ジルベルト・ジル /
Gilberto Gil ~日曜日の公園で
 
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今日はブラジルMPBを代表する音楽家、ジルベルト・ジルのセカンドアルバム
 "Gilberto Gil (邦題 日曜日の公園で)" から5曲聴いてください。68年の発表。
 
ジルベルトのデヴュー・アルバムは今の彼のアフロ・ブラジリアンなイメージよりは
ボサノヴァ・シンガーの印象が強かったのですが、その翌年発表されたこのアルバムでは、デヴュー当時のスタイルをガラリと変えて、強い英米ロックの影響を受けたブラジリアン・サイケ・ロックと言っていいようなサウンドになっています。というのも、以前に紹介したムタンチスが演奏に参加しています。
 
とくに前年のビートルズが発表した "Sgt Pepper's" を意識したようなこのアルバムの楽曲やサウンドは、ジルベルトやムタンチスに限らず、ボサノヴァから離れ始めた当時の若いブラジル人ミュージシャンたちの音楽的な志向を伝えていて、後年に
MPBと呼ばれるようになった彼ら ― カエターノ・ヴェローゾやガル・コスタ、
トン・ゼーなども含めた野心的な彼らの音楽が、その出発点にどんな音楽を受け入れ、ブラジル音楽の伝統とどんな風に織り交ぜようとしたのか、そんな記録性も
感じられるアルバムでした。
 
 
 
ジルベルト・ジル (Gilberto Gil)
1942年 生まれ
出身地 ブラジル バイーア州 サルヴァドール
バイーア連邦大学卒業
音楽活動では、同じ大学だったカエターノ・ヴェローゾと共に、
トロピカリア(トロピカリズモ)というムーヴメントを牽引し、
MPBの重要人物の一人として評価されている。
ボサノヴァに影響を受けて音楽活動を開始したが、
その後ロック、ソウル、レゲエ、アフリカ音楽等、様々なジャンルの音楽を
吸収していった。
1988年よりサルヴァドールの市議会議員を務め、2003年から2008年にかけて、
ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ政権においてブラジルの文化大臣を
務めたことで知られる。
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Frevo Rasgado (Breno Ferreira, Gilberto Gil)
オープニングにふさわしい快調なブラジリアン・ブラス・サウンド。
北東部のカーニヴァルで聴ける祝祭的な音楽、フレーヴォをバックに
歌っています。

 

 
Coragem Pra Suportar (Gilberto Gil)
サイケ&少し秘境っぽいサウンドです。
バックの演奏はムタンチス。

 

 
Marginália II (Gilberto Gil, Torquato Neto)
ビートルズ "Sgt Pepper's" からの影響と、ブラジリアンな
音楽が混ざり合ったカラフルなサウンドです。

 

 
Procissão (Gilberto Gil)
ブラジリアン・サイケ・ロックな演奏。演奏はもちろんムタンチス。
この時代の彼らのアルバムに入っていてもおかしくない曲と演奏です。

 

 
Pé Da Roseira (Gilberto Gil)
ブラジルらしさを感じる哀愁のメロディです。

 

 
Arranged By, Conductor – Rogério Duprat
Producer – Manoel Barenbein
 
 
 1. Frevo Rasgado (Breno Ferreira, Gilberto Gil)
 2. Coragem Pra Suportar (Gilberto Gil)
 3. Domingou (Gilberto Gil, Torquato Neto)  
 4. Marginália II (Gilberto Gil, Torquato Neto)
 5. Pega A Voga, Cabeludo (Gilberto Gil, Juan Arcon)
 6. Ele Falava Nisso Todo Dia (Gilberto Gil)
 7. Procissão (Gilberto Gil)  
 8. Luzia Luluza (Gilberto Gil)
 9. Pé Da Roseira (Gilberto Gil)
10. Domingo No Parque (Gilberto Gil)