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 救命救急センターのICU,病棟は人工呼吸器フル稼動です.そんな中,Vf蘇生後で脳低温療法から復温中の患者さんが目覚められました.どこまで回復されるかはもう少し経過をみますが,第一段階はクリアです.良かったです.

本日のドクターヘリ(小林,山邊先生,濱看護師)
1件目 交通外傷
 救急隊現着後の要請です.全身観察の結果,「頸椎損傷および頭部外傷の疑い」.低い雲の合間をぬってランデブーポイントへ向かいます.機内ではいつも通りに濱看護師が輸液などの用意をします.15分後,ランデブーポイントに着陸.救急車はちょっと前に到着していたようです.事故概要からは同時要請でも良い事案です.同時要請なら20分ちかくは医療介入の短縮が出来たでしょう.小生,山邊先生,濱看護師は救急車内に入ります.患者さんは「首が痛い!首が痛い!!」を繰り返します.気道,呼吸,循環は問題なし.意識レベルも問題なし.神経学的にも問題なし.ただ自覚症状が気になったため,TECCMCへ搬送とします(近隣の病院に断られたのもありますが・・・).搬入後の検査にて頸椎骨折が判明しました.全脊柱の保護を完遂して良かった事案です.

 日没の関係で運航終了時刻が早くなってきました.お陰で18時からの各種会議に間に合っちゃいます・・・小生に静かに座っていることは無理なようです (^_^;

 本日もお疲れ様でした.
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 初療も救命病棟も大繁盛です.そんな中,我々の心を曇らせる救急搬送がありました.詳細は割愛しますが,救急医が指示を出したヘリ適応の患者さんに要請がかからず,患者さんに不利益が生じてしまいました.該当する救急隊,消防の方は真剣に本事案を検証ください.
 初療搬入後,番匠谷先生,フライトナースの安積さんから救急隊に厳しいフィードバックが行われました.県境を越えただけで救急医療に対する温度差が生じるのはなぜでしょうか?昨日お話ししたメディカルコントロールが他府県にはおよばないからでしょうか?この救急隊だけの問題でしょうか?患者さんのことを第一に考えてください.我々救命救急センタースタッフは真摯に救急医療に取り組んでおります.このような事案が1例でもあることが許されません.
 毎日がきれい事ばかりではありません.広域を対象とした救急医療には様々な問題が存在しています.1つ1つ解決しながら進んでいきたいと思います.今日は残念でならず,かなり抑えめですが厳しいコメントを書きました.

本日のドクターヘリ(小林,幸部先生,森田看護師)
1件目 施設間搬送・脳内出血
 施設間搬送です.脳内出血の患者さん.ランデブーポイントで降圧,鎮静,気管挿管を施行しヘリ搬送いたしました.2次性脳損傷を生じさせないことが大切です.

2件目 施設間搬送
 本日2件目の施設間搬送です.当ドクターヘリでは希なことです.緊急開頭術を要する患者さんですが,当センターではすでに脳外科チームが手術中.また居住地も遠方にて,居住地近くの救命救急センターへ施設間搬送です.天候ももってくれて,無事日没までに帰投できました.

 本日もお疲れ様でした.
 本日は但馬地域メディカルコントロール協議会が開催されました.但馬地域の病院関係者,消防関係者の代表が集まり,各報告事項の確認,消防法の改正に伴う搬送基準案の協議などを行いました.この地域のまとまりが良いのは,メディカルコントロール協議会をはじめとした医療,消防の相互関係が良好に維持されているからなのでしょう.今後ともよろしくお願い申し上げます.

 小生は上記,メディカルコントロール協議会に出席するため本日は地上勤務です.

本日のドクターヘリ(幸部先生,番匠谷先生,藤巻看護師)※記録を参考に記載します.
1件目 Vf蘇生後
 朝の回診中に要請です.一般市民がAEDを使用して蘇生した患者さんです.もちろん救急覚知同時要請.早期医療介入,早期搬送でTECCMCへ.循環器科の先生方に冠動脈をチェックしていただき,ICUで脳低温療法へ.4月から2人目の脳蘇生が出来るでしょうか.

2件目 意識障害
 午前中2件目の要請.ヘリ担当者達は初療からヘリポートまでダッシュです.「畑で倒れて意識なし」 同時要請です.ヘリドッキング時,CPSS 3項目要請.脳血管障害を疑いTECCMC搬送です.医療介入の早さと搬送時間の短縮が後遺症軽減につながります.

3件目 出血性胃潰瘍
 施設間搬送です.出血性胃潰瘍の治療目的に転医です.出ている血は早く止める.そのためには搬送時間の短縮が必要です.適切な要請をありがとうございます.

4件目 意識障害
 救急覚知同時要請です.ランデブーポイントから支援車で現場へ.その直後に次の事案要請です.脳血管障害というよりは,もともとの基礎疾患増悪によるものが考えられます.かかりつけ病院に断られ,TECCMCへ搬送を決断.しかし,次事案が・・・幸部先生は決断します.本事案の患者さんは搬送時間が多少延びても問題なし.現場からの医療介入と搬送中の適正な管理のみでいける.では,本事案の患者さんは番匠谷先生同乗で救急車搬送,次事案は幸部先生,藤巻看護師でフライトでいこう!
 番匠谷先生は現場から救急車同乗でTECCMCへ.
 幸部先生,藤巻看護師は現場から支援車に乗ってランデブーポイントへ.そして次事案へとフライトです.

5件目 転落・心肺停止
 救急覚知同時要請です.しかし前事案の連続出動であったため,患者さんへの接触時間がいつもより遅くなってしまいました.申し訳ありません.ランデブーポイント到着し患者さんを診察すると心肺停止状態.時間的には厳しい状態と判断します.外因性,内因性とも特定できず,厳しい状態のまま直近救命救急センターへ引き継ぎとなりました.

 本日は朝から5件連続出動.本当にお疲れ様でした.消防本部の意識の高さが適正なヘリ要請につながっています.ありがとうございます.
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 今月は神無月.一年の事を話し合うため出雲大社に全国の神が集まって,出雲以外には神がいなくなるという月です.ちなみに出雲では旧暦10月を神在月と言うそうです.学生時代の記憶.なぜだか神無月だけは良く覚えています.今月は日本救急医学会が開催されます.学会会場に全国の救急医が集まって,会場以外には救急医が・・・全国にもっともっと沢山の救急医が増えると良いですね.

本日のドクターヘリ(小林,松井先生,米田看護師)
1件目 墜落
 回診終了後にPHSが鳴ります.但馬の青空にJA822Hは舞い上がります.「3mからの墜落.意識なし」との情報.救急車であれば50分近くかかる地域です.ヘリであればものの数分.当然ながら救急覚知同時要請です.救急隊現着直後にJA822Hは現場上空に到着しています.救急隊が現場活動を始めたことを上空から確認,ランデブーポイントに着陸して救急車を待つのであれば15分は時間を無駄にします.そんな我々の雰囲気を察知して「現場直近の空き地に着陸可能.現場救急隊の安全確保があれば着陸します」と機長.無線でその旨伝えると,現場から隊員が1人走ってくるのが確認されます.「臨時着陸場は安全.着陸願う!」 その無線を確認し,JA822Hはゆっくりと確実に現場直近に着陸します(写真).「ヘルメット装着!」小生,松井先生,米田看護師は機材を持って現場まで走ります.現場は建築現場.2階部分からの墜落です.頭部からの出血がかなりあり,意識レベルも怪しい.救急覚知から20分以内に外傷初期診療が開始されました.ABCは安定,しかし意識レベルがおかしい.胸部にも圧痛あり.頭部外傷,胸部外傷を考えヘリでTECCMCへ搬送です.現場からバックボードで直接ヘリ搬入.機内であらためてFAST施行.初期輸液も開始しつつ速やかな搬送です.機内でprimary surveyが終了,ヘリポートからdirect trauma CTへ.やはり現場での診断通りの結果が出ました.

2件目 トラック VS 自転車
 救急覚知同時要請.もはや当たり前の要請です.本事案はこの当たり前の要請だからこそ救い得た命です.小生,松井先生,米田看護師の3名はいつも通りJA822Hのいつものシートに身を委ねます.小生は400回以上,この席に座っています.松井先生が運航管理室に情報を聞きます.「トラックに人がはねられた.年齢,性別不明」 トラックとケンカして勝てる可能性は・・・準備を速やかに行います.5分で事故現場上空へ.上空からもはっきりわかります,大量の血痕が!!救急隊も現場活動を速やかに行い,車内収容,ランデブーポイントへの移動を始めます.ならばランデブーポイントに着陸し救急車の到着を待ちましょう.JA822Hは指定された学校の校庭に着陸.救急車も程なく滑り込んできます.「但馬救命,小林,松井です」いつも通りに救急車内に飛び込みます.救急覚知からぴったり20分,外傷初期診療の開始です.救急隊の申し送りを聞きながら診察しますが,気道は血で閉塞気味,呼吸音は減弱,循環は・・・橈骨動脈が触れない!!頸動脈は?弱い!!意識レベルはIII桁,全てに反応なし,全身に擦過傷あり.ABCD全てに異常があります.と診察を始めて1分,頸動脈が触れません!!心肺停止です.速やかに胸骨圧迫,松井先生は気道確保,小生はルート確保へ.しかし,血管が虚脱,患者さんも皮下脂肪が多く,まったく末梢血管が見えません.もたもたしている余裕なんてありません.ならばお得意のBIGを用いた骨髄輸液です.血管が見えなくても,橈骨遠位端が触知できれば留置可能です.「バシっ!」ものの数秒で輸液路確保,薬剤投与です.その間に松井先生は胸骨圧迫を止めることなくなんなく気管挿管.薬剤投与から2分.「頸動脈触知可能.心拍再開!!」これならヘリで搬送可能です.骨盤骨折を疑いサムスリング装着,機内へ.機内でも循環はまだまだ不安定.もう一方の橈骨遠位端に骨髄輸液路を確保,加圧バッグで輸液します.5分後,ヘリポートに着陸,初療室へ.まだprimary surveyがクリアされていません.緊急輸血,IABO挿入,末梢がとれないので中心静脈路確保,ものの数分で行われます・・・primary surveyはクリア!原因検察を含めCTへ.重症頭部外傷(頭蓋底骨折,気脳症),顔面骨骨折,肺挫傷,肋骨骨折,肝損傷,骨盤骨折などが判明.さあ,根治的加療を含め治療開始です.予測生存率25%以下.救命しましょう!

 本日の2例とも救急覚知20分以内に救急医による外傷初療が始まりました.都会でもめったにないことだと思います.2例目は現場からTECCMCまで陸送で30~40分.ドクターヘリでなければ搬送中に亡くなられています.この地域の消防のドクターヘリ要請に対する十分な理解により,すばらしい救急医療体制が確立されました.今までであれば亡くなっていた命が,確実に救われています.これからもよろしくお願い申し上げます.
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今月のドクターヘリ
・要請件数 72件
・出動件数 62件(内,施設間搬送 7件)
・累計出動件数 438件(4月17日~)

 先月に比べ,気候が良くなった関係か要請,出動ともに少な目でした.世間が平和な証拠です.

 要請件数に比例して,着実にその地域の救命率の向上と後遺症軽減がもたらされています.地方にこそドクターヘリが必要で有用であることが日々証明されています.要請する側,される側,目的は1つです.どんな組織にも雑音,変なしがらみがあるでしょう.しかし患者さんにはそんなもん関係ありません.真摯に救急医療に取り組みたいと思います.我々も努力を続けます.3府県の関係消防をはじめとした関係各位の皆様,今後ともよろしくお願い申し上げます.

本日のドクターヘリ(小林,岡先生,森田看護師)
1件目 トンネル内の自動車事故
 TECCMCから25分くらいかかる県境の現場への同時要請です.「トンネル内の乗用車横転事故.傷病者1名,意識なし」の情報です.大学生のころ,悪友達と夜な夜な走り回ったところです.小生の大学の後輩,岡先生も「あそこかあ,搬送先どこにしようか・・・」と思案しています.森田看護師は輸液準備,持って行く資機材の確認を行っています.運航管理室からは適宜情報が無線で伝えられます.すると10分強飛んだころ再び運航管理室からの情報.次は何でしょうか?「救急隊現着後,軽症を確認.要請キャンセル」 機内に安堵の空気が流れます.
 このようにキャンセルを厭わないドクターヘリ要請があってこそ,本当に必要な事案に早期医療介入,救命率向上がもたらされるのです!

2件目 交通外傷
 1件目の帰投途中に給油によった但馬空港での要請です.速やかに給油を終え,JA822Hは先ほど帰ってきた方角へ飛び立ちます.「大型トラックに人がはねられた」との情報です.ランデブーポイントは小生の祖父の里.幼少時によく遊びに行った地域です.「フライト時間は15分くらい.直近救命救急センターまで5分強で飛行.」 地図と地域感覚は頭に入っています.同時要請でありましたが,給油時間があったためランデブーポイントには救急車がわずかに早く到着しています.広い町民グラウンドに着陸,救急車に乗り込みます.先日のメディカルラリー全国2位の実力を持つ岡先生は,速やかで確実な外傷初期診療を繰り広げます.「頭部外傷,胸部打撲,右大腿骨骨折.FASTはnegative」 幸い呼吸,循環は安定しています.輸液を行いつつ予定通り直近救命救急センターへヘリ搬送です.救急車で陸送なら40分近く病院到着に時間がかかるでしょう.ヘリなら5分.搬送時間も短縮されます.そして静かにヘリポートへ着陸,患者さんの引き継ぎを行います.いつもお世話になりありがとうございます.

 昨日は今朝までに9名の救命救急センター入院,院内転科がありました.重症度も高く,大変だったかと思いますが,三浦先生,岡先生がちゃんと対応してくれました.お疲れ様!TECCMCの前に複数台の救急車が並ぶことも日常茶飯事です(写真).
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 群馬県ドクターヘリホームページにリンクを設定していただきました(バナーを添付しました).各地域のドクターヘリ事業・活躍を参考に,我々も精進したいと思います.今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます.

本日のドクターヘリ(倉橋先生,濱看護師)
1件目 脳梗塞(記録より)
 診療所からの転医搬送依頼を受けた救急隊の現場判断要請です.救急車であれば50分ちかくかかる地域.発症時間から血栓溶解療法の適応も考えた要請判断です.患者さんの後遺症軽減を少しでも考えれば当然の要請です.また,転医搬送に救急車を使用すると往復2時間ちかくはこの地域に救急車不在となります.それを防ぐ意味でもドクターヘリが有効に活用された事案です.患者さん,患者さんの家族,地域住民のことを第一に考える優しく,毅然とした救急隊のいる地域です.ミッション内容は問題ありませんでした.

 夕方から緊急手術を行いましたが,ICU,救急病棟へ立て続けに入院が・・・明日のカンファレンスでは何人のプレゼンテーションがあるのでしょうか?
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 最近,ブログの更新が1日遅れになってます.申し訳ありません.ホームページのリニューアルや日常業務でついつい・・・言い訳です m(_ _)m

 本日の写真はセンター長室から見た搬入風景です.休日に撮影したので,駐車場がガラガラです.平日は車がいっぱいなので,搬入時は警備員さんが道路遮断してくれます.本当に多くの方々にお世話になりながら,ドクターヘリは運用されています.ありがとうございます.

本日のドクターヘリ(小林,岡本先生,清水看護師)
1件目 出血性ショック
 朝の点検が終わった直後に要請です.さわやかな秋の空にJA822Hは飛び立ちます.「草刈り機で前腕切創.出血あり,冷汗著明」との情報です.なんだかやばそうな感じです.ランデブーポイントにはすでに救急車到着済み.救急車に乗り込み診察を始めますが,患者さんは全身冷汗著明です.明かな出血性ショック状態!救急隊の適切な処置により出血は制御されています.急速輸液を行いながら,直近の救命救急センターへヘリ搬送です.
 圧迫止血,機内での輸液が功を奏し,病院搬入時には循環も安定,冷汗も引いていました.救急隊の適切なヘリ要請が早期医療介入と搬送時間短縮につながり,患者さんに有益をもたらしました.ありがとうございました.

2件目 胸痛
 お昼前に要請です.「突然の胸痛」 寒くなって血管系の病気が多くなってきています.急性冠症候群か!?ランデブーポイントまで数分,救急車も同時に滑り込んできます.救急車内で情報収集,身体所見の把握,12誘導心電図,心エコー,輸液ルート確保,薬剤投与・・・やはり,冠動脈疾患を疑うべきか.現場で出来ることは限られています.呼吸,循環が安定していれば搬送にかかるのみです.ランデブーポイント滞在時間10分以内を常としています.本事案も着陸から離陸まで約10分.機内でも鑑別診断を考えながらTECCMCへ搬送です.

 早期医療介入がドクターヘリの大きな大きな武器です.これからも救急覚知同時要請でヘリを飛ばして下さい.上空待機はOKです.要請が遅れて,患者さんを待たせることの方が問題です.日没も早くなってきましたが,引き続きよろしくお願い申し上げます.
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 9月も最終週になりました.月日が経つのは早いものです.TECCMCは最近穏やかな日常です.

本日のドクターヘリ(小林,三浦先生,福本看護師)
1件目 意識障害
 救急覚知同時要請です.「畑で倒れている.心肺停止も疑う」といった情報です.離陸からランデブーポイントまでは数分.途中,上空から現場を確認します.救急隊が患者さんを車内に搬入したことを確認,ヘリはランデブーポイントに向かいます.途中,直近で降りられそうな場所がありますが,調整が必要そうなので断念.その直後に救急隊からの無線です.「心肺停止状態!特定行為実施中.○○病院入院中で,本日外泊したばかり・・・」 的確な情報が伝えられます.ヘリは一足先にランデブーポイントへ着陸(砂塵を巻き上げ,ご迷惑をおかけしました).程なく救急車も到着.三浦先生,福本看護師は患者さんの治療にあたり,小生はご家族から既往,情報を聞きます.入院中の病院への搬送は陸路より,ヘリが若干速いと判断します.治療開始から離陸まで6~7分.機内でも治療・蘇生を行います.ヘリは臨時ヘリポートへ着陸.そこからは搬送先病院を管轄する隣の市の救急車に乗せかえ搬送です.いつもいつも快くご協力いただき,ありがとうございます.
 ドクターヘリを有効に活用するためには,消防の方々のご理解とご協力が不可欠です.その意味では,この地域のドクターヘリ事業は恵まれています.

2件目 バイクの自己転倒
 救急覚知同時要請です.「年齢,性別不詳.インターチェンジ付近でのバイク事故」という情報です.機内では何も言わずともフライトナースが必要物品を用意し始めます.10分後,現場上空に到着.事故現場は・・・あっ,救急車とポンプ車発見!まだ現場活動中です.ならばランデブーポイントで待つよりは現場直近に着陸した方が早期医療介入につながると判断します.すると視界に広い駐車場が飛び込んできます.道路公団の敷地です.消防本部から連絡を入れてもらい,上空から安全を確認,許可を無線でもらって着陸です(写真).3分後,救急車が向かってきますが,公団駐車場の入口とは反対車線を走っています.Uターンしてくる時間ももったいない!であれば,我々がここで救急車に乗り込んで,Uターンの移動中に外傷初期診療を始めることと決断します.公団の方に道路を遮断してもらい,小生,三浦先生,福本看護師はガードレールを乗り越え,反対車線に停車中の救急車に乗り込みます.「じゃ,車走らせ始めて!」 診療開始と同時に救急車は移動を始めます.三浦先生は外傷初期診療を手際よく行います.「橈骨弱いです!」 もちろん18Gの末梢ルートは確保済み.輸液を加圧し急速投与です.可能な限り,原因検索.程なく救急車は公団の駐車場,ドクターヘリの横へ滑り込みます.速やかに機内へ収容します.診療開始から機内収容まで6分,外傷例の搬送先はもちろんTECCMC.
 救急車の陸送であれば40~50分かかる地域で,救急覚知から20分程度で救急医による外傷初期診療が開始されるのが当たり前になってきました.これも同時要請があってこそ.消防の方々のご協力があってこそ.その成果は着実に得られています.本日もありがとうございました.

 今日は24時間勤務のつもりでいましたが,勘違い.日勤でした.なんだか得した気分になれました.
  
 ホームページをリニューアルしています.少々,不具合が生じておりますが適宜修正いたしますのでお待ち下さい.
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 リニューアル・ホームページが完成しました.ドクターヘリだけではない,TECCMCの姿が見られるかもしれません.ちなみにiwebというソフトで作成しています.見てやってください m(_ _)m

本日のドクターヘリ(小林,山邊先生,藤巻看護師)
1件目 心筋梗塞
 「胸痛」というキーワードで救急覚知同時要請です.離陸後4分でランデブーポイントに着陸(写真).程なく救急車がやってきます.山邊先生は循環器科の専門医をもつ救急医です.病歴,12誘導心電図,心エコーで急性心筋梗塞を診断し,現場での薬物治療を開始します.急性心筋梗塞であれば出来るだけ早い冠動脈形成術が必要です.ならば一番近い救命救急センターであるTECCMCへヘリ搬送しましょう.救急覚知から30分以内に診断し初療搬入.ドクターヘリの効果発揮です.door to balloonまで,あとは循環器の先生方にお願いします.

 秋雨が続きます.急に寒くなり,脳血管障害の患者さんが急増しています.皆様,どうぞご自愛ください.