異音の修理

 日  付    ハイオク    レギュラー   軽   油 
6月25日 177円/ℓ 166円/ℓ 142円/ℓ
 

- もくじ -

 

 


◇ 異音の修理

今回は、足回りから異音がするという事で入庫したお車の修理です。

 

異音と言ってもその種類は多岐に渡り、その中でも本当の異音と作動音に別ける事が出来ます。

 

よくある異音と勘違いされやすい音の代表が、足回りから聞こえる「キー」という甲高い金属音のような音ですね。

 

車を動かした時やブレーキを踏んだ時に聞こえる音で、雨上がりや洗車後に聞こえる事がある音で、暫く走っていると聞こえなくなる音です。

 

この暫く走ると消える「キー」音は異音では無く、一種の作動音です。

 

ブレーキ系の出す音によくある症状ですが、実はブレーキ自体は常にこのような音を出しています。

 

ただ、人間の耳に聞こえる周波数になった時に偶然聞こえるようになるため、運転者からすれば突然鳴り出した異音に聞こえる事が多いようです。

 

この例えのように車は常に何らかの音を出していますが、その中で本当の異音は少し種類の違う音になります。

 

今回異音が出るという事で入庫したのは、64型のスズキ/エヴリィです。

 

お客様へのヒアリングでは、「走行中、足回りからガチャガチャと異音がする」と、他にも「走行中何かが取れそうな音がする」という事らしいので原因を突き止めて修理していきたいと思います。

 

と言う事で、スズキ/エブリィの異音修理、開始です!

 

 


◇ 原因を探します

それでは原因を探していきましょう。

 

以前、64型のエヴリィでロアアームのボールジョイントが遊んで異音が出ているのを見たことがあるので、今回も足回りを念入りに調査していきます。

 

まずはロアアームのボールジョイントを調べますが異常は見つかりませんでしたが、ロアアームを点検している時にストラットのガタがあったので、その辺りから音が出ているようでした。

 

ただ、ストラットからの音はガチャガチャという異音ではなく、走行中に路面の凹凸で出る作動音に近いモノでしたが、ガチャガチャ音が無くなれば違う異音として聞こえてくることが考えられるので修理しておくことにします。

 

次に点検したのはスタビライザーです。

 

この車種はスタビライザーの押さえのゴムブッシュが痩せてしまってガタが出る事があるため、念のためゴムブッシュも交換します。

 

追加でもう一つ。

 

スタビライザーとストラットを同調させるスタビリンクロッドのボールジョイントにガタが出ていたので、コレも右側だけ交換する事にしました。

 

ガチャガチャ音の原因はスタビリンクロッドからの様ですが、他の部分も同時交換する事で単品交換より工賃が安くなることと、一度に交換した方が結果的に異音が止まりやすいので、今回は全て交換する事になりました。

 

 


◇ 修理開始

それでは異音の原因も判明しましたので修理に取り掛かります。

 

先ずは一番手のかかるストラットから修理していきましょう。

 

ストラットを取り外す事でスタビライザーもフリーになりますので、他の部分の修理もし易くなります。

 

今回はストラットを分解して、ガタの原因になっているゴムブッシュを交換していきます。

 

それではストラットを取り外して行きましょう。

ストラットはこのパーツです。

 

取り外しは比較的簡単にできますが、取り付けた後に微調整が必要な部分なので、テスター類が無いと触ってはダメな部分です。

 

ナックルとの結合部分を外し、室内からアッパーマウントを固定しているナットを取り外せば簡単に取り外せます。

室内側のボルトは足元のトリムを外さなければ見えませんので一手間かかりますが、トリムは簡単に取り外せますので問題ありません。

はい、右側のストラットです。

ストラットが無くなるとナックルが宙ぶらりんになってしまうので、紐などで固定しておきます。

 

固定しないとブレーキホースにダメージが入るので要注意ですね!

 

取り外したストラットを観察してみるとこんなことになっていました。

ゴムブッシュが摩耗してしまっているため、アッパーマウントとの間にガタが出てしまっています。

 

このまま放置すると問題になりますので、今のうちにゴムブッシュを交換してしまいましょう。

 

まずはストラットを分解します。

ストラットはガスショックとスプリングで構成されていますので、先ずはスプリングコンプレッサーでスプリングのテンションをショックから抜きます。

 

ガスショックは寝かせてしまうとインナーシャフトが縮み方向にテンションが掛かってしまうので、立たせた状態で作業します。

取り外したブッシュがコチラ。左が新品で右が取り外した旧ブッシュです。

 

高さが違うのは異常ではありませんが、削れてしまったゴムの厚みが遊びの原因になっているので交換ですね。

分解したついでにストラットベアリングも交換します。写真では新旧が解りにくいですね?

 

恐らく左が新で、右が旧だったと思います。

 

ついでにベアリングシートも交換します。

コレは解りやすいですね。

 

スプリングとストラットマウントを固定しているナットとスプリングワッシャも交換です。

先ずはゴムブッシュを交換して。

順番に部品を組み立てていきます。

 

順番を間違えないようにしなければなりませんね!

コチラが部品交換が完了した右ストラットと、部品交換前の左ストラットです。

右側が交換前、左がパーツ交換後です。

 

完成したのがコチラ。

左右とも綺麗になりました。

はい、ストラットの作業が完了しました。

 

次にスタビライザー側の作業に取り掛かります。

スタビライザーを固定しているブッシュを交換していきます。

ブッシュはボルトを2本外すだけで簡単に取れます。左が旧ブッシュ、右が新ブッシュです。

 

左側は少しやせていますので、この先異音の原因になる可能性がありました。

内径も左の方が若干大きくなってしまっています。

 

同時に右スタビリンクロッドも交換してしまいましょう。

交換が最後になりましたが、今回の依頼のあったガチャガチャ音の発生原因はココで間違いありませんした。

 

原因としてはボールジョイントカバーの亀裂から雨水などが侵入し、ボールジョイントに遊びが出来てしまった事で走行中に異音として出ていたようです。

 

 


◇ まとめ

一通り作業も完了したので試運転をしてみましたが、ガチャガチャ音は嘘のように消えてとても静かな乗り心地になりました!

 

それでは今回のまとめです。

 

異音系のトラブルでよくあるのは、原因になった音が無くなっても他の音が気になりだしてしまうトラブルをよく見かけます。

 

一度音が出ていると認識してしまうと、普段なら気が付きもしないような音も耳に付いてしまう事もあります。

 

音や臭いは目に見えないものなので、お客様が思っているモノと我々が感じ取れるものに隔たりがある場合もあるため、中々完全に無くす事が難しい場合もあるのも事実です。

 

最終的には何処かで折り合いを付けなければならない事もありますが、修理する場合は出来るだけ一度に考えられる部分を全て修理してあげる方が、目に見えないトラブルを消すことが出来る可能性が高くなります。

 

勿論、お客様から予算が頂けたから出来た修理といえますが、ついでにする事で工賃を安くするこが可能になります。

 

今回の修理は正にそんな修理でした。

 

という事で、スズキ/エブリィの異音修理、完了です!

 


お問合せ先

奈良県香芝市今泉374-1

株式会社テック 

セルフカーステーション香芝インターSS

tel 0745-78-6461

担当 ヤマサキ


香芝市の格安車検は当店まで!