2024.5.8 わが生涯のかがやける日(1948年) |

●わが生涯のかがやける(1948年) 監督:吉村公三郎

主な出演:森雅之 山口淑子 滝沢修 井上正夫 宇野重吉 加藤嘉 殿山泰司 三井弘次 逢初夢子

 

錚々たるキャストなのだが、この作品は何とも評価し難い。

陸軍中尉の沼崎(森)がポツダム宣言を受諾した戸田大臣を暗殺するという、最初の設定に大いに期待したのだが・・・。

戦後、沼崎はやくざの手下となり、しかも薬中に苦しむ姿がどうにも見苦しい。「おう、ねえちゃん」とか言うセリフも似合わない。

やくざの親分役の滝沢修さんもコメディかと思うほどサマにならないけれど、ここまで不気味な悪党を演じられるのは流石だと思う。

個人的にはそれほど好みではないが、山口淑子さんは異次元的な美しさもいくらか評価できる。

その他のキャストはいつものキャラ。

沼崎は父親を暗殺した仇なのだが、節子(山口)はいつの間にか恨みを忘れて、一緒に警察署に自首する。その日が沼崎にとっての「わが生涯のかがやける日」なのだろうか?

 「ふ〜ん、そうなんだ?」という印象で終わる。

アメリカ映画の『我が生涯の最良の年』とタイトルは似ているが、全く異質の作品。