こんにちは。
チーム栄養士プラスの田中です。
日本栄養代謝学会(JSPEN)から4月10日に新型コロナ感染症に対する栄養学の提言が出されました。
「COVID-19の治療と栄養に関する栄養学的提言」https://www.jspen.or.jp/covid-19/
この中からご紹介したいことがあります。
一般の人には聞きなれない『JSPEN』ですが、栄養士にとっては、たくさんある学会の中でも権威のある学会で(1970年発足らしい)、臨床現場ですぐに参考にできる提言が多く出されています。
提言は全部で12項目。その中の4番目、「ビタミンや微量元素の欠乏」について注目してお伝えしたいと思います。
すごーく簡単に言うと・・・
「ビタミンや微量栄養素の中でも、ビタミンD の欠乏がインフルエンザ、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)や C 型肝炎ウイルス(HCV) などのウイルス感染症の発症に関与しているとの報告があり、新型コロナでも、ビタミンDの欠乏が発症や重症化の一要因になっていることが推測される」ということです。
ビタミンDは食べ物として摂取するだけでなく、紫外線を浴びることで体内で作ることができます。
ビタミンDを摂取すべき目安量は成人1日に8.5㎍(日本人の食事摂取基準2020)です。
この目安を決めた背景には、適度な日照により体内で約5㎍は最低作れるだろうという試算が基になっています。
(参考:アメリカやカナダの基準は15㎍、71歳以上の人は外出の機会が減ることを想定して20㎍
日本骨粗鬆症学会の骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年度版では、10〜20 µg/日の摂 取を推奨 )
普段の食事でどのくらいビタミンDを充足できているかというと、成人で目安量の約8割程度しかとれていません。(H30年度の厚労省の調査より)
つまり、普段から不足している人が多いと推測されます。
さらに、このところの自粛生活により、外出が減り紫外線により体内で作る量は減少していることでしょう。
幸いなことに4月、5月は比較的紫外線量の多い季節なので、屋内でもカーテンを全開にすることで、
部屋の中でも紫外線を浴びることは可能です。
(日焼けするほど浴びる必要はないので心配いりませんよ。
さあ、今日からレースのカーテンも全て開けて、日中はお日様のパワーをいただきましょう。
そして、ビタミンDは骨の成長にも必要なので、子供たちは窓際で半袖で過ごすのも良いですね。
食べ物からのビタミンD摂取を意識して魚介類やきのこを食事に加えることがおすすめです。
JSPENの提言の中でも『ビタミンD は、主にカジキ、サ ケ、サンマ、イワシ、サバ、ブリ、マグロなどの魚類やシイタケ、キクラゲなどのキノコ類、牛乳、卵に多く含まれている』と書かれています。
その中で、私は黒きくらげ(乾燥)に注目しています。
乾燥していることが重要です。
乾燥黒きくらげならスーパーでいつでも手に入り、長期保存もできます。
買うときにはきくらげの裏の色に注目!
裏に白い薄毛が生えている”あらげきくらげ”があれば、そちらがおすすめ!
裏が黒いものより1.5倍のビタミンDを含みます。
あらげきくらげなら、たった1枚(約3g)で3.9㎍もビタミンDが補給できます。
(上の写真は4枚です)
もちろんカジキマグロなど食べれば1切れで1日分の8.5㎍が補給できますが、
カジキマグロを毎日というわけにもいかないですね。
乾燥きくらげなら、炒め物や和え物、汁ものなど幅広い料理に毎日でも使えます。
「1日1~2枚の乾燥きくらげ」でビタミンDを補給しましょう。
ということで、これから私は夕飯づくりです。
今日の夕飯は 海老と卵ときくらげ炒めの予定。
ビタミンDは油と一緒に料理したほうが吸収が良いのです。
写真を撮り忘れなかったら、またご紹介したいと思います。
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