「弁護士 立石量彦」 公式ブログ -3ページ目

武富士 会社更生法がらみ

徳島県阿南市の弁護士 立石量彦です。



依頼者の方々からも,マスコミ各社からも,

武富士の会社更生に関する問い合わせが相次いでいます。


念のため,当ブログでも,簡単な解説をしておきます。




今回の申立は,ごくおおざっぱに言うと,武富士が銀行から借りているお金や,消費者に過払い金を返せなくなったということです。
会社更生法とは,今後も事業を継続しながら借金をまけてもらって,一部だけを返す手続です。


今回の申し立てに伴い,「保全管理命令」「包括的禁止命令」が発令されています。
「保全管理命令」の効果により,全国的に訴訟は中断しています。
また,武富士に対する強制執行も,「包括的禁止命令」によりストップしています。


なお,今回なされたのは「申立」にすぎず,裁判所がこの会社更生法の手続きをとると「手続き開始決定」したわけではありませんが,仮に開始決定が出たと仮定して,今後の手続をご説明しておきます。


過払い金返還請求権は法的には「更生債権」になります。
今後なされる手続開始決定後数ヶ月の,裁判所が定めた期間内に届け出をすべきことになります。

問題は,過払い金返還請求権を持っている方全員に,通知が来るとは限らないことです。

法的には,過払金債権者が,「知れたる債権者」(43Ⅲ①)に当たるかの問題。
例えば平成20年に民事再生申立てしたアエルの場合,
アエルが自発的に債権届出書を送付する先は、
1和解、判決で額が確定しているもの。

2代理人が入っているもの

3今後、履歴請求があった者
だったようです。
今回,武富士が自主的に過払金債権者全員に送ってくるかどうかは,期待はできません。

※武富士と取引があった方向けの本社コールセンターは設けるようです。

0120-938-685または0120-390-302です。

ただ,取引中断があった場合など,法的判断が必要な場合もありますので,武富士本社のコールセンターの言い分を鵜呑みにしていいわけではないと思います。



平成22年6月30日現在の貸借対照表上の負債総額は4300億のようです。
しかし,過払いの総額は報道によれば1~2兆といわれ,今の武富士にそれに見合う資産はないだろうと思われます。
つまり,手続きに従って債権届け出しても,案分弁済に留まるでしょう。


また,利息制限法によっても残債務が残る場合は,残額を支払わなくてはなりません。
ただし,支払うべき金額は,利息制限法に従った計算をした上で確定しなくてはいけません。

なお,同業他社も同じビジネスモデルである以上,同じようなことになる可能性は十分あります。

武富士のような高金利業者と取引あった方は,お近くの法律事務所に相談されることをおすすめします。


武富士 会社更生法

徳島県阿南市の弁護士の立石です。


武富士の会社更生法申請がらみの報道がなされています。

http://www.topics.or.jp/worldNews/worldEconomy/2010/09/2010092701000744.html


この件に関し,本日の徳島新聞朝刊24面に,徳島弁護士会消費者問題対策委員長として私のコメントが載っています。

話した内容とは,ちょっとニュアンスが違いますが,おおむねそのとおりです。


今後,武富士から,過払い金を全く取り戻せないということではありませんが,かなり減額された金額を,場合によっては分割払いで,返還を受けられるに過ぎないことになりそうです。


当事務所では,武富士に限らず,他社に対しても,訴訟を起こし,判決をいただいて,預金の差し押さえ,本店動産執行等の断固たる措置をとることを原則としています。他社でも,経営が不安視されているところもあるようです。

いずれにせよ,借金は家庭を不和にし,人の精神を破壊していきます。

借金の整理は早めにするにこしたことはないと思います。


当事務所では,多重債務に関する相談は常時初回無料で受け付けています。相談の結果,委任しなくてももちろん大丈夫です。受任する場合は,貸金業者への返済は一時ストップできますし,着手金は分割でお支払いいただくことができます。


また,昼間に相談に来られない方のために,毎月第1水曜日に,多重債務夜間相談を行っています。

18時~21時の間,多重債務相談を無料で受け付けます。

ご希望の方は事前に午後6時までに電話予約(0884-22-5800)の上お越しください。

事務所はここですhttp://anan-law.net/11gaiyo.html


【注意喚起】債務整理のCMについて

徳島県南地域の弁護士の立石です。


以前は多かった債務整理の相談が,当事務所では減少傾向です。


多重債務者が減っているということならば喜ばしいことですが,

そうではない側面もあるようです。


債務整理に関して,TVをはじめとした各種メディアで弁護士のCMが流れることが珍しくなくなりました。

彼らの存在が,敷居が高いといわれる弁護士へのアクセスを改善している面は評価できます。


しかしながら,問題は,その職務に対する姿勢です。


当事務所にも,TVCMを見て都会の事務所に依頼した経験のある多重債務者が時々来られますが,内容的には酷いものです。

例えば,任意整理と称して,月収17万円の方に月額12万円の支払いをさせるような和解をしてみたり,満額回収に問題なさそうな消費者金融業者相手の過払い金を一律5~7割で和解していたり(その方が手間がかからないから)。


酷いところになると,当事務所に「過払い金の発生する案件はうちでやりますが,債務が残る案件だけは顧問料を払うのであなたのところでやってください」と言ってきた事務所すらあります。積極的にTVCMを打っている,有名なところです。

こういう弁護士は,多重債務者が「札束」にしか見えないのでしょう。


広報に積極的な事務所の全てが悪質事務所ではないと思いますが,上記のような被害事例についてはあまり知られていません。

「弁護士による二次被害」に遭わないよう,ご注意いただきたいと思います。

夜間相談について

阿南の弁護士の立石です。


昨日は,弁護士会で多重債務の相談会で相談担当しました。

未だに利息制限法に基づく引き直し計算を知らないで,サラ金に高金利を払い続けているという状況を改めて感じました。


また,司法修習生向けに多重債務の講義をしました。

人が多重債務になぜ陥るのか,多重債務状態になった人がどういう状況に追い込まれるのかから始まって,もちろん法の枠組みも含めた一時間半の講義でした。

修習生はいずれも熱心に聞いてくれました。

多重債務問題をよく理解し,多重債務者の立場に立って考えられる法曹になってほしいと思います。


・・・と偉そうなことをいって我が身を振り返った場合,当事務所の相談体制が十分だったかどうか,考えさせられます。

仕事をしている方が法律相談をするには,夕方6時までの相談時間は不合理です。

特に多重債務に陥りやすい低所得の方ほど,仕事を自由に休めないのです。


そこで当事務所では,毎月第1水曜日に,多重債務夜間相談を行うこととしました。

18時~21時の間,多重債務相談を無料で受け付けます。

(※多重債務相談料が無料なのは,昼間でも同じです。昼間に来られる方は,できるだけ昼間にお越し下さい。

ご希望の方は事前に電話予約(0884-22-5800)の上お越しください。

事務所はここですhttp://anan-law.net/11gaiyo.html


地域司法計画

阿南の弁護士の立石です。


皆さんは徳島県南地域には,どの程度の裁判所機能が必要だと思いますか。

検察庁については,どうでしょうか。


なんのことやらさっぱりわからないのが普通だと思います。


実は,徳島地方裁判所阿南支部には,常駐の裁判官がいません。

「塡補」といって,徳島市の裁判所から週に3回ほど,一人の裁判官(本庁でもたくさん仕事をお持ちです)が出張してきてくれるだけなのです。


その結果として,当然,阿南の裁判所で,裁判官3人の合議体を組むことはできません。大規模だったり複雑な事件は,徳島市の本庁でしか審理できないのです。


また,やや専門的になりますが,労働審判や特定調停などの法制度も,阿南の裁判所では基本的に対応していただけません。


更に,仮処分といって,緊急性を要する案件に関しても,阿南に裁判官が来ない日には対応してくれません。それどころか,本庁へ持って行こうとしても,「阿南管轄なので」と突き返され,当日に決定が得られないのです。


検察庁に至っては,そもそも阿南には,司法試験に合格した検事がいません。

司法試験とは別の試験を通っただけの「副検事」が阿南管轄の事件のほとんどに対応しているのです。


このように,阿南以南の住民・企業は,徳島市よりも劣った司法サービスに甘んじざるを得ないのが実情です。


日弁連は「弁護士過疎」地域を解消するため,身銭を切って,ここ10年来,月額1500円(年額18000円)ほども全弁護士が積み立て,開設当時の当事務所のような「公設事務所」を多数作りました。その数は,日弁連HPによれば

  • 公設事務所の数…73か所(2010年6月1日現在)
  • 公設事務所から定着した事務所の数…27か所(2010年6月1日現在)

    とのことで,併せてちょうど100にも上ります。

    そして,10年少々で弁護士ゼロ地域を見事自力で解消したのです。


    これに対し,国はこのような「司法過疎」問題を,放置するどころかむしろ「合理化」の名の下,悪化させる方向です。しかし,どこにいても同程度の司法サービスにアクセスできることは,憲法14条にいう「法の下の平等」の要請であり,これを削ることは「合理化」でも何でもない,単なる「権利侵害」であると思うのです。


    徳島弁護士会では,現在,このような司法資源の適正配置などをテーマとした,「地域司法計画」を策定しようとしています。もしご意見のある方がいらっしゃれば,当事務所まで手紙などいただければ幸いです。




  • 「さらら」記事

    本日,徳島新聞の折り込みタウン情報誌「さらら」に当事務所に関する記事を載せていただいています。


    「敷居が高い」とよく言われる弁護士の世界。

    少しでもハードルを下げていこうと,我々なりに色々やっていこうと思います。

    予防法学

    企業家は,税理士(会計士)と弁護士の顧問を持つべきといわれます。

    確かに,企業経営の「守り」を固める上で,これらは必須でしょう。


    しかしながら,現実には,ほとんどの企業が税理士の顧問は持つものの,弁護士顧問は持たない企業が多いと思います。

    これは,なぜでしょうか。


    おそらく,これは必要性の実感の差なのだと思います。

    年に一度の税務申告がある以上,税理士の顧問の必要性はすぐに理解できます。

    ところが,法務リスクは,トラブルに直面しないと,その未然防止の必要性が身に沁みて感じられないのでしょう。


    実際に当事者になってみると,法的トラブルの対処はなかなか大変です。

    経営をしていれば,トラブルの種はいくらでもあります。


    ・取引先が売掛金を支払ってくれない

    ・発注者から力関係を背景に無理な条件ばかり提示される

    ・工場や操車場がうるさいと近隣から苦情が出る

    ・不良品が原因で健康被害が出た

    ・職員の不祥事が発覚した

    ・不良社員を辞めさせようとしたが,弁護士や組合から内容証明郵便が届いた

    ・反社会的勢力から脅される

    ・創業者が亡くなり,後継者争いや,それに伴う金銭給付を巡っての争い


    このような問題がこじれていくと,紛争は長期化しますし,やがて裁判や警察沙汰になることもあります。(ちなみにこの段階で弁護士に依頼しようとしても,なかなか予約が取れないことがあります。また,相談だけでなく正式に依頼する場合,費用も相当高額に上ることが通常です。)

    経営者は,これらの問題に精神的にも時間的にもかかりきりになり,本業がおろそかになってしまうのです。


    そこで,このような法的トラブルを未然に防ぐ体制を作り,仮にトラブルの芽が出てきたときも,小さいうちに摘み取ってしまおうというのが,「予防法学」です。

    医療の世界でも,ガンは「早期発見」すれば治癒可能な時代であり,人間ドックなどの「予防医学」が重視されています。法の世界も同様です。


    弁護士と顧問契約をしている方々は,気軽に弁護士に相談できる体制を作ることで,このような「予防法学」のメリットを享受しようとしているわけです。


    「金麦」が好きです。

    阿南の弁護士の立石です。


    たまには少し柔らかめの話題も。




    発泡酒「金麦」が好きです。


    味は「プレミアムモルツ」が最高!なのですが,普段用にはちと高級。

    「金麦」はあの値段で,あの味!

    コストパフォーマンス最高です。


    そしてひそかに壇れいさんのファンです・・・

    CMメイキング画像も見られます↓

    http://www.suntory.co.jp/beer/kinmugi/

    顧問について

    阿南の弁護士の立石です。

    本当に暑いですね。


    最近,顧問契約に関するお問い合わせをぼちぼち受けます。

    確かに「顧問弁護士」は何をやってくれるのか,いまひとつわかりにくいですね。


    まずわかりやすいのは,

    「優先的に相談に乗ってもらえる」ことでしょうか。


    弁護士は普通忙しく,なかなかつかまりません。

    当事務所の場合,ひどいときには一ヶ月程度先でないと相談予約が入らないこともありました。

    これが顧問先であれば,優先的に相談できます。

    それどころか,電話での相談も可能なのです。


    ほかにも色々とメリットのある顧問契約ですが,

    今日はあまり時間がないので,続きはまたの機会に。

    出張続き

    7/29に全国消費者委員長会議で東京に,7/30~31に研修で松山に行ってきました。


    あまり一般には知られていないかもしれませんが,弁護士会には「委員会」なるものが何十とあります。それらは基本的に公益活動であり,無報酬です。今回は地方消費者行政にどのような貢献ができるかなどのテーマでした。


    研修の方は,裁判員裁判事件における自白事件の情状弁護や,税務関連の知識,弁護士倫理,民法改正の動向などの講義が行われました。いずれも大変有意義で,実務直結型の大いに役立つ研修でした。