ミリ波レーダーエーミング

 

 日  付    ハイオク    レギュラー   軽   油 
12月24日 173円/ℓ 163円/ℓ 139円/ℓ
 

- もくじ -

 

 


◇ ミリ波レーダー

今回は、メーターパネルにエラーが出たホンダ/N-BOXの調整修理です。

 

お客様の話では、車をぶつけてしまった後からエラーが出るようになったとの事なので、点検修理していく事になりました。

 

JF3型のN-BOXはフロントバンパー内の右下にミリ波レーダーが取り付けられています。

 

恐らくフロントバンパーを何処かにぶつけてしまった時に、ミリ波レーダーに何らかのトラブルが出てしまったと考えられるので、一度入庫して点検することになりました。

 

ミリ波レーダーは運転支援の為にレーダー波を使用して対象物の距離や相対速度を計測するシステムです。

 

このシステムに不具合が出てしまうと、運転支援装置が機能しなくなってしまうのでとても危険です。

 

早急に修理が必要になりますが、まずは車を見せていただくところからになります。

 

それでは、ホンダ/N-BOXのミリ波レーダー調整、開始です!

 

 


◇ 原因を探します

それでは原因を探していきましょう。

 

まずはメーターパネル内のランプを確認です。

色々と点滅しています。

センサーの異常を示すランプが点滅していますので、上の写真と下の写真の内容を交互に繰り返し表示していました。

 

エラーの内容はステアリングのアシストとレーンキープ、自動ブレーキなどに影響が出るようなイメージに見えますね。

 

それでは原因を・・・というか、今回の原因は明らかです。

今回お客様から「少し車をぶつけた」と連絡がありましたが、上の写真を見て解るように右フロントにダメージが入っています。

 

実はこの車種、右フロントのバンパー内にミリ波レーダーが仕込まれています。

 

もしかすると偶然右フロントにダメージが入った事でミリ波レーダーからの信号に異常が出ているかもしれません。

 

このシステムはフロントガラスに取り付けられているカメラと、バンパー内のミリ波レーダーの情報を利用してドライバーの運転を支援してくれるシステムです。

 

今回のケースのようにボディにダメージが入ることで、ミリ波レーダーにトラブルが出てしまうことでエラーが表示されている可能性が高いです。

 

という事は、ミリ波レーダーのエーミングを実施することでトラブルが解消する可能性があるので、まずはレーダーエーミングを実施することになりました。

 

エーミングをするにあたって、最低限やっておかなければならない事があるので、まずはそれを確認していきましょう。

 

 


◇ 修理開始です

それでは修理開始です。

 

ミリ波レーダーの調整には調整限度がありますので、ある程度正面を向いている必要があります。

 

と言う事でまずはレーダーの状況を確認します。

まずは計測の為に車体を位置決めします。

 

今回は車検ラインで計測しました。

車のセンターを出してミリ波レーダーターゲットを置く場所を決めます。

 

計測準備が整いましたので、ミリ波レーダー本体の状態を確認しましょう。

まずはフロントバンパーを取り外して・・・おっと、これは厄介な予感がしますね。

 

中央の黒い箱のような物がミリ波レーダーの本体ですが、その下の部分、コアサポートの一部が潰れてしまっています。

 

外見では判断できませんでしたが、結構潰れてしまっていますね。

このままだと本体がフレームに干渉してしまいそうで怖いです。

 

少しだけ手を加えましょう。

一寸だけスペースが確保できました。

 

我々は板金屋さんでは無いのでこれ以上は手を加えません。

 

次にミリ波レーダーのブラケットを確認します。

はい、ブラケットがブチ曲がっていますね。

 

調整用のクリップアライメントボルトも破損してブラケットから飛び出してしまっています。

 

角度を変えて見てみると、どうやらブラケットは使い物になりませんね。

というか、ブラケットにコレだけのダメージが入っていると言う事は、ミリ波レーダーの状態も心配になってきました。

 

ブラケットとクリップはフロントバンパーをぶつけた際に結構な確率で壊れる部品です。

 

当店では常にストックしていますので、まずは一度交換してみましょう。

はい、左がブチ曲がったブラケット、右が新しいブラケットです。右側に2個転がっているのはクリップアライメントボルトです。

角度を変えてみると曲がり具合が良く分かります。

レーダーユニットを新しいブラケットに移植完了しました。

 

後は車体に取り付けてちゃんと反応してくれれば良いのですが、センサーに異常が無い事を祈るのみです。

 

パーツも組み終わりましたので、とりあえず車体にセンサーを戻しましょう。

はい、取り付けました。

 

フレームの損傷部分を改めて見てみると、見事にセンサー部分へダメージが入っているのが解りますね。

 

それではレーダーエーミングに取り掛かります。

 

エーミングにはターゲットを置かなければなりませんが、ミリ波レーダーの調整にはレーダーを反射するターゲットが必要になります。

車体前方の決まった距離と高さにターゲットを設置して、コンピューターを使用して数値を観測しながら軸調整していきます。

 

事前に左右角に関しては距離計測用のレーザーで大まかな調整はしましたので、あとは上下角を調整すれば問題無さそうです!

センサーを固定しているブラケットに調整用のボルトがありますので、それを回して微調整をします。まずは上下を調整です。

構造上上下を調節すると左右も変化してしまうので、左右も微調整します。

はい、良い感じになりましたね!数値は若干前後していましたがほぼ安定しているので、センサー側のダメージは今のところ大丈夫なようです。

これで様子をみてもらい、再びセンサーの数値がおかしくなる様ならセンサー本体の交換になります。

 

センサーのエーミングが終わったら、最後にもう一度上下角を調整します。

水平器の気泡が手前に寄っていますね。という事はセンサーは少しだけ上を向いているようです。

上下角を調整して水平器の気泡が中心にくるよう調整し、これでミリ波レーダーのエーミングは完了です。

 

ちなみに、水平器を乗せている四角い金属の箱と水平器はホンダ車のエーミングに必要な専用工具になります。

 

 


◇ まとめ

という事でまとめです。

 

今回は運転支援装置の一つであるミリ波レーダーの軸調整を行いました。

 

お客様からしてみれば、ほんの少しぶつけた程度なのにこんなに大ごとになるとは思いもよらなかったと思います。

 

時間の関係上、今回は無理やり使えるようにしたイメージが強いですが、本来ならちゃんと板金修理してからミリ波レーダーのエーミングをするのが理想ですね。

 

ちなみに、ホンダの場合はミリ波レーダーとは別にフロントカメラがフロントガラス上部に取り付けられていて、フロントガラス交換をした際はそちらもエーミングが必要になります。

 

フロントカメラのエーミングにはミリ波レーダー用のターゲットは使用できませんので、カメラターゲットを用意する必要があります。

こんなのですね。

 

フロントカメラのエーミングは、ターゲットを所定の位置に置いてカメラに読み込ませることで自動的にエーミングは完了する仕組みです。

 

機会があればフロントカメラのエーミングもUPしたいと思います。

 

と言う事で、ホンダ/N-BOXのミリ波レーダーエーミング、完了です!

 


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