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1981年のアルバム(その27 Face Dances / The Who)
1981年のアルバム・シリーズ
全米アルバム・チャートに準じているので、最高位No.3に続いて・・・
最高位No.4ということで、登場するのは・・・
The Who
1978年9月、Keith Moon急逝・・・
メンバーとは以前から親しい元FacesのKenney Jones
を新ドラマー
活動続行を発表
活動再開しますが・・・なんと、1979年12月、オハイオ州、シンシナティの公演で・・・
殺到した観客11人が死亡するという大事故に・・・
これも、Keith Moonの祟り・・・そんな気がしなくもありませんでした。・・・
その後、Concerts For The People Of Kampucheaに出演したりしますが・・・
新作は出ないまま・・・'80年代へ
Pete Townshendは、1980年にアルバム Empty Glass
をリリース
シングル Let My Love Open The Doorとともに全米TOP10入り
またRoger Daltreyは、映画McVicar
に主演
そのためにトレード・マークの髪を短く切り、またサウンド・トラックからの
Without Your Loveは、全米No.20
とソロとして、最大のヒットに
The Whoとしての活動は、Keith Moon
が居なければやはり難しいのか
・・・
そんな懸念も抱かせる中、1981年、まさに待望と言えるアルバムが登場
Face Dances
Roger Daltreyリード・ヴォーカル
Pete Townshendギター
、キーボード🎹、ヴォーカル
John Entwistleベース、ヴォーカル
Kenney Jonesドラムス
この4人のThe Whoにもう1人、サポート・メンバーとしてお馴染みの・・・
John "Rabbit" Bundrickキーボード🎹
この5人でレコーディングされています。
Who Are Youをいつも虚しい気持ちで聴いていた自分でしたが・・・
このFace Dances、輸入盤
入荷と同時に購入しました。
先ず惹かれたのが、アルバム・ジャケット
アルバム・タイトルに肖ってか、ジャケットは、メンバー4人の肖像画4枚ずつ・・・
それぞれの絵を違う画家が描いています。
デザイン、コンセプトは、The BeatlesのSgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
のジャケット・デザインで知られる Peter Blake
アートワークは、Clive Barker、グラフィックは、Richard Evans
写真撮影は、Brian Aris、Gavin Cochrane、Paul Hutchingsとなっています。
レコーディングは、1980年7月~12月、ロンドン Odyssey Studiosにて・・・
エンジニアリングは、Allan Blazek、Bill Szymczyk
アシスタント・エンジニアリングは、Jimmy Patterson、Teri Reed
AIR Studiosにおけるレコーディング・エンジニアリングは、Jon Walls
ミキシングは、Bayshore Recording Studiosにて・・・
マスタリングは、Sterling Soundにて、Ted Jensen
、Greg Fulginiti
エグゼクティブ・プロデューサーは、Chris Charlesworth、Bill Curbishley
、Robert Rosenberg
そして、プロデュースは、Bill Szymczykです。
全曲、Pete Townshend(2曲、John Entwistle
)の作品です。
A面1曲目、シンセサイザー音にギターのピッキング、そこへコーラス
You Better You Bet、力強いRoger
の歌でスタート
それを盛り上げる PeteとJohn
T. Rexや、Who's Next
も出てくるユニークな歌詞
キーボードも効果的に挿入、ポップな面も持ち合わせたナンバー
アルバムから第1弾シングルで、全米No.18
、全米メイン・ストリーム・ロック No.1
、全英No.9
、アイルランド No.10
、カナダ No.4
、オーストラリア No.21
、ニュージーランド No.38
、ベルギーNo.9
、オランダ No.12
、フランス No.61
・・・Who
として、'80年代、新たなスタートを切ったナンバーです。
2曲目、ギターのピッキングから、トロピカルなムードも漂うリズムで・・・
Don't Let Go The Coat、語るように歌うリラックスした(
)Roger
終始、コーラスを付けるPete
、アコースティックなギター・ソロも・・・
途中、一転してスローでメロディアスな曲調にも変わります。・・・
アルバムから第2弾シングルで、全米No.84
、全英No.47
となっています。
3曲目、軽快にギターのカッティングで始まるロックン・ロール
Cache Cache、Roger
の力強い歌
、Pete
たちがコーラス
シンプルなオールディーズ風、ベースも躍動感
サビの部分、スローにメロディアスになるところは、Peteの作風ならではです。
4曲目、イントロから、賑やかにドラムスも響いて・・・
The Quiet One、John Entwistle
の作品で、リード・ヴォーカル
いつも以上に荒々しく歌うJohn、ハードなロック・ナンバー
激しくドラムスを叩くKenney
、但しKeith
とは違うタイプ・・・
終始、ギターもフィーチャーされ、キーボード音🎹も効果的です。
5曲目、囁くようなヴォイスが入る軽快のイントロから、Rogerが歌う・・・
Did You Steal My Money、そのヴォイスとかけ合うRoger
の歌
ここでも途中、スローなパート、そこはPeteが歌います。
軽快なリズムに合わせてリフレイン、最後はフェイドアウトしていきます。
B面1曲目、重厚にドラマチックなイントロ、そこから一転、軽快なビートに・・・
How Can You Do It Alone、最初ノリよく歌い始めるRoger
ベースも響き、途中激しくもなり、Peteの歌
も、Roger
とかけ合い
バグパイプ風の音も挿入され、ポップとも言えるナンバー
最後は歌のリフレインで、フェイドアウトしていきます。
2曲目、ギターのピッキング、キーボード音🎹も入り、徐々に盛り上がって・・・
Daily Records、こちらもポップな曲調ながら、力強く歌うRoger
Peteがコーラス
でバックアップ
、流れるようなピアノ🎹も印象的
ここでも、RogerとPete
の歌のかけ合いがキマっています。
3曲目、ドライヴ感あふれるハードなギター中心のイントロから・・・
You、John Entwistle
の作品
、リード・ヴォーカル
は、Roger Daltrey
激しくスピード感溢れる歌、Kenney
が終始、ハードなドラミング
緊迫感のあるハード・ロック、ベースのソロ、最後はギター
で締められます。
4曲目、イントロから、ベースも響きミディアム・テンポのハード・ロック
Another Tricky Day、リード・ヴォーカル
は、Roger
ですが・・・
Peteもかけ合うように終始、一緒に歌っています。
Johnのベースが響く中・・・途中スローにも・・・キーボード音🎹も印象的
"Just Got To Get Used To It~"とPete
"This Is No Social Crisis Just Another Tricky Day For You~"とRoger
最後は、やや静まって、Rogerの歌
とともにフェイドアウトしていきます。・・・
アルバム中、1番従来のThe Whoらしいナンバー
シングル・リリースはありませんが、ビデオが製作され・・・そして・・・
その後のライヴで本作
からプレイされる数少ないナンバーです。
CDの時代になり、1997年のリイシュー盤
には、ライヴ・ヴァージョン等
5曲のボーナス・トラックが追加収録
2021年のリイシュー盤には、9曲のボーナス・トラック
が収録されています。
ここに登場した通り、全米アルバム・チャート最高位 No.4
全米でプラチナ・ディスク獲得
、1981年の年間アルバム・チャート No.74
全英 No.2、シルバー・ディスク
獲得
、その他では、カナダ No.1
オーストラリア No.9、フランス No.12
、西ドイツ No.29
、オランダ No.16
ノルウェー No.19、スウェーデン No.17
・・・世界中でビッグ・セールス
如何に世界が、The Whoの新譜
を待ち望んでいたか
・・・
それを示しているようです。
'80年代に入り、遂に新譜をリリースした The Who
Chicagoと同じで、主要メンバーを亡くした後、その後の意気込みを感じる
そんな力作では、ありますが・・・
当時、言われたこととして・・・
PeteのEmpty Glass
の方がいい曲があるじゃないか
・・・
やはり、Kenney Jonesのドラムス
は・・・
この2点が多かったと思います。
The Whoのメンバーとは古くからの友人
・・・とは言っても、あのKeith Moonの後任としての参加は・・・
Kenney Jonesにとっても気の毒だったと思います。
Rogerたちは、Kenney
に不満を持ち始め・・・
そして、Keithのように叩ける人(
)ということで・・・
Phil Collinsに声をかけている
・・・
そのようにも言われていました。
’80年代、スタートを切ったThe Who
このFace Dances、ジャケットも良いし、前述の通り新たな意気込みを感じる
そんな傑出した作品ですが・・・
My Generationで衝撃的に登場した・・・
かつてWoodstock等で多くのライヴ伝説を打ち立てた・・・
ロック・オペラTommyを完成させた・・・
Who's Next、Quadrophenia
という名盤を発表した・・・
そんなThe Whoと同じカリスマ性は、感じられない・・・
残念ながら、それが実際のところであった・・・
そう言わざる負えないでしょう。・・・