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1980年のアルバム(その35 Bebe Le Strange / Heart)
1980年のアルバム・シリーズ
全米最高位 No.4に続いて、全米最高位 No.5
のアルバムへ・・・
先ず登場するのが・・・
Heart
1979年8月、江の島にて行われた Japan Jam
トリは、The Beach Boysでしたが、1番盛り上がったのは、初来日のHeart
開演前から、ステージ前方に在日米国人と思える人たちが大挙押し寄せ
熱狂、特に圧倒されるのが、あのAnn Wilson
の歌
その隣で、オベーションのアダマスを抱えてバックアップする美しい妹
Nancy Wilson、ハードなロック・ギター
を聴かせる Roger Fisher
・・・
1曲目の Cook With Fireから、アンコールの Rock And Roll
まで・・・
最高のパフォーマンスを満喫させてもらいました。
当時18歳の自分も、米国兵の人の波の中で熱狂していました。
これで、Heartの人気もエスカレート
・・・そう思った矢先に、リーダー格のRoger Fisherが脱退
Heartは、5人だけで活動していくと表明
そして'80年代となり、1980年初春に登場したアルバム、タイトルは・・・
Bebe Le Strange
その数々のライヴ・パフォーマンスによって、人気が膨れ上がってきた Heart
Japan Jamによって、日本でも立証されたわけですが・・・
今まで以上の勢いで、全米チャートに登場してきました。
元々、Ann姐さんが大好き
そして、Japan Jamでの感動と興奮がいつまでも忘れられない自分は・・・
日本発売と同時にこの「ベベ・ル・ストレンジ」を購入したのでした。
レコーディングは、1979年、シアトルの Kave-Smith Studiosにて・・・
Heartメンバーは・・・
Ann Wilsonリード・ヴォーカル
、タンブリン、ベース、バックアップ・ヴォーカル、りズム・ギター、ドラムス、アルト・フルート他
Nancy Wilsonギター
、ヴォーカル他
Howard Leeseギター
シンセサイザー、バックアップ・ヴォーカル、キーボードMichael Derosier
ドラムス
、Steve Fossen
ベース
その他、曲ごとにゲスト・ミュージシャンが参加しています。・・・
ミキシングは、Kave-Smith Studiosにて、Mike Flicker
音響調整は、ハリウッド、Sound Labsにて・・・
マスタリングは、バーバンク Kendun Recordersにて John Golden
エンジニアリングは、Mike Flicker、Rob Perkins
プロデュースは、Mike Flicker、Connie
、Howie
因みに、Connieとは、Ann Wilson
、Nancy Wlilson
、そしてもう1人、女性ソングライター Sue Ennis
、この3人のペン・ネーム
Howieとは、メンバーのHoward Leese
のことです。
アルバム・ジャケット
まるでファッション誌のような美しい AnnとNancy
のアップ
ですが・・・
アート・ディレクションは、Tony Lane、ロゴ・グラフィックは、Tim Girvin
そして写真撮影は、Jeff Burger
最初は、AnnとNancy
の美人姉妹を中心にプロモーションされることを嫌ったHeart
ですが、Roger Fisher
の脱退によって、完全に Wilson姉妹
中心のバンドになってしまった
・・・というのは何とも皮肉と言えるでしょうか。・・・
ほぼ全曲、Ann Wilson、Sue Ennis
、Nancy Wlilson
の作品です。
A面1曲目、ブルース・ロック調のギターのカッティングから、Annの歌
Bebe Le Strange、タイトル曲でスタート
Ann Wilson、Sue Ennis
、Nancy Wilson
、Roger Fisher
の作品
「不思議なべべ」とでも言うのでしょうか、架空のロック・ミュージシャン
Annは、最初語るように歌い、歌詞には"Johnny B. Good
"も・・・
サビの部分は、スピード・アップでノリのいいロックに
ギターは、Nancy、Howard Leese
以外に、Chrissy Shefts
、Sue Ennis
ベースは、Annがプレイ
、Ann
の歌中心に後半盛り上がっていきます。
アルバムから第2弾シングル、No.109
と、TOP100入りを果たせませんでした。
2曲目、Howardが奏でる泣きのギター
から、ややスローに・・・
Down On Me、Janis Joplin
の名唱で知られるあの歌と同名異曲
・・・ですが、こちらはオリジナル
Janisを思わせるパワーで、Ann
が聴かせるスロー・ナンバー
Nancyはメロトロン、Howard
はシンセサイザー、Ann
は、リズム・ギターも
パワフルに熱唱するAnnですが、"You Know, I Can't Resist~
"と・・・
女性らしい一面も・・・John Lennonを思わせるところもあるナンバーです。
3曲目、Nancyの奏でるアコースティック・ギターのインストゥルメンタル
Silver Wheels、Nancy Wlilson
の作品
、ライヴ
ではいつもプレイされ・・・
オベーション、アダマスを抱える美しい彼女の姿が浮かんできます。
4曲目、いきなり、Annが歌い始める・・・
Break、Little Queen
収録のKick It Out
同様
理屈抜きにシンプルでストレートなロックン・ロール
シンプルなソロを聴かせるのは、Howard
スピード感溢れるAnnの歌に圧倒されます。
5曲目、ギターのピッキングから、最初は静かに、Annの歌
Rockin' Heaven Down、ドラムス
とギターのカッティングで、ハードに転身
バックアップ・ヴォーカルとして、Don Wilhelm
、Gary Humphreys
アコースティック・ギターは、Connieとクレジット
後半は、コーラスにバックアップされ、Ann
の熱唱
とギター
そのリフレインでフェイドアウトしていきます。・・・
B面1曲目、軽快なギターのカッティングから、Annがノリよく歌う・・・
Even It Up、そう、Japan Jam
で新曲としてプレイされたナンバー
ここでは、Tower Of Powerのホーン・セクション
(Lenny Pickett
、Greg Adams
、Emilio Castillo
、Steve Kupka
、Mic Gillette
)を加え
パワー・アップして登場、ホーン。エンジニアリングは、Armin Steiner
アシスタントは、Stewart Whitmore
ギター・ソロはNancy
、Ann
がベース
HowardとAnn
でリズム・ギター・・・躍動感のあるナンバー
アルバムから第1弾シングル、全米No.33
、カナダ No.56
となっています。
2曲目、パワフルなドラムスをフィーチャーしたハードなロック
Strange Night、リズム楽器は全て、ドラマーのMike
が担当
アコースティック・ギターは、Nancy、エレクトリック・ギター
は、Howard
雪崩が起きるようなサウンドをバックに熱唱するAnn
そう、彼女たちが敬愛するLed Zeppelinを思わせます。
(この頃はまだ John Bonhamも健在でした。・・・)
3曲目、軽快なピアノから、ポップなナンバー
Raised On You、Nancy Wilson
の作品
、リード・ヴォーカル
もNancy
さらに Mikeのドラムス
以外全て、Nancy
が担当
勿論、終始効果的に出てくるギターも・・・心地よく響いてきます。
これまで、アルバムの中で、Nancy
の歌は、1曲ずつありましたが・・・
今回初めて、Nancyのオリジナリティが確立されたと言えるでしょう。
4曲目、アコースティック・ギターなギターのカッティングからフォーク・ロック調に・・・
Pilot、ここでは優しく歌う Ann
メンバーのコーラスも響いて、爽やかなムードに・・・
キーボード類は、Howardが担当しています。
5曲目、いきなりAnnの歌
、バックはピアノ🎹で・・・
Sweet Darlin'、Ann Wilson
の作品で、Ann
のいわば独壇場
時に優しく、時に力強く、しっかり聴かせてくれます。
ピアノ🎹は、Ann Wilson、Sue Ennis
、アコースティック・ギターは、Connie
途中から入るドラムス、ベースは、Ann自らプレイ
最後は、ピアノ🎹とともに、Annの歌で静かに締められます。・・・
CDの時代となり、2004年のリマスター盤
には・・・
未発表曲 Jackleg Man、Break (Live)
以上2曲が、ボーナス・トラックとして追加収録されています。
前述の通り、全米アルバム・チャート最高位 No.5
そう、Heartのそれまでのアルバム
の中で、最も高い位置まで上昇
カナダ No.24、オーストラリア No.78
、ニュージーランド No.50
全米でゴールド・ディスク獲得
、カナダでプラチナ・ディスク
獲得
1980年の全米年間アルバム・チャート No.86にランクインしています。
・・・
Roger Fisherが抜けた分、Nancy
とHoward Leese
がしっかり補てん
確かにエレクトリック・ギターのソロをフィーチャー
そんな部分は、少なくなりましたが、マイナス面は感じられず・・・
さらに、Ann、Nancy
、Sue Ennis
によるチーム Connie
も確立
やや重苦しい感じもあった前作に比べたら、キャッチーなナンバーも多く・・・
それで、 Heart最高のチャート・アクションに繋がったのでしょう。
ただ、Magic Manや、Barracuda
のようなヒット・シングルがなかった・・・
そのことが、このアルバムの印象を弱くしていることは否めないでしょう。・・・
よく記している通り、1980年春頃は、自分自身、精神的に病んでいる時期・・・
そんな時に、このアルバムも登場
Linda RonstadtのMad Love
同様、自分を勇気づけてくれたことは言うまでもないでしょう。・・・
Japan Jamの感動が蘇ることも勿論
Janis亡き後、Ann Wilson
こそが、女性No.1ロック・シンガー
そのように確信し、ますますHeartのファンとなったのでした。
そして、野外フェスで人気を博しているHeart
ですが・・・
「今度は、単独公演で日本に来てほしい」
そのように願うようになっていたのでした。・・・