先にいくつかのお知らせを。
今月、11月26日発売の音楽誌
僕の連載コラムが始まります。
「拝啓。独学シンガーソングライターのあなたへ」
というタイトルです。メジャー音楽誌への
連載なんて、どのくらいぶりだろうか。
是非お手に取って頂けたらと思います。
2018年12月5日(水)片岡大志
25th Anniversary Special Band Live
@天王洲KIWA
遅まきながら予約フォーム設置。
こちらからもご予約できます。
もちろん各SNSからの僕にメールを
送って下さっても予約ができます。
どうかどうか、この特別なLiveに
足を運んで下さい。お待ちしてまーす!
この時期になると、
夜がくるのが早くなる。
大学で仕事をするようになってから
日の長さで、季節の移り替わりに気づく
ようになった。録音スタジオ中心の生活
とは、ずいぶん変わったもんだと思う。
教室棟から、一旦屋外に出て研究室へと
戻るとき、辺りはもう真っ暗です。
だけどまだ、18時くらいなら
教室棟のたくさんの窓から
にぎやかに明かりが漏れていて
立ち止まって、耳をすますと
色んな楽器の音色が聴こえてくる。
この放課後のひとときが大好きです。
はてさて、思えば遠くへ来たもんだ。
「練習室の丸い窓」
練習室の丸い窓
放課後に聞こえてくるのは
ピアノ フルート トロンボーン ビオラ
バイオリン チューバ トランペット オーボエ
練習室の丸い窓
今夜も誰か歌ってる
ソプラノ アルト バリトン テノール
魔笛 カルメン フィガロ ドンジョバンニ
いつか
君の声が 大劇場に響き渡り
君のティンパニーが高らかに轟くだろう
夢は夢のままじゃいられない
君は今の君のままじゃ きっといられない
練習室の並んでる
長い廊下の突き当たり ドラムキット
サキソフォン ウッドベース ブルース
スタンダード バラード 彼女のつぶやき
ヴォーカル オリジナル 重なるハーモニー
いつか 君の声が
武道館に響き渡り 黒いレスポールが
アリーナを切り裂くだろう
夢は夢のままじゃいられない
君は今の君のままじゃ きっといられない
鳥は飛ばずにはいられない
花は咲かずにはいられない
君は君のままでいられない
同じ場所に同じようにはいられない
〈Words & Music by 片岡大志〉
この歌は、僕が担当している
「ソングライティングA/B」という授業で
〈クリシェ〉というコード進行の法則を
解説した回に作りました。この授業では
毎週ソングライティングに用いる技法を
講義して、それを使用した楽曲を、50分
学生たちは、僕の思いもよらない新鮮な
ソングライティングを披露してくれます。
僕も作ります。僕の発表は一番最後です。
みんな素直だから、面白味のない楽曲や
完成度の低い楽曲には興味を示しません。
先生は「いい曲作って当たり前」という
暗黙の空気は、結構なプレッシャーです。
50分間、僕も必死に考えて、学生たちと
競うわけです。これには鍛えられますね。
「練習室の丸い窓」は
コード進行の全編が〈クリシェ〉技法で
成り立ってます。教室のホワイトボードで
解説した〈クリシェ〉コードを、ほとんど
全部盛りで使ってます。でも技法は表現の
「道具にすぎない」ことを、作品を通して
伝えられないものかと、50分間考えます。
歌の表現の大切なことは、技法の手前に
ある「願い」のようなものだということ。
〈練習室の丸い窓〉を発表すると、学生の
ひとりが「これってウチらの歌じゃん」と
言ってくれました。そう。みんなの歌です。
だから嬉しかった。だからすぐに完成版を
作って、クラスの皆に聴いてもらいました。
同じ学生が「これ校歌にしちゃえば?」と
歌を口ずさんでくれました。それは僕に
とって、どんな賞状よりも価値ある御褒美
でした。ちょっと〈いい話〉でしょ?
その、埼玉県川越市にある音楽大学への
行き来には、一時間半以上かかるので
SFものと探偵もの。それも古典の本ばかり
読んでいるから、イマドキの流行作家の
本をめくる機会は少ないんですが、今年に
なって久しぶりに〈森博嗣〉の新しい文庫
書き下ろし〈Wシリーズ〉を読んでみたら
面白いのなんのって。油断すると三日間で
一冊、読み終わってしまうので、いちいち
30頁前から読み直したりして、読み終える
のを先延ばしにしてきたんだけど、十月に
完結編発売。油断してた。三日間で読了。
彼らの会話を、もう聞けないのが寂しい。
本を好きになることって、登場人物を好き
になることなんだよね。また会いたい。
月に一回か二回ある、休日の昼下がり。
近所のスーパーマーケットの鮮魚売場に
「生すじこ」が出回っているのを発見。
立派な「生すじこ」を、ぬるま湯で
洗います。冷たい水だと硬くなるので
60度くらいのぬるま湯です。色が変わる
お湯を何度も入れ替えながら、丁寧に
イクラ玉から筋と皮を剥きとります。
剥きおわったイクラを水切りしてから
醤油と出汁に漬け込みます。酒を少々、
今回は昆布出汁の小分けパックも投入。
これを早速、炊きたてご飯に降り注ぎ
試食。美味しひ…。こりゃ贅沢だわ。
2000円くらいの生すじこで、瓶詰めで
4本分くらいのイクラ醤油漬になります。
さて。〈GiGS〉連載の原稿を
ギリギリに入稿して、ちょっとホッと
してるんですが、実はこの数ヶ月、
ずーっと原稿を書いてるんです。
片岡大志・ソングライティング論を
「一冊の本にしたらどうか」と
シンコーミュージック出版さんに
手取り足取り教えて頂きながら、
書いて、書き直して、試行錯誤を
繰り返してます。音楽を文章するって
簡単じゃないですね。だけどすごーく
面白い。書きはじめて数ヶ月経って
徐々にコツを掴みつつある、かも。
ああ。書いちゃった。このテキストが
ホントに本になるのかしら。ちゃんと
〆切を間に合うのかしら。不安ばかり
ですが、とにかく頑張るしかない!
おまけのラーメンコラム。
飯田橋の「びぜん亭」
呑みすぎた翌日に訪れます。
それかどうしても癒されたい日には
個性派俳優みたいに飄々とダンディな
ご主人が仕込んだスープは五臓六腑に
染み渡る絶品…。モダンな鶏スープが
流行の昨今、だけどこの店を超えてく
週一で通いたい(通えてないけど)
心温まる温故知新なラーメンです。
江戸川区には伝説の店が多かった。
その名店の一軒「麺屋もも」。
2014年に引退した店主が平井に復活。
その名も「ひよこプリン」。

「麺屋もも」時代には、黄金に輝く
鶏スープが「もも」の看板だったけど、
今度の新店「ひよこプリン」は豆乳を
使った白いスープ。モダンなルックス
ながら、鶏の旨味がふわりと美味しい。
好き嫌い分かれるところかもだけど、
これは絶妙。低加水の蕎麦っぽい麺を
「もものファンでした」と伝えたら、
嬉しそうに応えてくれた。あの頃と
変わらない丁寧な接客に、美味しさの
秘訣を再確認。温泉卵のご飯は当時の
定点観測の護国寺MENSHOにて
「塩」ならぬ「潮らーめん」を。
名店はブラッシュアップが小刻みです。
前回食べたときよりも、貝類出汁が強く
なった印象。今回は浅利強め。UFO型
丼の縁には引き続き、カラスミの粉末と
鯛の切り身。護国寺の店内には系列店の
そこでは小麦粉を臼から挽いている。
挽きたて打ちたての自家製麺の
醍醐味を味わえる店は他になく、
企業努力を突きつめると、ここまで
「おいしそうー!」以外の感想を産む
わけがないよね。さすがの名店です。
12月5日のライブまでに
もう一回更新するつもり。
夜毎に寒くなっていきますね。
季節の替わり目、お身体ご自愛下さい!
11月16日 深夜
かたおかだいしより





































































































































































































































