あなたの借金はこうして減らせます | 「弁護士 立石量彦」 公式ブログ

あなたの借金はこうして減らせます

阿南の弁護士の立石です。

先日の続きで,多重債務について書きます。


多重債務の解決策は,大きく分けて


①任意整理

②自己破産

③個人再生


の3種類ですが,これらについて詳しく述べる前に,是非知っておいていただきたいことがあります。


これら全ての手続きの基本となるのが,「利息制限法に基づく引き直し計算」です。

これは,とても重要な考え方なので,よく理解してください。


いわゆるサラ金などで借りた借金の金利は,おおむね25~29.2%のはずです。

しかし,利息制限法という法律によれば,法律上の支払義務があるのは,原則として15~20%程度でしかありません。

そうすると,これを超えて支払った部分は,「払いすぎ」なので,残元本に充当したり,返還を求める(いわゆる「過払金返還請求」)ことができるのです。


例えば,29.2%で50万円の借入を行って,ほとんど金利のみの返済(月額12167円)を続けていたとします。

6年後,借金はどうなっているか。


サラ金と約束したとおりの金利を前提にすると,借金は勿論,50万円のまま残っています。

だって,利息のみしか支払っていませんから。

既に87万6000円も支払っていますが,これは,利息ですから,元金は全く減りません。


しかし,利息制限法の規制金利である18%だとしたら,実は借金の支払いは終わっています


というのも,18%だとしたら,50万円の元金に対し,利息は月額7500円。12167円を返すと実に4667円も元金に充当されるのです。すると,翌月は,50万円から4667円を差し引いた49万5333円に対し,18%の利息ががかかりますので,7430円と7500円よりも少なくなり,元金に入る額も70円増えて4737円となります。その後も同様に,返済のうち元金に入る額は増えていき,それに対する利息もどんどん少なくなっていきます。

こんなことを繰り返してゆくと,6年ほどで借金が全て終わってしまうのです。


つまり,20%を超えるような金利でこれまで取引している方は,かなり利息を払いすぎているということになります。取引期間が長い方は,借金が既に0になっていたり,場合によっては払いすぎた金利を,業者から取り戻せるかも知れないのです。


実際,当事務所に来られた方の6~7割の方は,破産や個人再生ではなく,この利息制限法のみを活用して借金を整理することに成功しておられます。

そして,約半数の方が過払金で弁護士費用をまかない,返還を受けた過払金まで手にしているのです。