相変わらず、夜の治療がメインになった為、昼間は恐ろしく暇な時間を過ごしている。


しかしながら、夜には機械の不調や、機械との相性で出る痛み、そういったものに叩き起こされるので、全然普通に寝れない。


そのせいで、ほぼ一日中半分夢の中みたいな、眠すぎて社会復帰は難しそうな日々を送っている。


当初の予定では、寝てる間に全部終了!なんて楽なんだ!となるはずが、全く違うものになりそうである。


細かく話すと、このAPD(夜間透析)の機械は医療機器だけあって、シビアに問題点を見つけ出す。


まぁ大体が、透析液が上手く流れないというトラブルなんだけど、それが起きる度に甲高い警報音を鳴らして止まりやがる。


人間、寝ている間に寝返りなんてものをするわけで、特に自分は寝相は悪い方なんで結構動く。


その度に、管巻き込んでしまったり、引っ張ってよじれてしまったりして、詰まらせてしまう訳である。


昨夜なんて、腹痛で1回、警報で4回起こされて、その度に原因究明とか言って、いろいろ調べなきゃならないので、ちゃんと連続して寝れたのは2時間も無いと思う。


ちなみにドクターの話だと、こんなで調整しながら、来週末の退院を目指しましょうとの事だった。


大丈夫なのかな?


そういえば、夕方に初めて両親が面会に来た。


病棟で会うと、5分という時間制限されるし、いろいろ言われそうなんで、どうせ暇だし外来患者ロビーまで出て、そこの待合室にて話す事にしている。


ここなら、もう少し長く話せる。


うちの親父は86にもなるが、相変わらず驚くほど元気で、同じ病棟の寝たきりの爺さん達より年上とは、ちょっと思えない感じがした。


お袋は流石に超人親父ほどの元気さは無い様子だった。


杖はついていたけど、結構しっかり歩けていたから、まだ大丈夫だと思いたい。


両親に心配かけない為にも、早く社会復帰した方が良いのだけど、不安は募る。


今日もシャワーを浴びながら、自分の脚を見て、「あれ?これ、肉体労働者の脚じゃ無いよね」と思ってしまった。


明日から、階段登り降りでも少しやっとくかな…



今日もまた昼間は暇な一日だった。


夜透析やるとなると、夕方からそれなりにやる事はあって、寝る前辺りは準備がいろいろあったりする。


治療のデータ取り的な部分もそこに集中しているので、昼間に血圧やら体温やら計りに来るけど、あまり重要では無い気がする。


今日も暇に任せて、手続きの確認という待ってれば済むものを、わざわざ電話で聞くというお仕事を自分で作って勤しんでいた。


仕事してた時は、この手の待っててくれれば良いのに、わざわざ電話してくる人を暇だな〜と嘲笑っていたけど、自分がその立場になってよく分かった。


死ぬほど暇なんだと。


昼からシャワー浴びて、午後には娘が見舞いに来た。


こんな所に来てもらうのは、人生で一番の絶頂期にある娘にとって何の利益も無い事だよなぁ…とは思うけど、やっぱり顔見るとなんか嬉しいのは、俺も人の親なんだよなと思ったりして。


来た時に着てたダウンを持ち帰って貰った。


入院してる間に季節が進み、冬から春本番になった気はする。


そういえば、夕方に栄養士の人が来て、栄養指導なるものをしに来た。


ただ、いろいろ聞いて分かったけど、散々ドクターから聞かされて、自分で調べた知識を大幅にアップデート出来るような情報はあまり無かった。


やっぱり、家でかみさんが頑張ってくれてた食事に、何一つ問題は無かったんだよねと再確認した。


こう言っては怒られるかも知れないけど、ここに来て、透析患者用メニュー食べた後も血液検査すると数値で引っかかっているので、まるで食事がなってないみたいな言い方されてたけど、大した変わりは無いのでは?と言いたい。


つまり、俺の体質の問題で、塩分だカリウムだ…と、普段気をつけていても、食事の内容で簡単には下がらないものなんだと思う。


まあ、全く気にしないのは良く無いって事は、わかって言ってるので、誤解のないように。


そろそろゴール(退院)は見えてきたとは思うけど、最近は何をもって退院と決まるのか?よくわからなくなって来たなぁと思っている。


自宅で夜間透析出来るようになれば…との事だったけど、まだ2日だが操作に不安は無い。


腹の傷の治り具合もかなり良くなってきた。


実は唯一の不安は補助申請の手続きがまだ終わってないので、今出ると治療費はとりあえず満額請求が来る。


流石にそれはきつい。


早くそちらが片付いて、晴れて退院できる日が来ますように。


さもないと、身体が鈍って働けなくなりそうだ。



夜の透析(APD)に変わったのは、当初の目的に沿っているから良いのだが、決定的な問題が浮上した。


当たり前だが、昼間やる事が無いのである。


そこで今日はドクターに外出許可貰って、久しぶりに外出しようと試みた。


割とすんなり、ドクターから許可が出て、保健協会へ手続きの為にという名目で外出許可証を作成していた時、看護師の人が先方に確認の電話を入れろとか言い出す。


実は昨日のうちに散々電話したが繋がらないから、直接出向く事にしたのだが、それ以外の用事もこなせると勝手に期待していた。


しかし、いざ電話してみたら、一発で繋がって、しかも未処理の為詳細不明というどうしようも無い答えが帰ってきた。


そのまま看護師さんに伝えると、「行ってもわからないなら、外出は無し」と、あっさり許可を取り消しされてしまった。


他にもやりたい用事があるんですが?と聞いたが、取り合ってくれない。


どうやら、感染症が院内で流行ると困る為、外出は出来るだけさせない方針らしい。


まぁ、面会も決まった場所で5分で済ませとか、物凄い無茶苦茶言ってるからね、わかるけどさ。


おかげで明日は娘が、明後日はおふくろがくるらしいが、あんまり長話はしている余裕は無い。


ますます、こんな変な世界に閉じ込められてる感が強まって、機嫌がすこぶる悪い。


しかも、昨夜から始まったAPDは思いの外シビアな機械で、夜中に2度もえらいデカい警告音出して止まる始末。


その度、起きて原因探して再起動して。


それと、腹の中から透析液を抜いた時に、なんか下腹部にチクチクした痛みが出る。


その為にも何度か起きる羽目になる為、全然熟睡出来ない。


まあそもそも、腹から出た管を機械に繋いで寝るって…わかると思うけど、寝返りも難しいのね。


半身位なら良いけど、一回転した日にゃ、管絡まって警告音に起こされるか、下手すりゃ腹から管抜けて大惨事になる。


こんなに緊張感持って寝るのかと思うと、この先どうなるやらとうんざりする。


おかげで昼間は昼寝ばかりしていた。


本当は働かなきゃならんのですよ…とほほ。


夜はサッカーの代表戦を見た。


しょっぱい試合だった、こちらも…とほほ。