ゆゆブログ

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読書など

2026年1月に読んだ本

(個人的な評価  A最高に良い  Bすごく良い  Cなかなか良い  D普通に良い  Eいまいち  Fダメ)

 

『廃墟のヨーロッパ』

(国末憲人/草思社/2025年)

ヨーロッパ各地の廃墟、遺構などを訪ねてのルポルタージュ。

著者は元新聞記者。

全14章。

フランスのノール・パドカレー炭田を訪れた章でフランスの右傾化を懸念し、ハンガリーのブタペストを取材した章では権威主義的ポピュリズムを憂慮しているところが印象に残った。本書の中でも、著者の主張ががもっとも感じられた。

その他、EUから離脱して後悔しているイギリス、EUに加盟したものの繁栄と発展から取り残され、しかも若者の流出が止まらないブルガリアなど、ヨーロッパの現状を知ることができ、興味深く読んだ。(D)

 

『ジャイアンツ元スカウト部長のドラフト回想録』

(長谷川国利/カンゼン/2025年)

著者はプロ野球の元スカウト。

スカウトの仕事の現場、アマ野球界との関わり方、後にプロ入りする選手のアマ時代をどう見ていたかなど、貴重な話が多かった。

スカウトの視点から野球界を語っているところが独特で、そこに面白味があった。(C)

 

以上、2026年1月は2冊。

 

 

 

 

2025年12月に読んだ本

(個人的な評価 A最高に良い Bすごく良い Cなかなか良い D普通 Eいまいち Dダメ)

 

『嘘と正典』

(小川哲/ハヤカワ文庫JA/2022年)

短編集。6話収録。

表題作の「嘘と正典」は歴史改変をめぐる物語。

CIAの工作担当員、ソ連の技術者、学生など、登場人物の一人ひとりが、それぞれの使命感、義務感に突き動かされていく姿に胸を打たれる。SF的な仕掛けと緊張感のある展開も読み応えがある。傑作。

「ムジナ・ムンダーナ」は南の島の描写から物語が始まる。その島では音楽が通貨として使われているという。独創的な着想に興味をひかれる。

「最後の不良」は、会社に辞表を出した主人公がバイクで暴走するところがおもしろかった。

(C)

 

以上、2025年12月は1冊。

2025年11月に読んだ本

(個人的な評価 A最高に良い Bすごく良い Cなかなか良い D普通に良い Eいまいち Fダメ)

 

『旧約聖書入門 光と愛を求めて 新装版』

(三浦綾子/光文社文庫/2025年)

『新約聖書入門 心の糧を求める人へ 新装版』

(三浦綾子/光文社文庫/2025年)

 

聖書って、人間の弱さや醜さをリアルに掘り下げてるんだなあと、思ったりした。

著者自らの人生経験を交えなが語りに、人間味が感じられた。(D)

 

以上、2025年11月は2冊。

 

2025年10月に読んだ本

(個人的な評価 A最高に良い Bすごく良い Cなかなか良い D普通に良い Eいまいち Fダメ)

 

『日本人拉致』

(蓮池薫/岩波新書/2025年)

岩波書店の月刊誌「世界」に連載されたもの。

北朝鮮による日本人拉致事件を風化させてはいけないとの思いから連載を引き受けたとのこと。

拉致被害者として体験したこと、北朝鮮に対する客観的な見解の両方が書かれていて、そのバランスが取れた内容に思われた。

北朝鮮当局の拉致被害者への対応などは、北朝鮮の組織の一端を垣間見る感じで興味深かった。

犬を飼ったものの食糧事情の悪さからエサに困ったり、育てた花を奪われて腹が立ったりなど、北朝鮮での暮らしのちょっとした描写に、拉致されて異国で暮らすということの現実を感じさせられるものがあった。(C)

 

以上、2025年10月は1冊。

2025年9月に読んだ本

(個人的な評価 A最高に良い  Bすごく良い  Cなかなか良い  D普通に良い  Eいまいち  Fダメ)

 

『羊をめぐる冒険』(上・下)

(村上春樹/講談社文庫/1985年)

題名から内容を予想できなかったが、タイトルのとおり、羊をめぐる冒険の話だった。

羊男をはじめとして、羊博士や、いるかホテルの支配人、アイヌの青年、右翼組織の運転手など、魅力的な登場人物がそれぞれ怪しげな存在感を放っているところが、良い。(C)

 

以上、2025年9月は、1作品。

2025年8月に読んだ本

(個人的な評価 A最高に良い Bすごく良い Cなかなか良い D普通に良い Eいまいち Fダメ)

『1973年のピンボール』

(村上春樹/講談社文庫/1983年)

冷めた文体で青春時代を語るところに惹きつけられる。

冒頭から、土星生まれとか金星生まれの人が出てきたり、物事には必ず入口と出口がなくてはならないと格言めいたことを語ったり、井戸掘り職人や配電盤の話が出てきたりと、いろいろな話題で読者を惑わせつつ、クライマックスであるピンボール・マシーンとの再会の場面へと盛り上げていくところに、突き抜けるような心地よさがあった。

40年以上前の作品にもかかわらず、古い感じがしない。(C)

 

『風の歌を聴け』

(村上春樹/講談社文庫/1982年)

再読。前に読んだのは、かなり昔。

軽妙な会話が特徴的で、文体、描写など、ハードボイルド風の文体と思ったりした。

デレク・ハートフィールドという架空の作家の登場のさせ方が絶妙。

村上春樹はだいぶ歳上だけど、それでも、戦後生まれという同じ時代を生きている作家と感じられる。(C)

 

以上、2025年8月は2冊。

2025年7月に読んだ本

(個人的な評価 A最高に良い  Bすごく良い  Cなかなか良い  D普通に良い  Eいまいち  Fダメ)

 

『ただ栄光のために −堀内恒夫物語−』

(海老沢泰久/新潮文庫/1985年)

巨人の投手だった堀内恒夫の物語のような評伝のようなもの。

海老沢泰久の文章が簡潔で、読み心地が良い。

解説で丸谷才一も海老沢泰久の文章について、叙述の明晰さ、描写の鮮明さ、情緒過多におちいらないなど、良さを語っている。

堀内恒夫は昔の選手という印象しかなくて、好きでも嫌いでもなくて、どちらかというとあまり好きではなかったが、この本を読んでファンになった。(C)

 

『回転木馬のデッド・ヒート』

(村上春樹/講談社文庫/1988年)

8作品収録。

昨年、新潮に掲載された「夏帆」と、今年新潮に掲載された「武蔵境のありくい」が良かったので、村上春樹を読みたくなって読んだ本。

好きと思った作品は「ハンティング・ナイフ」。

動と静、陰と陽の対比、比喩表現など、良かった。(C)

 

以上、2025年7月は2冊。

2025年6月に読んだ本

(個人的な評価 A最高に良い Bすごく良い Cなかなか良い D普通に良い Eいまいち Fダメ)

 

『もっとも危険なゲーム』

(ギャビン・ライアル/菊池光訳/ハヤカワ・ミステリ文庫/1976年)

冒険小説。

主人公はフリーランスのパイロット。

乗り物が重要な役割を果たしている冒険小説は面白いと思っているんだが、本作ではビーバーという小型の水陸両用機が活躍している。

この機体はかなりガタのきた中古にもかかわらず、それでも主人公は愛着をもって使いこなしていることがうかがえて、そこが読みどころの一つだった。

舞台がフィンランドの森や湖というところや、「キピス」(乾杯)、「スオポ」(国内治安警官)などフィンランド特有の言葉が出てくるところなどに異国の雰囲気を感じられた。

フィンランドの森や湖を水陸両用機で自由自在に飛び廻っているという、そういう主人公の生き方が良かった。

名作ということで、前から読んでみたかった本。(D)

 

以上、2025年6月は1冊。

2025年5月に読んだ本

(個人的な評価 A最高に良い Bすごく良い Cなかなか良い D普通に良い Eいまいち Fダメ)

 

『歴史のダイヤグラム〈3号車〉「あのとき」へのタイムトラベル』

(原武史/朝日新書/2025年)

朝日新聞土曜の別刷りのコラムをまとめたもの。

鉄道と、近現代の政治、皇室、社会を関連づけて書かれているところが本書の特色。

鉄道に、効率より旅情を求めていることがところどころに窺えて、共感する。(D)

 

『みんなジャイアンツを愛していた』

(海老沢泰久/新潮文庫/1987年)

プロ野球のノンフィクション。

親本の刊行は1983年。

登場する人物は川上哲治、長嶋茂雄、広岡達朗、高橋一三など。

自分がプロ野球を見るようになる前の、いわば自分にとっての「プロ野球前史」といった感じがあり、興味深く読んだ。

昭和の頃のプロ野球はとにかく巨人中心で、

“日本のプロ野球には十二の球団があるが、じつのところは二種類の選手しかいないのだ。ジャイアンツのユニフォームを着ている選手と、そうでない圧倒的多数の選手である”

と言いきっているところなど、今のプロ野球との感覚の差を感じられておもしろかった。

海老沢泰久氏の簡潔な文章が、本書全体を引き締めている。(D)

 

以上、2025年5月は2冊。

2025年4月に読んだ本

(個人的な評価 A最高に良い Bすごく良い Cなかなか良い D普通に良い Eいまいち Fダメ)

 

『消えた女 彫師伊之助捕物覚え』

(藤沢周平/新潮文庫/1983年)

主人公の正義感が強く、胸がすく。(C)

 

『見知らぬ明日』

(小松左京/角川文庫/1973年)

ファーストコンタクトもの。

インターネットとかAIとか出てこない、こういう昔のSFのほうが自分の好みに合う。

地球規模の災難に国際社会はどう対応するのか、ということをシュミレートした物語で、米大統領や国連などの政治的な動きを中心に書かれているところに小松左京らしさがあった。

新聞記者の冒険の部分がおもしろかった。(D)

 

以上、2025年4月は2冊。