こんにちは!高山弥生です。
もう5月も終わり、アジサイの季節ですね。
雨が小ぶりの中咲いている
アジサイ、大好きです。
かわいい傘を買って雨の日を楽しもう
「兄弟仲が悪くて相続で揉めそうだから、
生前に自宅を子Aに贈与しておきたい。
贈与税って高いっていうけど、
相続時精算課税って制度があるから
子供への2500万円までの贈与なら
税金払わなくていいんでしょ?」
今回ご相談のお客様のおうちは
少々家族関係が複雑です。
ご相談者は後妻さんにあたる方で、
ご主人はすでに鬼籍の人。
後妻さんとご主人の間にお子さんはなく、
子供は全員ご主人と先妻との間の子です。
後妻さんとお子さんたちは養子縁組してます?
・・・してないそれじゃ相続時精算課税は使えないし
そもそも、後妻さんの財産、お子さんたちにいかない
配偶者の連れ子は、相続人じゃないんです
まず、相続と贈与の違いはなんでしょう?
ざっくり、ほんとにざっくり言ってしまうと、
相続・・・亡くなったことが原因で財産の移転がおこる
贈与・・・生きているうちに他の人に財産を移転する
亡くなった時に財産が一円もなければ
相続税は課税されません。
そうすると、亡くなる前に財産を全部
あげてしまえばいいんだ!と考える人がでてきます。
それでは国は相続税を取れなくなってしまうので、
生前に財産を他の人にあげる場合(贈与)に
高い税金を課すことにしたんですね。
最近の日本は景気が思わしくありません。
消費をけん引すべき若い世代はお金がない。
親の世代は、支援してあげたくとも
せっかくあげても贈与税でかなりの額を
もっていかれると思うと二の足を踏みます。
だったら、贈与税を払わなくてすめば
親から若い世代へ財産移転がすすみ、
若い人が消費をするのでは?
と国は考え・・・
そこでできたのが相続時精算課税制度です。
相続時精算課税、漢字ばっかりでよくわからないと
感じる方も多いと思いますが、
相続の時に精算する課税制度です。
(そのままやん・・・)
2500万円までなら贈与税はかけないけど、
相続のときに相続時精算課税でもらった財産も
他の相続財産と合計して
相続税を計算して納めてね、という方式です。
ここで注意したいのが、
相続時精算課税を使える人は誰なのか。
国としては、本当は生きているうちに(贈与)課税したいけれど
亡くなる(相続)まで課税を延期してくれている方式ですから、
誰でも使えるものではないんです。
よく、いろんな文献でわかりやすくするために
「子」という表現が使われていますが、
正しくは推定相続人で直系卑属の人です。
配偶者の連れ子は世間一般で子と呼びますが
養子縁組をしないと相続人にはなれません。
養子縁組していない子Aは、
後妻さんの推定相続人ではないため、
相続時精算課税は使えないのです。
税務署に届出を出したところで
相続時精算課税適用要件を満たしていなければ
暦年課税となります。年110万まで非課税、ってやつですね。
2500万円贈与して、
相続時精算課税を使うから
贈与税は0円と思っていたのに、
相続時精算課税が使えないと
贈与税はなんと970万円
今回のケースは子Aだけと養子縁組すれば
子Aにだけ財産が相続されます。
相続時精算課税を使わなくても
お客様の目的は達成できそうです。
相談にいらして正解でしたね!
相談にいらっしゃらなかったら、子Aには
1千万近い贈与税と不動産取得税
が発生してしまうところでした。
相続時精算課税で贈与を受けた
自宅敷地は小規模宅地の特例が使えませんし、
相続時精算課税はおすすめしたくない
ケースですね。
今回のご相談は不動産の贈与。
不動産の名義が贈与で移るときは
不動産取得税と登録免許税も
かかりますのでご注意!
相続のときは不動産取得税は
発生しません。
登録免許税は贈与よりも
相続のほうが税率が低いです
今回は相続まで待った方が得ですね。