
今シーズン始めて「梨」を食べました.気節ものは美味しいですねえ.ここにいれば四季折々の食べ物,自然を堪能することが出来ます.救命医局内は様々な食べ物(非常食)に溢れています.
本日のドクターヘリ
1件目 乗用車の玉突き事故
麺類にチャレンジした昼食直後に要請です.今日は完食!番匠谷先生,森田看護師とヘリポートまで走ります.「3台の乗用車,玉突き事故.」との情報です.傷病者は複数名かもしれません.複数傷病者は病院前救急診療を担う医師の腕の見せ所です.ランデブーポイント到着数分前から無線交信が可能になります.「傷病者3名.1名は意識障害あり.」ヘリと救急車はほぼランデブーポイントに同着です.重傷者に番匠谷先生,森田看護師が,他2名は小生が担当します.小生が担当した2名は1次トリアージ,2次トリアージともに「緑」と判定します.番匠谷先生担当の患者さんは?意識障害ありで「赤」判定です.「赤」はヘリでTECCMC,「緑」2名は救急車で近隣2次病院と病院選定.ランデブーポイント滞在時間は10分以内を原則としています.複数傷病者でもこれは変わりません.フライトドクターが常に2名現場に出るアドバンテージです.
複数傷病者事案は現場における早期からの医療トリアージが有用性を発揮します.救急覚知と同時にヘリを要請,本事案も非常に有効な現場活動,ヘリ活動が出来ました!
2件目 乗用車 vs バイク
初療で1件目のヘリ記録作成中に出動PHSが鳴ります.初療からヘリポートまで数十メートル.JA822Hはエンジンスタートしています.「ドクターヘリ豊岡1.患者情報をお願いします.」番匠谷先生は医療無線で問いかけます.「バイクと乗用車の事故.傷病者はバイク運転手.心肺停止状態.」との返答.ランデブーポイントまでの到達時間,受傷機転から厳しい状況が予測されます.しかし,1%でも望みがあれば最大限の医療を提供し,救命に尽力するのが我々の仕事です.輸液,気管挿管準備,開胸準備を行いつつ飛行します.場所から考えると救急隊現着までも時間がかかる地域です.到着間際に現場から無線連絡,「心肺停止状態・・・」 焦る気持ちを抑えつつランデブーポイントへ着陸.事故現場はランデブーポイントの直近であったため,救急車もランデブーポイントにほぼ同着です.「豊岡病院の番匠谷です!」頭もとから入った番匠谷先生はその直後,「小林先生,ちょっと厳しいかも・・・」 残念ながら損傷形態,時間経過などから蘇生を断念です.警察に検死を依頼し引き上げます.
病院まで1時間近くかかる地域です.医師が現場に行くことで,現場であるいはその地域で全てが完結出来ます.往復2時間,救急車がその地域からいなくなることが防げます.これもまたドクターヘリの大きな大きな役割だと実感しています.
助けられる命もあれば,叶わない事案もあります.1つ1つの事案と向かい合いながら日々努力いたします.








