1977年のアルバム (その57 Little Queen / Heart)
1977年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.9ということで・・・
Little Queen / Heart
1976年、シングルMagic Manのヒットと、アルバムDreamboat Annieによって、全米チャート・ファンには知られたものの、Mashroomというマイナー・レーベルと契約していたため日本未発売のまま・・・
そんな中、EPIC傘下のPortraitレーベルに移籍
そして発表されたのが、この、Little Queen、そして先行シングルBarracudaだったのでした。
そしてEPICの参加ということで日本でも発売
日本でのデビュー・アルバムとなったのでした。
AnnとNancyの美人姉妹がフロントにいるグループ
それも話題のHeartでしたが・・・
ちょうどこの頃は、Fleetwood Macがトップ・グループとして君臨している時代
Fleetwood Macと編成が似ていることで、それも「売り」となったかもしれません。・・・
そして、ラジオから流れてきたBarracudaを初めて聴いた時・・・
ぶっ飛びました
理屈抜きのストレートなロック
・・・で、ありながら、Ann姐さんの歌は、パワフルでかつ説得力があるのですよね。
自分は、すっかりAnn姐さんにやられてしまいました。(笑)
そして、その横には、ブロンドの美しいNancyがオベイションのアダマスを奏でている・・・当時まだライヴを見たことはありませんが、その光景は目に浮かぶようです。・・・
タイトル曲、Little Queen他、何曲かFM放送で聴いて、これはいい
早速、Little Queenを購入したのでした。・・・
Heartメンバーは・・・
Ann Wilsonリード・ヴォーカル、フルート
Nancy Wilsonアコースティック・ギター、ヴォーカル、オートハープ、マンドリン、ピアノ、エレクトリック・ギター、ブルースハープ
そしてリーダー格の、Roger Fisherリード・ギター、マンドリン
Howard Leeseギター、ピアノ、ヴォーカル、ムーグベース、ストリングス・アレンジメント、ストリングス指揮
Michael DoRosierドラムス、パーカッション
Steve Fossenベース
HowardとMichaelが正式メンバーとしてクレジットされ6人編成です。
レコーディングは1977年2月~4月、シアトルのKays Smithにて・・・
エンジニアリングは、MiKe Flicker
Buzz Richmond、Winslow Kutz
プロデュースは、Mike Flicker
またSpecial Directionとして、Mike Fisher(Roger Fisherの兄)とクレジットされています。
作詞作曲は、ほぼ全曲、Ann Wilson、Nancy Wilson、Roger Fisherの3人で手掛けています。
アルバム・ジャケットはメンバー6人がジプシーの衣装
アート・ディレクションとして、Mike Doud、Marilyn Romen
デザインは、John Kehe、写真撮影は、Bob Seidemannです。
A面、パワフルなギターのカッティング
Barracudaでスタート
パワフルでありながら、エモーショナルなAnnの歌にノックアウト
Ann、Nancy、Rogerの3人と、ハードなドラムスを叩いているMichael Derosierの作品
また、RogerとHowardのツイン・リードも聴きもの
アルバムからの先行シングルで、全米No.11
Heartのテーマ曲のようなもので、ライヴでは1番盛り上がり
今でも、アンコールの最後にプレイされているようです。
2曲目、アコースティック・ギターが響いてきて、Love Alive
タブラの音とともに、Annの優しい歌声・・・
途中から、ハードな展開に
そう、Led Zeppelinを思わせるサウンド
邦題は「愛を大切に」、Annのフルートも印象的です。・・・
3曲目、Sylvan Song
NancyとRogerの共作で2人のマンドリンの共演
バックにHowardムーグ・ベースが響いてきます。
邦題は「森の詩」、尚、当時、RogerとNancyは恋仲だったようで、それで息も合っているのでしょうか。・・・
この曲から続いて、Annの歌が入り、Dream Of The Archer
邦題「狩人の夢」、Annの語りかけるような歌、そしてマンドリンの音色をバックに入る、NancyとHowardのコーラス
そう、この曲を聴いて誰もが、Led Zeppelinの4枚目のアルバムに入っている、The Battle Of Evermore(「限りなき戦い」)を思い浮かべたでしょう。
デビュー当時から、Led Zeppelinからの影響を公言しているAnnたちHeartのメンバーですが、最もよく表れたナンバーでしょう。
(尚、The Battle Of Evermoreは、Heartもライヴでカバーしていることがあります。・・・)
A面最後は、シンプルなハード・ロック、Kick It Out
Annの単独の作品で、露骨な内容、そういえば、Annは当時、「ステージではS〇Xしている気分になる・・・」と言っていたことがありました。
ピアノはNancy、Rogerが短いながら、カッコいいギター・ソロ
アルバムから第3弾シングル、全米No.79でした。・・・
B面、軽快なギターのカッティングからタイトル曲、Little Queen
メンバー6人の共作で、ミディアム・テンポのナンバー
RogerとHowardのギターがリズミカルに曲を盛り上げます。
そして、途中スローになるところなど、Annのシンガーとしての力量を感じます。
アルバムから第2弾シングルとしてリリース
全米No.62でしたが、アルバム中傑出した1曲と思っています。
2曲目、Treat Me Well
そう、Nancyがリード・ヴォーカルをとるナンバーで、彼女自身の作品
Annと声質は似ていますが、ややか細い感じ・・・
彼女はここで、歌とアコースティック・ギターは勿論、エレクトリック・ギターとブルース・ハープもプレイ、ストリングスはHowardが担当
邦題「やさしくして」、Annとは少し違った優しいバラードを聴かせてくれます。・・・
3曲目、コインが投げられる音から、軽快なアコースティック・ギターで、Say Hello
明るく楽し気に歌うAnn
NancyとHowardがコーラスでバックアップ
前述の通り、当時、Fleetwood Macが頂点にいたのですが、そのように~Macを思わせるナンバーでもあります。
(関係ないかもしれませんが、このアルバムのレコーディング時に、Fleetwood MacのRumoursがリリースされています。・・・)
4曲目、アコースティック・ギターから静かに始まるのは、Cry To Me
AnnとNancyの共作で、2人のデュエットによるナンバー
但しバッキング・ヴォーカルとして、Lynn Wilson Keagle、Seal Dunningtonが参加しています。
続くように、ギターのピッキングで、フェイドインしてくるのが、Go On Cry
ハードなインストゥルメンタルと思いきや、途中から、Annのシャウト
前曲に参加している女性2人もバック・コーラスに
Rogerはハードなギター、Michaelは色々なパーカッションをプレイ
Annの熱唱で盛り上げ、静かにエンディングとなります。・・・
CDの時代となり、2004年にリリースされたリマスター盤には・・・
Too Long A Time (Early Demo Version Of "Love Alive")
Stairway To Heaven (Live At The Aquarius Tavern, Seattle, WA, 1976)
この2曲が追加収録され、勿論、Stairway To Heaven(「天国への階段」)のライヴ・ヴァージョンが大きな話題となったことは言うまでもありません。
Fleetwood Macと似ている編成
それで興味を持ち始めたHeartでしたが・・・
自分としては、このアルバムで、すっかり、Ann Wilsonにハマってしまい・・・
彼女こそが、No.1女性ロック・シンガーである
そのように思ったものです。
尚、日本でもHeartの人気は急上昇
そして、当時、「ミュージック・ライフ」、「音楽専科」、ともう一冊、「ザ・ミュージック」という音楽雑誌があったのですが、(理由は知りませんが・・・)その「ザ・ミュージック」に、Heartのことが取り上げられることが多かったようです。
兎に角、当時はAnn Wilsonによって、Heartは自分にとって絶対的なバンドの1つになり、「もし来日したら、絶対に行くぞ」・・・そう、心に決めていたのでした。・・・
(実際に、1979年8月のJapan Jamでの来日公演に行きました。)
(1976年のアルバム その85 Dreamboat Annieに関する日記です・・・)
https://ameblo.jp/take-1097-da/entry-12456949777.html