
本日も晴天です.天気が良いと街,空,海,山が本当に綺麗な地域です.
夜間は熱中症の患者さんの緊急透析がありました.ICU担当の岡先生が対応してくれました.熱中症は本当に侮れないので,皆様まだまだご注意ください.
本日のドクターヘリ
1件目 窒息(キャンセル)
救急覚知同時要請ですが,救急隊現着時の状況などからキャンセルになりました.
2件目 呼吸不全
救急隊現着後の要請です.元々肺疾患をお持ちの患者さんの呼吸苦,循環不全とのことです.搬送時間を考慮し,救急搬送中に急変される可能性あるいは気管挿管,薬剤投与の可能性を考えられての要請です.綺麗なグランドにドクターヘリは着陸(写真).すでに到着していた救急車内に三浦先生,林看護師と駆け込みます.気道は開通していますが,呼吸は努力様,橈骨動脈は触知不可能です.輸液を全開投与,家人に既往,病状などを確認しつつヘリでTECCMC搬送とします.
救急車であれば搬送中に急変の可能性も十分に考えられた事案です.適切な要請をありがとうございました.
3・4件目 転落・意識障害とトラクターの下敷き
2つの消防からほぼ同時に要請です.取り敢えず飛び立ちます.
・事案1;ランデブーポイントまで6分.土手の下で倒れて意識なし.救急隊現着しておらず.
・事案2;ランデブーポイントまで15分.トラクターの下敷き.意識あり.救急隊現着不明.
フライト中にこんな情報を運航管理室からもらいます.おそらく事案1はランデブーポイントから支援車で現場投入になるでしょう.ならば事案1のランデブーポイントに三浦先生,林看護師を降ろして現場投入.その間に小生が1人で事案2に対応.患者情報を三浦先生と連絡を取り合ってその後のヘリ運用を決めることにします.林看護師は機内の資機材,薬剤を集めて簡易のトーマスバッグをもう1つ作成してくれます.その間に三浦先生,クルーとミッション対応の打合せ.その旨を運航管理室へも伝えます.事案1のランデブーポイントへ着陸,三浦先生,林看護師を降ろしヘリはtouch & goで離陸します.予想通り事案1は現場投入です.1人になった機内で輸液ルートの作成,記録用紙の準備を行いながら事案2に向かいます.事案2のランデブーポイントに着陸.直後に三浦先生から連絡です.「ABCは安定.しかし意識状態が悪いです.TECCMCの適応です!」.「患者さんを救急車に収容し,TECCMCへ向けて出発し始めて.こっちの状況みてまた連絡するから」.事案2の救急車がランデブーポイントに到着です.どうやらトラクターは下肢の上にのみのったようです.体幹部は問題なし.しかし右下腿の開放骨折がありそう.全身状態も問題なく,下肢のみであれば直近2次病院対応可能と判断します.救急隊に陸送を依頼,約6,7分で病院に到着可能とのこと.であれば問題なし.ドクターヘリは事案1の対応へ向かいます.事案2のランデブーポイントを離陸,三浦先生へ連絡.あとは運航管理室と事案1の当該消防がランデブーポイントを設定してくれます.10分後,事案1の患者さんをドクターヘリはピックアップ,TECCMCへ向かいます.こんなミッションでも事案1は30分近い搬送時間の短縮につながっていました.事案1の患者さんは早期医療介入のお陰で,TECCMC搬入時には意識レベルの改善を認めました!
重複事案に出来るだけ対応出来るよう1つ1つのミッションで考えております.そのためにも早期からのドクターヘリ要請が必要なのです.現場で医師による医学的なトリアージがなされるだけでも良いのです.もっともっとドクターヘリをご活用ください.ドクターヘリが活用されればされるほど,救命率も上がりますし,後遺症も軽減いたします!
ドクターヘリ勤務終了と同時に急性腹症の緊急手術です.幸部先生,岡先生と頑張ってきます.大手術になりそうです・・・