

 運航開始から4ヶ月が過ぎ、消防のヘリ要請も当たり前のようになってきました。それに伴い恩恵を受ける患者さんの数も増えています。助かる命が増えています。ドクターヘリ要請に敷居はありません。今後とも宜しくお願い申し上げます。
 
 本日は「総合診療夏季セミナー」でドクターヘリの講演をしてきました。「総合診療夏季セミナー」は将来但馬で働く可能性のある医学生、看護学生さんを対象に、地域医療などを体験、理解してもらうセミナーです。フライトスーツ、安全靴のまま出かけてきました。この但馬で、最先端の救命救急医療が展開されていることにびっくりされたかもしれません。明日は数名、TECCMCへ実習にこられます。

 ドクターヘリの件数は少なくても初療はにぎやかです。転倒され、右側腹部を強打された肝損傷(IIIb)、ショックの患者さんに始まり、頭部外傷、熱中症などなど。肝損傷はERLも覚悟しましたが、初期輸液に反応、TAEで止血完了。術者の幸部先生、岡先生、お疲れでした。

本日のドクターヘリ
1件目 倒木による胸部、腰部打撲
 肝損傷のTAE中に要請です。本日の相棒は幸部先生ですが、TAE中のため小生一人で出動です。いつも通りに離陸し、情報を聞きます。「倒木が胸、腰にあたった。他詳細不明」。山登り?覚悟を決めつつランデブーポイントに向かいます。飛行中の情報で、患者さんはすでに救出済み、救急車でランデブーポイントに向かっているとのこと。山登りを免れ、ちょっとだけ安心しつつランデブーポイントで救急車の到着を待ちます。救急車到着、情報を聞くとかなり山の中での受傷とのこと。ドクターヘリ要請するにも携帯も無線も不感地域だったようです。ご苦労様です。患者さんは呼吸、循環は安定していますが、胸部、腹部に圧痛があります。FASTは陰性。末梢ルートを確保し地元の救命救急センターへヘリ搬送としました。
 陸路であれば40分以上かかるでしょう。ヘリだと10分もかかりません。ドクターヘリは早期医療介入と搬送時間短縮に大きく大きく貢献する武器なのです。

2件目 頭部外傷
 小生が講演で抜けるため、TAEを終了した幸部先生と小生の代わりに岡本先生が出動です。この症例も山中での事故。幸部先生は統計学的有意差をもって、山登り、山中事案の確率が高いようです(本人は「そんなことないですよ(^_^)」と笑顔で否定)。両先生と清水看護師はランデブーポイントからいつものように支援車に乗って現場へ向かいます。ランデブーポイントから山中へ・・・覚悟を決める3人。とその時、救急車と途中ドッキングすることになります。山登り出来なくて残念そうな幸部先生、ホッとする岡本先生と清水看護師。いずれにせよ、一番早い医療介入が実現します。患者さんにとって一番であれば何でも良いのです。3名とも病院前救急診療は手慣れたもの。外傷初期診療を手早く行います。「頭部外傷疑い、TECCMCへ!」。救急車でランデブーポイントへ。そこからヘリで数分、TECCMC搬入です。

 今宵は番匠谷先生と24時間勤務です。今、番匠谷先生は岡先生と急性腹症の手術中です。小生はICUと初療のお留守番。今日はバタバタしていて、本日の一枚を撮ることが出来ませんでした。すみません。

 平和な夜を願ってICUへ戻ります。
イメージ 1
 ブログを書きます.18日分です.日記はその日に書きなさいと,何度小学生時代に言われたことでしょう・・・

 昨日のセンターは比較的穏やかでした.日勤帯,夜勤帯ともに嵐が吹くことなく,今朝を迎えていました.

本日のドクターヘリ
1件目 施設間搬送(写真)
 13日にERL,TAEなどを行った患者さんを施設間搬送します.一昨日抜管し,呼吸,循環も安定,創外固定した骨盤に対する手術目的に転医です.転医先は患者さんの住まわれている地域の救命救急センター,小生の古巣です.太陽の塔の横で引き継ぎ,ドクターヘリからドクターカーへ.搬入時予測生存率50%以下の患者さんが,笑顔を取り戻されてTECCMCを出て行かれます.救急医にとっては最高の瞬間です.

2件目 意識障害(キャンセル)
 救急覚知同時要請でしたが,救急隊現着時意識もあり,呼吸,循環も安定しておられキャンセルとなりました.このようなドクターヘリ要請こそが,ドクターヘリの本当の有用性を導き出すのです.

 1日遅れの日記は往々にしてあっさりめになるものです.申し訳ありませんです.