見事だった。


ワールドカップ決勝トーナメント、ブラジル対チリ。


個人技とイマジネーションのブラジル。

個人の強さとスピードが連動するチリ。


自分の中では、事実上の優勝決定戦だった。


それほどまでに優れたチーム力を披露してくれていたチリ。

50:50の確率で、ブラジルは敗退するのではないかと思っていた。


ブラジルのスコラリ監督も、チリとの対戦をもっとも恐れていたようだ。

そのチリにPK戦でとはいえ、勝利したブラジル。

試合後のネイマールの涙が、その困難さを象徴していたと思う。


ここまで書いたら、Number Web の記事が飛び込んできた。

チリは、オールコート、オールタイムでテンションを落とさない、フルインテンシティ・フットボールであると。

まさに、その通りだ。溜飲が下がった。

守備に、攻撃に、個々が常に最高のテンションを保ち続ける、チリ代表のサッカー。


ブラジルを除けば、今大会でもっとも魅力的なサッカーだった。

その2チームが奇しくも、決勝トーナメント1回戦であたってしまい、チリは大会から姿を消した。


日本代表の敗退よりも、遥かに寂しい。

しかしこれもワールドカップだ。


残りの試合も、楽しみでならない。

勝つ気持ちが足りないとか、監督の采配ミスだとか、巷ではいろんな敗因が指摘されている。

でも日本の試合見てるだけじゃ、そんなものは見えてきませんよ。
今回、圧倒的な強さと試合の面白さを見せてくれる南米チームを見ればわかります。

ワールドカップクラスの大会で好成績を上げるためには、やっぱり個の強さが絶対条件だ。
カラダの強さ、心の強さ。
それらに裏付けされたテクニック。

日本とさほど変わらない平均身長の南米のチームがいかに戦っているか。
大勢に頼らず、とにかく前に向かう強さとスピード。
できるだけシンプルに、できるだけ早くゴールを目指す。

そのためには、カラダと心の強さとスピードとテクニックが欠かせない。

いくら組織で連動しても、親善試合ではなく本戦で本気を出してきた強豪国には、ゴール前でほとんど仕事をさせてもらえない日本代表。
ゴール前で決定的な仕事をするのは、いつも相手の方。

切り込んでも、強いプレスにすぐにつぶされる。
ファウル寸前の当たりで、弾き飛ばされる。
あまりにも線の細い、日本の攻撃。

俊敏でテクニックがあるのはその通りだろう。
その俊敏さもテクニックも、強くて早い相手の前には機能しなかった。

負けたコロンビアのペケルマン監督が、まさにそのものの言葉を語ってくれた。
「ワールドカップでプレーするためには、インテンシティーのあるプレーをしなければならない。」
インテンシティ。
つまりプレー強度があるということ。

日本代表にもっとも欠けていた、インテンシティ。

香川は持っていない。
本田は調子が悪く、得意のボールキープもワンタッチパスも、精度が低かったが、唯一日本でインテンシティを持っていると言えるだろう。
長友もある程度持っているかも。

それ以外の日本人選手は、もっていない。
たぶん、Jリーグでプレーするだけは、身に付かない。
インテンシティーが低いから、アジアチャンピオンズリーグでも敗退する。

ワールドカップで良い戦いをするためには、何かを根本的に見直さなければならない。
Jリーグのあり方。
マスコミの報道のあり方。
代表チームを作る時の選手の選び方。

インテンシティのあるプレーをするために。
インテンシティーの土台に、日本人の特徴である連携を身につけるために。

本気でワールドカップの上位を狙うのか。
ワールドカップへの出場だけを狙うのか。

ここには、大きな差があり、やるべきことには天と地ほどの開きがある。

ワールドカップを見ています。


もちろん日本戦だけではありません。

できるだけ全試合、それもダイジェストじゃなくて試合そのものを見るようにしています。

しかし地球の反対側で行われている試合をリアルタイムで見ることは不可能。


日本戦以外は、全部HDDレコーダーによるタイムシフト視聴です。

朝早く起きて、注目のカードから順番に観ていく。

ファールの後やボールがラインを割れた後など、ガンガン飛ばしながら。

もちろんハーフタイムもスキップ。


ダイジェストでなければ、試合の流れが観れます。

やっぱりどの試合も魅力的だから、ワールドカップを楽しむためには、試合を見ることが欠かせません。


そうやって観てきて思うことは、今年は攻撃の意識が高いパワーサッカーが多いということ。

特に南米のチームにそれが顕著に思えます。

彼らとヨーロッパサッカーの激突は実に魅力的。


南米予選でウルグアイが苦戦し、ようやく大陸間プレーオフで出場決めたのを見て、今のウルグアイはそこまで調子が悪いのかと思っていましたが、そうではなかった。


予選を勝ち抜いてきた南米のチームはものすごく強い。

コロンビア、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ。

一人ひとりのカラダはぶ厚く、強靭で、走力もテクニックも優れている。

たぶんメンタルも強いのでしょう。


ひとりの根幹の強さでゴールまで攻め込んでいかれる。

ウルグアイですら簡単に勝たせてもらえなかった強靭さ。

アフリカのチームももちろん強靭です。


これと比べると、日本代表の線の細さを痛感しますね。


日本人なので日本代表に勝ち抜いて決勝トーナメントに行ってほしい気持ちは強いけど、一サッカーファンとしては、このレベルの試合しかできないチームが残るよりも、遥かに面白く強いサッカーをするチームが脱落することの方が残念だ。


ギリシャ戦は、客観的に見て、今回のワールドカップで1,2を争う凡戦でした。

引きっぱなしで、セットプレーだけにかけるギリシャ。

それをまったく崩せる気配も見せない日本。

1点でも入れれば攻め合いで面白くなったのに、それすらできなかった。


日本人とギリシャ人以外は、退屈でたまらなかったでしょう。


死の組に入ったチームの戦いの方が、これぞワールドカップという好ゲームが多いです。

イギリス対ウルグアイや、今日のドイツ対ガーナ。


早々に脱落したスペイン、イングランド、がけっぷちのポルトガル。

彼らが行かれないのであれば、日本が決勝トーナメントに行かれるわけがないし、おそらく日本国民以外の誰にも日本に行ってほしいとは思ってもらえない。



日本代表、万が一にでも決勝トーナメントに行くのであれば、コロンビアを完膚なきまでに叩いて、決勝トーナメント進出にふさわしいサッカーができることを世界に見せてほしい。



そうやって堂々と決勝トーナメントで戦うにふさわしいチームとして、世界の強豪と渡り合える日本を見てみたい。


ミュージックマガジン最新号のクロスレビューに、デーモン・アルバーンの "Everyday Robots" が取り上げられてました。


某ライターが、10点満点で1点を付けてます。
ちなみに、それ以外の3人は全員が7点。

おそらく7点というのが、このアルバムに対する一般的な評価なのでしょう。
それは良くわかる。

ライター某氏は、このアルバムは眠くなるだけでまったくつまらん(うろ覚えの意訳です)と、書いてます。

まあ、自分も気に入らなかったアルバムはこき下ろすタイプなので、人のことは言えませんが、1点が付くのって、嗜好や許容度の問題以外に、ライターの人たちの音楽の聴き方の問題もあるんじゃなかろうかと。


特に、エクレトロニックビート系の好きな人がこのアルバムを数回聴くだけでは眠くなるだけで当たり前で、自分もレビューに書いた通り、最初は眠気が押し寄せてたまらなかった。


しかし、退屈な故の眠気ではなく、自分の中に音楽が沁み込んでくるまでの間として、むしろ心地よく眠気を感じ、その眠気を楽しんでいました。

その一定期間を超えてアルバムを聴き続けられるか。
それが評価を大きく変えるアルバムがあり、このアルバムはそのひとつであろうと思います。

もちろん、人によって嗜好や許容度が違うので、それが評価を大きく変えることは前提としてありますが、レビューのための締切と埋める字数に追われながら、なかば機械的に与えられた音楽を聴く人たちは、この音楽が自分の中で育って行く時間を感じ取る余裕はないんでしょうね。

アルバム1枚ごと、じっくり付き合うことができない人たち。
聴きたいと思ったアルバムじゃないものも、聴かなければならないライターの性。

我々一般人とは、音楽への向き合い方が違うので仕方ないですが、多買多聴で(そんな言葉はないか)自分もその陥穽に陥らないように、じっくりとアルバムと付き合うことを忘れないようにしなければ。

そもそも攻撃に入ることができなかった。


攻撃に入るためのスイッチとしての縦パスをことごとくカットされ、たまに縦パスが入っても、トラップが大きかったり、次のパスが弱かったりで、ことごとくカラダが強く手足の長いコートジボワールの選手にカットされる。

そこから必ずしも早くはなくとも、力強いカウンターをかまされる。


たしかにドログバが入ったことも雰囲気を大きく変えるポイントだったけれど、前半は相手の決定力不足のおかげで点が入らなかっただけ。

ずっとハラハラドキドキのしっぱなし。


結局、日本を研究してきたアフリカの強豪との1対1に負けた。

これは昔から変わらない。

それをはねのける攻撃サッカーを目指してきたはずなのに。

守備陣が整ってないはずの相手を突くところまで、ほとんどいかれなかった。

香川もほとんど機能しなかった。


まずはパスの精度とスピードを修正せねば。

ギリシャ、コロンビアには日本のサッカーが通用しますように。