一人暮らしの姉レイチェルの家を訪れた妹のノーラ。そこには変わり果てた姉の惨殺死体があった。番犬に飼っていたジャーマンシェパードも階段から吊り下げられ・・・・・。

 

ショックを受けながらも犯人を必死で探すノーラの一人語りで物語は進みます。

 

このノーラが、なかなかに混迷wwww     もちろん身内を殺されて正常な精神状態ではいられない状況ではありますが。

 

謀リ事、嘘、あらゆる手段で偏狂的なまでに犯人探しに執着するノーラ。

 

ところが警察はやがてノーラ自身をも容疑者として確保する。過去の好ましくない事実も露見していくなか、一体ノーラはまともなのか、真犯人は誰なのか・・・・ラストのラストになってようやく。

 

おもしろかったです。全体に独特の暗さ。どちらかというと、人間の持つ暗い面をえぐるような、そういう印象です。犠牲者のレイチェルやノーラを含めて、登場人物それぞれ、誰しも他人には知られない忌まわしい過去があったり、その言動もうらはらだったり。

 

読んでいて、「ガールオンザトレイン」という作品を思い出しました。空気が似ているかも。映画化もされたヒット作ですが、登場人物が抱える闇と主人公の意識の危うさに、読んでいてだんだん重く、気味悪くなる物語。

 

文体は素敵だと思いました。原書で読んでみたいと思わされました。訳も優れているのでしょうが、ミステリーといっても、文学の雰囲気の強い作品だと思います。ミステリーを読んでそういう感想はふつうあまり持たないですww

本作がデビュー作ですでに第2作目が出ています、翻訳が出たらぜひ読んでみたい作家さんです。

 

2017年のエドガー賞最優秀新人賞の作品です。