ここ最近のGWは、特に遊びに出かけない。
どこも混んでいるし、自分の考えていることと世間の人が考えていることが一緒だと宣告されているようで嫌になる。
そこで今年のGWも家でゴソゴソやっている。
そして読んだのが「羊と鋼の森」。
結構前から評判が良くて、朝の情報番組「大様のブランチ」で紹介されていたので読んでみたいと前から思っていた。遅くなったが昨日読んだ。さすがに昨年の本屋大賞に輝いた本だけあって読後感がものすごくいい。
内容は、高校生の時にピアノの調律を見て衝撃を受け調律師を目指し悩み迷いながら成長していくキメの細かい物語。音という目に見えないものを言葉で表現する手法が秀逸。言葉で表現しているのだが、情景が目に浮かぶ感じがさすがだと思う。
作者は当然ながら調律の世界を取材して書いているのだと思うが、僕のような素人からするとものすごく細かいところまで取材していると感心してしまう。
昔、最相葉月さんが書いた「絶対音感」を少し思い出した。
途中から双子の姉妹の一人がジストニアでピアノを弾けなくなってしまう。僕の知合いでも現在この病気で悩んでいる子がいて、読みながらなんとか治ってくれ、と願っていた。治っていたらその子にこの本を勧めたいと思っていた。しかしそれは出来ないこととなったのが残念だった。
僕は、音楽をちゃんとやる前にカラオケで歌っていて自分はそこそこ才能があるのではと思っていた頃があった。テレビで歌っている歌手の歌を冷めた目で見ていた時期もあったが、仕事で調律をやっている人とか仕事で音楽をやっている人の耳は、僕ら素人のそれとはレベルを超えて桁が違うのだと再認識してしまう。
そしてこの小説でおそらく言いたかったことは、「大切はことは才能だけではない。」ということだろう。
小学校の先生が、生徒に言うには耳障りのいい言葉だ。それが大人になると「成功する人は間違いなく才能がある。才能がないと成功しない。」と現実を知ることになる。
それでも「大切なのは才能だけではない。」と主張していたい。主張したいのに、現実で才能ある人が成功しているのを多く見てしまうと理屈ではなかなか説明しずらい。その説明しずらいことを物語を通じで見事に表現しているのがこの本だと思う。
こんな僕でもコツコツやっていると成功するかもしれない。
そうに違いないと思えるから読後感がいいのだと思う。








