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 今日は朝から霧がかかっていました.先日まで暑い日が続いていましたが,ここ数日ですっかり秋の空になりつつあります.

本日のドクターヘリ(小林,松井先生,清水看護師)
1件目 意識障害
 回診終了直後の要請です.救急覚知同時要請.救急隊の適切な処置により,ドクターヘリドッキング時は意識レベルの改善を認めます.気道,呼吸,循環の問題なく,意識障害の原因検索目的にTECCMC搬送です.

2件目 激しい頭痛 くも膜下出血
 1件目の搬入直後に要請です.松井先生,清水看護師と初療からダッシュ!「激しい頭痛.」 救急隊現着後要請ですが,非常に適切な要請です.現場での観察,評価がしっかりなされている証拠です.ランデブーポイントでの診察はくも膜下出血を十分に疑う所見あり.幸い意識もしっかりされており,鎮痛剤投与,降圧を行いつつTECCMCへ搬送です.初療搬入後,やはり・・・現場の診断通りでした.

3件目 交通外傷(歩行者 vs 乗用車)
 救急覚知同時要請です.1ヶ月ぶりに向かうランデブーポイント(写真).「歩行者が乗用車にはねられ意識無し.」 重篤な状況が予想されます.ランデブーポイントに着陸,と同時に救急車もやってきます.覚知から18分後に外傷初期診療が開始!呼吸,循環は安定,情報では意識無しでしたが,幸い呼びかけには反応されます.しかし,なんだかちょっと変.頭部に皮下血腫もあり外傷性くも膜下出血くらいあるのかもしれません.ならば迷わずTECCMCへ搬送です.初療搬入後,やはり・・・予想以上の病変が!

 今宵は番匠谷先生との夜勤(24時間勤務)です.ブログ(日記)もリアルタイムに更新できない今日この頃です.
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 今日は午前中の3時間半で4連続ミッションとなりました.午後からは大雨,救急事案もドクターヘリ要請も一段落です.

 先日ERLを行った重症肝損傷,多発外傷の患者さん,本日無事抜管出来ました.予測生存率50%以下の患者さんがまた一人救われました.この4月から何人目でしょうか?うれしいことです!

本日のドクターヘリ(小林,番匠谷先生,藤巻看護師)
1件目 施設間搬送(骨盤骨折)
 先日の「がんばれ~,岡先生」事案の患者さんが,地元の救命救急センターへ転医されます.骨盤骨折の手術目的です.ランデブーポイントまで30分,太陽の塔が今日も向かえてくれます.ドクターヘリからドクターカーへ患者さんを引き継ぎます.小生,番匠谷先生,藤巻看護師が勤務した古巣,懐かしい元同僚への引き継ぎはなんだか良いもんですね.後はよろしくお願いします.

2件目 意識障害 脳梗塞
 1件目の事案からの帰投途中に要請です.ランデブーポイントまで20分強.運行管理室に携帯電話で情報を聞きます.「意識なし.呼吸あり.」の情報です.救急隊はまだ現着していません.いつも通りの覚知同時要請です.これならドクターヘリと救急車はランデブーポイントにほぼ同時に到着すると予想されます.相変わらず良い要請判断がなされています.やはりドクターヘリの着陸と救急車到着がピッタリ一致です(写真).番匠谷先生は頭側,小生は足側から救急車内に入ります.意識障害,低血糖なし,循環は安定.状況から意識を消失されてからかなり時間が経っていることが予測されました.輸液をしっかりしながら脳血管障害,熱中症などを考えTECCMCへ搬送です.

3件目 意識障害
 2件目の初療搬入中に要請です.初療室で患者さんを引き継ぎそのまま出動.燃料はまだ大丈夫.「嘔吐あり,意識障害,くも膜下出血を疑う」との情報です.ヘリがランデブーポイント着陸と同時に救急車もやってきます.適切な要請で,最短での医療介入が可能になっています.救急車内で診療開始.嘔吐は確かにあります.意識は?I桁.低血糖なし.あれ?何やら顔色が白い??眼瞼結膜は真っ白.「どこかに出血があるかもしれません!」番匠谷先生が冷静に判断します.循環は安定.ならば精査と加療目的にTECCMC搬送です.

4件目 意識障害
 3件目がTECCMCへリポートへ着陸する直前に要請です.ヘリポートまで初療ストレッチャーを持ってきてもらい,そこで乗せ替え.ドクターヘリはそのまま現場へ・・・といきたかったのですが,燃料がありません.4連続ミッションですから.出動途中に但馬空港で燃料補給.急いでランデブーポイントへ向かいます.それでも救急車に遅れること10分弱.お待たせしました m(_ _)m 患者さんは意識レベルIII桁,舌根沈下あり.気道の問題がありそうと判断し,鎮静下に気管挿管.これで安定化OK.あとは原因検索です.直近の救命救急センターへ受け入れをお願いしヘリ搬送です.いつも快く受け入れを応需していただきありがとうございます.

 4件目の帰投途中に但馬空港で給油.ところが雨と雲に影響でしばらく足止めをくらいました.番匠谷先生,藤巻看護師は空港ロビー売店でウィンドショッピングに興じておられました.

 明日は雨降らないで~
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 13日分のブログを完成させたら,Yahooのログインが間違っていて全部消えちゃいました(-_-;;; 意気消沈・・・夜中にがんばったのに.簡略化・・・すみません.

本日のドクターヘリ(小林,倉橋先生,林看護師)
1件目 意識障害
 救急覚知同時要請.「畑で倒れている」 綺麗な芝生の小学校グラウンドでランデブー.熱中症を疑いTECCMCへ.

2件目 意識障害(キャンセル)
 救急覚知同時要請.「急に倒れていびき様呼吸.痙攣あり」 ランデブーポイント上空まで行きましたが,症状軽快にてキャンセルとなりました.

3件目 胸痛
 救急覚知同時要請.「胸痛,呼吸苦」 現場で12誘導心電図をとって,かかりつけの当院へ搬送です.循環器科の先生方に引き継いでいます.いつもありがとうございます.

4件目 交通外傷 閉じ込め事案
 救急覚知同時要請.「軽トラックの横転.閉じ込め」 日没間際,現場活動時間の制限の中,現場直近の休耕田に着陸(写真)!そこから資機材を担いでダッシュ!!救助現場からの医療介入を行い,ストレッチャーでランデブーポイントへ.タイムリミットを5分以上残してTECCMCへ搬送です.

 夜間は番匠谷先生と緊急手術でした.お疲れ様でした.今度から書いたブログが消えないように気をつけます.
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 本日は幸い穏やかな時間が流れました.お陰でベッドコントロールもでき,満床の危機を回避できました.こういう日は,呼吸器のウイニング,循環管理の見直し,治療方針の見直しなどがゆっくりできます.

本日のドクターヘリ
 要請,出動ともに0件でした.日曜の0件は初めてかも.昨日とはうってかわって,穏やかな1日でした.

 今宵は岡先生と24時間勤務です.朝まで静かであって欲しいものです.
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 本日,小生は午後から福知山市で行われた「救急フォーラム」に参加しました.様々な救急に関するイベントの中で,阪神淡路大震災や経験をふまえた福知山線列車脱線事故など災害医療に関する話をしてきました.皆さん,熱心に聞かれていました.そんな中,TECCMCには嵐がふいていました・・・

本日は午後から小生の他,倉橋先生,番匠谷先生,松井先生が専門医試験のため不在となりましたが,その直後からです・・・

本日のドクターヘリ(記録から)
1件目 交通外傷(岡先生,三浦先生,福本看護師)
 昼前の要請でした.乗用車の事故.救急隊は全身観察で胸部外傷を疑い,ヘリ要請.ランデブーポイントに降り立った岡先生,三浦先生はいつもどおりの外傷初期診療を行います.やはり胸部に異常あり!幸い,呼吸,循環は安定しています.迷わずTECCMCへヘリ搬送です.

2件目 パラグライダー墜落(岡先生,三浦先生,福本看護師)
 小生が出かける直前に出動です.神鍋高原のスキー場でパラグライダーの墜落.ドクターヘリはゲレンデ下の平らな場所で医療クルーをおろします.そこから岡先生,三浦先生,福本看護師は関係者の車に乗って山の上へ上へ.さらに車を降り,歩いて現場まで山登りです.若き三浦先生曰く,「岡先生の気配がどんどん消えていくんです」
振り向けば・・・(写真)「岡先生~,がんばれ~」 患者さんのもとへ!なんとか現場にたどり着くと,「骨盤骨折!ショック!!」患者さんを診ると元気になる岡先生は叫びます.初期輸液,全身固定.なんとか搬送可能と判断し,今度は救急隊と一緒に担いで下ろします.ランデブーポイントへ到達,やはり迷わずTECCMCへ搬送です.救急覚知同時要請だからこそ成し得る早期医療介入です!
 この活動の裏ではセンターに転医搬送依頼がきていました.大動脈解離,心嚢液貯留.こちらも猶予なしの症例です.そこでセンター日勤責任者の山邊先生のナイス判断が下ります.
 ヘリはエンジンカットせずTECCMCへリポートで患者さんの引き渡し,岡先生,三浦先生,福本看護師はそのまま院内治療へ(血管造影と創外固定を行いました).ヘリ交代人員として岡本先生,林田看護師が変わりの資機材と共に即座にヘリへ乗り込みます.これだけで5~10分は違います.現場出動回数が多ければ多いほど,短期間にフライトドクター,ナースの育成が完了します.その成果が出始めています.

3件目 施設間搬送(岡本先生,林田看護師)
 大動脈解離の患者さんの施設間搬送を担当しました.速やかに搬送され,飛行中も循環管理をしっかり行っています.

4件目 墜落外傷(岡本先生,福本看護師)
 施設間搬送を終わって,但馬空港で給油中に要請です.薬剤の補充だけをセンターヘリポートに寄って行います.釣り中に岩場から転落し呼吸苦.ランデブーポイントに降り立ち,JATECインストラクターの岡本先生は外傷性気胸を見逃しません.呼吸の安定化を目指し胸腔ドレーンを挿入!これまたTECCMCへ搬送です.

5件目 心原性ショック(岡先生,福本看護師)
 要請終了間際の要請です.心筋梗塞の既往のある患者さんが心窩部痛を訴え,冷汗著明とのこと.ランデブーポイントで岡先生は徐脈を見つけます.循環も不安定・・・経皮ペーシングを行いつつTECCMCへ搬送です.搬入後は循環器の先生方に引き継ぎました.いつもありがとうございます.

 どの事案も消防の適切な要請によって早期医療介入,搬送時間短縮,後遺症軽減(予後改善)がもたらされています!すごい地域になりました.

 さて,最近恒例の夜間緊急手術です.岡先生,幸部先生,もうひとがんばりしましょう!
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 明日(11日),福知山市で「第5回救急フェスティバル」が開催されます.その中で,災害医療について少しだけお話しさせていただきます.皆様,お時間がありましたらのぞいてやって下さい.下記に詳細が載っております.

http://www.city.fukuchiyama.kyoto.jp/modules/news/article.php?storyid=3161

 本日は早朝の緊急手術を幸部先生と行いました.acute care surgeryは定期手術とはまったく異なります.このあたりは後日時間があればゆっくりと書きたいと思います.ちなみに岡先生が千里時代からの症例などをいろいろまとめてくれてますので,いずれ論文化されると期待しております(←いえいえ,プレッシャーを与えているのではありません).

本日のドクターヘリ
1件目 意識障害
 回診中に要請です.山邊先生,清水看護師といつも通りにヘリポートへ走ります.「意識なし,呼吸あり」との情報です.15分弱のフライト,ランデブーポイント着陸と同時に救急車もやってきます(写真).この地域であれば直近の病院まで何十分かかるかなあ・・・このような地域こそ,ドクターヘリが早期医療介入と搬送時間の短縮に有用性を発揮するのです.患者さんは幸い病状も軽快,安定されました.ならば直近の2次病院へヘリ搬送です.直近の2次病院は隣の消防本部管轄エリアなので,ヘリポートの支援と病院までの救急車搬送を運航管理室,当該消防本部からお願いします.いつもいつも快くお引き受けいただき感謝申し上げます.この地域の消防同士の連携,協力もすばらしいものがあります.

2件目 脳血管障害疑い(キャンセル)
 救急覚知同時要請です.ヘリの有用性が最大限に発揮される地域からの要請です.「意識レベル低下,いびき様呼吸」やばそうな情報です.搬送先病院の選定などいろいろ考え飛行します.とその時,「症状軽快.軽症にてキャンセル」との連絡.一同安堵感に包まれながら但馬空港への給油へ向かいます.

 最近,日中の日差し,風が過ごしやすくなりました.9月も中旬なので当たり前なのかもしれませんが.穏やかな天候が続けば良いですね.
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 本日は北里大学救命救急センターにお招きいただき,お話しをさせていただきました.非常に沢山の方々にお集まりいただき感謝申し上げます.空ばかり飛んでいると思われていますが,一応ポスター(写真)に書いてある内容を含めた集中治療もやっております.往復の道中,愛用のMAC BOOK AIRに向かっていました.新幹線の車内にAC電源,無線LANが配備され,仕事環境は睡魔を除けば申し分ありませんでした.

 本日のドクターヘリは2件です.記録からの抜粋ですが,1件目は出動後軽症にてキャンセル,2件目は救急隊現着後要請で意識障害,呼吸の異常.搬送中の医療行為を考慮されました.その効果あり,初療搬入後から状態は改善されたようです.

 久しぶりにセンターを空けましたが,ヘリ対応,初療対応,夕方からの緊急手術対応も滞りなく行われました.少数精鋭で頑張っています.皆さん,お疲れ様!
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 今日の午前中は台風の影響でヘリは但馬空港に待機でした.雨が降るわ,雲の影響で視程は悪いは・・・台風はもう結構で御座います.

 お昼前からガーゼパッキングした患者さんのsecond look operationを行いました.パッキングと動脈結紮術で止血は完璧でした.損傷部を含めた肝臓を切除する必要もなく,損傷断面の処理を行って手術を終了しました.後は集中治療です.頑張りましょう!

本日のドクターヘリ
1件目 頭部外傷
 救急隊現着後の要請です.小生は手術室からフライトスーツに着替え出動です(ギリギリ間に合いました!).手術中にヘリ待機をお願いしていた幸部先生,藤巻看護師と出動です.「受傷機転が不明.頭部外傷」とのこと.雲が低く視程が悪いため国道添いの山間を飛行します.ランデブーポイントに着陸,そこからはいつも通り支援車で救急車と途中ドッキングを目指して移動です.峠,山間部ではヘリの着陸スペースがなかなかなく,このようなパターンが多くなります.走ること5分,国道沿いのパーキングでドッキングです.患者さんは頭部からかなりの出血があります.外傷初期診療を救急車走行中に行いながらランデブーポイントへ向かいます.頭部外傷疑いにてTECCMCへヘリ搬送です.

2件目 乗用車同士の正面衝突
 手術を終え,術後管理が一段落した番匠谷先生(←元々のヘリ当番)と藤巻看護師と出動です.「乗用車の正面衝突.傷病者2名」 番匠谷先生との出動は複数傷病者が多いですねえ.ランデブーポイントまでは5分少々.上空から事故現場が確認出来ます.ドクターヘリは事故現場に近い駐車場に支援隊の安全確保で着陸です.「先生,事故現場まで走って下さい!」支援隊からの要請.ランデブーポイントから事故現場(写真)までは200mくらいでしょうか.資機材を持ってダッシュ!現場投入の多さ,これがTECCMC's ドクターヘリ!!救急車内に収容済みの患者さん,1人目を番匠谷先生,2人目を小生が担当します.小生の患者さんは・・・FAST positive,冷汗あり!!!呼吸,循環はまだ保たれています.急速輸液を行いつつ番匠谷先生の患者さん情報は?「呼吸,循環は安定.骨盤骨折疑いです」 ならば小生の患者さんがトリアージ「赤」,番匠谷先生の患者さんがトリアージ「黄」.「赤」をヘリ搬送,「黄」は番匠谷先生同乗で救急車搬送.両名ともTECCMCへ!距離的にピストン搬送よりこの方法がBESTの搬送と判断します.
 本日も夕方から賑わっているTECCMCです.

 2名のフライトドクター体制は複数傷病者に対応しやすく,有用性をひしひしと感じております.皆,それなりのフライト回数になってきました.病院前救急医療のspecialistになりつつあります.

 明日は関東の大学にお招きいただきました.集中治療関係のお話しをさせていただきます.日帰りの強行軍ですが・・・
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 昨日(今朝)の手術終了後,2時間ほど仮眠をとりました.でもやっぱり眠さには勝てません.今日は座った瞬間に,どこででもうたた寝モード全開です.でもヘリ機内では「目がシャキ」状態,元気一杯に出動です.

本日のドクターヘリ
1件目 痙攣
 救急覚知同時要請です.「小児の痙攣」.本日は松井先生,安積看護師とフライトです.ランデブーポイントまで数分,着陸し現場までダッシュ.患者さんは幸い痙攣もなく,意識も清明です.経過観察のためTECCMCへヘリ搬送とします.

2件目 意識障害
 救急隊現着後の要請です.「意識なし,呼吸あり」との情報です.きれいなサッカー場に着陸,すでに到着していた救急車に乗り込みます.気道は開通,頻呼吸,循環は安定,意識レベルはII桁,高体温.状況から熱中症,感染症などによる意識障害を考え急速に輸液を行いながらTECCMCへ搬送です.
 やはり尿路感染症,脱水,熱中症からの意識障害でした.十分な輸液で意識状態は改善です.

3件目 軽トラックの下敷き
 日没直前の要請です.ミッション時間が限られた中の活動です.「年齢,性別不詳.軽トラックの下敷き」との情報.これは現場投入があり得るかも.機長に日没にあわせた活動時間の確認をします.「ランデブーポイント着陸から離陸まで30分以内でお願いします」 ランデブーポイントに着陸,予想通り支援車で現場投入です.3人ともヘルメット着用,支援車の後部座席に乗り込みます.支援車は国道から峠道へ.ランデブーポイントから現場まで10分弱.ということは現場滞在時間を10分以内にする必要があります.閉じ込め,救助事案であればヘリ搬送は不可能です.支援車を降り現場へ(写真).するとちょうど患者さんが救助され担ぎ上げられたところです!これならヘリの有用性,早期医療介入と搬送時間短縮の両方を実現出来る.「このまま救急車内へ収容,走りながら診察,治療します!」 現場滞在時間3分.救急車内で外傷初期診療開始です.末梢ルート確保,FAST・・・ランデブーポイント到着までにprimary surveyは余裕で終了です.そしてタイムリミットを5分以上残しランデブーポイントを離陸,TECCMCヘ.本日の夕方も皆,待っててくれました.
 
 本日も消防の適切な要請で早期医療介入が患者さんにもたらされました.

 さて,今宵は24時間勤務です.ICU,初療ともに落ち着いていますように・・・
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 本日は夕方まで穏やかなTECCMCでした.ヘリ要請もなく,初療ものんびりムードです.たまにはこんな日もないと.と思っていた矢先に1本の電話です・・・

本日のドクターヘリ
1件目 施設間搬送(肝損傷,出血性ショック)
 いつもお世話になっている救命救急センターの先生からの電話です.「昨日搬入され,肝損傷に対してガーゼパッキングした患者さんが安定しません.ドレーンから大量に出血が続きずっと急速輸血をしています.なんとかなりませんか!?」「我々でどこまで出来るかわかりませんが,喜んでお引き受けします.日没が迫っているので早急にヘリ要請願います.」 その数分後,ヘリ要請です.切迫した患者さんの状況,おそらくはTECCMC総力戦になりそう.日勤の番匠谷先生に居残りの連絡,休みなのに院内をうろうろしていた幸部先生,岡本先生もGET,そして本日の相棒の岡先生,夜勤の松井先生,山邊先生.ヘリは20分弱で先方のヘリポートに着陸.患者さんを引き継ぎます.日没間際,必要最小限の申し送りだけで離陸です.ドレーンからの出血は続きます.肝損傷以外にも頭部外傷,胸部外傷も合併した多発外傷です.岡先生は機内で人工呼吸管理をオキシログ3000で行います.PEEPをかけ換気量を調整します.輸血,輸液は全開!機内からTECCMCへ電話連絡.「初療室開腹(ERL)の準備,輸血準備,FFPは溶かし始めて.後15分で着くよ!」 夕日のヘリポートに着陸,初療室へダッシュです.

 そして長い長いTECCMCの夜が始まります・・・

 初療ではすでに手術器械が展開されています.松井先生は麻酔をかけ始め,その間に看護師さんたちは点滴ルートの整理とモニタ装着.皆が統制良く動き回ります.岡本先生は松井先生のサポートと先方の画像チェックと情報収集.小生,幸部先生,岡先生,番匠谷先生は清潔ガウンを着てERL開始です.搬入から5分,不完全だったパッキングガーゼを除去,肝の損傷部位を確認,速やかに適切なガーゼパッキングを行います.これで静脈系の出血は制御,1層に閉腹,循環は立ち上がります(写真).
 後はいつもどうり,造影CT撮影.やはりありました,造影剤の血管外漏出!ではそのまま血管造影,TAEを行いましょう.血管造影は番匠谷先生,岡先生に任せます.ところが,血管の走行が正常ではありません.どうあがいても目標血管にアプローチ不可能なのです.動脈性の出血を制御しなくては救命困難となってしまします.実際,動脈性の出血が持続しており腹部も膨隆,人工呼吸器の一回換気量も減少しています.このまま指をくわえて見ている訳にはいきません.血管内治療が不可能なら直視下に治療です.再開腹し右肝動脈の結紮を決断します.移動可能な循環動態であり,今回は手術室で手術を行います.
 小生,番匠谷先生,幸部先生で手術です.開腹するとやはり動脈性に出血が続いています.型通りに肝門部を処理し右肝動脈を結紮,直後から術野の出血は制御されます.ガーゼパッキングはそのままおいて閉腹,ICUへ入室です.
 ICU担当の山邊先生にバトンタッチし全身管理.ここまでくれば大丈夫でしょう.TECCMCの救急医たちは朝方各々の寝床に帰っていきました.後数時間でまた新たな勤務が始まります.つかの間の休息・・・

 ご紹介いただいた先生,ありがとうございました.救命に向けてこれからがんばります!ドクターヘリが医療圏を確立し,救える命を確実に増やしています.