1976年のアルバム(その4 Gratitude/Earth, Wind & Fire)
1976年のアルバム・シリーズ
自分が洋楽を断っている時期からスタートとなっていますが・・・
この年も、やはり全米No.1となったアルバムを先ず取り上げていこうと思っています。
前年1974年~1975年はElton JohnのGreatest Hitsで年を越し、この1975年~1976年もChicagoのGreatest Hitsで年を越しました。
そして先ず1月にNo.1となったのが、Earth, Wind & Fire
Gratitude
ライヴと新曲の、なんと2枚組大作です。
洋楽を断っていた時期ですが、新聞に「アース・ウインド&ファイアー」の新しいレコードの大々的な広告が
「あのサンタナを越えたスーパー・グループ」
邦題は「灼熱の狂宴」
1975年に全米No.1になったShining Starは確かに日本でもよくかかるようになってはいましたが・・・
Earth, Wind & Fireって日本でもこんなに大物になっていたんだ
驚きと同時に実感したのでした。
(1975年のアルバム その9 That's The Way Of The Worldに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12315493142.html
因みにSantanaを越えた
というのは、Santanaの前座に出た時に、Santanaのお株を奪うほど、盛り上がったということ
当時、日本では打楽器を多用した熱っぽいステージということでは、ライヴ・アルバムになったほど、Santanaの公演が語り草になっていたので、わかりやすい比較ということ
その二つの理由からでしょう。・・・
そして、Earth, Wind & Fireの音楽には、当時使われ始めた「クロスオーバー」という言葉が
そう、まさに真の「クロスオーバーの王者」といえるでしょう。
さて、自分が洋楽解禁になった頃には、当時のポピュラーなナンバーとして、このアルバムにも新曲として入っていたSing A Songがシングルとしてリリースされていたということで、FM等でガンガンかかっていましたし、またFMではこのアルバムの特集番組もあり、オープニングのAfricano / Power Medleyや、少し長いNew World Symphonyとかもオンエア
少しエアチェックもしました。・・・
ただ2枚組LPレコード「灼熱の狂宴」を購入したのは少し後です。・・・
ライヴと新曲という豪華な2枚組
メンバーは・・・
勿論、リーダーMaurice Whiteがリード・ヴォーカル、ドラムス、パーカッション他・・・
弟のVerdine Whiteがベース、ヴォーカル
Philip Baileyがリード・ヴォーカルとパーカッション
Larry Dunnがキーボード、シンセサイザー
Ralph Johnsonがドラムス、パーカッション
Al McKayがギター
Johnny Grahamがもう1人のギター
Andrew Woolfolkがサックス
もう1人の弟、Fred Whiteがドラムス、パーカッション
前作と同じ9人、ほぼ全員がパーカッションも担当しています。
さらにホーン・セクションとして・・・
Don Myrickがサックス
Louis Satterfieldがトロンボーン
Michael Harrisがトランペット
尚、当時はまだPhoenix Hornsとは名乗っていなかったよう・・・総勢12名です。
プロデュースはライヴの方が、Maurice WhiteとJoe Wissert
スタジオ録音の方が、Maurice WhiteとCharles Stepney
アレンジメントはライヴの方がEarth, Wind & Fire、スタジオ録音の方が、Maurice WhiteとCharles Stepneyが担当しています。
さてアルバムの方、先ずA面・・・ライヴの方・・・
ゴングの音とともに、Perry Jonesという人の紹介でスタート
熱っぽい打楽器の音から、ブラス
Africano / Power Medley
聴いているだけでも体が動いてしまいます。
前作収録のインストゥルメンタル・ナンバーからParty~
このオープニングは衝撃的でした。
そして軽快なリズムから、やはり前作収録のYearnin' Learnin'
Mauriceの歌も軽快にパワフルに
スタジオ録音盤に生命が吹き込まれたようです。
そして美しいバラード、Devotion
Philip Baileyの歌に魅了され、後半は手拍子を
EW&Fの世界に引きずり込まれていきます。・・・
B面に行くと、「特別に、この曲をプレイ出来て嬉しいよ・・・」
そう言って、Ramsey LewisのSun Goddess
日本でも「太陽の女神」として馴染みのこのナンバー
・・・とはいっても、MauriceとJohn Lindの共作で、Ramsey Lewisのレコーディングにも、Maurice White、Verdine White、Philip Bailey、Johnny Graham、そしてサックスのDon Myrickが参加しているのですから、Ramsey LewisがLarry Dunnに変わっただけ
オリジナル曲と言っていいでしょう。
Philipのコーラスもお馴染み、尚、Andrew WoolfolkとやはりLarry Dunnがフィーチャーされていました。
そしてReasons
イントロから拍手喝采
そう、前作収録のPhilipのファルセットを十分に聴かせる人気曲
Don Myrickのサックスもフィーチャーされ少し長いヴァージョンに
シンプルなSing A Message To Youが短く歌われ、この面は終了です。
さてレコード2枚目(C面)は前年のNo.1ヒット、Shining Star
やはりこれもスタジオ盤に息を吹き込まれた感じ
熱っぽいパワフルなプレイ
Al McKayのソロもフィーチャーされます。
続いては、Mauriceがカリンバを奏で、New World Symphony
シンセサイザーの音、そしてブラス
トランペットのソロも
そして多数の打楽器のリズムの中、Verdineのベースもフィーチャー
各メンバーのソロをフィーチャーした10分に及ぶインストゥルメンタル
熱っぽいプレイに拍手喝采でした。・・・
・・・で、ライヴはここまで・・・
続いては、Philipの歌をフィーチャーしたメロディアスなSunshine
ブラスの音も効果的
後のEarth, Wind & Fireのヒット曲につながる曲といえるでしょう。・・・
アルバム最後の面(D面)
こちらはニュー・アルバムといえるでしょう。
心地よいギターのカッティングから、ブラス
そしてMauriceとPhilipの歌
Sing A Song
Stevie Wonderの作品同様、軽快な楽しいナンバー
ヒット性抜群です。
続いてもベース、ブラスをフィーチャーしたイントロから・・・
Gratitude
Wanna Thank You~とタイトル通りの歌詞のミディアム・テンポのナンバー
3曲目はアップ・テンポにコーラスから、Celebrate
ファンキーなリズムにブラスが絡んで、MauriceとPhilipの歌
後の時代のフュージョン・ミュージックにも影響を与えたと思います。
そして最後は、独特のリズムのイントロから・・・
You Can't Hide Love
軽快なキーボード音をバックに語りかけるように歌うMaurice
それに絡んでくるPhilipのファルセット
唯一無二のEarth, Wind & Fireの世界です。・・・
尚、2枚目のシングルとしてカットされた際には、Can't Hide Loveと短縮したタイトルとなり、それなりのヒットも記録しました。
このアルバム収録時間が、トータルで70分に満たなかったので、CD化の際にはシングル・アルバムとなってしまいました。
また1999年のリイシュー盤にはその後の1978年のライヴ、Live Bonus Medleyが追加収録されていました。・・・
とにかく凄い
そんなライヴ・アルバムでしたが、これ以降、Earth, Wind & Fireは日本でもやたらとポピュラーな存在になって行き、逆に自分は熱は失せていきました。・・・
(彼らへの自分の熱が再燃するのは、1981年のRaise!です。)
1979年4月に初来日公演決定
名古屋市国際展示場公演もあり、これは行きたかったですが・・・
同時期にBostonの武道館公演、また月末にはQueenの3年ぶりの来日公演もあり、さすがに当時18歳の自分にはキツく・・・断念しました。
ただ全盛期のメンバーでの来日公演はこの時だけ
後になって本当に悔やんでいます。・・・
1984年辺りから、Earth, Wind & Fireとしての活動は休止・・・
1987年に正式メンバーは5人の登録で再始動
アルバムTouch The Worldリリース
そして翌1988年、9年ぶりの2度目の来日公演
この時、代々木オリンピックプールに初めて見に行きました。・・・
以降、割と行っていましたが・・・Mauriceが・・・
闘病(パーキンソン病)中のMauriceが最後に登場した2004年の来日公演ではさすがに痛々しいものを感じました。・・・
そして2016年2月3日・・・
Maurice亡き後のコンサート
彼の映像も登場し、より力の入ったものとなっています。
そして・・・
このアルバムGratitudeに近いセットリストになっているようです。
勿論、当時と同じパワーというわけには行きませんが・・・
それでもこれはEarth, Wind & Fireを最もよく表したアルバムであること
それは永遠に間違いないでしょう。
(2017年5月日本武道館公演での日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12277557624.html
(2016年9月名古屋公演での日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12203101029.html
(2016年9月Blue Note Jazz Festivalでの日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12202158080.html
(2012年5月東京公演での日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-11254066728.html