1978年のアルバム(その13 Who Are You / The Who)
日本で遂にTommyが公開され、ロック・ファンは大喜びでしたが・・・
ヒットしたかと言えば・・・
その後、The Whoがブレイクしたかと言えば・・・
Roger Daltreyは、その後、映画スターとしても活躍
ソロ・アルバム One Of The Boysをリリース
Paul McCartneyが書き下ろしたGiddy
という曲が収録されていることも話題に
・・・但しこれは欧米での話・・・
日本では、あの名盤 Who's Nextが長い間、廃盤になっていたという信じられない話・・・
1977年にようやく再発売された・・・あまりにも欧米との温度差が激しい、The Who
でした。・・・
そんな1978年夏、The Whoの新作
が発表されました。・・・タイトルは・・・
Who Are You
WhoのWho Are You
とは
・・・そんなことも思いました。
同時にシングルとしてリリースされたタイトル曲 Who Are Youも全米チャートを上昇してきました。
シンセサイザー音のイントロから、Pete中心のコーラス、そして、Roger
の歌
が入ったら、唯一無二のThe Who
サウンド
そんなナンバーなので嬉しくなってきました。
しかし1978年9月7日、Keith Moon急逝・・・
翌日、日本の一般の新聞には・・・
「ムーンが死亡」
・・・と少しは記事が載っていましたが・・・
当時、日本のラジオ等の洋楽番組で、そのことが取り上げられることは、皆無だったように思います。・・・
そしてその後に、Who Are Youは日本発売
レコード帯には、悲しくも・・・
「悲報 1978年9月7日キース・ムーンが死んだ。」と追記されていました。
アルバムタイトルは、日本では「フー・アー・ユウ」となっていました。
尚、自分は輸入盤でその後購入
古くもないのに、何か安っぽいジャケットだったように思いました。(苦笑)
The Whoメンバーは・・・
Roger Daltreyリード・ヴォーカル、パーカッション
Pete Townshendギター、ヴォーカル、ピアノ、シンセサイザー他
John Entwistleベース、ヴォーカル、シンセサイザー、ブラス
Keith Moonドラムス、パーカッション
そう、この時までは不動の4人です。・・・
その他、参加ミュージシャンは・・・
Ted Astleyストリングス・アレンジメント
Andy Fairweather-Lowバッキング・ヴォーカル
Rod Argentシンセサイザー、ピアノ、キーボード
Billy Nicholls、Michael Nicholls
バッキング・ヴォーカル
レコーディングは、1977年9月~1978年4月
ロンドン、バタシーのRamport Studios、バーンズのOlympic Studios
、セントジョンズウッドのRAK Studios
そして、サウスオックスフォード、コーリングオンテムズの Pete Townshend所有のスタジオにて・・・
エンジニアは、Judy Szekely
プロデュースは、Glyn Johns、Jon Astley
全9曲中、今回は3曲が、John Entwistleの作品
残りは、Pete Townshendの作品です。
因みに Ted Astleyと、Jon Astley
は父と子・・・
Peteは、かつてTed
の娘、Karenと結婚していたことがあり、Ted
は義父、Jon
は義弟だったことになります。・・・
アルバム・ジャケットは、デザインが、Bill Smith
表側の写真は、Terry O’Neill、裏側の写真
は、Martyn Goddard
それにしても、Keith Moonが座っている椅子に
"NOT TO BE TAKEN AWAY"
と記されているのは、何とも皮肉なことです。・・・
A面、爆音のようなギター音、シンセサイザーとギターの軽快なイントロから・・・
New Songでスタート
Rogerの歌
は、唯一無二の存在
、The Who
の声
パワフルに響き、サビの部分はポップな曲調に・・・
そして、後半、少し静かになるところ、これはPeteならではの作風・・・
Keithのドラムスのロールから再びハードに
オープニングに相応しいナンバーです。
2曲目、シンセサイザーのイントロで、Keithのドラムスが入り、Roger
の歌
Had Enough
Quadropheniaに収録されていた I've Had Enogh
とは無関係で、こちらは、John Entwistle
の作品
、ハードなロックですが、Roger
の歌をメンバーのコーラスでバックアップ
、間奏部のストリングスも効果的です。
シングルでは、Who Are Youとカプリングされていました。・・・
3曲目、信号音のようなシンセサイザーのイントロから、905
John Entwistleの作品で、ヴォーカルもJohn
ハードな楽曲のようですが、フォーク&カントリーの曲調・・・
その通り、タイトルからもドライヴィング・ミュージックと思われます。
4曲目、Rogerがハードに歌い始める Sister Disco
ストリングスが全面に加わって、まさにハード・ロックとの融合
ハードなRogerの歌が中心ですが、後半、Pete
も歌います。
当時の時代を皮肉った内容、またアルバム・リリース後のライヴでは定番でした。
(但し、Keith亡き後です。・・・)
Peteらしいアコースティック・ギターのカッティングをブリッジに一転・・・
コインが投げられ、ノスタルジックなムードに・・・
Music Must Change
Rogerの歌
は、ハードですが、ミュージカル仕立てのこのような楽曲にもよく合っています。
ブラスも効果的に入り、後半はアコースティック・ジャズ風のギターも
舞台の一幕終了といった感じでA面は終わりです。・・・
B面、やはりハードに始まる、Trick Of The Light
こちらも、John Entwistleの作品
、ややミディアム・テンポですが、Keith
がハードに叩いています。
"But Was I All Right?"~の部分が印象的です。
2曲目、シンセサイザーをバックに高音のギター・ソロから、Rogerの歌
Guitar And Pen
途中、テンポが速くなる部分など、ロック・オペラ風で、TommyやQuadrpphenia
を思わせます。
また軽快なキーボード・ソロはRod Argentでしょう。・・・
尚、ドラマチックな構成ながら、ライヴでプレイされることがないようなのですが・・・Keith
がいないからでしょうか。
・・・
3曲目、ピアノで始まって、Rogerが叙情的に歌い始める・・・
Love Is Coming Down
今回のアルバムの中では静かな方ですが、ストリングスも効果的に・・・
Rogerの歌を、Pete
たちがバックアップ
そして、このような曲でいい感じに入るのが、Johnのベースです。
4曲目、シンセサイザー音と手拍子、ギター、そしてコーラス
Who Are You
Rogerがメインで歌う部分は、ミディアム・テンポのハード・ロック
コーラス部分は親しみやすい曲調でしょう。・・・
途中、静かになり再びハードに
ピアノでは、Rod Argent、コーラスでは、Andy Fairweather-Low
が特筆すべきところ
、尚、Pete
の実体験を基に作られたとのことです。
シングルとして、全米No.14、全英No.18
The Whoiを代表するヒット曲の1つ
そしてThe Whoとしては、一般に親しまれているナンバーでしょう。
・・・
1985年にCD化され・・・その後1996年のリマスター盤からは・・・
No Road Romance、Empty Glass (Demo)
、Guitar And Pen (Olympic '78 Mix)
、Love Is Coming Down (Work-in-Progress Mix)
、Who Are You (Lost Verse Mix)
の5曲が、ボーナス・トラックとして収録されています。・・・
このアルバム、全米No.2
、全英No.6
全米では、No.2と、全英チャートより高位置に・・・
Quadrophenia以来のチャート・アクションとなりましたが・・・
これは、Keith Moonへの追悼の意もあって、ということは否めないでしょう。・・・
せっかく、名盤 Who's Nextや、Quadrophenia
を思わせる部分も多々あって、ライヴ・パフォーマンス
も楽しみな感じがしただけに・・・
これらの楽曲を、もうKeithの音では聴けない・・・悲しい限りです。・・・
解散か、続行か
そのような中、メンバーとは、旧知のKenney Jonesをドラマーに加えて、活動を続けることに
ちょうど、復活したばかりのSmall Facesがうまくいっていなかった時期
、Tommy
のサウンド・トラック
等にも参加していたKenney
ですが・・・
Keith Moonの後というのは・・・
あらゆる意味で、想像を絶するものであったことは間違いでしょう。
Keith Moonの死後、自分がThe Who
のことで、嘆いていたら、セミ・プロとして、音楽活動をしている同い年の男が・・・
「Kenney JonesもKeith Moon
もロックン・ロール・ドラマーだから、大して変わらないだろう
・・・」
そんなことを言ったのですが、今も思い出すとそいつをぶん殴ってやりたい気分になります。(苦笑)
でも、当時の日本でのThe Whoに対する一般の認識はその程度のものだったのでしょう。・・・
・・・ということで、今後どうなるか、当時はまだ先が見えない中。この Who Are You
は、全米最高位No.2
を記録していたのでした。・・・
(1975年のアルバム その55 The Who By Numbersに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12351362846.html
(1975年のアルバム その33 Tommy/OSTに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12335477737.html
(2012年4月 Roger Daltrey日本公演での日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-11232543994.html