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1981年のアルバム(その34 Raise! / Earth, Wind & Fire)
1981年のアルバム・シリーズ
この年の後半にリリースされた超メジャー作品が続きますが・・・
日本でも常にビッグ・セールスを記録する
Earth, Wind & Fire
前年末にリリースした Facesが、彼らのアルバムとして今1つのセールス・・・
その日記にも記した通り、要因として考えられることは・・・
①強力なヒット曲がなかった、②2枚組で高額、③ジャケットが長岡秀星の作画でない、④外部のミュージシャンを入れ過ぎ、⑤タイトルが単純・・・
先ずこの①について
さすが、Maurice White、ヒット曲を作ろうと思えば作れる
そんな感じで登場した先行シングルが・・・
Let's Groove
誰もが印象付けられるヴォコーダーのイントロにホーン・セクション
ノリノリに盛り上がって、Maurice White、Philip Bailey
のツイン・ヴォーカル
大ヒット間違いなし、そんなナンバー
これを1曲目に配したアルバム、タイトルは・・・
Raise!
②に対して今回は、シングル・アルバム
そして③・・・そう、アルバム・ジャケット、イラストレーションは・・・
Shusei Nagaoka、そう、長岡秀星先生
再び描かれました。尚、古代エジプトの王を基に描いておられます。
アート・ディレクション、デザインは、Roger Carpenterです。
④について、ですが、今回も大所帯のレコーディングではありますが・・・
これまでの2作のように、Steve Lukather
のギター
をフィーチャー
・・・といったことはないようです。
ただこのような状況だったことで、長年、Mauriceに次いで、音楽的リーダー
そんな存在であった Al McCayが脱退・・・
代わって、かつて短期間メンバーだったこともある Roland Bautistaが参加
印象的なプレイを聴かせています。
⑤について・・・"Raise!"もシンプルですが、スピリチュアルなものを感じます。
邦題は「天空の女神」
こちらは、長岡秀星先生による裏ジャケットのイラストがら取られたようです。(笑)
・・・ということで、前作のセールスが今一つだった要因を全てクリアした・・・
Raise! (「天空の女神」
)
自分は、Earth, Wind & Fireのアルバム
は、たいてい国内盤
で購入していたのですが、このアルバム
は、国内盤
もすぐにリリースされたにも関わらず・・・
直輸入盤で購入したのでした。・・・
レコーディングは、1981年5月~9月・・・
カリフォルニア州 ロスアンゼルス ARC/George Massenburg Studios
Sunset Sounds Recording Studiosにて・・・
EW&Fとしてのメンバーは・・・
Maurice Whiteヴォーカル、ドラムス、カリンバ
Verdaine Whiteベース
Philip Baileyヴォーカル、パーカッション
Fred Whiteドラムス、パーカッション
Larry Dunnピアノ、シンセサイザー、プログラミング
Ralph Johnsonヴォーカル、パーカッション
Johnny Grahamギター
Andrew Woolfolkテナー・サックス
そして、新加入の Roland Bautistaギター、以上9名
The Phenix Hornsのメンバーは・・・
Don Myrickアルト・サックス、テナー・サックス
Louis Satterfieldトロンボーン
Rharmley Michael Davisトランペット
Michael Harrisトランペット
その他、Beloyd Taylorヴォーカル他、今回も豪華メンバーが参加
コンサート・マスターは、Assa Drori、James Getzoff
レコーディング・エンジニアリングは、Ken Fowler、Ron Pendragon
アシスタント・エンジニアリングは、Stephen McMarius
エンジニアリング (ホーン、ストリングス・オーヴァーダヴ)は、 Mick Guzauski
エンジニアリング (ヴォーカル・オーヴァーダヴ)は、Tom Perry
ミキシングは、Mick Guzauski、Tom Perry
マスタリングは、The Mastering Labにて・・・
アシスタント・プロデューサーは、Verdine White、Larry Dunn
プロデュースは、勿論、Maurice Whiteです。
A面1曲目、お馴染みボコーダーのイントロにホーンが入ってきて・・・
Let's Grooveでスタート
、Maurice White
、そしてEmotions
のWanda Vaughn
のご主人 Wayne Vaughn
の作品
Philip Baileyがハイトーン、そしてMaurice White
がソウルフルに歌います。
ホーン&ストリングス・アレンジメントは、Billy Meyers
キャッチーなサウンドをバックに、まさに大ヒット確実といったノリのいいナンバー
Mauriceの歌で盛り上げたところで、再びブリッジとしてボコーダー登場
躍動感のあるホーンに、ハイトーンのコーラス、そしてMaurice
の歌
その掛け合いのリフレインで盛り上がってフェイドアウトしていきます。
前述の通り、アルバムから先行シングルで、全米No.3
、全米R&Bチャート No.1
、全米ダンス・チャート No.3
、シングルで全米ゴールド・ディスク
獲得
、1982年の全米年間シングル・チャート No.33
、年間R&Bシングル・チャート No.2
、年間ディスコ・チャート No.36
、その他、カナダ No.7
、オーストラリア No.15
、ニュージーランド No.2
、オランダ No.5
、ベルギー No.9
、フランス No.2
、スペイン No.10
、南アフリカ No.8
、フィンランド No.6
、アイスランド No.5
、そして全英No.3
、シルバー・ディスク
獲得
・・・
世界中で大ヒット、日本でもチャート上はともかく、ディスコを中心にオンエアー
EW&Fの代表曲以上に、すっかりスタンダード化されています。
2曲目、躍動感のあるホーン・セクションから、スキャット風のコーラス
Lady Sun、Beloyd Taylor
の作品
、スピード感あふれるナンバー
重量感のあるベースに合わせてパワフルに歌うMaurice
それをバックアップするPhilipのコーラス・ハーモニー
終始激しいホーン・アレンジメントは、Jerry Heyです。
3曲目、ややスローになって、重量感のあるホーンのイントロから・・・
My Love、Maurice White
、Wayne Vaughn
の作品
ミディアム・テンポのナンバーで、じっくり語るように歌うMaurice
それをバックアップするPhilip、女性の歌声(Ms. Pluto
)
も入り・・・
ホーン&ストリングス・アレンジメントは、Billy Meyers
後半は、サックス・ソロ🎷もフィーチャー、歌とともにフェイドアウトしていきます。
4曲目、ドラムスの一撃からファンキーなリズム、ホーンが加わって・・・
Evolution Orange、ここでのリード・ヴォーカル
は、Philip Bailey
Maurice White、David Foster
、Nan O'Byrne
の作品
ホーン・アレンジメントは、Jerry Hey、ストリングス・アレンジメントは、作者の1人、David Foster
、Philip Bailey
、ここでは、メイン・パートは勿論
スキャット、コーラスまで・・・多種多様な歌声を聴かせてくれています。
B面1曲目、カリンバのリズム、シンセサイザーとともにフェイドイン・・・
Kalimba Tree、Maurice White
、Verdine White
、Jerry Hey
の作品
2曲目、続くように変則的なリズムで、ホーン・セクションがフェイドイン・・・
You Are A Winner、Beloyd Taylor
の作品
、邦題は「偉大なる覇者」
リード・ヴォーカルは、メインで、Maurice
、バックアップするPhilip
ホーン・アレンジメントは、Jerry Hey、躍動感あるホーン・サウンド
時にはポップな曲調に・・・またハードなギターもフィーチャーされます。
3曲目、リズムが刻まれ・・・そこへホーン
I've Had Enough、リード・ヴォーカル
で、ここでは共同プロデュース
Philip Bailey、Greg Philligerness
、Brenda Russell
の作品
ホーン&ストリングス・アレンジメントは、Billy Meyers
時にパワフルに、時には優しく、ややメロウな曲調ながら、ノっています。
邦題は「果てしなき挑戦」、日本では、アルバム
から第2弾シングル
その他の国で全英No.29、また全米ダンス・チャートNo.3
となっています。
4曲目、美しいキーボード音🎹、ホーンが入り、一転・・・
Wanna Be With You、Maurice White
、Wayne Vaughn
の作品
軽快に歌う Maurice、ホーン、ギター、そしてPhilip
中心のコーラス
ホーン・アレンジメントは、Jerry Hey、最後は、コーラス、ホーンのかけ合い・・・
ホーンとともに、Mauriceの歌は小さくなっていきます。
アルバムから第2弾シングルで、全米No.51
、全米R&Bチャート No.15
邦題は、「アイ・ウォナ・ビー・ウィズ・ユー」と長くなっていました。(笑)
5曲目、カリンバの音、サックス🎷がフェイドイン、一転してハードなギター
Changing Times、軽快なコーラスから、最初からノっているナンバー
Beloyd Taylor、Maurice White
、Wayne Vaughn
の作品
力強いサウンドをバックに、Maurice、Philip
・・・交互に歌い・・・
ホーン・アレンジメントは、Jerry Hey、ギター
もフィーチャー
ハードなロック・ナンバーと言えそう、Philip
のハイトーン
ともキマって・・・
盛り上がってフェイドアウトしていきます。・・・
日本独自で、シングル・リリースされています。・・・
尚、この3年後の、あのPhilip Baileyの大ヒット曲を示唆するナンバー
後になって、そのように思います。
CDの時代になり、2015年のエクスパンディッド・ヴァージョン
では・・・
本作収録曲
のシングル・ヴァージョン
等、7曲が、ボーナス・トラック
として追加収録されています。
ここに登場した通り、全米アルバム・チャート最高位 No.5
全米R&Bアルバム・チャート No.1、全米でプラチナ・ディスク
獲得
1982年の全米年間アルバム・チャート No.67
カナダ No.25、ゴールド・ディスク
獲得
、オーストラリア No.37
、ニュージーランド No.19
、オランダ No.3
、イタリア No.11
、西ドイツ No.30
、スウェーデン No.9
、ノルウェー No.15
、そして全英No.14
、ゴールド・ディスク
獲得
・・・Let's Groove
の大ヒットも功を奏し、世界中でビッグ・セールス
そして日本、オリコン・アルバム・チャート No.7
さらに洋楽アルバム・チャートということでは、3週連続 No.1
この1981年の年末にかけて、Olivia Newton-JohnのPhysical
(「虹色の扉」)と首位争い
さすが、最も売れる洋楽アーティスト
安定した人気を示しています。
Let's Grooveの大ヒットに起因するところが多い本作
ですが・・・
David Foster、Jerry Hey
といった人以外は、ゲスト・ミュージシャンもファミリーといえる人たちが中心
特にMaurice White、Philip Bailey
の歌
のコンビネーションは完璧
全9曲(1曲は短いですが・・・)完成度の高いナンバーが揃っています。
そういったこともあって、Al McKayが抜けたことの損失感が、あまり感じられないようでしたが・・・
実は、これ以降の Earth, Wind & Fireの活動に大きく影響した・・・
後で思えば、そのようにも感じることもあります。・・・
Earth, Wind & Fire
この時期から、再び大所帯でのツアーを再開
日本でも大人気の彼ら
勿論、来日公演も熱望されてはいましたが・・・
残念ながら、この時期、日本の土を踏むことはありませんでした。・・・