The Morning Benders 。

彼らの前作 Big Echo は素晴らしいアルバムでした。
明るくて切なくて眩しくてセンシティブで。
夏に感じるある種の感情。
強烈に魅かれてやまない、磁力。
クリス・テイラーのプロデュースもたまらない、ノスタルジックなノイズたち。
これからも大事に聴いて行くであろう、自分にとって大切な1枚です。

次のアルバムの登場を待ち焦がれていた人は多かったでしょう。
ところがグループ名がちょっとヤバいということで、グループ名を変えることに。

そしてグループ名だけでなく音楽性まで大変身というニュース。
そのグループ名、 POP etc を聞く限り、期待と不安が入り混じる状態(でも明らかに不安が大きかった)で接したこのアルバム。

Pop etc/Rough Trade Us

¥1,242
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ジャケットデザインを見てさらに膨らむ不安。
ここに書いてあるジャンルで彼らにやって欲しいのはただひとつ、Rockだけなのに。

そして手にして聴いてみた彼らの最新音楽。





とても大切な何かを失ってしまった。

前作で大いに自分の心を動かした何かが、ない。
それが無くなった後に、大きな穴が開いている。
その穴でスカスカな音が虚ろに響く。

ここにあるのはポップなだけの彼ら。
シーケンサーとシンセが自動的に奏でる薄っぺらリズムと、無神経な編曲。

たしかにポップだし、いろんなポピュラーミュージックの要素が満載。
ごきげんで、ノリの良い曲たち。
でも、彼らはそんな音楽を創りたかったのか。

前作で見せたデリカシーとノスタルジーはいったいどこに消えたのか。

Girls が最新アルバムをリリースした時に感じた強烈な違和感とは別の思いではあるけれど、こんなものじゃないという気持ちは同じ。

違うのは、このアルバムは元 The Morning Benders が創ったものだと思わなければ、それなりにリラックスして楽しめる、メロディに優れたポップアルバムだということ。

でも思い入れは持てない。
そしてこのアルバムを聴くのであれば、他に聴きたいアルバムはたくさんある。
いきなりですが、Yes の傑作アルバム、"Close To The Edge" いわゆる「危機」です。

Close to the Edge/Elektra / Wea

¥1,076
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時々昔ハマったアルバムを大音量で聴きたくなることがあり、今日はこいつの出番でした。

昔好きだったアルバムを久しぶりに集中して聴いてみると、ずいぶん印象が違って聴こえることがあります。
え、こんなにしょぼいアレンジだったのかスカスカじゃん、とか、なんか思ったよりもギターのカッティングが効いてるなあとか。
良いことも悪いこともあります。

このアルバム聴いておお、と思ったのが、全部の楽器が主役を張ってること。
影で支えてる人がいません笑
全員が目立ちたがり。
ベースのクリス・スクワイアなんて、相当音が立ってますね。
これだけベースが目立つアルバムも珍しいかも。
リマスターの影響もあるかもしれませんが。

ビル・ブラッフォードの硬いスネアと変則リズムに、クリス・スクワイアのこれまた硬い音のベース。
このふたつで、強靭だけどけっこう緩めという、不思議な感触のリズムセクションを作ってます。このアルバムのトーンは彼らが決めてる印象。

そこにジョン・アンダーソンの優しいメロディを奏でる柔らかい声。
そしてスティーブ・ハウの切れ味いいギターが孤高の旋律。
リック・ウェイクマンのアンサンブルに徹することのないキーボード。

よくこれだけバラバラな要素たちがまとまって、しっかりしたアンサンブルを形成しているなあと思います。



このアルバムがあの時代に生まれたのは、キングクリムゾンの宮殿に近いくらいの画期的な出来事だったのだなあと思いますね。

そしてとっても不思議なのは、20分近い大作なのに、長さを感じさせないこと。
昔、プログレ全盛の時代にはレコード片面で1曲なんてザラにありました。
ガキの頃には、この20分という長さがとてつもなく長く感じられたものだけど、今はあっという間に感じます。
むしろ、なんて展開が早くて目まぐるしいんだ、このテンションで20分はすごい、くらいに思います。

子供よりも大人の方が1日が1週間が1年が短く感じる、それも年齢ともに時間があっという間に過ぎて行くといいます。
このことも影響してるんでしょうか、ちょっと寂しい気も。

そして誰よりも風貌が変わったスティーヴ・ハウ。
月日の酷さを感じてしまいます。。。

このアルバムのレビューをすっかり忘れてました。

My Bloody Valentine "Loveless" のリマスター盤です。

言わずと知れたシューゲイザーの名盤という評価のこのアルバム。
自分にとってはロックの空白期間にリリースされたため、初めて聴いたのがせいぜい1~2年前の話です。
その時初めてCD聴いた時の印象が、なんて音の悪い録音レベルの低いCDなんだろう、ということ。
これじゃシューゲイザーだからノイズの塊りなのか、録音が悪いからそうなってるか、定かではないとマジで思いましたね。

たぶんみんなもそう思ってたんでしょう。
だからリマスターが待ち望まれてた。

そしてケビン・シールズの手によってリマスターされたのがこれです。

Loveless: Expanded Remastered Edition/Sony UK

¥1,800
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あまりにも値段の高い国内盤は最初から対象外で、輸入盤を買って聴いてみました。

あの音楽の音が良くなる、分離が優れるって、どういう音になるんだろう、ワクワク。
しかもリマスター違いのバージョンがふたつもあるし。

・・・。

え、どこが違うんだよ。
音の割れ方も、録音レベルもまんまじゃないの。
しかもバージョンふたつとも。
低音から高音まで、分解能も含めて。
ほとんど何も変わってない。

おそらくマスターテープ自体の音のクオリティがこのレベルだったんだろう、リマスターして効果上げようと思うこと自体が間違ってたんだな、と思うことに。
そもそもこのアルバム自体、最近の音楽に囲まれて聴くとそんなに刺激的でもない普通のデキ(ああ言っちゃった)。

でも国内盤、3800円するんだよ、これで買った人、ほんとに可哀そう。
国内盤はBlue-Spec版のCDで、ブルーレイのクオリティで再生できるってのがうたい文句だけど、もともとの周波数帯域が狭いシューゲイザーロックでそれやってどんな意味があるんだろう。
身長測るのに、マイクロメーターまで測れる高価な測定機を売りつけられてるようなもの。
まったく意味のない品質をつけられて、価格をつり上げられて、価格は輸入盤の倍以上。

まあ、彼らを愛して病まないファンならそれでもいいと、出るだけでいいと、言うのかもしれませんけどね。

しかしこれだけ違いのわからんリマスターも珍しい。
バンド名の Alt-J はマックのショートカットキーのことのようですね。
Windowsユーザーなのでわかりませんが、これを押すと△が出るそうで。
イギリスはリーズの出身のグループです。
今年のフジロックにも来るということを知りました。

彼らのデビューアルバム、 "An Awesome Wave"

Awesome Wave/Infectious

¥2,239
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最初の印象は、不思議な感触だなあ、というもの。
面白いロックだけど、全体に掴みどころがなく、正体不明な感じ。
しかし不思議と心に引っかかる。

時間の流れも、サウンドスケープも、けっこう緩め。
ボーカルもへたれ気味。
際立った特徴があるわけじゃないのに、なかなかに個性的なサウンドスケープ。
浮遊感という言葉でも表わしきれません。

一番強く思ったのは聴いていて飽きないということ。
特別ガツンとはこないけど、ちょっとしたらまた聴きたくなる。
音楽がだんだん自分に入りこんでくる。

穏やかで、懐かしさを感じるサウンドという印象を残しながらも、過激な音創りに走る曲もあります。
USインディのフォーク、カントリー系も同傾向の音創りをすることがあるけれど、彼らとも全然違います。
ともに Alt-J の世界観の表裏。

彼らの世界観を端的に表した1曲。




これも彼らのサウンドスケープ。


そしてCDジャケットが秀逸なんですよね(ちなみに輸入盤)。
デザインも個性的だけど、構造が面白い。
折り紙的な立体感でCDを包み込みます。
見た目と機能性が両立してます。こんなの見たことない。

確固としたフィロソフィーがあるからなのでしょう。
自分たちの音楽の個性へのビジョンがあるというか。

これから先への期待感が膨らむ1枚であり、グループです。
イギリス勢としては久々。




今朝の日経新聞によると、音楽売り場の聖地タワレコの渋谷店が8億円かけて改装することになったそうです。


これによって、8階の事務スペースも売り場に変え在庫を現在の70万枚から80万枚に拡大、各フロアでライブができるようにして現在年間300回の店内ライブを700回に増やすとのこと。


現在もタワレコ渋谷の売り場面積は4950平米で、世界最大のCD売り場面積なんだそうです。

これがさらに拡大するってことで、非常に楽しみ!