ああ。そっか。
これは「平成最後の」
Blog更新ってわけだね。
明日以降は
「令和初めての」なんて
キーワードが飛び交うわけだ。
なんだか不思議(不思議?)な気分。
年号が変わることって
後々に振り返ったときに
2019年4月30日、あるいは
2019年5月1日のことを
「あのときは」って
話すときの目印になるんだろう。
二十年後くらいだか経った後で、
「平成」終わり間際の連休中は
「関西三都巡り」ツアーだったと
誰かに話したりするんだろうか。
イベンター〈ギグのつぼ〉は
何かと僕のことを気にかけてくれて
関西でのライブに巻き込んでくれる。
新宿JAMの閉店イベントで知り合ってから
これまでにずいぶん多くのブッキングを
組んでくれた。今回は京都・大阪・神戸。
雨上がりの京都、長岡京駅。
タクシーの運転手氏に「すずかげ」と
告げると「はいはい」と頷いて
住宅街の一角へと送り届けてくれた。
昭和な雰囲気の洋館の前には小川が
流れていて、大きな葉桜が枝垂れている。
小川を眺めながら、煙草を吸ってると
重田拓成くんが声をかけてきた。
(写真右から二番目)
彼の真っ直ぐな歌が好きだ。その歌は
折れそうな真っ直ぐを奮い立たせてた
二十代の自分を思い出させてくれる。
初めてご一緒した白田将悟さんは美声。
構成力の高い楽曲を、オベーションと
エフェクトとを巧みに操る名手だった。
(写真、僕の隣り)
戸田大地さんのロックンロール力は
圧倒的だった。それがどんなライブでも
彼の次に演奏するアーティストは気の毒だ。
(今回それはオレだった)音色は繊細、
表現はダイナミック、彼は京都の番長だ。
(写真右)
僕の演奏が終わると、やや年配の婦人が
「とーっても素敵だったわよ」とCDを
手に取って「サインを頂けるかしら」と
訊いた。その名前をアルファベットで
記して手渡すと、「ああ、嬉しいわ」
花咲くような笑顔でCDを胸に抱いてくれた。
大阪は曇り空。肌寒さに肩を丸めながら
谷町九丁目駅地下街のワンドロップへ。
和製ケビンという風変わりな名のシンガーは
「ひとりで立つ」ことについて高らかな声で
歌った。少年の面影をそのままに歌うケビン
には、いつもエールを送りたくなる。

市川セカイのことは短い文章で表しにくい。
彼は多くのことを一曲に込めるし、いちいち
僕はそれに感じ入るからだ。機会を探して
是非、セカイの演奏を聴いてみてほしい。
そこには詩情があり、知巧の技術がある。
KEEWOという金髪のライオンが奏でる
音色は美しい。音楽を美しく聴かせるという
技術を、KEEWOは狩りのように心得ている。
その鬣(たてがみ)を流麗になびかせる風の
こんな夜でも出番が最後、という役回りは
それだけで熱が入ってしまう。一曲目が
終わってから「まあまあ、落ち着いて」と
自分が言うのが聞こえた。音楽はぶつけあう
ものじゃなくって、分け合うものなんだから。
すごい人出だった。南京町の中華街は
小さな横浜を思わせる。小洒落た洋服屋や
カフェを何軒も横目に眺めながら、自分は
異邦人だと感じる。StingならEnglish-man
In New Yorkを歌うだろうって場面だ。
(Oh I’m an alien,I’m a legal alien)

繁華街を抜けたところにCafe de J’aimeを
見つけた。Since 1981と看板にあった。
「Jって呼んで下さい」とマスターは言う。
それを聞いて村上春樹の懐かしい小説を
思い出した。処女作「風の歌を聴け」は
神戸が舞台で、主人公は「J’s BAR」で
床にピーナッツ殻を撒き散らしていた。
SEIGAくんはガットギターで弾き語る。
淡々と歌う手元では、複雑なコードと
16分音符の多いリズムでナイロン弦が踊る。
コノハコトノハさんの日本語、音楽語は
変わってる。何がどう変わってるのかと
説明が難しいんだけど、彼女には「っ」の
使い方が印象的だと伝えた。もちろん
素敵だという意味で。香川のうどんの
作り方を指南した歌から教わりました。
「お婆ちゃんの手の柔からさくらいに練る」
てふてふさんのステージは、それが
どんなライブでも、その次に出演する
アーティストが気の毒(それはオレだった)
だと思う。「生きる」ってことを歌う
シンガーはどこにでもいるんだけど
彼女の場合は、そこに「生き抜く」が
加わり、さらにステージを縦横無尽に
飛び跳ねて(前転したのには驚いた)
「生きまくる」という具合になる。
一言添えると、やがていとおしい歌。
温かい雰囲気の中で、僕が歌い終えると
アンコールを頂きました。その厚意は
会場の皆さんにそっくりお返ししました。
「切手のないおくりもの」を歌うと
一秒で会場がひとつになった。こんな
名曲を書けるようになりたいものです。
その夜は、たまたま関西に来ていた
大柴広己くんがライブを観に来てくれて
深夜の打ち上げでも、あれこれと音楽話で
盛り上がった(最後のあたりは覚えてない)。
京都で大阪で神戸で、出会えたお客さま
皆さんに感謝を。谷町の夜にも話したけど
例えば、市川セカイの音楽の素晴らしさに
涙できる人の前で歌えることは光栄だった。
〈ギグのつぼ〉本谷さん、ありがとうね。
そうそう。その大阪の終演後に
ペケキングテリーが新作を手渡してくれた。
ペケキングの傑作ゴシップソングに対して
大友マサノリが演奏・編曲・エンジニア
僕は総監督のクレジットを頂いたけど
「いいじゃないの」と言ってただけ。
ペケ渾身の新作「ペ・元年」素晴らしい!
是非!怖いもの見たさで購入して下さい!
音楽誌「GiGS」への連載コラム
「拝啓。独学ソングライターのあなたへ」
新しい号が発売になっています。
こちらもどうぞよろしくお願いします!
さて。「令和」最初のライブは
お店で札幌のアーティスト「45」に
招いて頂きました。是非遊びに来て!
おまけのラーメンコラム。
ここ数年で大阪のラーメンは
かなり進化を遂げていて、驚くような
お店が多いんだけど、このJunk Storyの
地鶏とハマグリ出汁スープは豊満で
どれだけ美味しかったかというと、
次の日も食べに行ってしまうほどでした。
こちらはトリュフを香味油にしたヤツね。
好みとしては鶏油の方が圧勝だったけど
さて。さらば平成。
「令和」の世の中を素晴らしくするのは
ワタシタチヒトリヒトリノチカラデス。
平成31年4月30日
片岡大志より





























































































































































































