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波濤(1939年) 監督:原研吉

主な出演:細川俊夫 桑野通子 徳大寺伸 小暮実千代 日守新一 河村黎吉 吉川満子 岡村文子
 

林芙美子の新聞連載小説『波濤』を映画化。

滋賀から上京してきた見ず知らずの郷子(桑野)に対し、仮の宿から就職先までを世話する佐山(細川)なのだが、自身は数日後には召集の身。だからこそ心残りがないように郷子に誠意を尽くしたのだろうが、もうその時点で郷子は佐山にホの字。

そんな彼女の気も知らないで、「郷子さんに良い縁談があったらよろしく〜!」とまで友人たちに頼む始末。

 

友人の1人である小宮山(徳大寺)が郷子のことを好きになりかけるが、佐山を想う郷子の気持ちを知り、負傷して戦地から帰国した佐山をつかまえて問い質す。

それでも、「いや、友情のほうが大切。お前が郷子さんを幸せにしてやってほしい」と突っぱねる佐山。

見るに見かねた郷子の友人の律子(小暮)は小宮山にプロポーズするという手段を使い、佐山と郷子をくっつけようとする。

もともと鉄鋼技師だった佐山は軍を退役し、釜石の製鉄所へ。それを追いかけていく郷子。

ラストシーンで映し出される岩を砕くほどの波濤が郷子の決意をあらわしている。

 

以上のように、ハッピーエンドで終わる映画なのだが、それにしても佐山はなぜそこまで郷子を拒むのか全く解せない。

友情はわからなくもないが、気があったから最初からいろいろと世話を焼いてきたはず。戦地に行って生きて帰れなかったら郷子を不幸にするからか?しかし生還したのだから、郷子をはじめ友人たちの気持ちを素直に受け入れれば良い。

 

とは言え、この作品の登場人物は全て善人ばかりだから観ていて救われる。特に佐山に親身なる友人の1人の岡部(日守)も良い役どころ。日守進一さんは『一人息子』の息子役を好演した。

 

この映画でも桑野通子さんがとにかく美しい。

OHVのBMWにとってクラウザーのパニアケースは必須アイテム。

車体とクラウザーが一体となってこそ、BMW本来の姿が完成されるというマニアも多い。

かく言う私も、かつてはクラウザーの愛用者だった。

大容量の収納スペースは、東京福岡のツーリングにとても重宝した。

左右に張り出しているので、あわや立ちごけ!というときバンパーとしても機能するはず。

が、しかし…

しばらく使ってみると、この手のツーリング向けの装備に慣れないせいか、とにかく幅をとるため次第に煩わしく感じるようになった。

ワンタッチで取り外しできるのは良いが、リアまわりを掃除するときなど、付けたり外したりするのが実に面倒くさい。それにバイク本体から外すと置場にも困るため、いつの間にかクローゼットの中でバイク用品を押し込むコンテナと化していた。

そんなこんなで、当分はツーリングなんて無縁の私のバイクライフにマッチしないという理由から、ずい分前に左右セットのクラウザーを手放してしまったわけだが・・・。(貧乏に負けて)

 

とは言え、ヤル気満々の本格的なのではなく、もっと手軽に荷物を収納できる装備が欲しい。サドルバッグと言うのか、左右の振り分けバッグが手軽そうだが、走行中にバタバタしそうでよろしくない。

せっかくリアキャリアがあるから、ここにコンパクトで機能性の高いバッグ(ケースでも良い)でも乗せられないだろうか。というわけで新たに導入したのがこのリアバッグ。

旧タイプのリアキャリアに革トランクを積んでいるのを見たことがあるが、そんなイメージ。

実はコレ、もともとはドイツ製のアンティークカメラバッグとして売られていたもの。デザイン的に古いBMWとマッチするだろうし、3カ所に設けられたポケットが便利そうだからということで、ずい分前に購入しておいたもの。

(クラウザーを手放した時期と前後するかは覚えていない)

ただ、リアキャリアに乗せるにしても、ラッシングベルトやゴムロープでガシガシに縛りつけたのではどうにもダサいし、バッグの蓋を開閉できないのでは意味がないから、そこはスマートに行きたい。

そんな風に考えながら、優に10年以上は経っているのだから実に気の長い話だ。

さて、いよいよ取り付けの段となり、パイプ状のものを固定する金具を背面と下面に2個ずつ、計4カ所でガッシリと固定した。ボルト止めなので着脱は面倒だが、整備時も邪魔にならない場所なので、通常は特に外す必要はない。

無事に装着できたものの、これでどこに行く用事もなく、改めて「さて、何を入れようか?」と迷うのが私の浅はかなところ。モノを収納して運ぶことではなく、取り付けること自体が目的となっている、本末転倒、愚の骨頂の見本。

とりあえずは、予備のワイヤーなどいざというときに役立つ部品でもこの中に常備しておこう。

外したグローブや保護メガネなんかもポイっと入れておける。

実際に使ってみると大変便利で、もっと早く装備しておけば良かったと素直に思った。

本当は、この前ヤフオクに出ていたアリンコバッグが欲しいのだが、程度の良いものはあまりにも高価なのだ。

退職金も年金もない、その日暮らしの私には到底手が出ないシロモノだ。

 

朧夜の女(1936年) 監督:五所平之助

主な出演:徳大寺伸 坂本武 飯塚敏子 吉川満子 飯田蝶子

大学生の誠一(徳大寺)はバーの女給・照子(飯塚)と愛しあうようになり妊娠させてしまう。誠一は結婚を望むが、将来を案じた伯父の大吉(坂本)は、二人の別れを求めるとともに、照子は自分の妾で妊娠させたのは自分であると周囲に嘘をつく。

その際大吉は、「すまん。外の女に子供ができちゃったんだが、その子をウチで引き取ってもらえねぇだろうか?」というようなことを妻(吉川)に懇願する。いまなら即離婚+慰謝料請求となるはずだから、なんと大らかな時代だろう。妻は渋々ながらも受け入れるし、誠一の母(飯田)も自分の息子の不始末とは知らずに応援する。

結局、身重の照子が病気になって、お腹の子供もろともダメになる。それで元の木阿弥なのだが、このような終わり方は実に後味が悪いし、芽生えた命に罪はない。

 

照子役を演じた飯塚敏子さんは、川崎弘子さんに負けず劣らず竹久夢二風の美人。戦前の時代劇に数多く出演し、戦後は『歌麿をめぐる5人の女(1946年)』で艶やかな花魁姿を披露した。


写真左端が飯塚敏子さん、真ん中が田中絹代さんで、右端が川崎弘子さん。

安城家の舞踏会(1947年) 監督:吉村公三郎

主な出演:原節子 滝沢修 森雅之 逢初夢子 清水将夫 神田隆 村田知英子 殿山泰司 津島恵子 岡村文子

戦後、華族制度が廃止され、没落した安城伯爵家は財産を食い潰し、残った屋敷も借金のかたとなる。そんな現実を直視せず家族それぞれが身勝手に振る舞うなか、末娘の淳子(原)だけが冷静に今後の生活を模索する。最後は、まるで憑き物が落ちたかのように、皆が真っ当な道を選択するところが救い。

正彦(森)の婚約者役を演じた津島恵子さんは、この映画がデビュー作。当時は、ややポッチャリさんだったのは意外だった。

婚約三羽烏(1937年) 監督:島津保次郎

主な出演:佐野周二 佐分利信 上原謙 三宅邦子 高峰三枝子 森川まさみ 岡村文子 葛城文子 斎藤達雄 河村黎吉 小林十九二

 

そうそうたる俳優陣で飾るコメディ映画。佐野、佐分利、上原の三羽烏、それぞれの持ち味が生かされているのが良い。社長令嬢の伶子(高峰)と良い仲になりそうだった加村(上原)だが、結局3人ともに収まるべきところに収まる結末が実に愉快。

 

この前に乗ったのは、たしか3月頃だったと思う。

その後に出張が何件か続いて、例のメッキ剥がし、5月は三社祭と乗れない条件が続いたから。

梅雨入りする前の気候の良い季節に乗っておこうかと…。

 

スタンドでガソリン入れて、お気に入りのコースの隅田川の周りを走って、待乳山の横にある公園で一息入れて、昨年オープンした近くのバイク屋に寄る…というのがいつものコース。

大した走行距離ではない、トータルで20kmもないだろう。

 

そのバイク屋というのが、別にお世話になっている店ではないのだが、忙しいのか、暇なのか、儲かっているのか、特に作業をしているところを見たことがなく、行けば嬉しそうにバイク談義をしてくれる。

たまにはケミカル品でも買おうかと思うのだけど、商売っ気がないから、中古バイクがほしいとか、修理をしたい人がいたら紹介してあげようと思う。

 

何年か前にも一度やったことのあるタンクキャップのメッキ剥がし。

これは二度とやりたくないと思うほど根気のいる作業。

劣化したガスケットを交換すれば問題はないが、錆でボツボツなのは気持ち的に使用に堪えないので、ゴールデンウイークの休み中にレストアした。

強靭なクロムメッキを剥がす工程を事細かに文章で説明しても面白くないし、作業そのものが常人には理解できないだろうから省略する。


 

写真左のタンクキャップが手持ちのもので、R75/6やその後のR90Sで使われていたと思われる。

ベースは亜鉛合金(ZincDiecast)だが、純度が低いせいか、地金が腐食しはじめるとこのようにメッキの表面にボツボツが出てくる。そして、経年とともにどんどん広がり醜くなる。

これが1969年〜のR75/5では、亜鉛の無垢仕上げだった(写真右)。

メッキではないから多少腐食してもピカールで磨けば元のように光る。

とは言え、亜鉛はアルミほど腐食に強くなく、直ぐに見栄えが悪くなるから、後のタイプでメッキ仕上げとしたのだろう。

いずれにせよ、亜鉛という素材は実に厄介で、モデルガンでもさんざん苦労した経験がある。

なので、今回は防錆のためにウレタンのクリアを塗布した。

クリア塗料がかかると鏡面仕上げがやや鈍るが、100%でなくも80%の鏡面度が維持できれば良い。

いや、しばらく放置しても表面がガビガビにならなければそれで良し。

これが今回の完成版。

 

ついでに、いままで車両本体に付けていたキャップも同様に仕上げた。

余分に持っていても仕方がないので古いほうをヤフオクに出品したが、どなたか落札してくれるかな?

 

花嫁の寝言(1933年) 監督:五所平之助

主な出演:田中絹代 小林十九二 斎藤達雄 江川宇礼雄 大山健二 谷麗光 竜田静枝 逢初夢子 飯田蝶子 河村黎吉

 

日本発のトーキー映画と言われる『マダムと女房』の姉妹作に当たるらしい。

妻の寝言と聞けば、誰でも色っぽいことを想像する。それを聞こうと夫(小林)の悪友たちが新婚家庭に押しかけて宴会をはじめる。たしかに田中絹代さんは鼻にかかった可愛らしい声をしているから、観客だってその声を聞きに劇場にやってくる誘導戦略。トーキーならではの強みを生かした作品である。

 


花婿の寝言(1935年) 監督:五所平之助

主な出演:川崎弘子 林長二郎(長谷川一夫) 小林十九二 斎藤達雄 突貫小僧 忍節子

同じ五所監督だから3匹目のドジョウを狙ったか?

こちらの奥さんは川崎弘子さん。甘えた声で朝からイチャイチャするものだから、夫は家を出るまでが一苦労というか、出勤前の毎日の儀式をお互い喜んでいるバカップル。その夫役が天下の二枚目俳優の長谷川一夫さん。後年の銭形平次や光源氏とずいぶんイメージが違うので最初は誰かと思った。

とは言え、「花嫁」も「花婿」も理屈抜きでおバカを楽しむ作品。当時の日本人が皆こんなのだったら、戦争も適当なところでやめていたかもしれない。

「花婿」のほうは冒頭の斎藤達夫さんと突貫小僧の掛け合いが良い。

 


●わが生涯のかがやける(1948年) 監督:吉村公三郎

主な出演:森雅之 山口淑子 滝沢修 井上正夫 宇野重吉 加藤嘉 殿山泰司 三井弘次 逢初夢子

 

錚々たるキャストなのだが、この作品は何とも評価し難い。

陸軍中尉の沼崎(森)がポツダム宣言を受諾した戸田大臣を暗殺するという、最初の設定に大いに期待したのだが・・・。

戦後、沼崎はやくざの手下となり、しかも薬中に苦しむ姿がどうにも見苦しい。「おう、ねえちゃん」とか言うセリフも似合わない。

やくざの親分役の滝沢修さんもコメディかと思うほどサマにならないけれど、ここまで不気味な悪党を演じられるのは流石だと思う。

個人的にはそれほど好みではないが、山口淑子さんは異次元的な美しさもいくらか評価できる。

その他のキャストはいつものキャラ。

沼崎は父親を暗殺した仇なのだが、節子(山口)はいつの間にか恨みを忘れて、一緒に警察署に自首する。その日が沼崎にとっての「わが生涯のかがやける日」なのだろうか?

 「ふ〜ん、そうなんだ?」という印象で終わる。

アメリカ映画の『我が生涯の最良の年』とタイトルは似ているが、全く異質の作品。


 

●絹代の初(1940年) 監督:野村浩将

主な出演:田中絹代 河野敏子 佐分利信 水戸光子 河村黎吉 坪内美子 葛城文子 吉川満子 
 

田中絹代さんが絹代という役名だから、作品のタイトルも『絹代の初』。初恋でなおかつ憧れの男性・昌一郎(佐分利)が、妹(河野)に惚れてプロポーズしたことにショックを隠せない絹代だが、母親代わりを自負し、妹に幸せになってもらいたい気持ちのほうがはるかに勝る。

その複雑な思いを幼なじみののぶちゃん(水戸)に打ち明ける。方や、昌一郎に思いを寄せる芸者(坪内)は独りで碁を打つことで心の整理をしているのだろう。この2つの対照的な描写が何とも良い。

妹の花嫁姿を一目見ようと近所の人たちが集まってくる。昔はどこもそんな光景が見られたが、それだけで幸せな気持ちになれるもの。いまの日本人はこんな些細な心の豊かさが薄れつつある気がする。

妹役の河野敏子さんは、戦後に井川邦子と改名したようで、木下恵介や小津作品にもよく登場した。