皆さんこんにちは。

本日は、「歴史の進歩とは何か」というテーマで書き留めたいと思います。

 

昨今、SDG’sやESG投資が叫ばれていますね。先日までグラスゴーで開かれていたCOP26では、2100年までに産業革命以前との比較で気温上昇を1.5度までに抑える、という目標が採択されたとのことですが、その実効性は疑問視されています。

 

科学技術の進歩は、私たちの生活を豊かにしました。一定のコストを支払えば、肉体的な労を割かなくても普通の生活が行えるよう、エネルギーから家電、食料品、各種消費財まで、環境が整備されてきました。その便利さの追求と実現が、豊かさの象徴ともなっていると思います。

しかしながらその反面、増加し続けるエネルギーの供給を補うために、原子力発電は必然の設備となり、生活の安全を脅かすものとなりました。また車の排気ガスや重油燃焼に代表されるような二酸化炭素の排出量の増大は地球温暖化を、またあらゆる石油化学製品の消費財の過剰生産は、海洋汚染をはじめとする環境破壊や正常な食物連鎖の危機を招いています。

 

 

哲学者の市井三郎さんは、1970年代に『歴史の進歩とは何か』という著作を出されましたが、すでにこの頃から、「科学・技術の進歩それ自体は、けっしてそれだけで歴史の進歩とはいえず、科学・技術の進歩がもたらしうる苦痛が減らされてこそ、人間の歴史は進歩したといえるのだ」と警鐘を鳴らしておられます。

一見、我々の生活は豊かになっているように見えても、それは「今」を生きる先進国に住む人間の生活であって、現在でも『不条理な苦痛』、すなわち自分に責任が無い宗教対立や政治的な軋轢の中で苦難を強いられている人びとは沢山存在するし、また豊かと見える私たちも、問題を将来に先送りしているだけなのかもしれないと思ったりしています。

 

『人新生の資本論』という斎藤幸平先生著によれば、企業の自助努力では、先送りしている人類の課題を解決することはできないのではないか、と言われています。では私たちは、そういう課題を解決できるカリスマ政治家を求めるしかないのでしょうか。

まずは一人ひとりの気づきと共有、そして小さくても行動に移していく勇気を出し合うことなのではないかと思います。

 

自分自身、偉そうに論じることなどできない消費的人間なのですけど、身の周りでできることを考えていこうと思います。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

2021.11.20 #212

 

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