モラハラだと思っていたことが実はパートナーのアスペルガー症候群によるものだったというケースがあります。
仮にそうだったとしても、
健全なコミュニケーション(双方向的なコミュニケーション)がとれない、
共感を得られない、
愛情を感じられない、
という苦しみから逃れられるわけではないのですが、
故意の発言や行動によるものではない、
単に性格による発言や行動によるものではない、
ということがわかるだけでも少し心に余裕ができるのではないでしょうか。
見方が変わるのではないでしょうか。
暴力・暴言(DV)も多いですが、性格が原因によるものとは異なるので対応も変わってくるかと思います。
決して元々の性格として、攻撃的・わがまま・冷淡等があったわけではなく、アスペルガー症候群が原因のものだからです。
結果だけ見ると同じモラハラ行為のように見えますが、相手の気持ちをわかった上で行われる真正なモラハラとは違うということを覚えておいてください。
アスペルガー症候群の人の家族(主に配偶者)が、
抑うつ
自律神経失調症
自己評価の低下
偏頭痛
パニック障害
動悸
不眠
等の症状が出ることをカサンドラ症候群といいます。
アスペルガー症候群の特徴である、相手の視点に立つことの困難さによって、心無い発言や行動に傷つけられた結果、上記のような症状が起きます。
決して心無い発言や行動を故意にしているわけではないところが、される側にとってどこにはけ口を求めて良いのかわからないもどかしさを生みます。
一人でいる時よりも一緒にいる時の方が孤独を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こういったことは男女関係なく起きますが、
最近では、定年を迎えた夫が家にいる時間が長くなり、会話が増えることによって不可解なコミュニケーションが露呈し、このような症状を訴える妻からの相談が増えてきました。
「今までもイライラさせられることはあったけど、男の人はこんなものだろう、とあまり気にしていなかった。でももう限界。」
という声が聞かれます。
このような理由で熟年離婚に発展するケースも多いです。
アスペルガー症候群やカサンドラ症候群というものを知っていただくだけで、
「今までの不可解なことはこういうことだったんだ。もっと早く知りたかった。」
と安堵されるお客様もいます。
アスペルガー症候群の特徴として、
相手の視点に立って考えることが苦手
自分と他人の区別がつきにくい
場の空気を読むのが苦手
会話の行間を読むのが苦手
言われたことを文字通り受け取ってしまう
冗談や皮肉がわかりにくい
過集中
というものがあります。
よく言われるケースとしては、妻が風邪で寝込んでいる時の例。
アスペルガー症候群の夫が「まだごはんできないのか」と言い、
妻が「体調が悪いから買ってきて」と言うと、
自分の分しか買ってこなかったり、自分の好きなものを買ってきたり。
お客様のケースでは、
ノロウイルスにかかったにも関わらず、牛丼やとんかつやカップラーメン等、胃に悪いものばかり買ってきたというケースもありました。
普通の感覚であれば胃に優しいものを買ってくると思いますが、「胃に優しいものを買ってきてね」と具体的に伝えないとわからないのです。
もう一つよく言われるケースとしては、
妻が「ちょっと忙しいから子どもを見ててね」と言ったら、(小さい)子どもが包丁などを手にして危ない状況にも関わらず、文字通りただ見ているだけ、というケース。
「ちゃんと見ててと言ったでしょ」と言っても、
「だから見てたじゃないか」という反論が返ってきます。
このようなことが日常では、上記のような身体症状が出てきてもおかしくないですね。
また一方では、
こだわりが非常に強い
興味の対象が極端に偏っている
という特徴もあり、
良い形で現れればとてつもない才能となります。
アスペルガー症候群の人は自分の発言や行動によって周囲がなぜ困っているのかわからない、
ということが周囲の人にとってはよりお辛いところです。
なぜそこまで細かく説明しないとわからないのかというイライラが生じてしまいます。
イライラをぶつけても伝わらないので空振り感が出てしまいます。
ですので、具体的に(誰が、何を、どうやって、というように)説明することが大事です。
いろいろと特徴を書きましたが、もちろん安易にアスペルガー症候群だと決めつけず、ちゃんと病院で診断してもらってくださいね。
最後に一つ申し上げておきたいことがあります。
離婚関係、夫婦問題、DVやモラハラ等の書籍には、まだまだ当然に女性が被害者で男性が加害者として書かれているものがたくさん出回っているのが現状です。
被害者を妻として書かれているものの中には、
「あなたが男性、つまり夫であれば、妻の部分を夫に読み替えて読んでください」
など男性に対して失礼なのではないかと思うことが多々あります。
と言いつつ、この記事においてもそのような例をいくつか挙げました。
男性がアスペルガー症候群で女性がカサンドラ症候群ではないかという例です。
これはあくまでもわかりやすさを重視したからです。
また、女性と男性が逆転すると、被害の種類や意味合いが異なり、また違った説明を必要とするという点からです。
逆の場合の記事も書いていきたいと思っています。
でもそう考えると、出回っている書籍もそういった理由からなのかもしれませんね。
何が言いたいかと言うと、
そのような例を仮に目にしたとしても、
それで必ずしも女性が被害者であるケースが多いということにはならないので、安心して男性も相談してくださいね、ということです。
お気軽にご相談ください。一人で抱え込まないでくださいね。
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<参考ページ>
アスペルガー症候群とカサンドラ症候群←冒頭にこのブログが書いてあります。
<参考ブログ>
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