前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト -13ページ目

ライフルホームズプレスに記事を執筆しました

広島での在職中に学生ともどもお世話になった豪雨災害伝承館。2014豪雨災害から10年ということで、取材記事を執筆しました。ぜひお読みください!また、リンク先の記事によろしければいいねをお願いいたします。

土砂災害でけがをしたり命を落とさないために。「広島市豪雨災害伝承館」で2014年の広島豪雨災害が伝えること

 

さて、実は少し前に広島にいった際に再度、阿武山を歩いてきました。

瀬戸内の山と言うと何となく乾燥した山を想像する方も多いかと思いますが、実は広島の家から見る阿武山の頂上周辺はしばしば霧に包まれて見えなくなります。実際に、稜線はシダ類も多く、湿気の多さがよくわかります。

ちなみに、斜面が急なため山頂からは景色の良い日は広島の市街地から安佐北区の団地までが望めます。

 

独身は心と体に悪い、という話なので、読みたくない人は読まないでね

独身は心と体に悪い、という話なので、読みたくない人はここまでで離脱をお勧めする。

さて、松本ゼミのテキストである近藤克則『健康格差社会(第二版)』pp126-127では、おひとり様の将来について、Rossの研究を引用して、わりとえぐい数値を並べていて、先日この話をしたらゼミの学生たちがかなりビビっていた。

「結婚すると経済的に損をする。結婚はコスパが悪い」という言説があるが、近藤説(正確にはRossの説などを引用)を踏まえるなら、結婚は離婚に至るような相手とのそれでなければ健康と寿命が(確率的に)向上することがわかる。そして、金で健康や寿命を買うことができそうでできないことを考えると、良い相手を探すことには十分な価値があることが理解できる。健康で長生きしたいなら、数百万円から数千万円を失っても結婚を検討する価値はある。

いや、自分は各種スペック的に結婚したくてもできないんです、という方は、まず、結婚してみたい相手にこの話をしてみて、論理的にかつ冷静にそのメリットを共有できるかどうか試してみてはどうだろうか。相手に与える信憑性の課題もあるだろうから、近藤本を見せるといいだろう。

ちなみに、家族社会学者であるRossの包括的文献レビュー研究は1990年頃のものであり、システマティックレビューほどエビデンスとしての価値は高くないが、十分に信頼できるものである。

いや、そんなものは不要である、という人はこの話は速やかに忘れた方がいい。ストレスは寿命や健康に悪影響を与える。

以下引用

「非婚者の死亡率は、結婚している人に比べ、女性で5割高く、男性では実に2.5倍も高い。日本でも未婚者の平均余命は結婚している人に比べて、1940年には約16年、1980年で4〜7年短かかった。特に多い死因を見ると、喫煙やアルコールの影響が出やすい肺がんや肝硬変、自殺や不慮の事故によるものである。

不健康な(行動をとる)人が結婚しないという選択バイアスを考慮する必要があるが、少なくともこのバイアスでは全てを説明できない。

非婚者は心理的にも、孤独感や不安、鬱などが多い。ただし、Rossが紹介しているのは、未婚者のほとんどが一人暮らしである海外の知見である。結婚するまで、親と同居することが珍しくない日本人でも、果たして同じような心理的な健康への影響が見られるのであろうか。

筆者(注 近藤氏)らは日本の29〜39歳の女性を対象に、結婚歴と心理的健康の関連を報告した。過去1年間に「うつ状態など、精神的な問題があった」と答える。(起こりやすさを表す。)オッズ化は、初婚1として、未婚で4.9、離婚で8.1、再婚で10.2であった。日本においても、やはり非婚者は4〜8倍も、精神的な健康を損ないやすいことが確認された。

一方、離婚者よりも再婚者において、精神的健康状態が悪いものが多いとする報告が、日本では他にもある。しかし米国では見られないので、今後の比較研究の1つの課題である。」

精神面での再婚の成績のとてつもない悪さは俄かには信じられないが、もし正確なら、離婚のストレスが響くのかもしれない。

また、本書を通じて感じるのは結婚ではない人のつながりも体にはいいので、独身の方はそういうつながりを積極的に作っていくことでも健康や寿命について、挽回は可能なのではないかというのが私の所感である。

ちなみに、これを言っているのはあくまでもRossと近藤先生なので、内容の文句は私ではなく、お二人に言っていただきたい。

おまけとして、ISSP調査をツイッタラーの「すもも」氏がまとめたグラフを示しておく。
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政策で国内の住宅の断熱性能を上げよ

9月時点でガソリン高騰対策の補助金が6兆円越え、というニュースがあった。
6兆円もあれば、たとえばそれを窓リノベの補助率を100%に上げることに使えば、省エネ効果で数十年にわたってガソリン輸入を一定量減らせたのに、6兆円ものお金をじゃぶじゃぶ垂れ流して終わらせてしまった。

実際には今年度で言うと、補助率が不十分でこのblogを書いている時点で利用率は4割強にとどまっている。

日本の住宅は先進国で一番断熱性が低く、公営住宅の新築断熱性能は中国韓国より低い。

私が窓リノベ激推しなのは、マンションのサッシ交換で機密性と遮音性が劇的に向上したことでまさにその威力を体感したから。日本家屋を含む既存の住宅ストックの価値を劇的に上げるものなのである。

寒い住宅が脳卒中や心臓麻痺をもたらし、暑い住宅が熱中症を生む。

死者も要介護者も減らせるというのに、単なるばらまきを続けることを国会議員たちは選んだ。

実は日本家屋でも熱のロスの過半は窓からの出入りである。

理屈としては窓リノベと玄関の断熱で断熱性能は倍ぐらいになる。

だから、住宅は窓の断熱が重要なのである。

 

(図出所 埼玉県庁)

学生「日本政府は海外にODAでばらまいてばかりで私たち若い世代に還元してくれないのだけど、なぜ」

少し前に、学生から日本政府は海外にODAでばらまいてばかりで私たち若い世代に還元してくれないのだけど、なぜですか、と聞かれたので「その要因の一つはSDGSだね」と答えるとびっくりしてまして、詳しく説明しました。

日本は目標を達成しておらず、外務省が公表する2021年ODA実績では、アメリカ、ドイツについで日本は世界3位、ですが、国民1人当たりのODA(2020年)は16位でした。
まあ、これだけ見るともっと頑張らなきゃ、と真面目な日本人は思いがちなのですが、500年間にわたり全世界に多大な迷惑をかけてきた、という意味では断然ヨーロッパであることなど、一筋縄では行かないので、まずはSDGSの17-2を知識としては知っておこうね、という話なんだよ、と説明しました。
画像はみんな大好き「日本ユニセフ協会」より。

ロゼト効果~ソーシャルキャピタルと健康や寿命は明確に結びついている

1950年代、アメリカ・ペンシルバニア州のロゼトというイタリアからの移住者の住む小さな町で、喫煙・食事・運動習慣等の生活習慣が周辺地域の住民と変わりがないにもかかわらず、心筋梗塞による死亡率が半分程度と低い、ということが世の中に紹介された。

その要因として注目を集めたのがソーシャルキャピタル(SC)である。このロゼトでは住民の交流が盛んだった。イタリアの同じ地域からロゼトに一斉に移住した住民は、多世代で生活を共にし、夕食後は家のポーチで向かいや隣の住民と語らったという。この事例から、SCと健康との正の相関関係はロゼト効果と呼ばれるようになったのだとか。

だが、その後、米国の個人主義的な地域社会へと変わった1960年代後半以降、地域の経済格差が広がり、いわゆる「勝ち組」がそれを見せびらかすようになった。すると、ロゼトの心臓疾患の死亡率は近隣地域と差がなくなってしまったらしい。ソーシャルキャピタルは社会関係資本とかつながりとか言われるが、ロゼトの住民の関係で特徴的だったのは、それがフラットなものだったということである。

つまり、ソーシャルキャピタルは単なる濃密な人間関係ではなく、ロゼトのようなストレスの少ない人間関係が望ましいということだ。もとより、SCの同一と見做されがちな「しがらみ」は上下関係や経済格差が前提だからSCではないようだ。日本でロゼトのような場所がある/作れるとしたら、それはいったいどんな場所だろうか。

少なくともタワマンでも社宅でも、ましてや昔ながらの村社会でもないことは明確だろう。村社会は地域の付き合いは濃密だが、ストレスフルであり、それが寿命や健康に影響する。

ちなみに、典型的な日本の村社会からは女性が出て行って戻らないことが昨今、地方創生の現場からは指摘されている。

そして、出て行った女性たちが出て行った先で幸せかというと、それはそれで別問題である。

家族社会学者のロスの研究によると、結婚している人は未婚、離婚、別居、死別の人々よりも身体的に健康で、心理的に幸福だとされる。つまり、出て行った先で未婚、離婚、別居、死別であれば、さほど幸せをつかむことはできなかったのではないかということが想像できる。

以上、近藤克則『健康格差社会(第二版)』(医学書院)を参考につぶやいた。今期(2024年後期)の松本武洋ゼミのテキストである。経済学部なのに(笑)