1979年のアルバム(その21 Midnight Magic / Commodores)
1979年のアルバム・シリーズ
全米最高位No.3のアルバムを続けていますが・・・
1つ前に登場した Earth, Wind & Fireが、R&Bグループの東の横綱とすれば・・・
西の横綱といえるのが・・・
Commodores
1978年の、Three Times A Ladyの全米No.1ヒットで頂点を極めた
そのようにも思われましたが、続くFlying Highがあまりヒットせず、年末にリリースされた Greatest Hitsも、クリスマス・シーズンにも関わらず、振るわず・・・
Commodoresの人気にも翳り・・・
そんな1979年にリリースされたのが・・・
Midnight Magic
そして、シングル Sail On
この曲は、なんとカントリー・ミュージック調
Easy同様、R&Bのジャンルを超越したナンバー、そう思いました。
(実は、Lionel Richieは、カントリー・ミュージックを聴いて育った人・・・)
アルバム Midnight Magic、シングル Sail On
ともにすぐに全米チャートの上位に
自分は余計な心配をしていたわけで、Commodoresは、確固たる地位を築いていたグループでした。
尚、Sail Onがまだ上昇中の時に、次のシングル Stillがリリースされたのでした。・・・
レコーディングは、1979年、ロスアンゼルス Motown Recording Studios
A&M Studiosにて・・・
Commodoresメンバーは・・・
Lionel Richie(当時は、Lionel Richie Jr.)ヴォーカル、ピアノ、キーボード、サックス
Thomas McClaryヴォーカル、ギター
Milan Williamsキーボード
Ronald LaPreadベース
William Kingトランペット
Walter Orangeドラムス、ヴォーカル
この6人
その他のミュージシャンは、The Mean Machineメンバーは・・・
Darrell Jones、David Cochrane、Harold Hudson、Winstom Sims
レコーディング&ミキシング・エンジニアリングは、Cslvin Harris、Jane Clark
マスタリング・エンジニアリングは、Bernie Grundman
ストリングス&ホーン・アレンジメントは、Harold Hudson、James Anthony Carmichael
プロデュース、アレンジは、James Anthony Carmichael、Commodores
アルバム・ジャケット、アート・ディレクションは、John Cabalka
デザインは、Ginny Livingston
カバー&ロゴ・デザインは、Tom Nikosey
写真撮影は、Gene Gurley
プロダクト・マネージャーとして、Suzee Wendy Ikedaとクレジットされています。
A面1曲目から、ダイナミックなホーン、それに乗せて、Walter Orangeのトーク
Gettin' Itでスタート、David Cochrane、Walter Orangeの作品
リード・ヴォーカルは、Walter
全面的にホーンがフィーチャー、ファンキーなノリのいい歌を聴かせてくれます。
2曲目、ベース音が響き、さらにスピードアップ
Midnight Magic、Thomas McClarly、Lionel Richie,Jr.の作品
アルバム・タイトル曲、リード・ヴォーカルは、LionelとWalter
メンバーもバックアップ、ストリングス、ホーンもドラマチックに挿入
ギターも随所に、そして当時を象徴してか、シンセサイザーによる効果音
2人の歌の掛け合いもl決まり、アルバムの中でも傑出したナンバーです。
3曲目、ドラムスが軽快にビートを刻み・・・
You're Special、William King、Harold Hudsonの作品
リード・ヴォーカルは、Lionel、ホーンも効果的に挿入
You're Special~のコーラスも耳に残るポップなナンバー
ドラムスもフィーチャーされます。
4曲目、ピアノを中心としたイントロにストリングスが加わり・・・
Still、Lionel Richie,Jr.の作品、リード・ヴォーカルも・・・いわば独壇場
もう一つの意味のように「静かに」じっくり聴かせる永遠のスタンダード・ナンバー
前述の通り、アルバムから第2弾シングルで、2曲目の全米No.1
全米R&Bチャート No.1、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.6
全英No.4、カナダ No.2、アイルランド No.3、オランダ No.16 、ニュージーランド No.13、世界中で大ヒット
1980年の全米年間チャートでは、No.23
またオールタイム。チャート(1958年~2018年)では、No.322
I Do Love You, Still~、文字通り静かに幕を閉じます。・・・
B面1曲目、シンセサイザー音からフェイドイン、ミディアム・テンポのバラードに・・・
Wonderland、Milan Williamsの作品
リード・ヴォーカルは、Lionel Richie,Jr.
メンバーが終始コーラスでバックアップ
キーボード奏者Mlanの作品だけに、ファンキーな中にも色々な音が挿入
アルバムから第3弾シングル、全米No.25、全米R&Bチャート No.21
全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.43、全英No.40、カナダNo.70
タイトル曲同様、アルバムの中で傑出したナンバーです。
2曲目、一転して、エフェクターを効かせたギターのカッティングから・・・
Sexy Lady、Thomas McClaryの作品、リード・ヴォーカルは、Thomas
そして、ソウルフルな歌と同時に、ギター・プレイもフィーチャー
このファンキー・サウンドをホーンが盛り上げています。
3曲目、ハイハット・シンバルが刻まれ、ホーンが入り・・・
Lovin' You、Ronald LaPreadの作品
リード・ヴォーカルは、Lionel、ミディアム・テンポのファンキーな歌
やはりメンバーがコーラスでバックアップ
Lionelの歌を中心にリフレインで、フェイドアウトしていきます。・・・
4曲目、ピアノとアコースティック・ギターで、カントリー・ミュージック風のイントロ・・・
Sail On、Lionel Richie,Jr.の作品
リード・ヴォーカルもLionelですが、メンバーが終始コーラス
そして、Thomasのギターが随所で光っています。
後半は、ホーン、ストリングスもフィーチャーされ盛り上がります。
前述の通り、アルバムから第1弾シングルで、全米No.4
全米R&Bチャート No.8、全米アダルト・コンテンポラリー・チャート No.9
全英No.8、カナダNo.3、アイルランド No.8、ニュージーランド No.6、オランダ No.8、ベルギー No.14、オーストラリア No.86
1980年の全米年間チャートでは、No.98
尚、Cash Box誌では、全米No.1に輝いています。
5曲目、ドラムスから、ファンキーなサウンドへ・・・
12:01 A.M. (Reprise)、Thoas McClarly、Lionel Richie,Jr.の作品
ホーンをバックに、Lionelたちが、歌というより、シャウト・・・そしてストップ
1分のお遊び的このナンバーでアルバムは幕を閉じます。・・・
2曲続けてのヒット曲も功を奏して、全米No.3
Commodoresとして、なんと4枚目の全米最高位No.3のアルバムに・・・
当時、Led Zepelin、Eaglesと超大物の新譜が続いたので、このランクインですが、少し時期がずれたら全米No.1に輝いたかもしれません。
全米R&Bアルバムチャートでは当然の如く No.1
全英No.15、カナダ No.17、ニュージーランド No.7、オランダ No.9、ノルウェー No.20、スウェーデン No.44、オーストラリア No.56
1980年の全米年間アルバム・チャート No.22
全米年間R&Bアルバム・チャートでは、1979年に No.36、1980年に No.10
全英、オランダでは、ゴールド・ディスク獲得ですが・・・
全米では、当時、Motownが、RIAA(アメリカレコード協会)に参画していなかったので認定はありませんが、恐らく300万枚くらいのセールスと思われます。・・・
本作は、シングルヒットしそうな大作といえる曲が8曲
またメンバー全員が1曲以上曲を書いていて、Commodoresの全アルバムの中でも最も完成度が高いと思われます。
EW&Fとは、比較されますが、彼らが、大所帯でさらにレコーディングには、大多数のミュージシャンを参加させているにに対し、Commodoresの方は、The Mean Machineというサポート・メンバーを要しているものの、基本的にはR&Bバンドのスタイルを貫いているようで・・・
特にこのアルバムと、同時期のEW&FのI Amを比べると、両者の相違は一目瞭然でしょう。
そして、Commodoresには、絶対的な存在として、Lionel Richie,Jr.
このアルバムではさらに際立ってきたのでした。・・・
Kenny Rogersは、Three Times A Ladyで、Lionel Richie, Jr.に興味を抱いたとのことですが、今回はカントリー・ナンバーともいえる Sail On
この後のKennyとLionelの強力なコラボと繋がっていくのでしょう。・・・
そして、Stillは、Three Times A Ladyに続いて、唯一無二といえるLionel Richie, Jr.の世界となったのでした。
そんなLionel Richieあってということも勿論ですが・・・
Commodoresは、この1979年辺りが頂点であった
そのように思っています。