
9月も最終週になりました.月日が経つのは早いものです.TECCMCは最近穏やかな日常です.
本日のドクターヘリ(小林,三浦先生,福本看護師)
1件目 意識障害
救急覚知同時要請です.「畑で倒れている.心肺停止も疑う」といった情報です.離陸からランデブーポイントまでは数分.途中,上空から現場を確認します.救急隊が患者さんを車内に搬入したことを確認,ヘリはランデブーポイントに向かいます.途中,直近で降りられそうな場所がありますが,調整が必要そうなので断念.その直後に救急隊からの無線です.「心肺停止状態!特定行為実施中.○○病院入院中で,本日外泊したばかり・・・」 的確な情報が伝えられます.ヘリは一足先にランデブーポイントへ着陸(砂塵を巻き上げ,ご迷惑をおかけしました).程なく救急車も到着.三浦先生,福本看護師は患者さんの治療にあたり,小生はご家族から既往,情報を聞きます.入院中の病院への搬送は陸路より,ヘリが若干速いと判断します.治療開始から離陸まで6~7分.機内でも治療・蘇生を行います.ヘリは臨時ヘリポートへ着陸.そこからは搬送先病院を管轄する隣の市の救急車に乗せかえ搬送です.いつもいつも快くご協力いただき,ありがとうございます.
ドクターヘリを有効に活用するためには,消防の方々のご理解とご協力が不可欠です.その意味では,この地域のドクターヘリ事業は恵まれています.
2件目 バイクの自己転倒
救急覚知同時要請です.「年齢,性別不詳.インターチェンジ付近でのバイク事故」という情報です.機内では何も言わずともフライトナースが必要物品を用意し始めます.10分後,現場上空に到着.事故現場は・・・あっ,救急車とポンプ車発見!まだ現場活動中です.ならばランデブーポイントで待つよりは現場直近に着陸した方が早期医療介入につながると判断します.すると視界に広い駐車場が飛び込んできます.道路公団の敷地です.消防本部から連絡を入れてもらい,上空から安全を確認,許可を無線でもらって着陸です(写真).3分後,救急車が向かってきますが,公団駐車場の入口とは反対車線を走っています.Uターンしてくる時間ももったいない!であれば,我々がここで救急車に乗り込んで,Uターンの移動中に外傷初期診療を始めることと決断します.公団の方に道路を遮断してもらい,小生,三浦先生,福本看護師はガードレールを乗り越え,反対車線に停車中の救急車に乗り込みます.「じゃ,車走らせ始めて!」 診療開始と同時に救急車は移動を始めます.三浦先生は外傷初期診療を手際よく行います.「橈骨弱いです!」 もちろん18Gの末梢ルートは確保済み.輸液を加圧し急速投与です.可能な限り,原因検索.程なく救急車は公団の駐車場,ドクターヘリの横へ滑り込みます.速やかに機内へ収容します.診療開始から機内収容まで6分,外傷例の搬送先はもちろんTECCMC.
救急車の陸送であれば40~50分かかる地域で,救急覚知から20分程度で救急医による外傷初期診療が開始されるのが当たり前になってきました.これも同時要請があってこそ.消防の方々のご協力があってこそ.その成果は着実に得られています.本日もありがとうございました.
今日は24時間勤務のつもりでいましたが,勘違い.日勤でした.なんだか得した気分になれました.