「弁護士 立石量彦」 公式ブログ -5ページ目
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あなたの借金はこうして減らせます

阿南の弁護士の立石です。

先日の続きで,多重債務について書きます。


多重債務の解決策は,大きく分けて


①任意整理

②自己破産

③個人再生


の3種類ですが,これらについて詳しく述べる前に,是非知っておいていただきたいことがあります。


これら全ての手続きの基本となるのが,「利息制限法に基づく引き直し計算」です。

これは,とても重要な考え方なので,よく理解してください。


いわゆるサラ金などで借りた借金の金利は,おおむね25~29.2%のはずです。

しかし,利息制限法という法律によれば,法律上の支払義務があるのは,原則として15~20%程度でしかありません。

そうすると,これを超えて支払った部分は,「払いすぎ」なので,残元本に充当したり,返還を求める(いわゆる「過払金返還請求」)ことができるのです。


例えば,29.2%で50万円の借入を行って,ほとんど金利のみの返済(月額12167円)を続けていたとします。

6年後,借金はどうなっているか。


サラ金と約束したとおりの金利を前提にすると,借金は勿論,50万円のまま残っています。

だって,利息のみしか支払っていませんから。

既に87万6000円も支払っていますが,これは,利息ですから,元金は全く減りません。


しかし,利息制限法の規制金利である18%だとしたら,実は借金の支払いは終わっています


というのも,18%だとしたら,50万円の元金に対し,利息は月額7500円。12167円を返すと実に4667円も元金に充当されるのです。すると,翌月は,50万円から4667円を差し引いた49万5333円に対し,18%の利息ががかかりますので,7430円と7500円よりも少なくなり,元金に入る額も70円増えて4737円となります。その後も同様に,返済のうち元金に入る額は増えていき,それに対する利息もどんどん少なくなっていきます。

こんなことを繰り返してゆくと,6年ほどで借金が全て終わってしまうのです。


つまり,20%を超えるような金利でこれまで取引している方は,かなり利息を払いすぎているということになります。取引期間が長い方は,借金が既に0になっていたり,場合によっては払いすぎた金利を,業者から取り戻せるかも知れないのです。


実際,当事務所に来られた方の6~7割の方は,破産や個人再生ではなく,この利息制限法のみを活用して借金を整理することに成功しておられます。

そして,約半数の方が過払金で弁護士費用をまかない,返還を受けた過払金まで手にしているのです。





人はどうやって多重債務に陥るのか

阿南の弁護士の立石です。


私の業務の中でかなりの部分を占めているのが,多重債務問題です。


多重債務とは,典型的には,サラ金数社などから借入をして,自力では返済が困難な状態のことを指します。
多重債務に陥るのは,ギャンブラーや浪費家には限りません。その大半は,あなたの身の回りにいる,ごくごく普通の人です。日本では何と1000万人ものサラ金利用者がおり,このうち多重債務状態に陥っている人が200万人程度いると言われているのです。


では,何故普通の人が多重債務に陥ってしまうのでしょうか。


例えば,あなたが何らかの事情でお金が必要になり,サラ金A社から50万円を借りたとします。利息は年利29.2%です。返済は月額1万5千円。これなら何とか返せそうな気がします。


ところが,人が何故サラ金から借りるかというと,何らかの理由により支出が収入より多いからです。そうだとすれば,翌月から始まる月額1万5000円の返済が,確実にやっていけるはずはないのです。そこで,返済によって再び利用可能になった「枠」を使って,また借入をします。実は,1万5000円の返済のうち,利息は12167円。元金は,3000円弱しか減っていません。仮に3ヶ月間は1万5000円を返し続けることが出来たとしても,その3ヶ月目に「ちょっときついな」と感じ,つい8000円を借りてしまうと,4万5000円も返済したにもかかわらず,また元金は振り出しに戻ります。


更に,人間が普通に暮らしていれば,いつかは出費がかさむイベントが何かしら起こります。それは,何の変哲もないことです。例えば,車に乗る人なら,免許の更新,車検,オイル交換や修理など。子供のいる人なら,遠足や修学旅行,進学費用,教材購入など。他にも冠婚葬祭や,病院・歯科治療など,ごくごく日常的なこと。それが,きつきつの生活をしている人にとっては致命傷になります。こうしてまた他から借入をせざるを得なくなるのです。


1社から借入をしてしまうと,後は,他社から「借りて払う」のに移行するのは時間の問題です。ところが,皆さんおわかりと思いますが,「借りて払う」のでは,何ら問題解決にはなりません。
こうして借金はあれよあれよという間に膨れあがります。


そして,例えば,1社あたり50万円を4社から借りると元金は200万円ですが,利息が年利29.2%つくと,利息が年間60万円弱。

つまり,月額5万円ずつ払っても,利息しか払っていない状態になります(借金はいつまで経っても終わりません)。


こうして人は,多重債務に陥っていきます。

「あんたがたいしょう」と私

阿南の弁護士の立石です。


ブログを開設して,早速,役に立つ法律知識を書いていこうと思ったのですが,急ぎコメントすべきことができてしまったので,今回はそれについて書きます。


「あんたい」の愛称で親しまれたJRTラジオ「あんたがたいしょう」

http://www.jrt.co.jp/radio/antai/index.htm  

がこの9月で最終回を迎えるらしい。


「あんたい」はリスナーから送られてくる家族や学校などの楽しい話題などを中心に,パーソナリティーの遠藤彰良さん,佐藤旬子さん,桂七福さんが軽妙なトークで楽しませてくれるというもの。
30年近くも続いてきた全国でもおそらく異例の超・長寿番組だ。


実は僕は,この番組とは浅からぬ縁がある。


僕があんたいを聴き始めたのは,小学生の頃だった。
今からもう20年以上も前のことだ。

中学の時に「JRT学生選抜カラオケ大会」に出場したことから,あんたいとの関わりは急速に深くなった。
1度目は腰ミノを着けた友人と,自作の楯や刀で戦ってたのが初出場で(←これはカラオケか?),2度目は女装して,当時人気があったWINK「淋しい熱帯魚」を無表情に歌った。
いずれにせよ,全く最低である。
しかし,何故かそれが受け,番組でも「坂東君と立石」(立石だけ呼び捨てなのがポイント)というコーナーめいたものまででき,何度か番組にも出演させていただいたりした。

また,七福さんの「頑張れー」(分かる人には分かる)をテープにとって,何度も何度も繰り返し聞いて,そのサブリミナル効果で,無事東大にも現役合格することが出来た。


大学に入って,東京で初対面の人から「徳島の立石って,あのラジオの?」と聞かれた時には驚いた。聞けば,関西圏では四国放送が受信できるらしく,彼はそのラジオを聴いていたというのだ。徳島に帰省したときに,遠藤さんと旬子さんにそのことを誇らしい気持ちで報告したことを思い出す。


弁護士になってからも,「おはようとくしま」出演時など,遠藤さんとお話させていただく機会があった。また,裁判所の職員の方にも,有名リスナーの方がいらっしゃることを知り,何度かあんたいの話をさせていただいた。僕の人生は,あんたいとともにあり,御三人さん(番組ではパーソナリティーの方々をこう呼びます)とともにあった。あんたいは,何時までも続くような気になっていた。


このたびの放送終了は,「もう決まったこと」とのことである。とりわけ,我々のようなオールドファンには寂しい限りだが,これだけの番組を終わらせるのだ。関係者の方々が,悩みに悩んだ上での結論のはずだ。そのお気持ちを察したい。

最後になりましたが,スタッフの皆様と,パーソナリティーの遠藤彰良さん,佐藤旬子さん,桂七福さんに,心から感謝の言葉を申し上げたいと思います。
今まで本当に,ありがとうございました。


まずは自己紹介から

阿南の弁護士の立石です。


やはりまずはじめは,自己紹介からいきましょう。


立石量彦(たていしかずひこ)
1975年8月10日 徳島県名西郡石井町生まれ。
実家の住所は,冗談みたいですが「石井石井石井」です。
石井幼稚園,石井小学校,石井中学校と石井続きで(←もうええわ!(笑)),
徳島県立城北高校,東京大学法学部を経て,2002年に司法試験に合格しました。


司法修習を終えて,一度は東京で企業案件ばかり取り扱う事務所に就職したのですが,どうも性に合わないのと,望郷の念から徳島に帰ってきました。
そして,どうせ帰るのなら,一番地元のお役に立てることをしようと,当時弁護士が全くいなかった県南地域への赴任を決意し,司法修習でもお世話になった「あわ共同法律事務所」で幅広い分野での経験を積ませていただいた上,平成18年10月より設立された「阿南ひまわり基金法律事務所」の初代所長に赴任しました。
この「ひまわり基金法律事務所」というのは,裁判所があるのに弁護士のいない地域や,弁護士が一人しかいない地域(いわゆる「弁護士ゼロワン地域」)など,弁護士の不足する地域に,日弁連などが一定の支援を行う仕組みによって設立された事務所です。


事務所開設後は,月間40件もの法律相談の波に押し流されそうになりながらも,何とか大過なく約2年間を乗り切ることができました。多重債務・離婚・相続など,主に個人の生活に密着した案件のほか,債権回収・契約書チェック・著作権訴訟など,中小企業にまつわる諸問題を扱ってきました。


幸い,地域の皆様に温かく迎えていただき,多数の相談が寄せられ,手持ち事件もかなり増えているため,休日はあまりとれませんが,時間があれば海や川で泳いだり,釣りをしたりして,県南の自然を満喫しています。
料理が趣味で,家には世界各国のこだわりの調味料が並びます。

それらを駆使して,ありあわせの材料でおいしいものを作るのが得意です。


今日は,このへんで。

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