かなり昔に、「請ける」の表記は基本使わないで限定使用である旨の記事を書きましたが、このたびの改訂で「請ける」と「受ける」の使い分けが必要になりました。
用字用例辞典に載っている「請ける」の例は「工事を請ける」です。辞書を見てもこれに該当する意味がないように見えたのでいまいちはっきり言えないんですが、もともと「下請」なんかでは「請」の漢字を使っていましたので、そういう意味を含むときは「請ける」でよいのではないかと思います。
あと、前の記事は「受け合う」でしたが、それが今回「請け合う」に表記が変更になっております。
また、これはちょっと別の話になりますが、もともとの「受ける」のほうも結構注意が必要です。
というのが、まず先日記事にした複合語の関係ですが、「受ける」の複合語は非常にあの許容のルールが適用されているものがどれもこれも頻出語で、かつ、許容のルールが適用されていないものも頻出語が多いです。例えば、許容のルールが適用されたものは「受皿」「受持ち」「受渡し」「受入れ」、許容のルールが適用されていないものは「受け払い」「受け身」「受け取り」ですが、さらにこれらの中でも、名詞とくっつくと送り仮名が要らなくなるもの、例えば「受払金」「受取額」「受入先」なんかがあり、この上、こちらは大分前に記事にしましたが、新訂にてルール変わらず動詞のときは送り仮名が必要な「受付」or「受け付け」まであり、まさにカオスです。
そのうち覚えられるのかもしれませんが、しばらくの間、これらは出てくるたびに調べるしか対応しようがありません。
頻出の簡単な言葉の使い分けが非常に難しくなった。それが今回の改訂の印象です。