時代の若さと熱気が伝わるジルベルトとガルのライヴ

ジルベルト・ジル＆ガル・コスタ /

Live in London (1971)

今日は2014年に発表された、ジルベルト・ジルとガル・コスタの1971年のライブ・アルバムを紹介したいと思います。

この２人についてはこれまでに以下のアルバムを紹介してきました。

ジルベルト・ジル　★ ★ ★ ★

ガル・コスタ　★

このライブ・アルバムはこれまで発掘されていなかった音源で、71年当時ジルベルトの亡命先であるロンドンの、市立大学学生センターに設けられたステージでの演奏です。じつに43年ぶりに日の目を見るわけですね。下の写真はまさにその時の演奏かと思われます。

ちなみにジルベルト・ジルが関わったトロピカリアやブラジル軍事政権による逮捕、ロンドンへの亡命についてはこちら→ ★ ★ を読んでください。

ジルベルトもガルも71年当時はまだ20代の若者で、ロックからの強い刺激を受けた彼らは、ロックを取り込んだ新しいブラジル音楽を生み出すことに情熱をかけていました。

しかし当時、母国ブラジルの軍事政権は反体制的な勢力、人物への取締りを強化し、弾圧している不穏な状況、若い２人はつよい創作意欲や情熱と、それに相反する緊張や先の見えない不安、怒りが交差するなかで活動を続けていたことでしょう。

今日紹介するアルバム "Live in London" にはそんな時代の2人のフレッシュな熱気がよく伝わってきます。スタジオ録音のアルバムは作品、ライブ録音は記録・ドキュメンタリーと私は勝手に思っていますが、このライブ盤はまさにこの時代だけの瞬間をとらえた、貴重なドキュメンタリーになっていますね。

ジルベルト・ジル＆ガル・コスタ (Gilberto Gil ＆ Gal Costa)

　ジルベルト・ジル (左) Wiki

　　1942. 6.26.生まれ。ブラジルバイーア州サルヴァドール出身のSSW。　

　ガル・コスタ Wiki

　　1945. 9.26.生まれ。ブラジルバイーア州サルヴァドール出身のシンガー。　　　