ジルベルト・ジル /
Refazenda
今日は1975年にリリースされたジルベルト・ジルのアルバム "Refazenda" から聴いてください。
ジルベルトは、72年に亡命先のロンドンから故国ブラジルへ帰国したのですが、それから3年たったこの時期は、自身のルーツであるノルデスチ(ブラジル北東部)の音楽をもう一度掘り起こしてみたいという強い思いを抱いていたようです。
アルバムはバイーア内陸部の田舎に育ち、ルイス・ゴンザーガが当時のアイドルだったというジョルジの音楽体験を反映して、ノルデスチのメロディやアコーディオンの哀愁ある音色がそこかしこで見あたります。
タイトル自体、「再び、(田舎を象徴する)農園へ」とか「農園からの再出発」というような意味になっています。
再び、出自の農村の音楽を掘り起こしながら、気づかなかった面白さを発見したり、忘れられた古い音楽の面白さを、新しい音楽のカタチに再現させたい気持ちがあったのでしょう。
このアルバムはロックやボサノヴァも経てきたジョルジ・ベンが、もう一度故郷であるバイーア内陸部の音楽を見つめ直し、新しい感性でリメイクした作品だと思います。
ジルベルト・ジル (Gilberto Gil)
1942年 生まれ
出身地 ブラジル バイーア州サルヴァドール
バイーア連邦大学卒業
音楽活動では、カエターノ・ヴェローゾと共に、
トロピカリア(トロピカリズモ)というムーヴメントを牽引し、
MPBの重要人物の一人として評価されている。
ボサノヴァに影響を受けて音楽活動を開始したが、
その後ロック、ソウル、レゲエ、アフリカ音楽等、様々なジャンルの音楽を
吸収していった。
1988年よりサルヴァドールの市議会議員を務め、2003年から2008年にかけて、
ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ政権においてブラジルの文化大臣を
務めたことで知られる。
Ela
アルバムの快調なオープニング曲。
カッティング・ギターの気持ちいい演奏です。
Refazenda
北東部を感じさせるメロディ。
ストリングスを入れて、スケール感の広がりを感じます。
Pai e mãe
しっとりした憂いのある曲。ジョルジ・ベンの深いボーカルと
しみじみした味わいのある演奏です。
Essa é pra tocar no rádio
アルバム中の異色作。
この時代のエクスペリメンタルな感じの演奏です。
たたみかけるビートの、面白い演奏だと思ったので。
Lamento Sertanejo (Forró Do Dominguinhos)
エレクトリック・アコースティック・ギターやアコーディオンの音が
印象に残る哀愁チューンです。
2, 9, 10 以外はジルベルト・ジルの作詞作曲。
2. Tenho Sede (Anastácia, Dominguinhos) ★ ★ 3:48
3. Refazenda 3:10
4. Pai e mãe 3:54
5. Jeca total 2:55
6. Essa é pra tocar no rádio ★ 3:05
7. Ê, Povo, Ê 4:13
8. Retiros espirituais 4:53
9. O Rouxindol (Gilberto Gil, Jorge Mautner) 2:41
10. Lamento Sertanejo (Forró Do Dominguinhos) 4:22
(Dominguinhos, Gilberto Gil)
11. Meditação 1:52
GILBERTO GIL - REFAZENDA - FULL ALBUM
https://www.youtube.com/playlist?list=PLBmUHBesKdEG97dXUYhQRyEApx59fxv45
Spotify (全曲)