連日、同室の糞ジジイの悪口書いていたけど、流石にもうやめよう。


今日はAPDになって腹膜透析する人に向けて、今のところ思うところをいろいろと。


おさらい的に言うと、腹膜透析は身体の中の腹膜の間にカテーテルという細い管を入れて、そこに透析液(濃度の違う体液のようなもの)を流し込み、浸透圧により体内の老廃物を集めて排出させるもの。


血液透析に比べると、自宅で出来る、自分で出来るというメリットがある。


ただデメリットもあって、血液透析に比べて、自分でやる分ミスによるトラブルも自分持ちだし、透析自体も効果は薄い。


しかしその分、身体に負担は少ないので、一気に腎機能が弱まる可能性は少ない。


こう書くと血液透析は腎臓に負担になるみたいに取られそうだが、実際には機能を使わないと衰えてしまうというのが本当のところで、本当の腎障害末期になると、小便は出なくなるらしい。


そうなると、除水しないと、心臓やら肺やらにも水が溜まったりして、機能障害を起こしたりもするらしい。


そこまで行ったら、もう血液透析一択になってしまう。


なので、腹膜透析って奴は、腎不全末期の中ではまだ初期に使われる治療法なんですよね。


ただ先ほど、書いた通り、トラブルも自分持ちという事でどんなリスクがあるかと言うと。


大きなところは2つ


内臓直結の管が体外に出ているのだから、感染リスクは相当あると覚悟した方が良い。


自宅で自分でやるのだから、資材の整備、管理はかなり大変。


感染リスクについては病院で口酸っぱく言われる。


もちろん、腹膜中が汚染される事になったら、命に関わる大惨事なのだ。


その為、機材を置く部屋に窓がない方が良いし、埃っぽいってだけで致命傷なので、掃除機かけた後とかに機材を扱うのは厳禁だったりする。


そのくせ、一回に透析液6リットルとか毎日使うし、使う配線類も全て全交換する為、器材資材の置き場が物凄く必要だったりする。


最初初めて見た時は、使って出るゴミの多さに呆気に取られた。


しかも、その量毎日ゴミとして出るのだ。


忘れていたが、温泉も楽しめなくなる。


風呂は一番風呂のみ、誰かが先に入ったら汚染されているとみなすのだ。


こうやって書いてみると、外仕事の自分が、患部を衛生的に保つのは至難の技かもなあと気が重くなった。


俺、社会復帰出来るのかしら?

今日はも見事に予定も無く、暇暇な昼間を過ごさせてもらったが、こんなに何も無い生活に慣れてしまうのは、本当に怖い。


同室の爺さんは介護付きの老人ホームみたいな所に引っ越す予定らしく、今日施設の人が挨拶に来てるみたいだつた。


しかしながら、あーでもないこうでもないと、相変わらずいろんな事にゴネていて、本人的にはあまり出て行きたく無いようだった。


でも病院側もあちらの方が設備もしっかりしていて良いですよ〜などと、どちらかというと追い出したいように見えた。


まぁそうだよな…悪いけど、本人からは治っていきたいという感じは全然見受けないし、自分勝手に振る舞って看護師困らせるような事ばかりするしね。


今日も仕舞いには、同室の俺の治療がうるさくて、睡眠不足になったから、なんとかしろと騒いだりしていた。


寝たきりだし、見ていると、昼間ほとんど寝ているくせに寝不足とは、随分な事言う人だと呆れていたが、今夜から眠剤服用してくださいとか言われて、要望叶わないようだった。


まぁ、こちらも飯食ってる傍で糞してたりして、大いに不愉快な思いしているので、部屋変わったりしたら嬉しいと思っていたので、残念ではある。


こちらも、とっとと退院したいのは山々なんだけど、どうやら来週末位まではこの監禁生活は続くらしい。


今日はかみさんに市役所に行って手続きをいろいろして貰った。


調べて知ってはいたが、障がい者手帳などは発行に1ヶ月位はかかるらしく、補助の申請は退院後に追ってやる事になるらしい。


職場にも連絡して、退院後各種準備整い次第出勤しますと伝えた。


正直、こんな腹から管出た状態でハードな外仕事の業務に戻れるかは五分五分じゃ無いかと思う。


透析自体は夜やるから何とかなるけど、雨降っても関係無く、外で肉体労働する場合に腹から出た管の衛生状況守れるのかは、かなり不安がある。


言い換えれば、内臓を露出させて生きてるような状態なので、リスクは大きい。


でもこればっかりは、やってみないとわからないかな?というのが、正直なところ。


嫌です出来ません…なら、代わりに何の仕事が出来るのか考えなくてはならないが、現場一筋30年以上やってきた俺に選択肢は殆ど無いというのが、現実なんだろう。


働かざるもの、食うべからず…そんな言葉が重くのしかかってくる。


簡単じゃ無いよな人生ってやつは…






相変わらず、夜の治療がメインになった為、昼間は恐ろしく暇な時間を過ごしている。


しかしながら、夜には機械の不調や、機械との相性で出る痛み、そういったものに叩き起こされるので、全然普通に寝れない。


そのせいで、ほぼ一日中半分夢の中みたいな、眠すぎて社会復帰は難しそうな日々を送っている。


当初の予定では、寝てる間に全部終了!なんて楽なんだ!となるはずが、全く違うものになりそうである。


細かく話すと、このAPD(夜間透析)の機械は医療機器だけあって、シビアに問題点を見つけ出す。


まぁ大体が、透析液が上手く流れないというトラブルなんだけど、それが起きる度に甲高い警報音を鳴らして止まりやがる。


人間、寝ている間に寝返りなんてものをするわけで、特に自分は寝相は悪い方なんで結構動く。


その度に、管巻き込んでしまったり、引っ張ってよじれてしまったりして、詰まらせてしまう訳である。


昨夜なんて、腹痛で1回、警報で4回起こされて、その度に原因究明とか言って、いろいろ調べなきゃならないので、ちゃんと連続して寝れたのは2時間も無いと思う。


ちなみにドクターの話だと、こんなで調整しながら、来週末の退院を目指しましょうとの事だった。


大丈夫なのかな?


そういえば、夕方に初めて両親が面会に来た。


病棟で会うと、5分という時間制限されるし、いろいろ言われそうなんで、どうせ暇だし外来患者ロビーまで出て、そこの待合室にて話す事にしている。


ここなら、もう少し長く話せる。


うちの親父は86にもなるが、相変わらず驚くほど元気で、同じ病棟の寝たきりの爺さん達より年上とは、ちょっと思えない感じがした。


お袋は流石に超人親父ほどの元気さは無い様子だった。


杖はついていたけど、結構しっかり歩けていたから、まだ大丈夫だと思いたい。


両親に心配かけない為にも、早く社会復帰した方が良いのだけど、不安は募る。


今日もシャワーを浴びながら、自分の脚を見て、「あれ?これ、肉体労働者の脚じゃ無いよね」と思ってしまった。


明日から、階段登り降りでも少しやっとくかな…