1976年のアルバム（その85 Dreamboat Annie / Heart）

The Beach Boysは、Wilson Brothers中心ということですが・・・

Wilson Sistersといえば・・・

Heart

奇しくも、1979年に行われたJapan Jamで、ともに来日しました。

1976年、耳馴染みのないロックバンドが全米チャートに登場してきました。

その名が、Heart

そして、Crazy On Youというナンバー

フォーク・ロック調で、女性シンガーのよう・・・

そしてその次にチャートに登場してきたのが・・・

Magic Man

エレクトリック・ギターのイントロで始まるディープなロック・ナンバー

そう思いきや、女性の歌で、まるで物語を語るような説得力があって・・・

そしてパワフル

この曲にやられてしまいました。・・・

その歌を唄っていたのが、黒髪の女性Ann Wilson

そしてこのバンドには、もう1人美しい女性が・・・

それが彼女の妹で、金髪のNancy Wilson

彼女はギターとヴォーカル

そう、この美人姉妹をフロントに据えたロック・バンドだったのです。

そして、アルバムが・・・

Dreamboat Annie

1976年、全米アルバム・チャートでロング・セラーとなっていましたが・・・

Mashroomというレコード会社が日本との契約がないため、当時、日本では未発売のままでした。・・・

Heart

メンバーは・・・

Ann Wilsonリード・ヴォーカル、フルート、バッキング・ヴォーカル

Nancy Wilsonエレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、バッキング・ヴォーカル

Roger Fisherエレクトリック・ギター、アコースティック・ギター

Steve Fossenベース

この時点では、正式メンバーとしてはこの4人がクレジット

さプロデュースはMike Flicker

あとは・・・

Howard Leeseエレクトリック・ギター、シンセサイザー、オーケストラアレンジメント

Mike Derosierドラムス

但し彼は2曲のみ

アルバムでは曲ごとに色々なミュージシャンが参加

プロデューサーのMike Flickerもパーカッションで参加しています。

レコーディングは、1975年の6月～8月、カナダ、バンクーバーのCan-Baseの16トラックにて・・・後のMashroom Studios

アルバムほぼ全曲、Ann Wilsonと Nancy Wilsonの作品です。

Ａ面・・・ヘヴィーなリズムでエレクトリック・ギターのイントロ・・・

そこへ、Cold Late Night, So Long Ago～

Annの説得力のある歌

Magic Manでスタートです。

Rogerが中心と思われますが、Nancy、Howardの3人によるエレクトリック・ギターとアコースティック・ギター

曲の展開もしっかりしているHeartを代表するナンバー

全米第9位

まさにこの曲でHeartはスターダムにのし上がったのでした。

続いて、海の音からタイトル曲の1部、Dreamboat Annie (Fantasy Child)が短く歌われ・・・

アコースティック・ギター・ソロへ・・・

ハードなカッティングとなり、Crazy On You

ここでもAnnはパワフル、Nancyがコーラス

この曲もシングルになりましたが・・・あまりヒットはしませんでした。・・・

続いて、再び海の音から、静かにギターが入っていて、Annの歌

Soul Of The Sea

このスローな楽曲の雰囲気、どこかで聴いたような・・・

そう、Led Zeppelinなのです。

Heartはモロに～Zeppelinからの影響を受けています。

途中、曲調が変わり、そして再び重厚な曲調に・・・6分を超える大作です。・・・

静まったところで、軽快なアコースティック・ギターが入ってきて、タイトル曲、Dreamboat Annie

Annの歌に優しくNancyのコーラスが加わって幻想的なムードに・・・

ここでこの面は終了となります。・・・

B面、ミディアム・テンポのハードなロック・ナンバー

White Lightning & Wineでスタート

カウベルの音も印象的

1978年のヒット曲Straight Onに継承されると思われます。

一転して、メロディアスなバラード

Love Me Like Music (I'll Be Your Song)

Annの優しい歌に癒される気分になります。

Rogerのスティール・ギターも効果的です。・・・

そして再びハードに

Sing Child

こちらは、初期のLed Zeppelinからの影響

Annの歌もRobert Plantを思わせます。

そしてAnnはフルートも熱演、ブレイクがあり、Rogerのギター・ソロ

この曲はAnn Wilson、Nancy Wilson、Roger Fisher、Steve Fossenの凶作です。・・・

一転して、静まって、How Deep　It Goes

ここでもAnnの歌が優しく、シンセサイザーの音も効果的・・・

尚、最初はアルバムからの第1弾シングルだったようで、Annの単独の作品です。

・・・そして最後は・・・Dreamboat Annie (Reprise)

ストリングスをバックにドラマチックにエンディング

・・・と思いきやもう1度アコースティック・ギターが戻ってきて・・・このアルバムは締められます。

タイトル曲が3回出てくるものの、本当によくできたナンバーが揃っていて、デビューして間もないバンドの作品とは思えない完成度の高いアルバムです。

最初にリリースされたのは、1975年

日本盤が発売されたのが1978年の初め

但し全米チャートで猛威を奮い、アルバム・チャートの7位まで上昇したのは1976年

ということで、1976年を代表する1枚でしょう。

尚、日本発売時は、邦題が「ハート宣言」

曲としてのDreamboat Annieは「夢みるアニー」となっていました。・・・

ちょうどFleetwood Macが大ブレイクしていた時代だけに、似たような編成のHeartにも興味が注がれたわけですが・・・

自分としては、先ずは美人姉妹のお姉さん、Ann Wilsonに完全にノックアウトされ・・・

絶対に、Janis Joplin以降に出てきたNo.1女性ロックシンガーだ。

そこまで確信したのでした。

このシリーズは、1976年のアルバムということなので、Heartも今回はDreamboat Annieに関してまでとさせていただきました。